- 原産:中央・南東ヨーロッパ
- 科:キジカクシ(Asparagaceae)
- 亜科:リュウゼツラン(Agavoideae)
- 属:ムスカリ(Muscari)
- 種:ボトリオイデス/ルリムスカリ(botryoides)
- 別名:ムスカリ・ボトリオイデス/コモン・グレープヒヤシンス(common grape-hyacinth)/イタリアン・グレープヒヤシンス(Italian Grape Hyacinth)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10~25cm
- 誕生花:1月30日/2月26日
- 花言葉:失望/失意/通じ合う心
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ルリムスカリとは!?
ルリムスカリは学名Muscari botryoides、別名「ムスカリ・ボトリオイデス」や「コモン・グレープヒヤシンス(common grape-hyacinth)」等とも呼ばれる中央・南東ヨーロッパ原産の多年草です。
ルリムスカリの語源(由来)
- 属名のMuscariはギリシャ語で「麝香」を意味する「musk」からきており、花の香りに由来します。
- 種小名のbotryoidesは古代ギリシア語で「ブドウの房」を意味する「βότρυς」からきています。
- ルリムスカリの由来は恐らく花の色が瑠璃のように美しい所からきています。
ルリムスカリの特徴(魅力)
- ルリムスカリは球根植物で、球根からふつう2~5個の葉と花茎が出ます。
- 花は茎の頂部にツボ形の小花が集まり密集して咲き、外観が「ブドウの房」に似る事から種小名の由来にもなっています。
- 花は頂部だけ不稔性(種を作らない)で、下部の稔性の花と比べて色が薄く上向きに開花する傾向にあります。
- 花は6個の花被片が合着してツボ形を作っており、花被片の裂片は反り返り、ふつう白色をしています。
- 開花期の3月~5月になると花蜜を求めて蜜蜂が花の周りを元気に飛び回り、ツボ形の花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- ルリムスカリの葉は線形で、ふつう花茎よりも長くなり、初めは直立して徐々に弧状曲がり湾曲します。
- ルリムスカリは比較的にコンパクトで直立して行儀よく咲く花姿から、寄せ植えをつくる際によく利用されます。
- スイセンやチューリップなどと、よく組み合わされます。
- ルリムスカリは小道や花壇に沿って植えるのに適しており、密集した状態で大量植栽すると、開花期に「青色の絨毯」や「流れる小川」を連想させる様な美しい景観を作り出します。
- ルリムスカリは水耕栽培も可能でグラスなどに水を入れオシャレに飾る事も出来ます。
ルリムスカリの草丈は約10(~25)cmです。地面下に球根があり、球根は長さ約1.5(~2.5)cm、幅は約1(~2)cm、形は卵形、色は薄黄色をしています。葉はふつう球根から2(~5)個出て、茎に沿って直立に伸び古くなると弧状に広がります。葉色は緑色、葉身の長さ約15(~40)cm、幅は約0.3(~1.2)cm、葉身の形は線形です。花序は総状花序、総状花序は上部の花が不稔性(種を作らない)で色が薄く上向きに開花する傾向があり、下部が稔性(種を作る)で色が濃く下向きに開花する傾向があります。花冠はツボ形もしくは鐘形(6個の花被片が合着している)をしていて先端の裂片が外側へ反り返る、花被片の色は紫色・青色・白色があり、先端の裂片はふつう白色、雄蕊は6個、雌蕊は1個です。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は3つの部屋に分かれ、6個の種子をもちます。
ルリムスカリの切り花の楽しみ方
- ルリムスカリの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 花瓶の水は少なめの浅水で管理しましょう。
- 茎が腐敗しやすいためです。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)にすると日持ちがよくなります。
- よく水を吸うため数日ごとに必要に応じて水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
ルリムスカリの水耕栽培の楽しみ方
- 水耕栽培で育てるための容器を準備します。
- 簡単なものではガラス容器(ハイドロボール入れる)が利用出来ます。
- 専用のオシャレなガラス容器もあるので好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
- 容器に水を張り、球根を置いてお尻に水を当てて吸水出来るようにしておきましょう。
- 球根から根が出てくるまでは、水をたっぷり入れて球根のおしりから吸水出来るようにしておきましょう。
- 球根から白い根が長く伸びてきたら水の量を減らします。
- 水の量を変えずに球根に水をつけて管理すると腐敗する事もあるため注意して下さい。
- 水の入れ替えの頻度も週に一度のペースに落としても基本的には問題ありません。ただし水が汚れてる場合は直ぐにかえましょう。
- 補足として、基本的に明るい場所を好むため、室内でも日当たりの良い環境で管理しましょう。
おすすめの水耕栽培の容器
ルリムスカリの園芸品種の紹介
