- 原産:南アフリカ
- 科:フクロソウ(Geraniaceae)
- 属:ゼラニウム/ペラルゴニウム/テンジクアオイ(Pelargonium)
- 種:ホルトルム(Pelargonium × hortorum)
- 別名:ハナテンジクアオイ/ゾナルゼラニウム(zonale geranium)/ガーデン・ゼラニウム(garden geranium)
- 開花時期:3月~12月(理想的な環境では周年)
- 花の色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●桃色●茶色●白色〇黒色●
- 香り:
- 分類:低木
- 草丈:約30~50cm
- 誕生花:1月26日/7月27日
- 花言葉:尊敬/信頼/決心/真の友情/育ちの良さ
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ
- 購入方法:ゼラニウム(ホルトルム)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ゼラニウム(ホルトルム)とは!?
ゼラニウム(ホルトルム)は学名Pelargonium × hortorum、南アフリカ原産のゾナルゼラニウム(Pelargonium zonale)と、インクイナンス種(Pelargonium inquinans)の雑種の低木で、別名では「ハナテンジクアオイ」や「ガーデン・ゼラニウム(garden geranium)」等とも呼ばれています。
ゼラニウム(ホルトルム)の語源(由来)
- 属名のPelargoniumは古代ギリシア語で「コウノトリ」を意味する「πελαργός(pelargos)」からきており、種子の形がコウノトリの嘴に似ている所に由来します。
- 種小名のhortorumはラテン語で「庭園」や「公園」を意味する「hortus」からきており、庭期限である事に由来します。
ゼラニウム(ホルトルム)の特徴(魅力)
- ゼラニウム(ホルトルム)は、ゾナルゼラニウム(Pelargonium zonale)とインクイナンス種(Pelargonium inquinans)の雑種です。ゾナル種と比べると株はコンパクトで品種が豊富にありますが、ゾナルゼラニウム(zonale geranium)と呼ばれたり、またゾナル系に扱われる事もあります。
- ゼラニウム(ホルトルム)は、開花期間の長さや、花房の中の花がとても多くボリュームある花姿をつくる所、花が球状に集まり咲く丸く可愛らしい外観、花弁の並びと大きさが均一的な所、様々な葉の形や色などが特徴の植物です。
- そのため園芸では、お庭の中で長く花を楽しみたい人や、球状に咲くボリューミーな花を楽しみたい人、帯状の模様が入る丸く可愛らしい葉をカラーリーフとして楽しみたい人などに好まれます。
- 樹形はブッシュ状、茎はよく分枝してドーム状の外観になる傾向があります。比較的にコンパクトに成長するため、花壇の縁どりや鉢植えなどで育てられる事が多いです。
- 茎は若い時は緑色で毛がありますが、成熟すると木質化して褐色になります。
- 葉の形はふつう腎形、葉の基部が凹み、葉の先端が丸くなりますが、モミジバゼラニウムのように掌状に葉のふち部分が大きく裂けて鋭利な外観になることもあります。
- 葉の色はふつう緑色で、葉の中心部に帯状の模様がはいります。品種によっては帯状の模様がなかったり、様々な葉色が楽しめたりします。
- 開花期間が長く、理想的な環境では周年、通常は春から秋にかけて花が咲きます。そのため長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 他の多くのゼラニウムの仲間よりも一つの花房に多くの花がつくため、花房は非常にボリュームが良くて、球状に花が集まるため可愛らしい外観の花姿をつくります。
- 花は花弁の大きさと並びが比較的に均一的です。
- 花の色が非常に豊富にあるため、お庭の雰囲気に合わせて品種が選べる所も魅力です。
- ゼラニウム(ホルトルム)は軽い霜を耐える事が出来ますが、寒さに弱いため基本的には寒さ・霜対策が必要です。また夏の高温多湿も少し苦手にしているため、夏越し対策も必要になります。
ゼラニウム(ホルトルム)の草丈は約30(~100)cm、樹形はブッシュ状、茎はよく分枝して、直立または斜上に広がります。茎の色は緑色または赤褐色か褐色、茎は若い時は毛が生えており、茎の質感は多肉質、茎は成熟すると木質化します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色で中央付近に円環状の暗褐色の班が入り、葉柄はあり、葉身の直径は約5(~10)cm、葉身の形は腎形(葉の基部は凹み・先端は丸くなる)、葉のふち部分に波状縁があり、掌状に浅裂する事もあります。
