プレクトランサスは属の中に約72~325種があり南半球を中心に自生する低木もしくは多年草か一年草です。一般に園芸では、非常に豊富な葉色があり夏から晩秋にかけて長くお庭を彩るコリウス(正式にはコリウス属にあり同義語としてプレクトランサス属にあります)、透き通る様に美しい紫色の花と濃い緑色(紫色)の葉の組み合わせが上品なモナラベンダー等があり、お庭の雰囲気や利用目的によって好み植物が選べるます。
プレクトランサスは基本的には暑さに強く冬の寒さに弱い性質をもつ多年草が多いですが、逆に夏の高温多湿を苦手にしている種(アロマティカス種)や寒さに比較的に強い種もあります。
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このページでは主に種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①コリウス | |
原産:東南アジア/オーストラリア
学名:Coleus scutellarioides(syn. Plectranthus scutellarioides)
草丈:約15cm~150cm
開花時期:6月~10月
分類:多年草
誕生花:8月18日/10月2日/10月11日
花言葉:「健康」「誘惑」「善良な家風」「かなわぬ恋」
特徴:コリウスは学名Coleus scutellarioides(syn. Plectranthus scutellarioides)、一般的にコリウスと呼ばれて流通している栽培品種はこの種をさしており、別名「プレクトランサス・スクテラリオイデス」や「きんらんじそ」等とも呼ばれる東南アジア及びオーストラリアが原産の多年草です。属名のコリウス(Coleus)はラテン語で「鞘」を意味しており花序が刀の鞘に似ている所からきています。また種小名のスクテラリオイデス(scutellarioides)はラテン語で「小皿/受け皿」を意味するscutellaから来ており花後の萼の形に由来し、またタツナミソウ属(Scutellaria)に似ている事にも関連しています。
コリウスの特徴(魅力)は、南国の島国を連想させる様な鮮やかでトロピカルな葉色や、葉の縁部分に班(覆輪)が入ったり葉脈の部分に班(脈斑)が入ったりと品種により様々なパターンで入る個性的な斑の色、種から容易に育てられるため大量植栽しやすい所、鉢植えでも育てやすい高さ15cm程度の矮性な品種から花壇でボリュームが出せる高さ1m程度まで育つ大型の品種まである所、日本の夏の高温多湿に強く一度植えれば霜が降りるまで基本的に放ったらかしで育てられる所等があります。
コリウスの花は鑑賞価値が低くく取るに足らないものとして扱われる事もありますが、紫色の小花が連なり穂状に咲く花姿は非常に上品で魅力があります。ただし、葉と比べると重要性が低くく、また花を咲かせると葉が色褪せて鑑賞価値が下がるため、通常は花芽の段階で切り取られてしまいます。また多年草ですが基本的には霜に耐えられないため春撒きの一年草の様にして育てられます。大切な品種であれば屋内に移動させたり、挿し木をしたり水挿しをしたりして冬越しさせる必要があるでしょう。
園芸では美しい葉を鑑賞する目的で育てられる事が多く、大型の品種を花壇の中に植えて高さと立体感を作ったり、また矮性品種では花壇の縁どりとして利用されたり、鉢植えの中で寄せ植え素材として利用されたりします。園芸品種には、殆ど黒色(~赤紫色)の葉が重厚さと気品を感じさせる「ブラックドラゴン」や葉や草丈が非常に大きく育つ「ゴリラ・シリーズ」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
開花時期は初夏から中秋、花色は紫色や青色、白色があり、個々の花は唇形、花序は小花が節に多数集まり輪散花序に花を咲かせます。草姿は直立して高さ約15(90)cm × 幅は約15(90)cmまで成長します。葉色は緑色や赤色、桃色や紫色、黄色や橙色、白色や黒色があり、葉身は卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
コリウスは挿し木や種を撒く事で増やす事ができます。育てる際は夏の暑さに強い一方で、冬の寒さと霜には耐えられないため基本的には春に種を撒き霜が降りると枯れる一年草として育てられます。冬越しする場合は管理に注意が必要です。
コリウス(ゴリラ)は一般的な種と比較すると茎や葉が倍以上に大きく、また成熟すると草丈も1mに達する大型の品種群(シリーズ)です。花壇等に植えておけば直ぐに大きく成長し見応え抜群になり、赤色や紫色やライムグリーン等の美しい葉色をもつ品種がお庭を明るく彩ります。高さ約100cm × 幅は約100cmまで成長します。 | コリウス(レッドヘッド)は強く目を引き付ける鮮やかな赤い葉色と大きな葉、成熟すると高さ幅とも1mにも達する非常に大きく成長する株張りが魅力的な園芸品種です。高さ約100cm × 幅は約100cmまで成長します。 |
コリウス(サマータイム イエローウィズグリーン)は全体的に白色に近い明るい色調で、明るい緑色の葉の中央にクリーム色の中斑が入りフレッシュな印象を与える魅力的な園芸品種です。高さ約40cm × 幅は約40cmまで成長します。 | コリウス(ブラックドラゴン)は殆ど黒色をした濃い赤紫色の重厚感ある葉色と、葉の縁部分に入るギザギザとした鋸歯が魅力の園芸品種です。高さ約30cm × 幅は約30cmまで成長します。 |
