スイセンは属の中に約108種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、1つの花茎に沢山の花が咲きボリュームある花を咲かせるフサザキスイセン、花中央にある副花冠がラッパの様に大きく個性的な花姿をしているラッパスイセン、花の中央にある副花冠がキスをしている様な花姿にもみえるクチベニズイセン等が親しまれています。
スイセン属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
スイセンの主な種の目次 | |
![]() 開花時期:12月~5月(主に3月~4月) | ![]() 開花時期:3月~4月 |
![]() 開花時期:3月~4月 | ![]() 開花時期:3月~5月 |
![]() 開花時期:12月~3月 | ![]() 開花時期:2月~4月 |
![]() 開花時期:3月~5月 | ![]() 開花時期:3月~5月 | ![]() 開花時期:3月~5月 |
![]() 開花時期:12月~5月(主に3月~4月) | ![]() 開花時期:3月~4月 | ![]() 開花時期:1月~3月(主に2月) |
![]() 開花時期:3月~5月 | ![]() 開花時期:2月~5月(主に3月~4月) | ![]() 開花時期:1月~3月(主に2月) |
原産:西アジア/東ヨーロッパ/北アフリカ
学名:Narcissus tazetta
草丈:約15~45cm
分類:多年草
開花時期:12月~5月(主に3月~4月)
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:2月20日
花言葉:「思い出」「記念」
特徴:フサザキスイセンは学名Narcissus tazetta、別名「ペパーホワイト(paperwhite)」や「クリーム・ナルキッソス(cream narcissus)」等とも呼ばれる西アジアおよび東ヨーロッパ、北アフリカが原産の多年草です。
フサザキスイセンの語源(由来)
- 属名のナルキッソス(Narcissus)はギリシア神話に登場するナルキッソスに由来しており、古代ギリシア語の「νάρκισσος(nárkissos)」からきています。
- ↳伝承によると、女神ネメシスによる罰により自分しか愛せなくなったナルキッソスは、泉の水面にうつる美しい少年(自分)に恋をしてしまい泉から離れられなくなりました。自分に恋をするナルキッソスは寝食を忘れたため徐々に痩せ細り死んだと言われており、また一説には水面にうつる自分にキスをしようとして泉に落ちて水死したともいわれています。どちらにしてもナルキッソスが死んだ場所からはスイセンの花が咲き、この伝承からスイセンはナルキッソスと呼ばれています。
- 種小名のtazettaはイタリア語で「小さなコーヒー茶碗」を意味しており副花冠に由来しています。
- 和名のフサザキスイセンは1つの花茎に房状に沢山の花が咲く事に由来しています。
フサザキスイセンの特徴(魅力)
- フサザキスイセンは名前からも分かる通り1つの花茎に房状に沢山の花を咲かせます
- ↳そのため花はボリュームがあり華やかな見た目をしています
- 花は花被片が水平からやや反り気味になっており
- ↳副花冠は花被片と比べて遥かに短く
- ↳副花冠の中には目立つ黄色の雄蕊が3つあります
- 花はスイセン特有のフローラルな香りがあり
- ↳南フランスでは精油を抽質するために栽培されています
- フサザキスイセンの花は切り花としても魅力があり
- ↳花瓶の中で約7日間花持ちします
- 夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で
- ↳基本的に放ったらかしで育てる事が出来ます
フサザキスイセンは地面下に淡褐色の直径3~6cmの球根(鱗茎)をもちます。葉は全て球根から出る根生葉で3~4個つき、葉色は灰みがかる緑色、葉の形は扁平で線形をしており長さ約25(~35)cmと幅約0.8(~1.5)cm、花茎と同様に直立します。花は最大45cmまで伸びる花茎の頂部に約8個の花を散形花序に付け、個々の花は直径約3~4cmで花被片が6個と中央に花被片より遥かに短い筒状の副花冠があり、また6個(3個は長い)の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は晩冬から春、花色は白色と黄色、個々の花は6個の花被片と筒状の副花冠からなり、花序は茎の頂部に花が集まり散歩形花序に花を咲かせます。草姿は直立で高さ約20(40)cm × 幅は約15(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は根生葉につきます。
フサザキスイセンの毒性(既知の危険性)
フサザキスイセンは球根や葉にリコリンや他アルカロイドを含んでいるため、人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。間違えて摂取した場合は、嘔吐・悪心・下痢・発汗・頭痛・昏睡等の症状を引き起こす可能性があり、さらに多量に摂取した場合は死亡する事もあります。そのため、フサザキスイセンは食べられません。
