
- 原産:メキシコ/グアテマラ/エルサルバドル/ホンジュラス/コスタリカ/パナマ/ベネズエラ/コロンビア
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:エリゲロン/ムカシヨモギ(Erigeron)
- 種:カルビンスキアヌス(Erigeron karvinskianus)
- 別名:ペラペラヨメナ/ゲンペイコギク(源平小菊)/ペラペラヒメジョオン/メキシコヒナギク/ムキュウギク(無休菊)/メキシカン・フリーベイン(Mexican fleabane)/ラテンアメリカ・フリーベイン(Latin American fleabane)/サンタバーバラ・デイジー(Santa Barbara daisy)/スパニッシュ・デイジー(Spanish daisy)/カーワウスキー・フリーベイン(Karwinsky’s fleabane)/ボニーチップ・フリーベイン(bony-tip fleabane)
- 品種:スタローン(Erigeron karvinskianus ‘stallone’)
- 開花時期:周年(主な開花期は4月~12月)
- 花の色:桃色・黄色・白色
- 葉の色:緑色
- 生活形:多年草・亜低木
- 草丈:約20cm
- 株張り:約60~120cm
- 誕生花:5月27日
- 花言葉:移り気/遠くから見守ります
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/枝垂れる植物/景観植物/種から育てる植物/ロックガーデン
- 購入方法:エリゲロン(スタローン)を楽天で購入
■エリゲロン(スタローン)の特徴
- 学名:Erigeron karvinskianus ‘stallone’
- 開花時期:周年(主な開花期は4月~12月)
- 花の色:桃色・黄色・白色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約20cm
- 株張り:約60~100cm
- 備考:矮性でマット状に広がるため地被植物として活用するのに向いています。
■エリゲロン・カルビンスキアヌスとは!?

エリゲロン・カルビンスキアヌス(学名: Erigeron karvinskianus)は、別名で「ペラペラヨメナ」「ゲンペイコギク(源平小菊)」「ペラペラヒメジョオン」「メキシコヒナギク」「ムキュウギク(無休菊)」「メキシカン・フリーベイン(Mexican fleabane)」「ラテンアメリカ・フリーベイン(Latin American fleabane)」「サンタバーバラ・デイジー(Santa Barbara daisy)」「スパニッシュ・デイジー(Spanish daisy)」「カーワウスキー・フリーベイン(Karwinsky’s fleabane)」「ボニーチップ・フリーベイン(bony-tip fleabane)」とも呼ばれるキク科エリゲロン属に分類される多年草または亜低木の種です。
エリゲロン・カルビンスキアヌスの原産地はメキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、パナマ、ベネズエラ、コロンビアで、世界各地の熱帯・亜熱帯及び温帯地域に広く帰化しており、自生地は草原や岩場や崖地、人為的攪乱を受けた荒地や道端、アスファルトの隙間などです。
■エリゲロン・カルビンスキアヌスの語源(由来)

- Erigeronの語源:古代ギリシア語で「早朝」「早く」を意味する「ἦρι(eri)」と、古代ギリシア語で「老人」を意味する「γέρων(geron)」の2語の造語です。これは、花後にできる種の冠毛が老人の白髭のように見えることに由来します。
- karvinskianusの語源:ドイツの自然主義者で、メキシコで本種を採集したWilhelm Friedrich Karwinsky von Karwin (1780–1855)への献名です。
- 源平小菊の語源:花の咲き始めは花弁の色が白色で、次第に花弁の色が赤色(桃色)へと変化します。この様子から源平合戦の白旗と赤旗に見立てて命名されました。
■エリゲロン・カルビンスキアヌスの特徴(魅力)

- 形態:草丈は約15~50cm、生育型は地面を這うように伸びる匍匐型、また根茎から複数の茎が出る叢生型の性質があります。葉は異形葉性で下部は分裂葉(浅裂・中裂)になる傾向があり、上部は単葉(倒卵形・倒披針形・楕円形・狭楕円形)になる傾向があります。花序は頭状花序、直径が1~2cmで、色が白色から桃色に変化する線形の舌状花と、黄色の筒状花で構成されています。
- ライフサイクル:生活形は多年草・亜低木です。
- 春:暖かくなってくると休眠から覚めて枝の節から新しい芽が萌芽し、生育旺盛に枝を伸長させながら葉を展開し、花を咲かせ始めます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し花も咲きます。ただし、高温で花が少なくなったり、一斉に開花した花が一段落することで花数が減少することも多いです。
- 秋:気温が低くなり始めると生育がやや鈍りますが、この時期も生育期間中で開花も見られます。
- 冬:温暖な地域では、この時期も枝葉が成長し開花も見られますが、寒さが厳しい地域では地上部の大部分が枯れて地表の木質部または根茎が残り休眠状態になります。