花序は散形花序、散形花序は茎の末端に花が集まり球形の花房をつくります。花は直径約3(~5)cm、花弁は5個、花の色は赤色・桃色・橙色・黄色・紫色・白色があります。
果実は分離果(1個の雌蕊が複数の子房を持っており、熟すと各心皮に離れて縦に割れ各部が分離する果実をいいます。分離した果実は分果と呼ばれます)です。
ゼラニウム(ホルトルム)の園芸品種の紹介
ゼラニウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ゼラニウム(ホルトルム)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ゼラニウム(ホルトルム)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の暑さが非常に厳しい地域では、花が傷みやすくなるため、午後の日差しを避けた方が良い場合もあります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは、午後から日陰になる半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
ゼラニウム(ホルトルム)は、通気性と排水性が良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ゼラニウム(ホルトルム)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の暑さが非常に厳しい地域では、花が傷みやすくなるため、午後の日差しを避けた方が良い場合もあります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは、午後から日陰になる半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
培養土
ゼラニウム(ホルトルム)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ゼラニウム(ホルトルム)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
ゼラニウム(ホルトルム)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
ゼラニウム(ホルトルム)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合、必要に応じて元肥と定期的に追肥を与えましょう。
肥料と堆肥の与え方
- 堆肥の与え方(鉢植えは植え替え)
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 肥料の与え方
- 春から秋にかけて生育期間中に液体肥料を与えます。
- 液体肥料で与える場合は、規定された分量で希釈して約二週間から四週間に一回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
剪定のやり方
ゼラニウム(ホルトルム)の剪定は「摘芯」「花がら摘み」「切り戻し」です。必ずしも必要な作業ではありませんが、株をコンパクトにボリュームよくしたり、新しい成長を促したり、次の花を咲かせたり、草姿を美しく保つ、木質化を遅らせる等のメリットもあります。
摘芯とは!?
摘芯とは、成長の早い段階で、植物の成長点を指で摘むかハサミを使い切り取って、分枝を促す方法です。
摘芯のメリット
- 茎の数が増えてふさふさとボリュームのある草姿になる。
- 草丈が抑えられるためコンパクトに管理出来る。
- 茎の数が増えるため、花の数が増える。
摘芯のデメリット
- 開花時期が遅くなる事がある。
- 草丈が低くなるため花壇に高さを出したい場合はデメリットになる事がある。
- エネルギーが分散するため、個々の花房の大きさが小さくなる可能性がある。
- 茎の数が増えて繁茂するため多湿になる可能性がある。
摘芯のやり方
ゼラニウムの摘芯のやり方は、苗の頃または成長が始まる春頃に、株の成長を見ながら茎の先端を指で摘んで取り除きます。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みのメリット
- 種を作るエネルギーが、花に向かうため、花の数が増えたり、開花期間が伸びたり、株の寿命が伸びるなどします。
- 種が作られないため、こぼれ種による雑草化を防ぐ事が出来ます。
- 花にカビ(真菌)等がついて腐敗することを防ぐため、病気の予防に繋がります。
- 花がらはカビが生えたり、褐色になったり、乾燥して縮んだりして外観を悪くするため、花がら摘みを行うことで清潔感を保つことが出来ます。