フサザキスイセンの切り花の楽しみ方
- フサザキスイセンの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- フサザキスイセンの収穫は蕾が開きかけ花の色付きが確認出来たタイミング以降で行いましょう。
- ↳収穫する際は粘液に触ると被れる事もあるため注意が必要です。触ったら手を洗いましょう。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行いましょう。
- ↳水切りが終わったら粘液を洗い流して花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは5~7日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
フサザキスイセンの栽培
園芸では、スラリと伸びる花茎に咲く上品な花を鑑賞する目的で育てられたり、切り花として利用する目的で育てられたりします。落葉樹の下や植え込み等の日当たりのよい場所を中心に植えられる事が多く、また強健で放ったらでも育つ性質から隅っこの方に植えられる事もあります。
フサザキスイセンを育てる際に注意する事は基本的にありません。花をしっかり咲かせる場合は秋にリンが多めの緩効性肥料を与えた方がいいですが、基本的には低メンテナンスで育てられます。また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫なため放ったらかしでも大丈夫です。
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原産:ポルトガル/スペイン
学名:Narcissus jonquilla
草丈:約15~30cm
分類:多年草
開花時期:3月~4月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:1月2日
花言葉:「私の愛にこたえて」
特徴:キズイセンは学名Narcissus jonquilla、別名「ジョンキル(jonquil)」や「ラッシュ・ダッフォディル(rush daffodil)」とも呼ばれる、ポルトガルおよびスペイン原産の多年草です。
キズイセンの語源(由来)
- 属名のナルキッソス(Narcissus)はギリシア神話に登場するナルキッソスに由来しており、古代ギリシア語の「νάρκισσος(nárkissos)」からきています。
- ↳伝承によると、女神ネメシスによる罰により自分しか愛せなくなったナルキッソスは、泉の水面にうつる美しい少年(自分)に恋をしてしまい泉から離れられなくなりました。自分に恋をするナルキッソスは寝食を忘れたため徐々に痩せ細り死んだと言われており、また一説には水面にうつる自分にキスをしようとして泉に落ちて水死したともいわれています。どちらにしてもナルキッソスが死んだ場所からはスイセンの花が咲き、この伝承からスイセンはナルキッソスと呼ばれています。
- 種小名のjonquillaは「イグサ」を意味する「Juncus」からきており、葉がイグサに似て細長い事に由来しています。
- 和名キズイセンの由来は黄色の花色からきています。
キズイセンの特徴(魅力)
- キズイセンにはスイセン特有の甘辛いフローラルな香りがあります
- ↳花からは精油(narcissus oil)が抽質されて香水等に利用されています
- 和名からも分かる通り色鮮やかな黄色の花を咲かせますが
- ↳園芸品種の中には白花もあります
- 花中央にある筒状の副花冠は短めです
- キズイセンの花は切り花としても魅力があり
- ↳花瓶の中で約7日間花持ちします
- 夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で
- ↳基本的に放ったらかしで育てる事が出来ます
キズイセンは地面下に褐色の球根(鱗茎)をもちます。葉は全て球根から出る根生葉で、葉色は艶消しされた様な緑色、葉の形は細長い線形で長さ約10~30cmあり、花茎と同様に直立します。花は最大30cmまで伸びる花茎の頂部に1~5個の花を付け、個々の花は直径約3~4cmで平開する6個の花被片と中央に筒状の副花冠をもち、6個の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は早春から春、花色は黄色もしくは白色、個々の花は直径約3~4cmで6個の花被片と筒状の副花冠からなり、花序は茎の頂部に1~5個の花を咲かせます。草姿は直立で高さ約15(30)cm × 幅は約15(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は根生葉につきます。
キズイセンの毒性(既知の危険性)
キズイセンは球根や葉にリコリンや他アルカロイドを含んでいるため、人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。間違えて摂取した場合は、嘔吐・悪心・下痢・発汗・頭痛・昏睡等の症状を引き起こす可能性があり、さらに多量に摂取した場合は死亡する事もあります。そのため、キズイセンは食べられません。
