- 原産:中国
- 科:アオイ(Malvaceae)
- 属:ハイビスカス/フヨウ(Hibiscus)
- 種:フヨウ(Hibiscus mutabilis)
- 別名:ハイビスカス・ムタビリス/もくふよう(木芙蓉)/コンフェデレート・ローズ(Confederate rose)/ディキシー・ローズマロウ(Dixie rosemallow)/コットン・ローズマロウ(cotton rosemallow)
- 開花時期:6月~10月(理想的な環境では周年)
- 花の色:赤色●桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●白色〇
- 香り:
- 分類:落葉低木
- 被覆方法:
- 草丈:約150~450cm
- 誕生花:11月10日
- 花言葉:心変わり/繊細な美/しとやかな恋人
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/生垣/背が高い花/エスニックガーデン
- 購入方法:フヨウを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
フヨウとは!?
フヨウは学名Hibiscus mutabilis、別名では「もくふよう(木芙蓉)」や「ハイビスカス・ムタビリス」とも呼ばれる落葉低木です。原産地は中国にあり、日本(沖縄・九州)や台湾にも分布しています。
フヨウの語源(由来)
- 属名のHibiscusは古代ギリシア語の「ἰβίσκος(ibiskos)」に由来します。
- 種小名のmutabilisはラテン語で「可変」「変化する」を意味しており、花の色の変化に由来します。
フヨウの特徴(魅力)
- フヨウは、理想的な環境では周年花が咲く開花期間の長さや、花が咲き進むにつれて白色(薄い桃色)から深紅へと花の色が変化する所、葉の形がカッパの掌のような形状をしている所、冬の寒さに応じて氷点下が下回る地域で宿根草として氷点下を下回らない地域では低木として振る舞う所などが特徴です。
- そのため園芸では、お庭の中で長く花を楽しみたい人や、花の色の変化を楽しみたい人などに好まれます。
- 樹形はブッシュ状、または株立ちのように成長する傾向があります。氷点下を下回る地域では地上部が枯れてしまい宿根草のように翌年の春に芽を出して、氷点下を下回らない地域では落葉低木として成長します。
- 葉は葉縁部分に切れ込みが入り裂片が3~7個あるため、葉の形は水掻きのあるカッパの掌の様な形をしています。そのため、とても装飾的です。
- 葉の色は、ふつう緑色ですが、幾つかの園芸品種では黄色や白色の班が入るため、品種を選べばカラーリーフとして楽しむことも可能です。
- 開花期間はふつう初夏から秋にかけてですが、理想的な環境であれば周年花が咲きます。そのため長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 花は直径が約10~15cmと巨大なため遠くからでもよく目立ちます。花の形は一重咲きと八重咲きがあり、一重咲きの花はハイビスカス特有の花柱が突出する花姿をしているためトロピカルな雰囲気を演出することが出来ます。
- 花の色は咲き初めは白色(薄い桃色)をしていて、徐々に咲き進むにつれて薄い桃色、深紅色に変化していきます。深紅色の花は植物の上で数日間残り、散ります。
- 果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)で、綿毛のような毛がはえます。
フヨウの樹高は約150(~450)cm、樹形はブッシュ状、下部からよく枝分かれして株立ちのようになる傾向が強く、茎は直立または斜上に広がります。樹皮の色は灰褐色です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の直径は約10(~20)cm、葉身の形は心形、葉縁部分に深い切れ込みがあり掌状に浅裂(~中裂)して裂片が3(~7)個あります。
花序の腋生、腋生は茎の上部の枝の節に花をつけます。花の大きさは約10~15cm、花の形は鐘形状、花弁は五個、花弁の形は倒卵形、花の色は赤色・桃色・白色、通常は咲き進むに従い色が変化します。雌蕊は花柱が花の中央から長く突出しており、雄蕊が雌蕊の周りに多数付きます。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)で、蒴果の形は卵形または球形で先端が尖り、色は緑色から熟すと淡い褐色、成熟すると縦にパックリ割れて裂片は五個あります。
フヨウの園芸品種の紹介
ハイビスカス(フヨウ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
フヨウの育て方
花壇の土づくり
日当り
フヨウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能ですが、花の数が著しく減る事があったり、病気になりやすくなる事があります。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