- 花の魅力:本種は、花の色が白色から桃色へと時間の経過で移り変わるため、一株の中で白色・黄色と桃色・黄色の2タイプの花が混在します。白色・黄色・桃色の組み合わせは、無邪気で元気な子供っぽさを感じさせるため、遊び心のあるハッピーで元気なお庭、カラフルで可愛らしいお庭などを演出できます。またこの花は1~2cm程度と小ぶりですが、株を覆うように咲き誇るため、賑やかで楽しげな雰囲気を演出できます。
- 花壇の縁取り:本種の生育型は匍匐型で、株は地表を這うように広がります。そのため、レンガ等の花壇の縁取りに這わせたり、広範な花壇の縁を覆うのに適します。本種の花壇の縁取りを作る場合は、品種によっても変わりますが、苗を30cm程度の間隔で植え付けると成長した時に美しい縁取りとなるでしょう。
- 地被植物:本種は、生育型が匍匐型で、地表を絨毯のように広がったり、岩壁を枝垂れ壁面を被覆することができます。本種の地被植物としての魅力は、開花期になると花が株を覆い花絨毯が形成される点、耐乾性が高いためロックガーデンなどで利用出来る点などにあります。また比較的耐踏圧性もありますが、踏んだ場所の概形が大きく変わり見た目が悪くなるため、あえて踏まれるような通行量の多い場所は避けた方が無難でしょう。
- ハンギング仕立て:本種は茎が比較的柔軟で枝垂れる性質があるため、吊り鉢やコンテナなどに植えると鉢縁から真下に枝垂れる草姿が観賞できたり、岩壁などに植えると岩肌を被覆するように枝垂れる草姿が楽しめたりします。これらの仕立て方で、人工物などが植物に覆われていく様は、優美な雰囲気を醸し出すだけでなく、時の流れや、自然の脅威や荒廃を演出するのにも一役買います。
- 岩隙植物:本種は偽着生し、岩の割れ目や隙間にたまった土などで生活することが出来る植物です。石垣の隙間、レンガの隙間、アスファルトの裂け目など、野生でもさまざまな場所で見ることができます。園芸では、あえて本種を石や岩の隙間に着生させて栽培し、剥き出しの石壁やレンガを花で彩られることもあります。
- 蜜源:本種の花はシジミ蝶などの小さな訪花昆虫に好まれる蜜源の一つです。花の上に乗ってストローを伸ばし蜜を集める姿は可愛らしさを感じさせ、また花の周りで飛び回る姿もお庭に優美さや活気を与えます。そのため、昆虫と共生し楽しいお庭作りをしたい人にもおすすめの植物です。
- 強健:基本的に日照条件がよく、土壌の通気性・排水性が整っていれば、放ったらかしで栽培できるほどに強健です。また繁殖力も非常に高く簡単に増えます。
- 生態系被害防止外来種リスト:本種は環境省が定める「生態系被害防止外来種リスト」のその他総合対策外来種に記載されており、日本の生態系に及ぼす、または及ぼす恐れがある外来種とされています。特定外来生物では無いため、法的な規制はありませんが、栽培する際は種子を外に拡散させない逸出させない努力が必要です。
■エリゲロン・カルビンスキアヌスの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:多年草・亜低木
- ラウンケルの生活形:休眠芽の位置が地表面のすぐ下にある半地中植物、または休眠芽の位置が地面から30cmの範囲にある地表植物です。
- 草丈:約15~50cm
- 生育型:主として匍匐型で、叢生型の性質もあります。
- 匍匐型:地面を這うように茎が伸びるものです。
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するものです。
- 株の概形:地表を這うようにマット状、またはクッションのようなドーム状になり、岩壁などでは枝垂れます。
- 茎の種類:根茎・傾伏茎・斜上茎・横臥茎・匍匐茎
- 根茎:見た目が根に似ている地中にある茎です。
- 傾伏茎:茎は横に這って伸びて途中で先端が立ち上がる茎です。
- 斜上茎:茎は斜めに伸びる茎です。
- 横臥茎:茎は直立または斜上した後に湾曲して横に倒れ地表を這う。
- 匍匐茎:地表面を這って伸びる茎で、節からは不定根が生じます。
- 茎の毛:茎の表面に密着するように伏してついている伏毛があります。
- 茎の性質:茎は成熟すると木質化し、株の基部付近が木質化します。
- 茎の色:緑色またはアントシアニンの影響で赤紫色を帯びることもあります。
- 備考:踏圧に比較的強い
●葉の形態
- 葉序:互生
- 葉柄:ごく短い葉柄があるか、無柄です。
- 葉身の長さ:約1~4cm
- 葉身の概形:異形葉性で上部は単葉になる傾向があり、下部は分裂葉になる傾向があります。
- 単葉:倒卵形・倒披針形・楕円形・狭楕円形
- 分裂葉:羽状中裂・羽状浅裂
- 葉縁:全縁
- 葉脈:主脈が目立ち側脈は不明瞭か2脈あります。
- 葉の毛:疎らに毛が生えます。
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:頭状花序で、頭状花序の直径は約1~2cm、花序軸の先端は短縮して花托になり、花托の基部に総苞があり上面に花が密集します。
- 花托:花托の形は半球形、総苞・花を支えています。花托の基部に総苞、上面に花(舌状花・筒状花)があります。
- 総苞:花序の基部(花托の側面)で花を保護しており、複数の総苞片が重なるように集まります。総苞の形は広鐘形、総苞片は約1~3列に重なり、総苞片の形は線形、総苞片の色は緑色です。
- 筒状花:5枚の花弁が合着している合弁花冠で、長い花冠筒部と、小さな花冠裂片が5個あり、色は黄色、雄蕊(集葯雄蕊)は5本、雌蕊は1本(柱頭は2裂)です。