キズイセンの切り花の楽しみ方
- キズイセンの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- キズイセンの収穫は蕾が開きかけ花の色付きが確認出来たタイミング以降で行いましょう。
- ↳収穫する際は粘液に触ると被れる事もあるため注意が必要です。触ったら手を洗いましょう。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行いましょう。
- ↳水切りが終わったら粘液を洗い流して花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは5~7日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
キズイセンの栽培
園芸では、スラリと伸びる花茎に咲く上品な花を鑑賞する目的で育てられたり、切り花として利用する目的で育てられたりします。落葉樹の下や植え込み等の日当たりのよい場所を中心に植えられる事が多く、また強健で放ったらでも育つ性質から隅っこの方に植えられる事もあります。
キズイセンを育てる際に注意する事は基本的にありません。花をしっかり咲かせる場合は秋にリンが多めの緩効性肥料を与えた方がいいですが、基本的には低メンテナンスで育てられます。また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫なため放ったらかしでも大丈夫です。
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原産:ヨーロッパ
学名:Narcissus pseudonarcissus
草丈:約20~40cm
分類:多年草
開花時期:3月~4月
花色:黄色●橙色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:1月13日/2月9日/3月1日
花言葉:「尊敬」「自尊」「心遣い」
特徴:ラッパスイセンは学名Narcissus pseudonarcissus、別名「ワイルド・スイセン(wild daffodil)」や「トランペット・スイセン(Trumpet Daffodil)」等とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
ラッパスイセンの語源(由来)
- 属名のナルキッソス(Narcissus)はギリシア神話に登場するナルキッソスに由来しており、古代ギリシア語の「νάρκισσος(nárkissos)」からきています。
- ↳伝承によると、女神ネメシスによる罰により自分しか愛せなくなったナルキッソスは、泉の水面にうつる美しい少年(自分)に恋をしてしまい泉から離れられなくなりました。自分に恋をするナルキッソスは寝食を忘れたため徐々に痩せ細り死んだと言われており、また一説には水面にうつる自分にキスをしようとして泉に落ちて水死したともいわれています。どちらにしてもナルキッソスが死んだ場所からはスイセンの花が咲き、この伝承からスイセンはナルキッソスと呼ばれています。
- 和名のラッパスイセンの由来は副花冠がラッパの様に突き出る所からきており、またスイセンは中国語の水仙からきています。
ラッパスイセンの特徴(魅力)
- ラッパスイセンは名前からも分かる通り副花冠がラッパの様に突き出る個性的な花姿をしています
- ↳副花冠は通常花被片より長く「ラッパ咲き」に分類されます
- 花は花茎の先に一輪だけ咲き
- ↳スイセン特有の甘辛いフローラルな香りがあります
- ラッパスイセンの花は切り花としても魅力があり
- ↳花瓶の中で約7日間花持ちします
- 夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で
- ↳基本的に放ったらかしで育てる事が出来ます
- 増殖は基本分球で行われており
- ↳種から育てた場合は開花まで5~7年かかります
ラッパスイセンは地面下に淡褐色の球根(鱗茎)をもちます。葉は全て球根から出る根生葉で3~4個つき、葉色は灰みがかる緑色、葉の形は扁平で線形をしており、長さは約35cmと幅約1.2cm、花茎と同様に直立します。花は最大40cmまで伸びる花茎の頂部に1個の花を付け、個々の花は花被片が6個と中央に花被片より長い筒状の副花冠がある、また6個の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は早春から春、花色は黄色や橙色、白色があり、個々の花は6個の花被片と筒状の副花冠からなり、花序は茎の頂部に1個の花を単頂花序に咲かせます。草姿は直立で高さ約20(40)cm × 幅は約15(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は根生葉につきます。
ラッパスイセンの毒性(既知の危険性)
