原産:トルコ/コーカサス地方/ウクライナ
科:オオバコ(Plantaginaceae)
属:ベロニカ(Veronica)
種:ペドゥンクラリス(peduncularis)
同義語(syn.):Veronica umbrosa
別名:ベロニカ・ウンブローサ/クリーピング・スピードウェル(creeping speedwell)
品種:ウォーターペリーブルー(waterperry blue)
開花時期:3月~5月
花の色:青色●
葉色:緑色●茶色●
分類:多年草
草丈:約10~15cm
誕生花:6月16日
花言葉:忠実/名誉
用途:カラーリーフ/グランドカバー
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)とは!?
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は赤みを帯びた濃い緑色から銅色の葉色と、落ち着いた雰囲気のあるラベンダー色(薄紫色)の花が魅力的な園芸品種です。ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は地面を匍匐して広がる草姿をしているため、グランドカバーや花壇の縁どり等に使いやすいです。また繊細で優しい印象を与える薄紫色の花と、素朴で落ち着いた雰囲気をつくる銅色の葉は、オシャレなカフェを思わせる様なお庭やアンティークな雰囲気のお庭等によく会うでしょう。
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)とは!?
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)は学名Veronica peduncularis(Veronica umbrosa)、別名「ベロニカ・ウンブローサ」や「クリーピング・スピードウェル(creeping speedwell)」とも呼ばれるトルコおよびコーカサス地方、ウクライナが原産の多年草です。
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の語源(由来)
- 属名のVeronicaは、十字架を背負いゴルゴダの丘へと歩くイエス・キリストを憐れみ、額の汗を拭うようヴェールを差し出した聖ヴェロニカ(Saint Veronica)への献名です。
- 種小名のpeduncularisは「花柄」を意味しています。
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の特徴(魅力)
- ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の茎は地面を覆うように這って途中で根を下ろしながら広がります。
- そのため園芸ではグランドカバーやロックガーデン等に利用されています。
- 鉢植えで育てた場合は鉢の縁部分から茎葉が溢れるように広がる草姿が見られます。
- ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の花は青色で花芯が白色をしています。
- 開花期になると地面を覆うように花が咲き青色の湖面や絨毯を思わせる美しい花姿が見られます。
- 葉は卵形から楕円形をしており通常は緑色です。
- 幾つかの品種では葉の色が銅色(~紫色)をしているためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の茎は緑色もしくはやや赤みを帯び、茎は匍匐性(地表を這い途中で根を出す)もしくは傾状茎(地表を這い途中で立ち上がる)で、高さ約15~20cmの間で成長します。葉序は対生葉序、葉色は緑色もしくは銅色(~紫色)、葉身は卵形もしくは楕円形で、ふち部分に鋸歯があります。花序は総状花序をつくります。個々の花は筒状で裂片は4個あり、2個の雄蕊と1個の雌蕊が突出します。
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の栽培方法
園芸では、春に一斉に開花する花を鑑賞する目的だったり、幾つかの品種で見られる銅色(~紫色)の葉をカラーリーフとして楽しむ目的で育てられます。ベロニカ(ペドゥンクラリス種)は地面を覆うように広がる草姿からグランドカバーとして花壇の縁どりとして利用されたり、ロックガーデン等に利用されたり、また管理のしやすい鉢植えに植えられて鉢の縁部分からこんもりと溢れ出す草姿と花姿が楽しまれたりします。
ベロニカの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
色々なベロニカの種類とおすすめの品種の紹介【2021】
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所では開花が悪くなったりするため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、3時間~5時間の半日影までで育てましょう。
土壌の土質
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は良好な水捌けがない場合、根腐れを引き起こし生育不良になる可能性があります。そのため粘土質な土壌は避け、通気性と保水性が良く、有機物もしっかり入った肥沃な壌土で育てましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ベロニカ(ウォーターペリーブルーは浸水したり水分が停滞する様な環境を嫌いますが、やや湿り気のある土壌で最も生産性が高まります。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の多くの肥料を必要としません。肥料は植付け時に与える元肥もしくは早春に寒肥を入れるのみです。
元肥
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の元肥は植え付け時もしくは、植付け2週間に前(有機肥料の場合)に与えましょう。
元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選びましょう。肥料の成分は山型肥料(リン酸多め)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。規定された量を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離れた場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施すか、株元から少し離した場所に緩効性肥料を置き肥しましょう。
剪定のやり方
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の剪定は開花後の「切り戻し」です。
切り戻し
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の切り戻しは開花期間が終わったら行います。
切り戻しを行うことで、種を作り初めて株が弱り生育が衰える事を防ぎ、生産性の低い古い茎を剪定する事で新しい茎葉の成長を促す事が出来ます。
夏越しする方法
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は夏の暑さを苦手にしており、晩夏になるにつれて生育が衰える傾向にあり、また多湿環境では根腐れや斑点病などの病気にもかかることがあります。
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、暑さと乾燥対策として、西日の当たらない半日影に移動するといいでしょう。
- 乾燥対策として地植えした株でも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:4b~9a
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)は株分けによって増やす事ができます。
ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の株分け手順
- ベロニカ(ウォーターペリーブルー)の株分け時期は春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- ハサミもしくはナイフ等を利用して株を個々に切り分けます。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約15日
光条件:
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の病気
- 斑点病
- べと病
- うどんこ病
- 灰色カビ病
ベロニカ(ペドゥンクラリス種)の害虫
- アブラムシ