- 舌状花:花弁が合着している合弁花冠で、花冠筒部は短く、花冠裂片は舌状に伸長し形は線形、色は咲き始めは白色で成熟すると桃色に変化します。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:痩果です。痩果は果皮が乾燥していて1個の種子を包んでおり、乾燥しても裂開しません。
- 痩果の形:楕円形
- 痩果の色:褐色
- 痩果の冠毛:糸状の毛が痩果の上に束生します。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■エリゲロン・カルビンスキアヌスの園芸品種を紹介
●プロフュージョン

学名:Erigeron karvinskianus ‘Profusion’
開花時期:周年(主な開花期は4月~12月)
花の色:桃色・黄色・白色
葉の色:緑色
草丈:約15~30cm
株張り:約60~120cm
備考:豊富・多量を意味する「profusion」の名前が付いている通り、従来のエリゲロンよりも花数が多く賑やかな花姿が楽しめると同時に、連続開花性にも優れている品種です。
■エリゲロン属(ムカシヨモギ属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■エリゲロン・カルビンスキアヌスの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:温帯草原・モンスーン林・亜熱帯乾燥林・荒地
- 原産地:メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、パナマ、ベネズエラ、コロンビア
- 自生地:草原や岩場や崖地、人為的攪乱を受けた荒地や道端など
- 気候:主に西岸海洋性気候・熱帯モンスーン気候・サバナ気候に属します。
- 西岸海洋性気候:夏の気温は最暖月平均気温が10℃以上で22℃未満で比較的冷涼であり、冬場の気温は-3℃以上と比較的温暖です。降水量は中程度で、年間を通して降水量の明瞭な差はそれほどありません。
- 熱帯モンスーン気候(Am):最寒月の平均気温が18℃以上あり、降水量は基本的に多雨ですが短い乾季があります。
- サバナ気候: 最寒月の平均気温が18℃以上あり、明確な乾季があり樹木は疎らです。
- 日照:日向・半日陰
- 土壌:主にアクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)・フェラルソル(Ferralsols)・ルビソル(Luvisols)・レゴソル(Regosol)・レプトソル(Leptosol)などが分布します。
- アクリソル:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、粘土の集積層ができる。塩基飽和度が低く、強い酸性を示し、粘土の部分は酸化鉄の影響で赤褐色から黄褐色を呈します。
- アリソル:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、粘土の集積層ができる。集積層ではアルミニウム含有量が高く、PHは強い酸性を示します。
- フェラルソル:熱帯雨林の気候下での長年の風化と溶脱作用によって酸化鉄やアルミニウムが集積し土の色が赤褐色をしています。また高温による有機物の分解の早さや、降水量の多さから、腐植層は浅く、保肥力も低く、肥沃さがほぼない。
- ルビソル:下層に粘土が集積し、この集積層の粘土は陽イオン交換容量が高く、塩基飽和度50%以上ある。そのため、肥沃度が高い傾向がある。
- レゴソル:母材が砂または非固結岩屑土からなり、風化が弱く層位の発達がほとんど見られない。基本的に砂礫質で通気性・排水性が高く、保水性・保肥力が低いです。
- レプトソル:連続した岩石の上にある非常に浅い土壌の層で深さ25cm未満です。そのため、砂礫質で通気性・排水性に優れており、基本的に有機物の堆積が少なく、腐植層もほとんどなく、保水能力も低いです。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
エリゲロン・カルビンスキアヌスは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に砂土・砂壌土・壌土・植壌土の幅広い土壌に適応します。基本的に岩場などの斜面にあり、土壌が砂質の場所に自生していることから乾燥に非常に強いため砂土でも栽培可能です。一方で排水性が悪い環境では生育不良になることもあるため極端に粘土質な土壌(埴土)は避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:自生地では砂や礫が多くて、腐植質が少ない、栄養分の乏しい痩せた場所に自生しています。この事からも分かる通り、堆肥を大量に入れる必要がありません。逆に肥沃すぎる土壌では栄養生長が優先されて枝葉ばかりが伸びて花が咲きにくくなる傾向にあります。土壌の状態を見ながら極端に痩せていると感じる場合は、必要に応じ土壌の土の量に対して1割を目安に堆肥を混ぜ込むとよいでしょう。
- pH:pHは5.5~7.0の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は痩せ地にも自生しており、栄養の乏しい土壌で問題なく育ちます。栄養(窒素)の多い土壌では徒長し葉が茂り、花の数が少なくなる傾向があるため、基本的に肥料は控えるか、リン酸・カリの含有量が多い肥料を使用した方が良いでしょう。
