- 原産:熱帯アメリカ
- 科:オオバコ(Plantaginaceae)
- 属:アンゲロニア(Angelonia)
- 種:アングスティフォリア(Angelonia angustifolia)
- 別名:ホソバアンゲロンソウ/エンジェルラベンダー/サマースナップ(summer snapdragon)/ナローリーフアンゲロニア(Narrowleaf Angelon)
- 品種:セレナ・ミックス(Angelonia angustifolia ‘serena’)
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:桃色・紫色・白色
- 葉の色:緑色
- 生活形:多年草
- 草丈:約40~50cm
- 花言葉:過去の恋人/片思いの恋人
- 用途:開花期間長い/種から育てる植物
- 購入方法:アンゲロニア(セレナ・ミックス)を楽天で購入
■アンゲロニア(セレナ・ミックス)の特徴
- 学名:Angelonia angustifolia ‘serena’
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:桃色・紫色・白色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約40~50cm
- 実生系:セレニータ・シリーズと同様に、種から栽培できるため、大量に苗を揃えやすい。そのため、花壇の広範を埋めたい時、寄せ植えや花壇の縁取りなど様々な用途に利用したい時などにおすすめです。
- 比較:セレニータ・シリーズと比べて草丈が高いため、花壇の中で立体感を出したり背景として機能させるのに適します。
■アンゲロニアとは!?


アンゲロニア(学名: Angelonia angustifolia)は、別名で「ホソバアンゲロンソウ」「エンジェルラベンダー」「サマースナップ(summer snapdragon)」「ナローリーフアンゲロニア(Narrowleaf Angelon)」とも呼ばれるオオバコ科アンゲロニア属に分類される多年草の種です。
アンゲロニアの原産地は熱帯アメリカ(メキシコ、中央アメリカ、コロンビア等)で、自生地は比較的湿潤で日当たりが良い疎林や林縁、草原などです。
■アンゲロニアの語源(由来)

- Angeloniaの語源:これは原産地の南米(ベネズエラ)でこの植物の俗称である「angelon」をラテン語にしたものと考えられています。また他説ではギリシャ語で「使者」「天使」を意味する「angelos」からきているとも言われています。
- angustifoliaの語源:ラテン語で「狭い」を意味する「angusti-」と、ラテン語で「葉」を意味する「folia」の2語の造語で、本種の葉幅が狭いことに由来します。
■アンゲロニアの特徴(魅力)

- 形態:草丈は約30~60cm、熱帯の自生地では稀に100cmに達します。生育型は基本的に直立型ですが、基部から分枝して主軸が曖昧になり分枝型になることもあります。葉序は対生、葉柄は無柄、葉身の形は線形・狭楕円形・披針形、花序は総状花序、花の形は唇形で花冠筒部が短く壺形から漏斗形に広がる所が特徴です。
- ライフサイクル:生活形は多年草です。
- 春:暖かくなってくると茎の基部付近から萌芽し、生育旺盛に枝を伸長させながら葉を展開し、花を咲かせ始めます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し花がどんどん咲きます。
- 秋:気温が低くなり始めると生育がやや鈍りますが、この時期も生育期間中で開花も続きます。
- 冬:温暖な地域では、この時期も枝葉が成長し、開花も見られますが、日本などの寒さが厳しい地域では枝から葉が落ち半休眠状態になり、強い霜に当たると枯れます。
- 開花期間:開花期間は周年、ただし日本では開花に必要な十分な温かさが確保できないため、5月~11月が主な開花期間となります。連続開花性も非常に優れており、花穂(総状花序)を形成する茎は伸び続ける限り、花を常に咲かせ続けます。そのため、花を長く楽しみたい人に非常に人気が高い植物です。
- 花の魅力:本種は、まるでファンタジー世界の塔を見ているような、スラリと伸びる洗練された形の花穂が魅力の植物です。また花は近くで見ると、その洗練された見た目と裏腹に、花喉部が漏斗形に開くことで、大きく口を開いたような個性的な見た目となっています。花の色は品種により赤色・桃色・青色・紫色・黒色(エンジェルフレア・ブラック等)・白色などがあり多彩なため、お庭の雰囲気や好みに合わせて色を選べる点も魅力となります。
- 寄せ植え:本種の生育型は「直立型」で、株は殆ど横に広がらず垂直に伸びるため、寄せ植えの中では他の植物の成長を殆ど邪魔することなく高さを演出することが出来ます。本種は洗練された印象を与える植物のため、組み合わせる植物も気品を感じさせるシルバーリーフのダイコンドラや、紫花のペチュニアなどがよく合うでしょう。
- 花壇の縁取り:本種は生育型が直立型で、横への広がりが殆どないため、花壇の縁取りを作る場合は苗が沢山必要です。ただし、この植物で作られる花壇の縁取りは、まるで針葉樹で作った並木のような洗練された縁取りとなります。そのため、格調高い雰囲気のお庭を彩る植物として非常に最適です。花色も赤色・桃色・青色・紫色・黒色・白色と多彩なため、お庭の雰囲気に合わせて女性的な可愛らしさをお庭に演出するなら桃色の花を選んだり、また高貴でエレガントな雰囲気を演出するなら紫色の花を選んだり、重厚的で格式高い雰囲気を演出する場合は黒色の花を選ぶと良いでしょう。