コリウス(コレオザウルス)は鮮やかな黄色の葉の葉脈に、太い赤色の脈斑が入る個性的な園芸品種です。赤色と黄色の2色の葉色は非常に派手で明るい雰囲気をつくるため、カラフルで元気が出る様なお庭などによく合うでしょう。高さ約35(70)cm × 幅は約60(90)cmまで成長します。 | |
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原産:南アフリカ
学名:Plectranthus fruticosus
草丈:約90cm~250cm
開花時期:6月~9月
分類:常緑低木
特徴:プレクトランサス(フルティコサ種)は学名Plectranthus fruticosus、別名「フォレスト・シュプールフラワー(forest spurflower)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の常緑低木です。属名のプレクトランサス(Plectranthus)はギリシャ語で「距」を意味するプレクトロン(plectron)とギリシャ語で「花」を意味するアンソス(anthos)の2語からきており、恐らく長い筒状の花に由来します。また種小名のフルティコサ(fruticosus)はラテン語で「低木状の/低木の」を意味しておりプレクトランサス(フルティコサ種)の樹形に由来しています。
プレクトランサス(フルティコサ種)の特徴(魅力)は、紫色(桃色)の小花が穂状に連なり咲く上品な花姿や、全体的に黒色に近い色調で濃い緑色の葉は深い皺があり重厚感と渋い雰囲気をつくる所、耐陰性に優れ日陰の植物として育てられる所にあります。
園芸では落ち着いた葉色と上品な紫色(~桃色)の花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、高さ幅ともに2m近くまで成長する事から花壇や植え込み等の背景として後方に植えられます。また寒さにとても弱い事から管理が容易な鉢植えの中でコンパクトに育てられる事もあります。 耐陰性が強く間接光のみが当たる様な日陰を好むため、シェードガーデンや屋内の観葉植物等として利用するといいでしょう。園芸品種には、ピンク色の花を咲かせる「ジェームズ(James)」や紫色の花が上品な雰囲気をつくる「リアナ(liana)」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いです。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
開花時期は初夏から秋、花色は紫色もしくは桃色、個々の花は唇形、花序は小花が節に多数集まり輪散花序に花を咲かせます。樹形は直立して高さ約90(250)cm × 幅は約90(250)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
プレクトランサス(フルティコサ種)は挿し木や種で増やす事ができます。育てる際は夏の暑さに強い一方で、冬の寒さと霜には耐えられないため冬越しする場合は管理に注意が必要です。
リアナ |
原産:南アフリカ
学名:Plectranthus neochilus
草丈:約50cm
開花時期:春・秋
分類:多年草
特徴:プレクトランサス(ネオチラス種)は学名Coleus neochilus(syn. Plectranthus neochilus)、別名「ロブスター・ブッシュ(lobster bush)」や「スメリー・コリウス(smelly coleus)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。属名のコリウス(Coleus)はラテン語で「鞘」を意味しており花序が刀の鞘に似ている所からきています。また種小名のネオチラス(neochilus)はラテン語で「唇」を意味するキロ(chilo)に由来しており、恐らく萼の形もしくは花の形に由来しています。
プレクトランサス(ネオチラス種)の特徴(魅力)は、花のない時期もグランドカバーとして機能する地面を被覆する様に広がる草姿、ぷにぷにとした肉質の小さく可愛らしい葉、柑橘系にも例えられる強い香りがある葉、花壇に植えておけばヘビ・蚊・ハエ等の害虫が寄ってこない(と言われている)所、強い霜が降りない地域であれば屋外での冬越しも可能な所等があり、また現地ではハーブティーとしても飲まれており胃の調子を整えるとも言われています。
園芸では、一般的に花壇や植え込み等の縁どりとしてグランドカバーとして利用される事が多く、香りの良い葉と上品な花が楽しまれます。また管理がしやすい鉢植えにして玄関周り等に飾られる事もあります。
開花時期は春と秋、花色は紫色もしくは桃色、個々の花は唇形、花序は小花が節に多数集まり輪散花序に花を咲かせます。草姿は茎が匍匐して途中で立ち上がり高さ約50cm × 幅は約100cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは円形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
プレクトランサス(ネオチラス種)は挿し木や種で増やす事ができます。育てる際は夏の暑さに強い一方で、冬の寒さと霜には耐えられないため冬越しする場合は管理に注意が必要です。