フヨウは、幅広い土壌に適応しますが、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
逆に粘土質な土壌は、水分が停滞してジメジメして、根腐れを起こし生育不良になる可能性があるため注意が必要です。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性を良くしたり、通気性と保水性のバランスを改善したり、腐葉土等の有機物を入れて適度に肥沃な土壌にした方が良いでしょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け時の注意点
フヨウは、しっかり根を張り健康な成長するために、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~2倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
植付け方法は標準植えで行います。
鉢土づくり
日当り
フヨウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能ですが、花の数が著しく減る事があったり、病気になりやすくなる事があります。
培養土
フヨウは、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
鉢植えで育てる時の注意点
フヨウは他のハイビスカスの仲間と同様に生育旺盛で、根の回りが早い植物です。そのため、鉢植えで育てる場合は2年~3年に1度の頻度で鉢植えから植物を出して植え替えを行いましょう。
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
フヨウは比較的に乾燥に耐える事が出来ますが、湿り気のある土壌を好み、湿り気のある土壌で最も生産性が高まります。
ただし、何時までも水分が停滞するジメジメした環境は根腐れを引き起こす原因となるため、土壌の状態を見ながら、水やりを行う必要があるでしょう。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
フヨウを肥沃な土壌で育てている場合は、定期的な肥料が無くても育てられます。ただし株をしっかり成長させて、沢山の花を咲かせたい場合には定期的な肥料が必要です。
フヨウは、多くのハイビスカスの仲間と同様に肥料の三要素(窒素・リン・カリ)の中のカリ成分を好みます。そのため、肥料を選ぶ時はカリが多めに含まれる水平型肥料や谷型肥料を選びましょう。
また健康な葉や花の成長を促すため鉄やマグネシウムなどの微量要素も必要になります。そのため、それらが含まれる有機肥料などを選ぶのも良いでしょう。
肥料と堆肥の与え方
- 肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 春から秋にかけて生育期間中です。
- 肥料の選び方
- 有機肥料または化成肥料を選びます。
- 肥料の成分は窒素・リン・カリが等分の【水平型】またはカリが多めに入る【谷型】を選びます。
- 肥料の与え方
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 化成肥料の場合も株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
- 堆肥の与え方(鉢植えは植え替え)
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
剪定のやり方
フヨウは剪定をせずに育てる事も出来ますが、定期的に剪定を行い、活力のある若い成長を促した方が花が沢山咲きます。そのため、剪定される事が多いようです。
早春から春の剪定とは!?
フヨウの早春から春の剪定とは、株が越冬して新しい成長が始まる前に行う剪定です。
基本的に行う必要はありませんが、株を小さくしたい時や、新しい成長を促したい時などにおすすめの剪定です。
- 剪定のやり方
- 春からの成長が始まる前の早春から春に剪定を行います。
- 冬の間に枯れた茎を、根元から剪定して取り除くか、健康な茎の部分まで切り戻します。
- 株全体が枯れている場合は地面から15cm程の場所で切り戻し剪定すると良いでしょう。
- 古い茎も生産性の高い茎を伸ばすために地面近く、または枝分かれしてる部分で切り戻し剪定する事が出来ます。
晩春から初夏の剪定とは!?
フヨウの晩春から初夏の剪定は必ず必要な作業ではありません。
剪定の目的は外観を整えたい時、枝数を増やして花の数を増やしたい時などがあります。ただしデメリットとして開花が遅れるなどがあります。
- 剪定のやり方
- 枝が徒長している場合は枝の途中から切り戻し剪定を行い外観を整えます。
- 必要に応じて枝先を軽く剪定して、分枝を促します。
冬越しする方法
Hardiness:7~10
フヨウは、耐寒性が高めなため、冬の寒さが厳しい地域でなければ屋外での越冬が可能です。
フヨウは、寒さが氷点下を下回る地域では地上部が枯れて宿根草のように振る舞います。一方で、氷点下を下回らない地域では地上部が枯れずに低木として成長します。そのため、地上部が枯れても株を撤去せずに春まで待ってみましょう。