植物に水やりをする時に最も大切な事は「水やりを忘れない」と「土壌の状態を把握」する事です。
植物が枯れる原因として最も多く考えられるのが水のやり忘れです。天気のいい休みの日の午後に植物の状態を見ながら水やりを行うのは至福の一時になりますが、毎日10分から20分の時間を忙しい合間に水やりに使うのはなかなかハードなためつい忘れてしまう事があります。
また夏の暑い時期でも長雨の後は暫く土壌は湿りジメジメとしています。この様な時に水やり等をすると多湿になり根腐れや病気を招き植物が枯れてしまう事があります。
自動灌水やマルチングを行い水やりを楽にする方法を考えたり、天気や土壌の状態をしっかり見て水やりを行う事が大切になるでしょう。
1.水やりは午前中に行う
太陽が登り植物が活動を始めると、呼吸による蒸散や光合成による糖の合成のため、植物は水をたくさん必要とします。「朝に水やりをしておき植物が1日を通して水を利用出来る」ようにしておきましょう。
また朝に水を必要とする一方で、夕方以降は植物の呼吸は緩やかになり、光合成を行わないため水を殆ど必要としなくなります。さらに「夕方以降に水をやると、なかな乾かないため病気を助長し、余分な水が植物を軟弱に成長させます。」そのため普段の水やりは必ず朝に行いましょう。
夏の水やりは朝と夕方
一方で暑く乾燥しやすい「夏の時期は朝と夕の2回の水やりが必要」になる事があります。30度を超える熱は植物体をあたため、植物体を冷やそうと蒸散を増やして水を大気中に放出します。そのため植物は水を大量に必要とし朝の水やり1回では足りない事があるためです。
また夕方に水やりをする事は水不足による萎れ(短期間の萎れであれば植物に害はなく根張りがしっかりとします)を解消すると同時に、日中の暑さで体温の上がった植物体を冷やす働きもあります。
2.季節に合わせた水やりを行う
春夏秋冬、季節に応じて植物は必要とする水の量が違います。
特に夏は最も気を使って水やりが必要な季節です。普段なら1回でいい水やりも「夏は朝と夕の2回の水やりが必要」になるでしょう。また「水の量もたっぷりと上げて土中を冷やして上げる」必要があり、中途半端に水を与えると土中の熱で水が温められお湯で根を傷める原因にもなります。
一方で「冬は多くの植物が休眠に入り水を殆ど必要としない」上に、水の与えすぎは植物の耐寒性を下げる事になるため、水やりの頻度が大きく下がります。
3.土が乾燥してから水やりを行う
土壌がしっかり乾燥してから水やりをする事で植物は「水を求めて根張りを行う」ようになり乾燥に強い丈夫な株に育ちます。
しかし土が乾かないうちに水やりをしていると、根は浅い所ばかりにはり葉ばかり茂る様になります。この様な株は乾燥に弱く茎葉ばかりが成長した軟弱な株に育ちます。
また土壌が多湿状態では酸素が少なくなり根腐れを起こしやすくなります。さらに水浸しの土壌では、真菌が遊走子となり根や葉裏の気功などから侵入して病気を引き起こしやすくなります。
植物を丈夫に育て、病気を予防する為にも必ず土の乾燥を確認してから水遣りをしましょう。
土の乾燥を確認する方法
- 指を土の中に3~5cm突き刺して濡れていないか確認する
- 割り箸を土の中に突き刺して濡れていないか確認する
- 土を手に取り乾燥具合を見る濡れていると固まりやすい
- 土の色が明るめで見た目から乾燥している
- 水分計を使う
4.一度に与える水の量はたっぷりと
植物にたっぷりの水を与える事は「新鮮な酸素を土中に送り込み」また「水分と養分の入れ替え」に繋がります。
一方で少ない水の量のしか与えないと、土表面しか水で濡れず「根に届く前に大切な水が蒸発」してしまいます。またこれを続けると肥料の養分が土壌にたまってしまい「塩類の蓄積に繋がってしまう」恐れもあります。
水をたっぷり与える事は、乾燥による萎れを防ぐだけでなく酸素を土中に送り、塩類蓄積を防ぐなど様々な働きがあるのです。
5.水は株元に優しく与える
水やりを株元に優しく行うべき理由は「病気予防のため」です。
強い散水や降雨によって土壌の泥が跳ね、葉裏にたっぷり泥水を付くと土壌にいる微生物等も一緒に付着します。その中には植物を病気にする病原菌も存在しており、葉に付いた水滴の中で遊走子になり気功から侵入して植物を病気にしてしまいます。
泥はねを防ぎながら株元に水やりをするコツとして「バークチップ等でマルチング」する方法や「点滴冠水」を行う方法等があります。どちらも泥はね以外にもメリットが多いので、是非活用しましょう。
6.灌水システムで時間と水量の節約
晴れた日の午前、時間のたっぷりある時に植物の状態を見ながら水やりをするのは至福の時間です。しかし実際は毎日時間に追われながら水やりのために10分~20分の時間をとるのはなかなか苦行であり、つい水やりを忘れてしまい植物を枯らせてしまうかもしれません。
その様な場合は自動灌水装置を庭やプランターに巡らせておけば、自動で毎日水やりをしてくれて負担を減らすことができます。また自動灌水装置が故障した時の事を考えて自動装置は付けずに灌水装置だけを設置して、ホースを繋いで蛇口を捻れば水やりを行うようにしておくだけでも負担は大きく軽減されるでしょう。
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 4mmの灌水ホースを繋ぐためジョイント、5本に分岐しておりそれぞれ4mmの灌水ホースが繋げられます。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | ジョイントに繋げて目的の場所まで送水するためのホース、ハサミ等で切って使用する。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 4mmのホースをジョイントするための道具、4分岐しておりプランターの水やりのためにホースを増やす時に便利、使わない部分は蓋をしておく事が出来る。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 長さ5mのホースで30cm毎に点滴タイプの水が出る。花壇の水やりに便利で水道代の節約にも繋がる。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 柔らかタイプの散水スプリンクラー、プランターの水やりに向いており、上部のネジを開ける事で水流の強さが調整出来ます。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | ミストタイプの灌水装置、ネジを閉めることで水の勢いを調節する事が出来ます。挿木やプランターの水やり、葉裏に散水する事でハダニ対策にも使えます。 |
7.植物毎に違う水の要求量
植物はそれぞれに求める水分量が異なりますが、それは植物の故郷や原生地の環境に適応するために、乾燥や多湿に適応していったためです。
特に乾燥に適応して育った多肉植物は葉や茎に水を溜め込んでおり、炎天下でも水を逃がさないために気功を閉じる等して対応しています。また植物によっては数年水をしなくても生き延びりものもあるようです。一方で根が浅い植物は乾燥に弱いため水やりの頻度が上がってきます。植物毎の特性を調べ水やりの方法を変えてあげる事はとても大切です。
8.土壌の改善(番外編)
いくらきちんと水やりをしても土壌が粘土質だったり砂土だったりすると、植物は上手く育たたずに病気になったり栄養不足や水不足に陥ったりします。土壌の改善を行い植物に必要な水が必要な時に行き渡るようにしましょう。
植物が健康に育つ土に必要な条件
- 作土層を柔らかくする
- 作土層の石を取り除く
- 土質を診断して壌土に改善
- PHとECを改善
- 腐葉土等を入れ団粒構造の土づくり
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