ルイヨウショウマ属(アクタエア属)は約32種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは2種類の原種と、いくつかの園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ルイヨウショウマ属(アクタエア属)の簡易比較

学名:Actaea simplex
生活形:多年草
草丈:約40~150cm
開花:8月~11月
花色:白色
葉色:緑色・茶色・暗紫色・黒色
生育型:叢生型
備考:本種は日本の森林の林床にも自生している植物です。主な魅力は、細長く伸びるボトルブラシを想像させる花穂や、レースを見てるようなお洒落な葉の形、いくつかの品種で見られる茶色や暗紫色の美しい葉色にあります。夏から秋にかけて開花する花穂は、花弁・萼片が極小さく早落性で、雄蕊が長く突出するため、ブラシや尻尾を想像させるような外観を呈し、甘い芳香を放ちます。そのため、この花を鑑賞する目的で栽培されることも多いです。また1枚の葉は2~3回3出複葉し、複数の小葉で構成されているため、レースのようなお洒落な外観を呈し、根生葉が広がり地表を覆うため地被植物としても利用できます。また園芸品種が豊富で、特に葉の色が多様で、基本は緑色ですが、アンティークな印象を添える茶色や、シックで落ち着いた雰囲気を添える暗紫色や黒色がありカラーリーフとして楽しめる点も魅力です。本種は日本を含む東アジアが原産ですが、基本的に冷涼な環境を好みます。そのため、冬の寒さには強いですが、夏の高温や乾燥を少し苦手です。

学名:Actaea pachypoda
生活形:多年草
草丈:約50~100cm
開花:5月~6月
果実時期:7月~11月
花色:白色
果実色:白色・赤色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:本種の魅力は、白色の果実(液果)と赤色の果柄が作り出す珊瑚を想像させる独特な色彩にあり、また海外では白色の果実の先端に黒色の柱頭の痕が残ることからドールズアイとも呼ばれています。晩春から初夏にかけて開花する花穂は、花弁・萼片が極小さく早落性で、雄蕊が長く突出するため、ブラシや尻尾を想像させるような外観を呈し、夏から秋に果実が実ります。この果実は、装飾性は高いですが有毒成分を含有し、摂取する量によっては死に至る事もあるため注意が必要となります。1枚の葉は長さが約20~40cmあり、横に広がるため薮のような外観になりやすく、また2~3回3出複葉し、複数の小葉で構成されているため、レースのようなお洒落な外観を呈します。
■ルイヨウショウマ属(アクタエア属)の主な種と園芸品種の紹介
サラシナショウマ

サラシナショウマとは!
サラシナショウマ(学名: Actaea simplex)は、同義語でキミキフガ・シンプレックス(学名:Cimicifuga simplex)と呼ばれ、また別名で「ヤマショウマ」「ヤサイショウマ」「クロショウマ」「アクタエア・シンプレックス」「バネベリー(baneberry)」とも呼ばれキンポウゲ科ルイヨウショウマ属に分類される多年草です。
サラシナショウマの原産地は日本、朝鮮半島、中国、ロシア、モンゴルで、自生地は森林の林床と林縁に見られます。
サラシナショウマの特徴
- サラシナショウマの魅力:本種は日本の森林の林床にも自生している植物です。主な魅力は、細長く伸びるボトルブラシを想像させる花穂や、レースを見てるようなお洒落な葉の形、いくつかの品種で見られる茶色や暗紫色の美しい葉色にあります。夏から秋にかけて開花する花穂は、花弁・萼片が極小さく早落性で、雄蕊が長く突出するため、ブラシや尻尾を想像させるような外観を呈し、甘い芳香を放ちます。そのため、この花を鑑賞する目的で栽培されることも多いです。また1枚の葉は2~3回3出複葉し、複数の小葉で構成されているため、レースのようなお洒落な外観を呈し、根生葉が広がり地表を覆うため地被植物としても利用できます。また園芸品種が豊富で、特に葉の色が多様で、基本は緑色ですが、アンティークな印象を添える茶色や、シックで落ち着いた雰囲気を添える暗紫色や黒色がありカラーリーフとして楽しめる点も魅力です。本種は日本を含む東アジアが原産ですが、基本的に冷涼な環境を好みます。そのため、冬の寒さには強いですが、夏の高温や乾燥を少し苦手です。
- 草姿:草丈は約40~150cm、生育型は叢生型で、地中にある根茎から複数の直立茎と根生葉を出し、 草姿は株の根元で葉が茂り茎が何本も伸びる群生を形成します。
- 葉の特徴:葉は茎葉と根生葉の2種類があり、葉序は互生葉序です。
- 葉の形は2回3出複葉または3回3出複葉を呈し、小葉は楕円形・卵形・披針形をしている。葉の色は基本的に緑色ですが、園芸品種の中には茶色や暗紫色や黒色もあるため、開花期以外もカラーリーフとして楽しめます。
- 花の特徴:開花期は8月~11月頃、花序は細長く伸びる円柱形の総状花序です。花は花柄に支えられ、花托・萼(萼片)・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されていますが、萼片と花弁は極小さく早落性があるため目立たず、一般的に鑑賞される部分は雄蕊の部分になります。1個の花には多数の雄蕊があり、花冠から長く突出して白いため、花穂全体を見るとボトルブラシのような外観となります。また、花にはバニラなどに例えられる甘く独特な芳香があります。
- 地被植物:サラシナショウマは、根茎で広がり叢生して、根生葉が地表を覆うように広がります。そのため、ややボリューム感のある地被植物として利用する事が可能です。本種は耐陰性が高いため、樹木の下草などに利用するのにおすすめです。また耐踏圧性はないため、植物を踏む心配がない小道の脇や花壇の縁取りなどに利用すると良いでしょう。注意点として、冬になると地上部が枯れて休眠し、土が剥き出しになるため、冬の間も地表を植物で覆いたい場合には本種は向きません。
- シェードガーデン:サラシナショウマは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
- 食用:サラシナショウマは、サラシナの部分が若芽を水に「さらし」て山菜として食べていたことに由来していることからも分かる通り食用とされます。新鮮な若芽または若葉を茹で、水でさらし、お浸しや和え物にして食べられます。
サラシナショウマの園芸品種の紹介
アトロプルプレア