- 植え付け:苗は浅植え・深植えせずに、標準植えします。標準植えは、根鉢の肩の部分と地表面を同じ高さ合わせて、植物の根っこが完全に土に覆われるように植え付けます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
エリゲロン・カルビンスキアヌスは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
エリゲロン・カルビンスキアヌスの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも少し通気性・排水性を高めた培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が崖地や石の隙間などにあることからも分かる通り、基本的に通気性・排水性が高く、比較的痩せた培養土を好みます。肥沃すぎる培養土では栄養生長が優先されて枝葉ばかりが伸びて花が咲きにくくなるため注意が必要です。また本種は弱酸性から中性の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 無機質の用土:一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を高める目的で、赤玉土や日向土などを7割~8割を目安にして多めに配合します。土粒は基本的に小粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性の低下や植物の生育不良の原因となるため避けてください。
- 有機質の用土:腐葉土などの有機資材は2~3割を目安に培養土の中に配合します。腐葉土などの有機物は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。ただし、有機質の土壌改良材を入れ過ぎると栄養生長が優先されて花数が減ることもあるため注意が必要です。
- 元肥:本種は痩せ地にも自生しており、栄養の乏しい土壌でも問題なく育ちます。ただし、鉢植えの土は栄養が流出しやすく、また一定の栄養が花の数や大きさに影響を与えるため、リン酸・カリが多く含有する緩効性肥料の元肥を入れることが推奨されます。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+赤玉土(小粒)3割+ピートモス(酸度調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+バーミキュライト1割+腐葉土3割+元肥適量
水やりの仕方
エリゲロン・カルビンスキアヌスは、崖地や斜面の隙間などに自生しており、乾燥に非常に強い植物です。また過湿にも比較的耐性があります。ただし、過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因になったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やり頻度には十分な注意が必要です。
●栽培環境での違い
- 地植え:基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、根系が未発達で株が定着していなかったり、高温や強光で乾燥しやすい夏の季節だったり、雨が降らず土壌が何日も乾燥していたり、土壌が砂質で乾燥しやすい状態にあったりする場合は、必要に応じて水やりが必要となることもあります。ただし、野生では岩の隙間でも容易に自生しています。
- 鉢植え:地植えと比べて、土の容量が限られるため乾燥がかなり早いです。そのため、定期的な水やりが必要となります。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本ですが、夏場は乾燥が早く、水切れして株が弱りやすいため、土壌や株の状態を見ながら、必要に応じて夕方にも水を与えましょう。ただし、真昼の高温時に水やりを行うと、鉢内で水温が上昇して高温多湿による蒸れや酸欠状態で根を傷めることがあるため避けてください。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:休眠期は殆ど水分を吸収しないため、水やりの頻度を大きく減らします。この時期に水分が多いと根腐れを引き起こす原因になります。ただし、土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、夏の昼の高温時に水を与えると、鉢内の温度上昇と共に湿度が上がり、根が酸欠状態(蒸れ)に陥り、根腐れや生理障害を起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、夜間に土壌が過湿状態になり、病原菌(真菌)の繁殖や呼吸の邪魔となり、根腐れを引き起こす原因になったり、過剰な水分で徒長し株姿が乱れる原因にもなります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいです。ただし例外として、夏場や植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