ラッパスイセンは球根や葉にリコリンや他アルカロイドを含んでいるため、人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。間違えて摂取した場合は、嘔吐・悪心・下痢・発汗・頭痛・昏睡等の症状を引き起こす可能性があり、さらに多量に摂取した場合は死亡する事もあります。そのため、ラッパスイセンは食べられません。
ラッパスイセンの切り花の楽しみ方
- ラッパスイセンの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- ラッパスイセンの収穫は蕾が開きかけ花の色付きが確認出来たタイミング以降で行いましょう。
- ↳収穫する際は粘液に触ると被れる事もあるため注意が必要です。触ったら手を洗いましょう。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行いましょう。
- ↳水切りが終わったら粘液を洗い流して花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは5~7日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
ラッパスイセンの栽培
園芸では、スラリと伸びる花茎に咲く上品な花を鑑賞する目的で育てられたり、切り花として利用する目的で育てられたりします。落葉樹の下や植え込み等の日当たりのよい場所を中心に植えられる事が多く、また強健で放ったらでも育つ性質から隅っこの方に植えられる事もあります。
ラッパスイセンを育てる際に注意する事は基本的にありません。花をしっかり咲かせる場合は秋にリンが多めの緩効性肥料を与えた方がいいですが、基本的には低メンテナンスで育てられます。また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫なため放ったらかしでも大丈夫です。
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原産:ヨーロッパ
学名:Narcissus poeticus
草丈:約20~40cm
分類:多年草
開花時期:3月~5月
花色:赤色●黄色●橙色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:12月30日/3月4日/4月3日
花言葉:「詩人の心」「素敵な装い」
特徴:クチベニズイセンは学名Narcissus poeticus、別名「ポエッツ・スイセン(poet’s daffodil)」や「ポエッツ・ナルキッソス(poet’s narcissus)」等とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
クチベニズイセンの語源(由来)
- 属名のナルキッソス(Narcissus)はギリシア神話に登場するナルキッソスに由来しており、古代ギリシア語の「νάρκισσος(nárkissos)」からきています。
- ↳伝承によると、女神ネメシスによる罰により自分しか愛せなくなったナルキッソスは、泉の水面にうつる美しい少年(自分)に恋をしてしまい泉から離れられなくなりました。自分に恋をするナルキッソスは寝食を忘れたため徐々に痩せ細り死んだと言われており、また一説には水面にうつる自分にキスをしようとして泉に落ちて水死したともいわれています。どちらにしてもナルキッソスが死んだ場所からはスイセンの花が咲き、この伝承からスイセンはナルキッソスと呼ばれています。
- 種小名のpoeticusは「詩」「詩人」を意味しており、古代から詩人によってスイセンにまつわる様々な神話が受け継がれ、スイセンの物語に影響を与えたことから名付けられています。
- ↳クチベニズイセンはナルキッソスが死んだ後に咲いたスイセンと言われています。また別の伝承では、ペルセポネがハデスによって冥界へと攫われる前に、友人と一緒に集めていたスイセンがクチベニズイセンと言われており、この伝承から習慣的に墓にそえる花となっています。
- クチベニズイセンの由来は、副花冠の縁部分にある赤色の縁どりが口紅に見える事からきており、またスイセンは中国名の水仙からきます。
- 英名のポエッツ・スイセン(poet’s daffodil)の由来は、香りがよく美しい花のクチベニズイセンが詩人(poet’s)に愛されて、伝承として古来から長く語り継がれてきた事からきています。
クチベニズイセンの特徴(魅力)
- クチベニズイセンはナルキッソスが泉の水面にうつる自分にキスをしようとして落ちた後に咲いた花として知られています
- ↳花の中央にある副花冠は唇の様な筒状の形をしており
- ↳副花冠の縁部分には口紅を連想させるハッキリとした赤色の縁どりがあります
- 花はスイセン特有のフローラルな香りがあり
- クチベニズイセンの花は切り花としても魅力があり
- ↳花瓶の中で約7日間花持ちします
- 夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で
- ↳基本的に放ったらかしで育てる事が出来ます
