- 原産:コーカサス地方/トルコ/イラン
- 科:キク(asteraceae)
- 属:ヤグルマギク/セントレーア(Centaurea)
- 種:チェイランシフォリア(cheiranthifolia)
- 別名:
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~50cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
セントレーア(チェイランシフォリア)とは!?
セントレーア(チェイランシフォリア)は学名Centaurea cheiranthifolia、コーカサス地方およびトルコ、イランが原産の多年草です。
セントレーア(チェイランシフォリア)の語源(由来)
- 属名のCentaureaは、ギリシャ神話に出てくるケンタウロスに由来しており、ケンタウロスは古代ギリシャ語で「Κένταυρος」になり、ラテン語で「Centaurus」になります。
- 伝承によると、ケンタウロスのカイロンは、ヘラクレスの矢に射抜かれて怪我をした時に、ヤグルマギクで作られた傷薬もしくは湿布を使って傷を覆い、傷が治癒したと言われています。
- 種小名のcheiranthifoliaは「Cheiranthus」の外観をもった「葉」を意味します。
セントレーア(チェイランシフォリア)の特徴(魅力)
- セントレーア(チェイランシフォリア)は夏に開花する花を鑑賞する目的で育てられる多年生の植物です。
- 花はアザミを連想させる様な個性的な花の形をしており、白色(クリーム色)の筒状花のみで構成されています。
- 中央の筒状花からは紫色の雄蕊が突出しており白色と紫色の2色の花色が上品な雰囲気をつくります。
セントレーア(チェイランシフォリア)の草丈は約30(~50)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、茎はやや曲がりながら直立します。葉序は根生葉と互生葉序、葉色は緑色、葉身は狭楕円形もしくは披針形です。花序は頭状花序、白色(~黄色)の筒状花のみで構成されています。外周の筒状花(舌状花)は横に向かって広がり、大きく先端が強く裂けており、内部に雄蕊と雌蕊がなく不稔性(種を作らない)です。中央の筒状花小さく直立していて、紫色の葯がある雄蕊と雌蕊があり稔性(種を作る)です。花序の基部には卵形の苞葉があります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
セントレーア(チェイランシフォリア)の園芸品種の紹介
ヤグルマギク(セントレーア)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヤグルマギク(セントレーア)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
セントレーア(チェイランシフォリア)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
セントレーア(チェイランシフォリア)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
セントレーア(チェイランシフォリア)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌のPH
セントレーア(チェイランシフォリア)は土壌のPH6.5~7.5の間を好みます。PHが低すぎると生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
セントレーア(チェイランシフォリア)は通気性と排水性がよく適度に肥沃な砂壌土を好みます。水捌けの悪い粘土質な土壌では根腐れや真菌性の病気にかかりやすくなるため注意が必要です。また肥沃すぎる過ぎる土壌でも草姿が乱れ倒伏しやすくなるため注意が必要です。そのため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
セントレーア(チェイランシフォリア)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
セントレーア(チェイランシフォリア)は培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
セントレーア(チェイランシフォリア)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
セントレーア(チェイランシフォリア)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
セントレーア(チェイランシフォリア)は栄養の少ない土壌でも問題なく育ち、基本的には肥料を必要としません。肥料の与えすぎは、花が少なくなったり、草姿が乱れ株が倒伏しやすくなる可能性があります。そのため肥料の与え方には注意が必要です。
地植えする場合は、極端に栄養の乏しい土壌でない限りは肥料不要です。鉢植えで育てる場合は2週間に一度の頻度で水やりの際に液肥を与えましょう。
剪定のやり方
セントレーア(チェイランシフォリア)は剪定せずに育てる事も出来ますが、摘芯する事で茎の分枝を促してふさふさとした草姿を作ったり、花がら摘みを行うことで次の花の開花を促したりする事が出来ます。
摘芯
セントレーア(チェイランシフォリア)の摘芯は必ず必要な作業ではありませんが、春の成長時期に摘芯することで、茎の数が増えて密度の高いコンパクトな草姿を作ったり、花の数を増やしたりすることが出来ます。ただし摘芯する事で開花が遅れたり、茎の長さが短くなり切り花に使いにくくなるかもしれません。目的に合わせておこないましょう。
摘芯のやり方は、植物が勢いよく成長する早春に茎の成長点を指で摘みとり分枝を促すだけです。
花がら摘み
セントレーア(チェイランシフォリア)の種を採らない場合は花がら摘みを行いましょう。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、こぼれ種により雑草化したり、種の生成のためにエネルギーが使われて株が弱り寿命が短くなったり、蕾にエネルギーが送られずに開花が進まなかったりするからです。開花を促進するためには、こまめな花がら摘みが重要です。
花がら摘みのやり方は花が終わったら葉の上で切り戻し剪定をおこないます。
夏越しする方法
セントレーア(チェイランシフォリア)は夏の暑さに耐えますが、ジメジメとした多湿を苦手にしており、特に高温多湿環境では生育不良を引き起こしやすくなります。そのため必要に応じて夏越し対策をおこないましょう。
セントレーア(チェイランシフォリア)の夏越し対策
- 高温多湿になる場所を避けて管理しましょう。
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動して、地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てるといいでしょう。
- 土壌の土質が粘土質だったり腐植が多い場合は、植え付けの前にパーライトや川砂などを混ぜて土壌改善を行っておきましょう。
- 周辺より高い場所に植え付けを行うと土壌の排水性が高くなり、水分が停滞しにくくなります。
- 空気の流れの良い場所で管理しましょう。周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。
- 複合的なストレス(日差し・暑さ・乾燥)がかかる環境は避けましょう。
- 一日中日向にある植物は【午後からの暑さ・強い日差し・乾燥】の複合ストレスを強く受け植物へのダメージが酷くなる傾向にあります。鉢植えで育てている場合は午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような環境に移動しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
セントレーア(チェイランシフォリア)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
挿し木や株分けで増やす
セントレーア(チェイランシフォリア)の株分け手順
- セントレーア(チェイランシフォリア)の株分け時期は春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 根茎に数個の芽をつけるようにしてナイフやハサミ等を使い切り分けます。
- 株分けしたらそれぞれの株を植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
セントレーア(チェイランシフォリア)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7日
発芽条件:
- 種を撒く時期は、暖地では秋、強い霜の降りる地域では春です。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
- 発芽して本葉が5~7枚出たらポット苗を定植しましょう。
植物の病気
セントレーア(チェイランシフォリア)の病気
- 立枯病
- 菌核病
- 白絹病
セントレーア(チェイランシフォリア)の害虫
- アブラムシ
- スリップス
- ヨトウムシ