- 手入れが簡単:本種は、開花期間が春から晩秋頃までと非常に長いですが、茎を垂直に伸ばしながら花を咲かせ続けるため、基本的に花がら摘みが不要です。茎が徒長して見た目が悪くなってきたなと感じるタイミングで切り戻しするだけのため非常に手入れが簡単です。
■アンゲロニアの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:多年草
- 草丈:約30~60cm※熱帯の自生地では稀に100cmに達します。
- 生育型:基本的に直立型ですが、基部から分枝して主軸が曖昧になり分枝型になることもあります。
- 茎の種類:茎はほとんど垂直に伸びる直立茎です。
- 分枝:基本的に基部付近や茎の下部で発生します。
- 茎の毛:基本的に無毛ですが、微細な毛が生えることもあります。
- 茎の性質:成熟した株では下部の茎が木質化していることがあります。
- 茎の色:一般的に緑色ですが、アントシアニンの影響で紫色や赤色を帯びることがあります。
●葉の形態
- 葉序:対生
- 葉柄:無柄
- 葉身の長さ:約5~8cm
- 葉身の幅:約1~2cm
- 葉身の概形:線形・狭楕円形・披針形
- 葉縁:鋸歯
- 葉脈:羽状脈
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:総状花序
- 花柄:対生する葉腋から生じ、花柄の色は緑色から赤紫色をしています。
- 苞:花柄の基部にある。
- 苞の形:狭楕円形・披針形
- 苞の色:緑色
- 花:花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えています。
- 萼:5枚の萼片が基部で合着する合片萼で、裂片は5枚あり、裂片の形は三角形で、色は緑色から赤紫色です。
- 花冠:唇形花冠になり、花冠筒部は短く漏斗形または壺形に広がり、花喉部がカップ状または壺形に大きく開いており、花冠裂片は全5枚、上唇の裂片の数は2枚で形は円形・倒卵形、下側の裂片の数は3枚で形は円形・倒卵形、色は赤色・桃色・青色・紫色・黒色・白色があり、花冠筒部の内側に赤紫色のスポット模様が入る傾向があります。
- 雄蕊:4本(2強雄蕊)
- 雌蕊:子房上位、花柱は1本、柱頭は2裂
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果で、果実が成熟すると裂開して種子が露出します。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■アンゲロニア属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■アンゲロニアの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:熱帯雨林・モンスーン林・サバナ・熱帯草原
- 原産地:熱帯アメリカ(メキシコ、中央アメリカ、コロンビア等)
- 自生地:比較的湿潤で日当たりが良い疎林や林縁、草原など
- 気候:主に熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候・サバナに属します。
- 熱帯雨林気候:最寒月の平均気温が18℃以上あり、降水量は一年を通して多雨です。
- 熱帯モンスーン気候(Am):最寒月の平均気温が18℃以上あり、降水量は基本的に多雨ですが短い乾季があります。
- サバナ: 最寒月の平均気温が18℃以上あり、明確な乾季があり樹木は疎らです。
- 日照:日向・半日陰
- 土壌:主にアクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)・フェラルソル(Ferralsols)
- アクリソル:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、粘土の集積層ができる。塩基飽和度が低く、強い酸性を示し、粘土の部分は酸化鉄の影響で赤褐色から黄褐色を呈します。
- アリソル:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、粘土の集積層ができる。集積層ではアルミニウム含有量が高く、PHは強い酸性を示します。
- フェラルソル:熱帯雨林の気候下での長年の風化と溶脱作用によって酸化鉄やアルミニウムが集積し土の色が赤褐色をしています。また高温による有機物の分解の早さや、降水量の多さから、腐植層は浅く、保肥力も低く、肥沃さがほぼない。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
アンゲロニアは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土から壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(腐葉土など)を用土全体の2割を目安に混ぜ込むとよいでしょう。堆肥を入れることで土壌の通気性・排水性・保水性が改善され、根の活着を高め根張りをよくしたり、堆肥に含有する有機物が微生物の働きを促進して土質を改善したり、さらに植物の栄養補給にも寄与します。
- pH:pHは5.5~6.5の弱酸性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面施肥で混和しておきましょう。