- スーパースター(muscari botryoides ‘superstar’)は、茎の頂部に花が密に付き葡萄の房を連想させる様な個性的な花姿を作り、色鮮やかな青色の花が心を落ち着かせリラックス出来る様な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。
- アルバム(muscari botryoides ‘album’)は明るい白色の花色と、ツボの様な形をした小花が集まりブドウの様に咲く花姿が魅力の園芸品種です。白色の美しい花色は「純粋さ」や「神様の色」などを象徴しており、汚れのない清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与えたりします。そのため、明るく清潔感のあるお庭や、洗練された品の良いお庭などにおすすめです。
ムスカリの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ムスカリの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ルリムスカリの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ルリムスカリは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
土壌の土質
ルリムスカリは通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な砂壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、雨の後もジメジメした状態が続く排水性の悪い土壌は生育不良を引き起こす原因となるため、水捌けの悪い粘土質な土壌は避けましょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け方法
- 植え付ける時期は9月~11月です。
- 球根は約10cmの深さに植え付けます。
- 球根の植え付け間隔は約5cmです。
鉢土づくり
日当り
ルリムスカリは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
培養土
ルリムスカリは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ルリムスカリを地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ルリムスカリを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ルリムスカリはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて、秋の植え付け時に元肥として肥料を施しましょう。
ルリムスカリの元肥の与え方
- 元肥を施す時期は球根を植え付ける秋です。
- 肥料は肥効が長く続く骨粉もしくは配合肥料か緩効性肥料を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びましょう。
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥で行います。
- 緩効性肥料であれば株元から少し離した場所に置き肥する事も出来ます。
剪定のやり方
ルリムスカリの剪定は基本的に不要です。
外観を整える目的で、古い葉や枯れた葉を取り除いたり、枯れた花を取り除く事が出来ます。
夏越しする方法
ルリムスカリは夏になると地上部が枯れて球根のみが残ります。地上部が枯れた後も、基本的に球根は植えっぱなしのままで夏越し出来ます。
ただし極端な高温多湿で、球根が腐敗する場合もあります。心配な場合は球根を掘りあげて秋まで冷暗所で保管したり、鉢植えで育てている場合は雨の当たらない軒下などに移動して乾燥気味に管理するとよいでしょう。
球根を掘りあげて管理する場合
- 6月頃になると葉が枯れてくるため球根を掘りあげます。
- 球根を掘りあげたら、葉を切り落として、腐敗の原因となる土を水洗いで綺麗に落とします。
- 直射日光の当たらない風通しの良い環境で暫く乾燥させます。
- 古い皮や根は病気の原因となる菌が潜んでおり腐敗の原因となるため取り除きます。
- 球根をネット袋などの中に入れて、風通しがよく雨の当たらない日陰で管理しましょう。
- 秋に植え直します。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
ルリムスカリは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ルリムスカリは分球によって増やす事ができます。
ルリムスカリの分球方法
- ルリムスカリの分球時期は球根を掘りあげて保存する初夏頃が最適です。
- 葉が枯れてきたらスコップを使い球根を掘りあげます。
- 球根は基本的に自然分球(自然に球根が分かれる)のため、それぞれの球根を乾燥させて保管して、秋に植え直しましょう。
- 詳しい保管方法は夏越し方法の所をご覧下さい。
播種で増やす
ルリムスカリの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ルリムスカリの病気
- 白絹病
ルリムスカリの害虫