花がら摘みのデメリット
- 種を採取できません。
- 時間と労力が必要になります。
花がら摘みのやり方
ゼラニウムの花がら摘みのやり方は、色褪せたり外観が崩れた花房を、花房の下からハサミで剪定して摘み取ります。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のメリット
- 切り戻し剪定を行う事で茎の長さなどが均一になり、外観が整います。
- 剪定によって頂芽優勢が崩れ、分枝が促されるため、茎の数が増えて株がボリューミーになり、花の数も増えます。
- 生産性の低い古い茎を切り戻す事で、生産性の高い新しい成長が促されるため、株が若返り、花が咲きやすくなるなど生産性が高まります。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、株全体または土壌にも日が当たり、日当たりの改善・多湿の改善に寄与します。
- 古い茎を切り戻す事で木質化を最小限に留めることが出来ます。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、風の流れが良くなり、多湿の改善が期待出来ます。
- 多湿を改善する事で蒸れによる根腐れを防止、多湿を好むカビ(真菌)の発生を抑制して病気予防、多湿により集まってくる害虫の発生予防等が期待出来ます。
切り戻し剪定のデメリット
- 株のボリュームがなくなり、葉の数も減るため、一時的に見た目が悪くなる事があります。
- 一度に沢山の剪定を行うと、植物に強いストレスがかかり、一時的に成長が止まる可能性があります。
- 傷口が病気の感染ルートになる可能性があります。
切り戻し剪定のやり方
- ゼラニウムの切り戻し剪定の時期は、冬越し後の早春から春、冬に屋内に取り込む場合は晩秋に行います。
- 剪定は株の高さの1/3を目安に行います。株の形状を整えるように均一的に剪定しましょう。
- 病気の茎や枯れた茎は、茎の途中の健康な茎の上、または根元から剪定しましょう。
夏越しする方法
ゼラニウム(ホルトルム)は、夏の高温多湿が苦手なため夏越しに注意が少し必要な植物です。
例えば、茎や葉に雨が当たり残ると水滴から真菌や細菌などの病原菌が株に侵入して病気にかかるリスクを高めます。また土壌がジメジメと湿ったままになっていると根腐れを引き起こして株が弱ったり枯れる事があります。
特に暑さと多湿が組み合わさる高温多湿は、暑さと湿気の複合ストレスで株が弱りやすくなります。そのため、夏越し対策が必要です。
高温多湿が与える影響と対策方法
- 強光
- 夏の強すぎる強光は、光阻害を引き起こし、光合成に必要な細胞を壊してしまい生育不良を引き起こす原因となります。また強光は、乾燥や熱などと相互作用を持つため、複合ストレスとなり植物に致命的なダメージを与える原因になることもあります。そのため、高温多湿に弱い植物は強光対策が必須です。
- 西日の当たらない場所で管理
- 暑さ
- 暑さは「光合成・呼吸の阻害」「活性酸素の生成」「細胞の破壊による壊死と老化」等を引き起こします。また暑さは強光・乾燥・病原菌等と相互作用を持つため、複合ストレスとなり植物に致命的なダメージを与える原因になることもあります。そのため、高温多湿に弱い植物は暑さ対策が必須です。
- 西日の当たらない場所で管理する
- 風通しの良い場所で管理する
- 散水する
- 多湿・過湿
- 多湿・過湿は「根の酸素不足」「根の腐敗」「水分過多によるストレス」「真菌の繁殖と移動による病気」「細菌・ウィルスの移動による病気」「害虫の繁殖」などを引き起こす原因となります。また多湿は暑さ等と相互作用を持つため、複合ストレスとなり植物に致命的なダメージを与える原因になることもあります。そのため、高温多湿に弱い植物は多湿対策が最も必須になります。
- 雨に当たる場所を避ける
- 適切な日当たりで管理
- 土壌の排水性を良くする
- 風通しの良い場所で管理する
- 切り戻しを行う
- 病原菌
- 病原菌は「細胞の壊死」「水分の移動を阻害」「光合成の阻害」「生育阻害」「免疫低下」などを引き起こします。また病原菌は暑さや多湿と相互作用を持つため、複合ストレスとなり植物を弱らせやすくなります。そのため、高温多湿に弱い植物は病原菌対策が必須になります。
- 雨に当たる場所を避ける
- 適切な日当たりで管理
- 土壌の排水性を良くする
- 風通しの良い場所で管理する
- 切り戻しを行う
- 泥はね対策をする
- 農薬を使用する
西日の当たらない場所で管理する
西日対策を行う事で、暑さ対策と強光対策を同時に行う事ができましは。西日対策とは、西日の当たる時間は植物を日陰で管理することです。例えば、鉢植えで育てている場合は、鉢植えを午後からは日陰になる場所に移動します。また地植えする時に、西日の当たらない場所に植えたり、それが難しい場合はで遮光ネットを利用して西日を避けたりします。
