- 原産:中国
- 科:バラ(Rosaceae)
- 属:スモモ/サクラ(Prunus)
- 種:オヒョウモモ(triloba)
- 別名:フラワーイング・プラム(flowering plum)/フラワーイング・アーモンド(flowering almond)
- 開花時期:3月~5月
- 果実時期:6月~7月
- 花の色:白色〇桃色●
- 葉の色:緑色●
- 実の色:赤色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約200~300cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オヒョウモモとは!?
オヒョウモモは学名Prunus triloba、別名では「フラワーイング・プラム(flowering plum)」や「フラワーイング・アーモンド(flowering almond)」等とも呼ばれる中国が原産の落葉低木です。
オヒョウモモの語源(由来)
- 属名のPrunusの由来は、古代ギリシア語で「プラム」を意味する「προῦμνον」からきており、後にラテン語の「prunum」を経て、現在のPrunusになっています。
- 種小名のtrilobaはラテン語で「三葉」を意味しており、葉が複葉につく様子からきています。
オヒョウモモの特徴(魅力)
- オヒョウモモは早春から晩春にかけて開花する花を鑑賞する目的で育てられる落葉低木です。
- オヒョウモモは一重咲きや八重咲きがありますが一般的に園芸では八重咲きの華やかな品種が選ばれます。
- そのため実が楽しまれる事は殆どありません。
- 花は葉が展開する前に咲くため葉に邪魔される事なく綺麗な花を鑑賞する事ができます。
- オヒョウモモの樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)もしくは単幹(根元から上部まで幹が1本)の樹形をつくります。
- オヒョウモモは冬になると葉が落ちる落葉低木です。
- オヒョウモモは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も殆ど不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
オヒョウモモの茎の色は赤褐色(~褐色)もしくは灰褐色をしています。樹高は約200(~300)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)もしくは単幹(根元から上部まで幹が1本)に成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄は約1cm、葉身は単葉もしくは複葉、葉身の大きさは長さ約2(~6)cm、葉身は楕円形もしくは披針形で縁部分に鋸歯があります。花序は腋性、花は花弁が5個の一重咲きもしくは八重咲き、花弁の色は桃色もしくは白色です。果実は核果、大きさは直径約1(~1.8)cm、形は球形で色は赤色です。
オヒョウモモの園芸品種の紹介
スモモ(サクラ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
スモモ(サクラ)の珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種などの紹介【2022】
オヒョウモモの育て方
花壇の土づくり
日当たり
オヒョウモモは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まるため、直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
オヒョウモモがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約50~60cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
オヒョウモモは水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オヒョウモモは日当りを好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
オヒョウモモの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
オヒョウモモは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
オヒョウモモは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
オヒョウモモを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オヒョウモモはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。実の収穫後に必要に応じてお礼肥を与えて、冬に土質を改善する堆肥入れましょう。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥を与える時期は初冬から晩冬の間に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
お礼肥
オヒョウモモのお礼肥は実の収穫が終わる頃に与えます。翌年の開花と果実の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
オヒョウモモのお礼肥は多くの場合は速効性の高い発酵鶏糞やぼかし肥料等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
剪定のやり方
オヒョウモモは基本的に剪定しなくても育てる事が出来ます。ただし剪定をしないで育てると枝が混みあって見た目が悪くなったり、日当たりが悪くなったりして枯れ込む原因になる事もあります。そのため必要に応じて花が終わった後に剪定を行いましょう。
オヒョウモモの花後(4月~5月)の剪定の目的や手順
オヒョウモモの花後(4月~5月)の剪定の目的は、混みあった枝を間引いて見た目や日当たりを改善したり、生産性の悪い古い枝を剪定して生産性の高い新しい成長を促す所にあります。
オヒョウモモの花後(4月~5月)の剪定の手順
- 株全体を観察して【枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎】を探しこれを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 不要枝【絡み枝・徒長枝など】を探すため株全体を観察して、いらないと判断した枝は根元から間引き剪定しましょう。
- 地面につく様に横に広がる茎も必要に応じて間引き剪定します。
- 生産性の落ちた古い茎を必要に応じて剪定します。
- 新しく成長した部分の枝は先端から3分の1ほどで切り戻し剪定します。
夏越しする方法
オヒョウモモは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策はいりません。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
オヒョウモモは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
オヒョウモモは挿し木もしくは取り木によって増やす事ができます。
オヒョウモモの挿し木の方法
- オヒョウモモの挿し木時期は初夏から夏(半熟枝)もしくは初冬から晩冬(熟枝挿し)が適します。
- 健康な挿し穂を約7~15cmでとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 半熟枝では下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 発根促進剤をつけます。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
おすすめの発根促進剤
オヒョウモモの取り木(圧条法)
取り木(圧条法)とは茎が柔軟で曲げやすい植物で行われる技法です。茎の1部を土に触れさせる、または茎全体を土に被せ発根させます。
- 取り木(圧条法)を行う時期は4月から7月が適します。
- 新しく出てきた茎(蘖)を曲げて2節程度を土中に埋めクリップ等で固定しておきます。
- 茎の先端部は土から出して支柱に括り垂直に誘引しておきましょう。
- 土中に埋めた茎がしっかり発根したら親株から切り離して、植え直します。
播種で増やす
オヒョウモモの種蒔の方法
播種時期:3月~5月(理想)
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
オヒョウモモは寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)等に入れて寒さを経験させた後に種を撒く必要があります。処理を行うメリットは発芽が揃いやすい所にあります。
種まき手順
- オヒョウモモの実が完熟したら収穫して果肉を取り除き水の中に一晩浸します。
- 密閉出来る袋の中にやや湿らせたバーミキュライトにと種を入れて、冷蔵庫(約4度)の中で約60~90日間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に2cm程度の土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
オヒョウモモの病気
オヒョウモモの害虫