クチベニズイセンは地面下に褐色の球根(鱗茎)をもちます。葉は全て球根から出る根生葉で3~5個つき、葉色は灰みがかる緑色、葉の形は扁平で線形もしくは剣形をしており長さ約20(~40)cm、花茎と同様に直立します。花は最大40cmまで伸びる花茎の頂部に1個の花をつけ、個々の花は直径約3~5cmで白色の花被片が6個と中央に花被片より遥かに短い黄色(縁部分は赤色)の筒状の副花冠があり、また6個の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は早春から晩春、花色は白色や黄色、橙色や赤色があり、個々の花は6個の花被片と筒状の副花冠があり、花序は茎の頂部に1個の花を単頂花序に咲かせます。草姿は直立で高さ約20(40)cm × 幅は約15(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形もしくは剣形、葉序は根生葉につきます。
クチベニズイセンの毒性(既知の危険性)
クチベニズイセンは球根や葉にリコリンや他アルカロイドを含んでいるため、人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。間違えて摂取した場合は、嘔吐・悪心・下痢・発汗・頭痛・昏睡等の症状を引き起こす可能性があり、さらに多量に摂取した場合は死亡する事もあります。そのため、クチベニズイセンは食べられません。
クチベニズイセンの切り花の楽しみ方
- クチベニズイセンの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- クチベニズイセンの収穫は蕾が開きかけ花の色付きが確認出来たタイミング以降で行いましょう。
- ↳収穫する際は粘液に触ると被れる事もあるため注意が必要です。触ったら手を洗いましょう。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行いましょう。
- ↳水切りが終わったら粘液を洗い流して花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは5~7日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
クチベニズイセンの栽培
園芸では、スラリと伸びる花茎に咲く上品な花を鑑賞する目的で育てられたり、切り花として利用する目的で育てられたりします。落葉樹の下や植え込み等の日当たりのよい場所を中心に植えられる事が多く、また強健で放ったらでも育つ性質から隅っこの方に植えられる事もあります。
クチベニズイセンを育てる際に注意する事は基本的にありません。花をしっかり咲かせる場合は秋にリンが多めの緩効性肥料を与えた方がいいですが、基本的には低メンテナンスで育てられます。また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫なため放ったらかしでも大丈夫です。
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原産:地中海沿岸
学名:Narcissus papyraceus
草丈:約30~45cm
分類:多年草
開花時期:12月~3月
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
特徴:ナルキッスス・パピラセウスは学名Narcissus papyraceus、別名「ペーパーホワイト・ナルキッソス(paperwhite narcissus)」等とも呼ばれる地中海沿岸原産の多年草です。
ナルキッスス・パピラセウスの語源(由来)
- 属名のナルキッソス(Narcissus)はギリシア神話に登場するナルキッソスに由来しており、古代ギリシア語の「νάρκισσος(nárkissos)」からきています。
- ↳伝承によると、女神ネメシスによる罰により自分しか愛せなくなったナルキッソスは、泉の水面にうつる美しい少年(自分)に恋をしてしまい泉から離れられなくなりました。自分に恋をするナルキッソスは寝食を忘れたため徐々に痩せ細り死んだと言われており、また一説には水面にうつる自分にキスをしようとして泉に落ちて水死したともいわれています。どちらにしてもナルキッソスが死んだ場所からはスイセンの花が咲き、この伝承からスイセンはナルキッソスと呼ばれています。
- 種小名のpapyraceusは古代ギリシアで「紙」を意味する「πάπυρος(pápuros)」からきています。
ナルキッスス・パピラセウスの特徴(魅力)
- ナルキッスス・パピラセウスは他のスイセンと比べて開花が早くしばしばクリスマスの時期に開花する事があります
- ↳球根は開花のために寒さに当たる事を必要とせず
- ↳植えられると直ぐに成長を初め早ければ3~4週間で開花します
- ナルキッスス・パピラセウスは「紙」や「雪」を連想させる様な真っ白な花色が魅力です
- ↳ただし副花冠の中にある雄蕊は黄色です
- ナルキッスス・パピラセウスは1つの花茎に沢山(5~15個)の花を咲かせます
- ↳そのため花はボリュームがあり華やかな見た目をしています
- 花にはスイセン特有のフローラルな香りがあります
- ナルキッスス・パピラセウスの花は切り花としても魅力があり
- ↳花瓶の中で約7日間花持ちします