エリゲロン・カルビンスキアヌスは自生地が草原や荒地などにあり、栄養の少ない痩せた土壌にも生育しています。本種の肥料の要求度は低く、与えすぎると茎が徒長して倒れやすくなったり、葉数が増えて花数が減ったりする原因になります。そのため、基本的には「控えめ」な肥料を心がけましょう。
●栽培環境での違い
- 地植え:自生地が痩せ地にあり、ある程度の堆肥が混和されている基本的に肥料は不要です。肥沃すぎる土壌も花数を減らす原因になるため注意が必要です。
- 鉢植え:土の量が限られており、養分も流出しやすいため追肥が必要です。必要に応じて植付け時に元肥を施したり、春に芽出し肥を施すと良いでしょう。注意することは、窒素成分の多い肥料を使わないことです。 窒素過多の土壌は、茎葉を茂らせて花数を減らす原因になります。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:花付きを良くするためにリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る緩効性肥料などを選ぶと良いでしょう。
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:リン酸とカリが多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(緩効性など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
エリゲロン・カルビンスキアヌスは剪定せずに育てる事も出来ますが、株の大きさを制御・維持するために剪定が推奨されます。例えば、剪定により、株の概形が整えられます。また匍匐茎や根茎が伸びて広範囲に逸出することを防ぐことができます。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
●剪定方法
- 概要:剪定の方法は「刈り込み」「間引き」などがあります。剪定の要否は、株の状態や栽培目的に応じて判断しましょう。
- 刈り込み:株の表面をなぞるように剪定して、形を整える剪定方法です。
- 刈り込みの時期:生育期間中であればいつでも行えますが、開花が一段落したタイミング、株の概形が大きく崩れた時などに行います。
- 刈り込み方法:株全体を観察して、剪定後の輪郭線をイメージします。刈り込みバサミを使って、イメージにある輪郭線に沿い、飛び出ている枝葉をなぞるように剪定します。
- 間引き:不要な枝葉を根元から剪定したり、不要な株を引き抜いたりして、日当たり風通しを改善したり成長範囲を一定に制御したりすることです。
- 間引きの時期:基本的にいつでも行えます。枝葉が歩行者の邪魔になっていたり、決めていた範囲から匍匐茎や根茎が逸出していたりする場合はその都度行いましょう。
- 間引き方法:株を観察して枝葉が歩道などに伸びている場合は、枝が邪魔にならない程度に切り戻すか、枝の根元から間引きします。匍匐茎や根茎が決められた範囲より先に伸びて定着している場合は、その株を引き抜きましょう。
- 強剪定:新しい枝の成長を促す目的で剪定することです。この剪定を行うことで、木質化を抑制して株元がスカスカになることを防いだり、株をコンパクトに保ったり、枝葉を密生させることが出来ます。
- 強剪定の時期:休眠期の冬の時期に行います。
- 強剪定の方法:株元からバッサリ剪定します。
挿し木や株分けで増やす
エリゲロン・カルビンスキアヌスは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
●株分けの方法
- 株分け時期:秋または早春に行うのが最適です。
- 株を観察:株を観察し、葉の数が十分にあり、株分けできる程度に大きく成長し、また株が健康であることを確認します。
- 株を掘りあげる:根を出来るだけ傷めないように、株元から離れた場所にスコップを入れて、周囲の土ごと掘り起こします。
- 土を落とす:掘り上げた株についている土や腐った根を優しく取り除きます。ただし、根はデリケートなため根鉢を完全に崩しきる必要はありません。
- 株を分割する:株は太い根茎で繋がっているいます。根茎に芽(葉)と根を、それぞれ3芽以上付けるようにして、根茎を清潔なナイフで切断し分割しましょう。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けを行い、養生しながら管理しましょう。
播種で増やす
- 播種時期:3月~5月・9月~10月
- 発芽適温:約15~20度
- 発芽日数:約14日
- 備考:好光性種子のため発芽に光が必要です。
種まき手順
- 種まきの時期:3月~5月・9月~10月
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:移植栽培をするため、容器(プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブン等)を準備し、その中に種まき用の培養土を入れます。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。本種は、種が細かく水で流れやすいため、受け皿に水を張って鉢底から吸水させる方法、または霧吹きで優しく水を与えるのがおすすめです。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。