- 植え付け:苗は浅植え・深植えせずに、標準植えします。標準植えは、根鉢の肩の部分と地面を水平に合わせて、植物の根っこが完全に土に覆われるように植え付けます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。ただし日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。
●培養土
アンゲロニアの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土、または少し通気性・排水性を高めた培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:本種の自生地は熱帯の疎林や草原などにあり、土壌は表層の粘土が溶脱しているため、基本的に砂質で通気性・排水性が高いです。ただし、湿潤を維持するために、培養土の保水性も一定程度高める必要があります。本種は弱酸性(pH5.5~6.5)の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 無機質の用土:一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を改善する目的で、赤玉土などの用土を7割程度を目安にして多めに配合します。基本的に土粒の粒子は小粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性の低下や植物の生育不良の原因となるため避けてください。
- 有機質の用土:腐葉土などの堆肥は、一般的な植物よりも少なめに3割程度を目安にしながら培養土の中に配合します。腐葉土などの有機物は培養土の水分・養分を保持して、根の活着を助け、生育を促進する効果がありますが、本種の場合は堆肥を入れ過ぎると、夏場に蒸れて過湿状態になり根腐れを引き起こす原因ともなります。そのため、バランスを考えて必要量を入れる事が大切です。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を培養土の中にしっかり混和しておきましょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+赤玉土(小粒)3割+ピートモス(酸度調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+バーミキュライト1割+腐葉土3割+元肥適量
水やりの仕方
アンゲロニアは、自生地が熱帯(熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候・サバナ気候)にあり、多雨な環境から明確な乾季のある場所まで自生しています。
そのため、本種は幅広い環境に適応しますが、基本的には水はけが良好でありながら、同時に一定の湿り気がある環境を好みます!過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因となったり、根の呼吸を妨げて根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。
●栽培環境での違い
- 地植え:基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、根系が未発達で活着しておらず株が定着していなかったり、高温や強光で乾燥しやすい夏の季節だったり、雨が降らず土壌が乾燥していたり、土壌が砂質で乾燥しやすい状態にあったり、日向などの乾燥しやすい場所で育てたりしている場合は、必要に応じて水やりが必要となるでしょう。
- 鉢植え:地植えと比べて、土の容量が限られるため乾燥がかなり早いです。そのため、定期的な水やりが必要となります。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本ですが、夏場は乾燥が早く、水切れして株が弱りやすいため、土壌や株の状態を見ながら、必要に応じて夕方にも水を与えましょう。ただし、真昼の高温時に水やりを行うと、鉢内で水温が上昇して高温多湿による蒸れや酸欠状態で根を傷めることがあるため避けてください。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:園芸分類では冬に枯れる一年草として扱われますが、多年草のため一定の温度を保てる場合は冬越しが可能です。本種は冬になると半休眠状態になるため水をそれほど必要としません。土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後に水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、夏の昼の高温時に水を与えると、鉢内の温度上昇と共に湿度が上がり、根が酸欠状態(蒸れ)に陥り、根腐れや生理障害を起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、夜間に土壌が過湿状態になり、病原菌(真菌)の繁殖や呼吸の邪魔となり、根腐れを引き起こす原因になったり、過剰な水分で徒長し株姿が乱れる原因にもなります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいです。ただし例外として、夏場や植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