- 一般的なスイセンよりも冬の寒さに弱いため寒さの厳しい地域では環境に適応出来ずに枯れる場合もあります
ナルキッスス・パピラセウスは地面下に褐色の球根(鱗茎)をもちます。葉は全て球根から出る根生葉で3~4個つき、葉色は灰みがかる緑色、葉の形は扁平で線形もしくは剣形をしており長さ約20(~40)cm、花茎と同様に直立します。花は最大45cmまで伸びる花茎の頂部に約5~15個の花を散形花序につけ、個々の花は直径約3~5cmで白色の花被片が6個と中央に花被片より遥かに短い白色の筒状の副花冠があり、また黄色の6個(3個は長い)の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は冬から春、花色は白色、個々の花は6個の花被片と筒状の副花冠があり、花序は茎の頂部に5~15個の花が集まり散形花序に花を咲かせます。草姿は直立で高さ約30(45)cm × 幅は約15(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形もしくは剣形、葉序は根生葉につきます。
ナルキッスス・パピラセウスの毒性(既知の危険性)
ナルキッスス・パピラセウスは球根や葉にリコリンや他アルカロイドを含んでいるため、人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。間違えて摂取した場合は、嘔吐・悪心・下痢・発汗・頭痛・昏睡等の症状を引き起こす可能性があり、さらに多量に摂取した場合は死亡する事もあります。そのため、ナルキッスス・パピラセウスは食べられません。
![]() ナルキッスス・パピラセウス |
原産:フランス/ポルトガル/スペイン
学名:Narcissus bulbocodium
草丈:約10~15cm
分類:多年草
開花時期:2月~4月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ペチコートスイセンは学名Narcissus bulbocodium、別名「フープ・ペチコートスイセン(hoop-petticoat daffodil)」等とも呼ばれるフランスおよびポルトガル、スペインが原産の多年草です。
ペチコートスイセンの語源(由来)
- 属名のナルキッソス(Narcissus)はギリシア神話に登場するナルキッソスに由来しており、古代ギリシア語の「νάρκισσος(nárkissos)」からきています。
- ↳伝承によると、女神ネメシスによる罰により自分しか愛せなくなったナルキッソスは、泉の水面にうつる美しい少年(自分)に恋をしてしまい泉から離れられなくなりました。自分に恋をするナルキッソスは寝食を忘れたため徐々に痩せ細り死んだと言われており、また一説には水面にうつる自分にキスをしようとして泉に落ちて水死したともいわれています。どちらにしてもナルキッソスが死んだ場所からはスイセンの花が咲き、この伝承からスイセンはナルキッソスと呼ばれています。
ペチコートスイセンの特徴(魅力)
- ペチコートスイセンは他のスイセンと比べて花の直径が1.2cmしかなく最小といわれています
- ↳他のスイセンと比べて副花冠がラッパの様に極端に大きいです
- ↳一方で花被片は細く目立ちません
- 葉が非常に細く糸状(~線形)で地面に倒れます
- 夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で
- ↳基本的に放ったらかしで育てる事が出来ます
ペチコートスイセンは地面下に褐色の直径約3cm以下の球根(鱗茎)をもちます。葉は全て球根から出る根生葉で3~4個つき、葉色は緑色、葉の形は糸状もしくは線形をしており、直立もしくは地面に倒れます。花は15cmまで伸びる花茎の頂部に1個の花を付け、個々の花は直径約1.2cmで非常に細く萼のような花被片が6個と、中央に非常に目立つ筒状の副花冠がある、また6個の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は晩冬から春、花色は黄色や白色があり、個々の花は6個の花被片と筒状の副花冠からなり、花序は茎の頂部に1個の花を単頂花序に咲かせます。草姿は直立で高さ約10(15)cm × 幅は約10(15)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は糸状もしくは線形、葉序は根生葉につきます。
ペチコートスイセンの毒性(既知の危険性)
ペチコートスイセンは球根や葉にリコリンや他アルカロイドを含んでいるため、人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。間違えて摂取した場合は、嘔吐・悪心・下痢・発汗・頭痛・昏睡等の症状を引き起こす可能性があり、さらに多量に摂取した場合は死亡する事もあります。そのため、ペチコートスイセンは食べられません。
ペチコートスイセンの栽培
ペチコートスイセンを育てる際に注意する事は基本的にありません。花をしっかり咲かせる場合は秋にリンが多めの緩効性肥料を与えた方がいいですが、基本的には低メンテナンスで育てられます。また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫なため放ったらかしでも大丈夫です。
