
- 原産:ヨーロッパ/西アジア
- 科:キンポウゲ(Ranunculaceae)
- 属:アネモネ(Anemone)
- 種:ネモローサ/ヤブイチゲ(Anemone nemorosa)
- 別名:アネモネ・ネモローサ/ウッド・アネモネ(wood anemone)/ヨーロピアン・シンブルウィード(European thimbleweed)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:白色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約10~30cm
- 誕生花:9月14日/9月30日/10月2日/10月8日/10月15日
- 花言葉:忍耐/淡い思い/薄れゆく愛
- 用途:グランドカバー/日陰植物
- 購入方法:ヤブイチゲを楽天で購入
■ヤブイチゲとは!?
ヤブイチゲ(学名: Anemone nemorosa)は、別名で「アネモネ・ネモローサ」「ウッド・アネモネ(wood anemone)」「ヨーロピアン・シンブルウィード(European thimbleweed)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
ヤブイチゲの原産地はヨーロッパと西アジア(トルコからコーカサス地方)で、自生地は森林(落葉樹)の林床と林縁などに見られます。
■ヤブイチゲの語源(由来)
- Anemoneの由来:古代ギリシア語で「風」を意味する「ἄνεμος(ánemos)」と、接尾辞で「娘」を意味する「-one」の2語からなり、「風の娘」を意味します。一説には、花の女神(フローラ)に仕えるニンフのアネモネが、西風神のゼピュロスに見初められ、それに嫉妬した花の女神(フローラ)により、アネモネの花に変えられたと伝えられており、また別の説では、アネモネの萼片が風によって簡単に飛ばされてしまうため風の娘の名前がついたとも言われていたり、春の風が吹く頃に花が咲くために風の娘と名付けられたとも言われています。
- nemorosaの由来:ラテン語で「森の」「森林性の」を意味しており、自生地に由来しています。
■ヤブイチゲの特徴(魅力)
- ヤブイチゲの魅力:この植物は、根茎が地中を這い、早春から初夏にかけて根生葉が地表を覆い、花茎を何本も伸ばし群生を作り、白色の花を多数咲かせます。本種は草丈が10~30cm程と低めで、マット状に広がるため樹木の下草などとして地被植物として活用できます。また花茎に1個の花を単生し、花径も普通2cm程と小ぶりですが、多数の花茎を伸ばすため、開花期には花絨毯の真っ白な美しい景観を楽しめるでしょう。ただし、開花後の夏から翌年の早春にかけ長い休眠期に入るため、地中に根茎を残し、地上部は枯れて無くなり地面が露出します。
- 草姿:草丈は約10~30cm、生育型は叢生型、地中の根茎で広がりながら、早春から夏にかけ根生葉が地表を覆い、花茎を伸ばして群生をつくります。開花後の夏頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉(苞葉)があり、根生葉は地際から葉が出て、茎葉の苞葉は輪生します。葉の概形は3出複葉し、小葉の縁部は深く裂け、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は3月~5月頃、花茎に1個の花を単生します。花の直径は一般的に2cmで園芸品種の中には4cmに達するものもあり、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に3枚の輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の数は6枚、または稀に5~10枚あり、萼片の色は白色をしています。
■ヤブイチゲの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約10~30cm
- 生育型:叢生型
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:根茎・直立茎
- 根茎:見た目が根に似ている地中にある茎です。
- 花茎:基本的に葉を付けず花のみをつける茎です。
●葉の形態
- 葉の位置:根生葉と茎葉(苞葉)があり、茎葉は3枚が輪生する。
- 葉身の概形:3出複葉
- 小葉の概形:菱形・楕円形
- 葉縁部:欠刻または浅裂~深裂する分裂葉で、鋸歯または重鋸歯がある。
- 葉の色:緑色
●花の形態

- 花序:単生
- 苞:花梗の基部につき、3枚の苞が輪生します。苞は有柄で、概形は3出複葉し、小葉は菱形、小葉の縁部は浅裂~深裂して、色は緑色です。
- 花:花の直径は約2~4cm、花は花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花弁を欠きます。
- 萼片:萼片は花托の基部付近から放射状に広がり平開または皿状になる。それぞれの萼片は分離した離片萼で、萼片の数は通常6枚ですが、5枚~10枚の間で差異がある。萼片の形は楕円形・倒披針形、色は白色です。
- 雄蕊:多数の雄蕊が、萼片の内側で雌蕊の外側を囲うようについています。花糸の色は白色で、葯の色は黄色です。
- 雌蕊:多数の心皮は互いに合着せず離れており、多数の雌蕊で構成される雌蕊群が球状の花托の上部に集まる。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:痩果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ヤブイチゲの園芸品種を紹介
ベスタル

学名:Anemone nemorosa ‘vestal’
花の色:白色
草丈:約10~20cm
備考:花の形は八重咲きし、中心部に小さな弁が多数あり、アネモネ咲します。そのため、個性的な花姿が楽しめる品種です。
■アネモネ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ヤブイチゲの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:温帯広葉樹林
- 原産地:ヨーロッパと西アジア(トルコからコーカサス地方)
- 自生地:森林の中の開けた場所、林縁、草原、河川沿い
- 気候:主に西岸海洋性気候に属します。気温は一年を通して比較的温暖で、最も寒い月の平均気温が-3℃以上で18℃未満になる。また1年を通して比較的降水量が多く、年間を通して降水量の差は殆どない。
- 日照:深林の林床などに自生しており、半日陰から日陰を好みます。