学名:Actaea simplex ‘atropurpurea’
花の色:白色
葉の色:黒色・暗紫色
草丈:50~150cm
備考:サラシナショウマの園芸グループで、茎や葉の色が黒色または暗紫色や茶色をしています。そのため、主にカラーリーフとして楽しまれる品種です。
ピンクスパイク

学名:Actaea simplex ‘pink spike’
花の色:淡い桃色・白色
葉の色:暗紫色・茶色
草丈:約50~150cm
備考:花の色が淡い桃色を呈し、可愛らしさを感じさせる品種です。また葉の色も暗紫色から茶色をしているため、開花期以外もカラーリーフとして楽しめます。
ブルネット
学名:Actaea simplex ‘brunette’
花の色:白色
葉の色:黒色・暗紫色
草丈:約50~120cm
備考:茎や葉の色が黒色または暗紫色をしていて、重厚的でシックな印象を添えるカラーリーフとしてたのしめます。花は蕾が紫色を呈し、白色の花が咲きます。
アクタエア・パキポダ

アクタエア・パキポダとは!
アクタエア・パキポダ(学名: Actaea pachypoda)は、別名で「ドールズアイ(doll’s eyes)」「ホワイト ベインベリー(white baneberry)」とも呼ばれるキンポウゲ科ルイヨウショウマ属に分類される多年草です。
アクタエア・パキポダの原産地はアメリカ合衆国とカナダで、自生地は森林の林床と斜面などに見られます。
アクタエア・パキポダの特徴
- アクタエア・パキポダの魅力:本種の魅力は、白色の果実(液果)と赤色の果柄が作り出す珊瑚を想像させる独特な色彩にあり、また海外では白色の果実の先端に黒色の柱頭の痕が残ることからドールズアイとも呼ばれています。晩春から初夏にかけて開花する花穂は、花弁・萼片が極小さく早落性で、雄蕊が長く突出するため、ブラシや尻尾を想像させるような外観を呈し、夏から秋に果実が実ります。この果実は、装飾性は高いですが有毒成分を含有し、摂取する量によっては死に至る事もあるため注意が必要となります。1枚の葉は長さが約20~40cmあり、横に広がるため薮のような外観になりやすく、また2~3回3出複葉し、複数の小葉で構成されているため、レースのようなお洒落な外観を呈します。
- 草姿:草丈は約50~100cm、生育型は叢生型で、地中にある根茎から複数の直立茎を出し、 草姿は薮のような繁茂した群生を形成します。
- 葉の特徴:葉序は互生葉序、葉身の長さは約20~40cm、葉の向きは横に広がる、葉身の概形は2回3出複葉または3回3出複葉を呈し、小葉は楕円形・卵形・披針形で、葉縁部に鋸歯または重鋸歯があり、葉の色は緑色です。本種は葉が大きく、横に大きく広がるため薮のような印象を与えやすいです。
- 花の特徴:開花期は5月~6月頃、花序は細長く伸びる円柱形の総状花序です。花は花柄に支えられ、花托・萼(萼片)・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されていますが、萼片と花弁は極小さく早落性があるため目立たず、一般的に鑑賞される部分は雄蕊の部分になります。1個の花には多数の雄蕊があり、花冠から長く突出して白いため、花穂全体を見るとボトルブラシのような外観となります。
- 果実の特徴:果実時期は7月~11月、果柄は鮮やかな赤色から桃色を呈し、果実は液果で球形を呈し、色は白色もしくは赤色で、先端部に黒色の柱頭の痕が残ります。
- シェードガーデン:アクタエア・パキポダは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
アクタエア・パキポダの園芸品種の紹介