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系統:ダブル・スイセン系/八重咲きスイセン系(Double daffodils)
草丈:約30~50cm
開花時期:3月~5月
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ダブル・スイセン系は花の花被片が幾重にも重なり八重咲きして、1つのの花茎に1個もしくは複数の花がつきます。
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系統:ラージカップスイセン系
草丈:約30~50cm
開花時期:3月~5月
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ラージカップスイセン系(Large-cupped daffodils)は花の副花冠が花被片の長さの3分の1から同長あり、副花冠は長かったり幅広かったりして、1つの花茎には1個の花が咲きます。
系統:ラッパ・スイセン系(Trumpet Daffodil)
草丈:約30~50cm
開花時期:3月~5月
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ラッパ・スイセン系は個々の花被片よりも長い副花冠が特徴でラッパの様になります。また1つの花茎に1個の花が咲きます。
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系統:フサザキスイセン系(Tazetta Daffodil)
草丈:約30~40cm
開花時期:12月~5月(主に3月~4月)
耐暑性:強い
耐寒性:普通
特徴:フサザキスイセン系は1つの球根から1~数本の花茎が出て、1つの花茎に沢山(3~20)個の花がつきます。また一般的なスイセンよりも開花が早く(植付けから開花迄が早い)、耐寒性が劣ります。
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系統:ジョンキル・スイセン系(Jonquilla daffodils)
草丈:約15~30cm
開花時期:3月~4月
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ジョンキル・スイセン系は花に甘い香りがあり、1つの球根から1~数個の花茎が出て、1つの花茎から1~5個の花がつき、花は小ぶりで、通常花被片より副花冠が遥かに短い花が咲きます。
系統:シクラミネウス・スイセン系(Cyclamineus Daffodil)
草丈:約
開花時期:1月~3月(主に2月)
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:シクラミネウス・スイセン系はシクラメンの様に花弁(花被片)が後ろへと反り返り、1個のの花茎に比較的に小さな花を咲かせます。また一般的なスイセンよりも開花が早いです。
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系統:スモールカップスイセン系(Small-cupped daffodils)
草丈:約20~40cm
開花時期:3月~5月
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:スモールカップスイセン系(Small-cupped daffodils)はクチベニズイセンを主とした交配され栽培種で、花被片と比べて副花冠が遥かに短く通常3分の1未満しかありません。また1つの花茎に1個の花を咲かせます。
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系統:トリアンドルス・スイセン系(Triandrus Daffodils)
草丈:約30cm
開花時期:2月~5月(主に3月~4月)
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:トリアンドルス・スイセン系は一般的に花の花被片が後方へと反り、大きさは小ぶりで、1つの球根に1~複数の花茎を生成して、1つの花茎に2~8個の花がつきます。
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系統:フープペチコート・スイセン系(Hoop Petticoat Daffodil)
草丈:約20cm
開花時期:1月~3月(主に2月)
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:フープペチコート・スイセン系の特徴は高さ20cm程度と背が低く、葉が線状でイグサの様に細く、花は針状に細い6個の花被片と筒状の大きな副花茎をもち、1つの花茎に1個の花を咲かせる所です。
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