- 土壌:通気性・排水性・保水性のバランスがよく、腐葉土などを多く含んだ肥沃な土壌を好みます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ヤブイチゲは、半日陰・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。基本的に日当たりの良い場所の方が花付きは良くなりますが、真夏の乾燥や強い日差しは株の生育を妨げ、最悪の場合枯れてしまうこともあります。そのため、栽培環境に合わせて栽培する場所を決めると良いでしょう。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に保水性が高くて適度に湿り気を保てる土壌を好みます。そのため土質は壌土・埴壌土あたりに調節してあげるとよいでしょう。
- 肥沃さ:肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(ピートモス・腐葉土など)を入れて土壌の物理性・生物性・化学性などを改善してあげるとよいでしょう。また堆肥を入れることで保水性も改善されます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ヤブイチゲは、半日陰・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。基本的に日当たりの良い場所の方が花付きは良くなりますが、真夏の乾燥や強い日差しは株の生育を妨げ、最悪の場合枯れてしまうこともあります。そのため、栽培環境に合わせて栽培する場所を決めると良いでしょう。
●培養土
ヤブイチゲの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地は森林の林床などです。そのため、基本的に有機物と腐植に富む肥沃な土壌であり、通気性・ 排水性・保水性が優れており、長く保たれるものを好みます。またPH6.0~ 7.0の中性から弱酸性土壌を好むため、作成に使う土壌改良材も中性に近いものを中心に選ぶとよいでしょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を全体の6割~7割を目安に配合します。土粒が大きいと、空隙ができすぎてしまい根が安定せず成長が悪くなったり、保水性も著しく落ちて生育が悪くなる原因となるため、土粒は小粒を選んだ方がよいでしょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 保水性の高い配合:赤玉土(小粒)5割+バーミキュライト2割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:日向土(細粒・小粒)5割+ピートモス4割+くん炭1割+元肥適量
- 肥沃な配合:赤玉土4割+ 腐葉土4割+牛糞堆肥2割+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
ヤブイチゲは、春の生育期間中は一定の湿り気がある土壌を好み、夏から秋の休眠期は乾燥を好みます。ただし、生育期間中でも、極端な過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりする頻度には注意が必要となります。
●水やりの方法
- 春:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。ただし、頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをして下さい。また受皿を利用している場合は、基本的には溜まった水を捨てるようにしましょう。根腐れの原因になります。
- 夏から秋:株株が休眠して地上部が枯れます。この時期に、水を与え過ぎると根腐れを引き起こすこともあるため、春まで水やりを止めるか、土表面を少し湿らせる程度に水やりを行ないます。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ヤブイチゲは、土壌が肥沃であれば肥料が無くても育てる事ができます。ただし、肥料を与えることで株の生育が促進されるため、生育期間中の春は必要に応じ追肥を施してあげるとよいでしょう。また土壌の状態を見ながら、土壌の色が薄く痩せていると感じる場合、また鉢植えで育てている場合などは、堆肥を入れてあげてください。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用
●肥料の与え方
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料を与える時期:春
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥は規定された分量の半分ほどを使い、水で薄めに希釈する。液肥の回数は約10~14日に1度の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の回りにかけて、土全体を湿らせるように与えましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量の半分を目安に、規定された頻度、規定された方法で施しましょう。
夏越しする方法
ヤブイチゲの原産地はヨーロッパと西アジアで、これらの地域の気候は西岸海洋性気候に属し、日本の気候とよく似ているため比較的夏越しは簡単です。ただし、夏場の乾燥と極端な高温で、葉焼けを引き起こしたり、株が衰退したりしやすいため、夏越し対策として高温・乾燥の予防と対策が必要になってくるでしょう。
●夏越し対策
- 高温の改善:温度が高いことです。 植物の生育適温は一般的に15~30℃の間であり、それ以上の高温になると高温障害と呼ばれる様々な障害を引き起こします。高温の改善の方法は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- 打ち水:庭や植物を置いているコンクリートの地面などに水を撒いて、水が蒸発する時に気化熱を奪う事を利用して、地面や大気の温度を下げます。
- 葉水:植物の茎や葉に水をかけることです。葉水で植物についた水滴は、蒸発する時に気化熱を奪うため植物の温度を下げる効果があります。※ただし水をかける事が植物が病気にかかる原因になる事もあるため病気にかかりやすい植物には避けた方がよいでしょう。
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヤブイチゲは株分けによって増やす事ができます。
●分球の方法
- 株分け時期:秋
- 株を観察:株がを観察し、株分け出来る程度に株が大きく成長して、株が充実している事を確認しましょう。
- 株を掘りあげる:出来るだけ根を傷めないように、株を掘り起こします。
- 株を分割する:株どうしは根茎で繋がり、基本的に固まっているため、これを手で軽く解し、ナイフやハサミを使用して分割しましょう。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けをおこないます。