風通しの良い場所で管理する
風通しの良い場所で植物の管理を行う事で「多湿対策」「暑さ対策」「病害虫の抑制」を行う事ができます。風が動く事で湿気が溜まる事を防げたり、また風によって植物の周囲の温度を少し下げたり体感温度を下げたりする事ができます。
風通しの良い場所に植物の移動が難しい場合は、暑さの厳しい時間にファンを回して対策することも可能です。ただし、ファンを回し過ぎると強風によって植物の葉が落ちてしまったり、蒸散スピードが増して乾燥しやすくなったりすることもあるので注意が必要です。
散水する
散水を行い周囲に水を撒く事で、水が蒸発する際に周囲の熱を吸収して気温を下げる事ができます。ただし一時的な効果なため根本的な解決となりません。暑さが酷い場合などに、散水を行い暑さストレスから少しでも植物を解放してあげると良いかもしれません。
雨に当たる場所を避ける
雨に当たらない場所で植物を管理する事で「根の腐敗・酸素不足対策」「水分過多によるストレス対策」「病気(真菌・細菌・ウィルス等)の侵入対策」がまとめて行えます。
そのため、雨が当たらない環境で植物を管理したり、雨の日の前に鉢植えを移動したり、 雨よけの屋根やシェードを使用すると高い効果が期待出来ます。ただし、雨の当たらない環境は太陽も遮る事が多いため日照量が少なくなったり、多湿環境になりやすい事があります。そのため、他の環境要因も考慮しながら雨対策を行うと良いでしょう。
適切な日当たりで管理
適切な日当たりで植物を管理する事は「光合成の促進」「多湿対策」「病害虫の発生を抑制」する事に繋がります。特に日当たりの良い環境であれば、多湿になりにくいため、水分ストレスや病気対策となります。
土壌の排水性を良くする
土壌の排水性を良くする事は「多湿対策」に非常に重要な役割を果たします。何故なら、保水性の高い土壌で植物を管理した場合、水分が何時までも排水されずジメジメした環境が続くため、根に酸素が供給されずに呼吸が出来なくなったり、根腐れを引き起こしたり、病気が増殖して植物が影響を受けやすくなるからです。
そのため、植え付け時に適切な土壌または培養土に植えて上げる事がとても大切になります。
切り戻しを行う
植物の切り戻しを行う事で多湿の改善を行う事ができます。何故なら、切り戻しをすることで茎や葉の密度が減るため、風通しが改善されたり、日当たりが改善されたりするからです。ただし、切り戻しをする事で花芽が摘まれたり強いストレスとなることもあるため注意して下さい。
泥はね対策をする
泥はね対策をする事で、病原菌対策が行えます。何故なら、泥はね対策を行うことで、病原菌がいる泥水が植物の葉っぱ等について、植物の中に入る事を防げるからです。
植物の葉に泥水が付いてしまうと、水の中で真菌は鞭毛を使い泳ぎ、気孔などから植物体の中に侵入します。病原菌に感染した植物は腐食され細胞が壊死して斑点病になったり、導管を塞がれて水分の行き来が出来なくなり萎凋病になる事があります。病気の種類によって、致命度が変わりますが、泥はね対策で病気予防をする事は非常に重要になります。
泥はね対策は植物の周りにマルチングをする事で行えます。マルチングの資材はお好みですが、ビニールやバークチップ等が一般的です。
冬越しする方法
Hardiness:10~11
ゼラニウム(ホルトルム)は基本的に霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため冬越しさせたい場合は、冬越し対策が必要です。
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 暖地などの暖かい地域であれば、霜の当たらない軒下などで管理するだけでも越冬出来る事があります。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
- 挿し木をとり、屋内で冬越しさせた後に植え直される事もあります。
挿し木や株分けで増やす
ゼラニウム(ホルトルム)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう
播種で増やす
ゼラニウム(ホルトルム)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約7~21日
光条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ゼラニウム(ホルトルム)の病気
- 斑点病
- サビ病
- 斑点細菌病
- 萎凋病
- 灰色カビ病
- ウィルス病
- 根腐れ病
ゼラニウム(ホルトルム)の害虫
- ハダニ
- ヨトウムシ
- ハマキムシ
- カイガラムシ
- オンシツコナジラミ