アンゲロニアは自生地が熱帯の疎林等にあり、栄養の少ない痩せた土壌にも生育しています。ただし、園芸品種の多くは多花性で、この花を持続的に咲かせるため、多くの肥料を必要とします。そのため、生育期間中はしっかり肥料をあたえる事が非常に大切です。
●栽培環境での違い
- 地植え:腐葉土や堆肥が十分にすき込まれた、一定の肥沃さがある土壌であれば、基本的に肥料は不要です。痩せた土壌で育てる場合は肥料または堆肥を入れることが必要なこともあります。
- 鉢植え:土の量が限られており、養分も流出しやすいため追肥が必要です。必要に応じて植え付け時に元肥を施してあげるとよいでしょう。注意することは、窒素成分の多い肥料を使わないことです。 窒素の多い土壌は、茎葉を茂らせて花数を減らす原因になります。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または花付きを良くするためにリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る緩効性肥料などを選ぶと良いでしょう。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋に追肥を施します。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランス良く入る肥料、またはリン酸が多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
アンゲロニアは剪定せずに育てる事も出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、株にボリューム感を出すため生育初期に摘芯をしたり、株の徒長を抑制するために切り戻しをしたりします。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
●剪定方法
- 概要:仕立て方は「摘芯」「切り戻し」「刈り込み」などがあります。それぞれ目的が違うため、品種などに合わせて仕立て方を変えると良いでしょう。
- 摘芯:春の生育初期に、成長点を指で摘み、折るように摘みとります。成長点の付近は柔らかなため、基本的に指で摘みとれますが、難しい場合は清潔なハサミを使いましょう。これを行うことで、摘芯した箇所付近の節から分枝が促されて、ボリューム感のある株となります。※節間の短い、よく分枝する品種などは摘芯不要です。
- 切り戻し:切り戻しは生育期間中であればいつでも行えます。剪定方法は、株を観察して、徒長しひょろひょろになっている茎、開花が進み花の咲く速度が衰えてきた茎を探します。この茎の下部を見ると、分枝している部分があるため、その少し上で剪定すると良いでしょう。※注意点として、本種は茎が伸び続ける限り花を咲かせ続ける性質があります。そのため、茎の剪定を行い過ぎると花数が減ることもあります。
- 刈り込み:本種は園芸分類では一年草になりますが、本来は多年草です。冬越しした株の古い茎は活力を失い枯れたような見た目になっています。暖かくなってくると、茎の根元付近から新芽が出てくるため、そこの少し上で剪定して、株の若返りを行いましょう。
冬越しする方法

Hardiness:9~11
アンゲロニアは熱帯・亜熱帯の気候の地域に自生している植物です。軽い霜であれば株の根本付近が生き残り、春に新芽を出して成長を再開することもあります。
ただし、基本的には冬の低温を苦手にしており、氷点下を下回る環境で枯れてしまいます。そのため、しっかりと冬越し対策をしてあげる必要があるでしょう。

●冬越し対策一覧
- 軒下に移動する:植物を植えている鉢植えを軒下に移動する事で、霜を避けることができます。霜があまり降りない地域であれば、霜を避けるだけで冬越し出来ることもあります。
マルチング:株の周囲にマルチング資材を入れて株元と根を保護する。根を凍結や霜から守ったり、乾燥対策になったりします。- 方法:霜が降りる前の11月頃に行います。バーク堆肥や藁などのマルチング資材を準備します。育てている植物の周りに、マルチング資材を5~8cmほどの厚みになるように入れます。
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中に入れる方法です。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たりにくくなるため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。
挿し木や株分けで増やす
アンゲロニアは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
- 播種時期:3月~5月
- 発芽適温:約20~25日
- 発芽日数:約7日~14度
- 備考:好光性種子のため、発芽には光が必要です。
種まき手順
- 種まきの時期:3月~5月※温床装置などを準備して発芽適温を確保出来る場合は屋内で早めにまく事ができます。
- 培養土の準備:基本的に移植栽培で行います。プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて、種をまく準備しておきましょう。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。

































