花や葉の色を意識して作られる庭はカラーガーデンと呼ばれ、明るさだったり安らぎであったりと様々な雰囲気を感じさせてくれます。
それは花の色がもつ印象や花の組み合わせがもたらす印象等から起因しますが、美しい花色もごちゃごちゃに混ぜてしまうとチグハグな印象を与えたり、悪くすると汚らしく感じさせる事もあります。
花色を綺麗に組み合わせるのはそこまで難しくありません。カラーサークルを利用して、花同士が引き立て合う色を選び、またお庭の雰囲気をどうしたいかで花色を選択してあげるのもいいでしょう。
単色の花で作る花壇や寄せ植え
色の組み合わせで作る花壇や寄せ植え
☆暖色系と寒色系
1.暖色系
暖色は一般に赤色/オレンジ色/黄色等の暖かみのある色のことをさしており、庭に明るさや元気な印象を与える効果があります。また暖色系は進出色とも呼ばれ、違う花が同じ距離にあってもより近くに感じたり広く感じさせる効果をもっています。
2.寒色系
寒色系は一般に青緑/青/青紫等のクールな色の事をさしており、庭に落ち着きやエレガントな印象を与える効果をもちます。また寒色系は後退色とも呼ばれ、違う花が同じ距離にあってもより遠くに感じたり小さく感じさせる効果をもっています。
3.暖色と寒色
小さなスペースのお庭でも暖色と寒色を組み合わせる事で、奥行きを感じれる庭にすることが出来ます。より近く大きく見せる暖色系の花を手前に配置し、より遠くに感じる寒色系の花を奥に配置します。そうする事で、実際のスペースよりも奥行きを感じるお庭になります。
☆同系色の組み合わせ
同系色は隣合う色や近い色で作る組み合わせです。人は普段見慣れた配色には調和を覚え、見慣れない配色を見ると違和感を感じてしまいます。同系色の組み合わせは調和が取りやすく失敗の少ない色選び方法です。グラデーション(徐々に色を変化)を付けるように植栽すると美しい花壇や寄せ植えになります。
●●● [赤+橙+黄] 明るく元気色 | ●●● [赤紫+桃+赤] ポップで可愛い色 |
●●● [黄緑+黄+橙] フレッシュな子供色 | ●● [黄+茶] 若々しい大人色 |
●●● [青+紫] エレガントな大人色 | ●● [青+水色] 涼やかで落ち着く色 |
☆反対色(補色)の組み合わせ
反対色もしくは補色は、カラーサークルでは真逆に位置する色です。お互いの色を最も色鮮やかに引き立て、花壇や寄せ植えで使うと元気でPOPな印象を与えることが出来ます。
同系色の組み合わせと比べるとやや難しい方法です。主役の花を多めにしてアクセントとして反対色を使ったり、色を多様せず2色に絞る等する事で失敗を減らすことが出来ます。
●● 強調される甘さ |
☆パステルカラーの組み合わせ
パステルカラーは明度が高く彩度の低い色(白が多く混ざる)をしており、カラーサークルでは中心部の色になります。淡く優しい色合いは、配色により涼しさやスウィートな印象を花壇や寄せ植え等に与えます。またパステルカラーは膨張色と呼ばれ、目の錯覚で本来の物の大きさより大きく近くに見せる効果があります。パステルの花は近くに置くと最も美しく見えますが、わざと奥に並べる事で本来より横に広く大きな庭(奥行は近くなる)に感じさせる事もできます。
注意したい事は直射日光が当たる場所に置くとやや色褪せた印象になってしまい、パステルの特徴をいかすことができないかもしれません。直射日光の当たらない明るい場所におくと色が映えるでしょう。
●●● ロマンチック | ●●● 甘いお菓子色 |
●●● 可愛らしい子供色 | ●●● あどけない |
☆ダークカラーの組み合わせ
ダークカラーはパステルカラーとは反対に純色に黒や灰色を混ぜた明度の低い色です。重厚で男性的な色合いをしており、高級感も漂わせます。花壇や寄せ植えに使うと落ち着いた雰囲気の庭になるでしょう。
ダークカラーは後退色や収縮色と呼ばれ、本来より植物を小さく見せたり遠くに感じさせる働きがあります。花壇では奥に植栽することで奥行を感じさせる効果をもちます
●●● エレガントな女性色 | ●●● 眠りを誘う深い森の癒し |
その他の色の組み合わせ
☆セパレーション効果
セパレーションは色同士の個性が強過ぎる時に色同士が喧嘩をしない様にセパレーションカラーを入れ調和させたり、明度が高い色同士が近くにありぼんやりした印象にある時にセパレーションカラーを入れる事で色同士をはっきり見せる技術です。セパレーションカラーは一般に白色や黒色等で、色を分離して配色効果を高めたり調和や落ち着きを与えます。
☆レピテーション効果
レピテーションは繰り返すという意味をもち、一見違和感を感じる様な2色以上の配色を一定の秩序の元で繰り返し使う事でデザインの形と調和をもたらす技術です。
庭の色選びまとめ
単色の庭は作りたいイメージでカラーを選ぶ!!
色の組み合わせは同系色か反対色でまとめると失敗が少ない。最初から色を混ぜすぎると失敗の元。
色使いに慣れてきたらセパレーション効果やレピテーション効果にも挑戦してみよう。 |