- 原産:北アメリカ/中央アメリカ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:ファリナセア(Salvia farinacea)
- 別名:ブルーサルビア(blue salvia)/メリーカップセージ(mealycup sage)/メリーセージ(mealy sage)/ケショウサルビア
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:桃色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~90cm
- 誕生花:8月7日/9月20日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:開花期間長い
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サルビア(ファリナセア)とは!?
サルビア(ファリナセア)は学名Salvia farinacea、別名では「ブルーサルビア(blue salvia)」や「メリーカップセージ(mealycup sage)」等とも呼ばれる北アメリカおよび中央アメリカが原産の多年草です。
サルビア(ファリナセア)の語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のfarinaceaはラテン語で「粉質の」「粉状の」を意味しており、茎や萼に粉状の毛がある事に由来します。
- ケショウサルビアの由来は、萼や茎の部分に、白粉(おしろい)の様な粉状の毛が密生して、化粧をしているように見える所から
サルビア(ファリナセア)の特徴(魅力)
- サルビア(ファリナセア)は、開花期間の長さや、白粉を帯びて白くなる萼や茎、行儀のよい印象を与える草姿などが特徴的な植物です。また維持管理が楽なため公共の施設の花壇などでよく使用されています。
- 草姿は直立で、茎は殆ど横に倒れることなく垂直に伸びるため、雑多な印象を与えず洗練された雰囲気を作ります。
- そのため、花壇の中で立体感を出す目的で利用されたりします。
- 葉の形は細長い槍のような形をしているため、シャープでかっこいい外観をしています。ただし垂れ下がる傾向があるため残念な外観となる事も多いです。
- 花は開花期間が非常に長い事から、お庭全体の印象を決める花としておすすめの植物です。
- 花を支える萼も花弁と同様に綺麗に色付いていて美しいため、本物の花が落ちた後も、長く花(萼)を楽しむ事が可能です。
- 萼は白色の毛が密生しており、白粉をつけたような外観をしています。そのため、柔らかで優しい雰囲気をつくる事があります。
- 花の中には白色のスポットが入り、スポットは花蜜標識として、蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。そのため、開花期間中は蜜を求めて花の周りを花蜂や蝶々がよく飛び回っています。
- サルビア(ファリナセア)の仕立て方には「寄せ植え」等があります。
- 寄せ植えとは、鉢の中や花壇の中に異なる種類の植物を密植するように植えて、狭い空間の中に形と色の変化を作り、美しくデザインする植栽方法です。寄せ植えはデザインによってお庭の雰囲気に統一性を出したり、季節を感じさせたりする事が出来ます。
- サルビア(ファリナセア)は寄せ植えに使う事が出来ます。何故なら、草姿の行儀がよく、開花期間が長いため長期間に渡り寄せ植えが楽しめるからです。
- 寄せ植えとは、鉢の中や花壇の中に異なる種類の植物を密植するように植えて、狭い空間の中に形と色の変化を作り、美しくデザインする植栽方法です。寄せ植えはデザインによってお庭の雰囲気に統一性を出したり、季節を感じさせたりする事が出来ます。
- サルビア(ファリナセア)は多年草ですが、一年目と比べて二年目は生育が衰えて花数が減る傾向にあります。そのため、本来は多年草ですが、冬になると枯れる一年草として一般的に扱われています。
サルビア(ファリナセア)の草丈は約30(~90)cm、幅は約30(~90)cm、草姿は直立、茎は下部で枝分かれして直立します。茎の色は緑色、白色の毛が粉状に生えるため白緑色になる事もあります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約3(~7.5)cm、葉身の形は披針形または楕円形、葉のふち部分に鋸歯があります。葉は表面に光沢があり、垂れ下がる傾向がある。
花序は輪散花序、輪散花序は長さ約10(~20)cm、各節に複数の花が付きます。萼は楕円形の筒状、萼の色は花弁と同様に色がある、萼には粉状の白色の毛が密生します。花冠は唇形花、唇形花は上唇と下唇があり、上唇は棒状、下唇は広く円状で裂片が5個、花冠の色は青色・紫色で下唇の中心に白色の班が入る。
サルビア(ファリナセア)の園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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サルビア(ファリナセア)の育て方
花壇の土づくり
日当り
サルビア(ファリナセア)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の暑さが非常に厳しい地域では、暑さ・強光・乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こす事があるため、午後の日差しを避けた方が良い場合もあります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは、午後から日陰になる半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
サルビア(ファリナセア)は、通気性と排水性がとても良く、適度に保水性のある肥沃な土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく、腐葉土がしっかり入る肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サルビア(ファリナセア)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
培養土
サルビア(ファリナセア)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
サルビア(ファリナセア)は、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。 ただし、何時までも水分が停滞するジメジメした環境は根腐れを引き起こす原因となるため、土質や水やりの頻度には注意が必要です。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
サルビア(ファリナセア)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合、必要に応じて元肥と定期的に追肥を与えましょう。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料の選び方
- 肥料は肥効が長く続くマグアンプや緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料、または窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 元肥の与え方
- 元肥は苗を植え付ける前の土壌に肥料を入れて、均一に混ぜこみます。
追肥の与え方
- 追肥は春から秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は肥効が緩やかで長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
剪定のやり方
サルビア(ファリナセア)の剪定は、花後の「花がら摘み」と、枯れた茎葉の「切り戻し」です。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。花がら摘みの目的は、「病気の予防」「こぼれ種を防ぐ」「エネルギーの損失を抑える」「外観を整える」事にあります。
花がら摘みを行う事で、新しい花(蕾)や葉(芽)に栄養が回り、次の花が咲きやすくなったり、開花期間が延長されたりします。また花がらを摘む事で、腐敗した物が好きな灰色カビ病などの病気が予防出来たり、外観が良くなったりもします。
花がら摘みのやり方
サルビア(ファリナセア)の花がら摘みのやり方は、乾燥して色褪せたり外観が崩れた花を、花穂の下または葉の上の部分からハサミで剪定する事です。また外観を整えたい場合は、更に下から剪定する事も可能です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
サルビア(ファリナセア)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで越冬させる事が可能です。ただし二年目以降は、一年目よりも生育が衰えて花の数が減る傾向にあり、また多年草ですが基本的に短命です。そのため、冬越しさせることはなく冬に枯れる一年草として育てられる事が多いです。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
播種で増やす
サルビア(ファリナセア)の種蒔の方法
播種時期:4月~6月・9月~10月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約7~14日
発芽条件:好光性種子
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 発芽には光が必要なため土は被せない、または薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。