ブルー | ピンク |
原産:南アフリカ
学名:Coleus amboinicus(syn. Plectranthus amboinicus)
草丈:約30~60cm
開花時期:3月~8月
花色:紫色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
分類:多年草
耐寒性:普通
耐暑性:普通
誕生花:2月28日
花言葉:「鎮静」「友情」
特徴:アロマティカスは学名Coleus amboinicus(syn. Plectranthus amboinicus)、別名「キューバンオレガノ」や「スメリー・コリウス(smelly coleus)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。属名のコリウス(Coleus)はラテン語で「鞘」を意味しており花序が刀の鞘に似ている所からきています。また種小名のアンボイニクス(amboinicus)はインドネシアのアンボン島(Ambon Island)に由来します。
アロマティカスの特徴(魅力)は、葉から「オレガノ」や「タイム」を連想させる様な刺激的な香りがする所、オレガノに似た強い風味のある葉が肉料理やスープ等のスパイスとして利用される所、ぷにぷにした肉質の可愛いらしい茎葉が鑑賞用としても魅力的な所等にあり、春から夏にかけて咲く白色(~薄紫色)の花も非常に上品で魅力的です。
アロマティカスの香り成分の中には「カルバクロール」が最も多く含まれており、オレガノやタイムに似た「刺激臭」があります。またカルバクロールの精油には抗酸化作用があり、炎症を抑えたり、腸内で大腸菌の増殖を抑えたり(抗菌活性)、免疫機能を高めたりする効果があると言われています。
アロマティカスの葉は食用ハーブとして利用出来ます。新鮮な葉をちぎってお湯で2~3分蒸らしハーブティーとして飲用したり、生のままレタスや玉ねぎ等と一緒にサラダに入れて食べたり、ミントの様にデザートの上に香り付けとして乗せ楽しんだり、葉を小麦粉で包み油で揚げて天ぷらとして食べたり出来ます。味はやや辛味がありながらミントに似た爽やかな風味があり、美味しいです。
アロマティカスは基部付近でよく分枝して沢山の茎を出します。茎は直立するものもあれば地面を這うように広がるものもあるため、高さ幅ともによく成長します。また茎や葉、花に至るまで植物全体に白色の毛がはえています。
園芸では、ぷにぷにした可愛らしい多肉質な葉を鑑賞する目的で育てられたり、料理用のハーブとして育てられたりします。花壇や小道の縁どり等に利用されたり、ハーブガーデンに植えられたり、また管理がしやすい鉢植えにして窓際や玄関周り等に飾られる事もあります。
開花時期は早春と夏、花色は白色もしくは紫色、個々の花は唇形、花序は小花が穂状に集まり輪散花序に花を咲かせます。草姿は茎が匍匐もしくは直立して高さ約30(60)cm × 幅は約30(150)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
アロマティカスは挿し木や種で増やす事ができます。育てる際は夏の高温多湿によって株が弱ったり、また冬の寒さと強い霜で株が弱ったり枯れたりするため管理に注意が必要です。
アロマティカス(バリエガータ)は、葉の縁部分に白色の覆輪が入り全体的に引き締まった印象を与え、洗練された雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。 |
原産:ニューカレドニア/フィジー/ロイヤルティ諸島
学名:Plectranthus coleoides
草丈:約15~30cm
分類:多年草
特徴:ミントリーフは学名Plectranthus coleoides、別名「プレクトランサス・コレオイデス」や「バリエガータ・スウェディシュ・アイビー(Variegated Swedish Ivy)」とも呼ばれるニューカレドニア及びフィジー、ロイヤルティ諸島原産の多年草です。属名のプレクトランサス(Plectranthus)はギリシャ語で「距」を意味するプレクトロン(plectron)とギリシャ語で「花」を意味するアンソス(anthos)の2語からきており、恐らく長い筒状の花に由来します。
ミントリーフの特徴(魅力)は、鉢植えやハンギングバスケットに植えると鉢縁から零れる様に垂れる茎葉の優美な草姿、全体に引き締まった印象を与える葉の縁部分に入る白色の覆輪、直射日光を必要とせず間接光のみの明るい場所(日陰の庭や屋内の窓際等)で育てられる所等にあります。
園芸では這うもしくは下垂する美しい茎葉を鑑賞する為に、花壇の縁どりに利用されたり鉢植えやハンギングバスケット等に植えたりされて、茎葉が上から下へと優美に下垂する様に育てられます。
開花時期は夏、花色は紫色で唇形の小花を穂状に咲かせます。草姿は這うように広がり高さ約15(30)cm × 幅は約30(90)cmまで成長します。葉色は緑色に白色の覆輪が入り、葉身は卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
ミントリーフは挿し木で増やす事ができます。育てる際は夏の暑さに強い一方で、冬の寒さと霜には耐えられないため冬越しする場合は管理に注意が必要です。
ミントリーフ |