プレクトランサス属とコリウス属は、過去には同じ属として扱われたり、学名が混同されたりして同義語として学名が複数あることがあります。そのため、このページでは園芸で親しまれている原種をまとめて紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
■目次
■プレクトランサス属とコリウス属の主な種と園芸品種の紹介
コリウス
コリウスとは!
コリウスの学名は Coleus scutellarioides 、または同義語で Plectranthus scutellarioides 、単にコリウスと呼ぶ場合はコリウス属全体またはこの種をさしており、別名では「プレクトランサス・スクテラリオイデス」「キンランジソ」「ニシキジソ」等とも呼ばれる多年草です。
コリウスの原産地は東南アジア・オーストラリア、原産地では標高100~1600mの範囲で生息しています。
コリウスの特徴
- 花の特徴:花は節に花梗の短い集散花序が付いているため、花が節を囲んだ見た目をしており、集散花序は花を順番に咲かせるため、花穂の中で開花が疎らになる傾向があります。花の色は紫色から白色で上品さがありますが、葉と比べて目立たないため重要視されません。※花の多くは葉の成長を促すために花芽の段階で剪定されてしまいます。
- 葉の色:葉の色はクロロフィルとアントシアニンの割合で変化があり、クロロフィルが多いほど緑色が強くなり、アントシアニンが多いほどに赤色・桃色・紫色・橙色が強くなります。園芸品種の多くは葉の中のアントシアニンの割合が多いものが多く、またアントシアニンは光に当たるほどにたくさん生成します。そのため、暗い日陰よりも日光に当たる半日影の方が美しい葉色が楽しめる傾向があります。※日向は葉焼けを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。
- カラーリーフ:葉の色は緑色・赤色・桃色・紫色・黄色・橙色・白色・黒色とバリエーションが非常に豊富です。そのため、好みの色やお庭の雰囲気などに合わせて葉色の選択が出来るところが魅力です。
寄せ植え:コリウスは株が基本的に暴れずにコンパクトに成長します。そのため、花壇・植木鉢の中で異なる植物を組み合わせて美しくデザインしながら楽しむことができます。
花壇の縁取り:コリウスは株が基本的に暴れずにコンパクトに成長して、美しい葉が地面を上手く被覆します。そのため、花壇の外縁に沿って並べることで、美しい花壇の縁どりをつくることができます。
毛氈花壇:コリウスは草丈が低くて、種子から大量植栽がしやすく、葉色のバリエーションが多い植物です。そのため、広い面積の花壇の中にイラストや模様を描くように植物を植えて装飾することが出来ます。
コリウスの園芸品種の紹介
グレートフォール・シリーズ

学名:Coleus scutellarioides ‘Great Falls’
葉の形:卵形
葉の色:緑色・黄色・赤紫色・桃色
草丈:約30cm
株張り:約60~80cm
受賞:ジャパンフラワーセレクション2020~2021ガーデニング部門 ベスト・フラワー(優秀賞)・ニュースタイル特別賞
備考:這性と立性の両方の性質があるため、立体感のあるこんもりとした草姿になる。そのため、花壇の縁どりや地被植物におすすめです。分枝力が高く、摘芯をしなくてもよく枝分かれする。葉のサイズが小ぶりで強い主張をしない為、緻密で繊細な印象を与え、また寄せ植えなどにも使いやすい品種です。
グレートフォール・シリーズの品種
- アラマレ:葉色が暗紫色・緑色の2色、葉の中央部に暗紫色の中班が入る。※ジャパンフラワーセレクション受賞品種
- ヨセミテ:葉色が緑色・黄色の2色、葉の中に黄色の中班が入る。
- アンヘル:葉色が緑色・暗紫色・赤色の3色、葉の中に赤色の中班が入り、葉縁部と中肋の間に帯状の暗紫色の班が入る。
フレームスローワー・シリーズ

学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:披針形・羽状浅裂
葉の色:緑色・黄緑色・黄色・赤色・暗紫色・赤褐色
草丈:約30~45cm
受賞:ジャパンフラワーセレクション2022~2023ガーデニング部門 ベスト・フラワー(優秀賞)・カラークリエイト特別賞
備考:葉は切れ葉タイプで、縁部分が羽状に浅裂しており、裂片がツンツンとした鋭利な見た目をしています。また葉の幅も従来のコリウスと比べて細いため、シャープでかっこいい葉姿が楽しめる品種です。花上がりが少ないため、茎・葉の栄養成長が長く続き鑑賞期間が長い。
フレームスローワー・シリーズの品種
- スパイスドカレー:葉色が明度の低い黄色・赤褐色の2色、葉の縁部分と中心部に不規則な赤色の覆輪・中班が入る。※ジャパンフラワーセレクション受賞品種
- チリペッパー:葉色が緑色・暗紫色・赤色の3色、葉の中に赤色の中班が入り、葉縁部と中肋の間に帯状の暗紫色の班が入る。
- チポトレ:葉色が黄緑色・赤褐色の2色、葉の縁部分に黄緑色の崩れた覆輪が入る。
- ハバネロ:葉色は葉全体が明度の低い橙色をしており、アンティークのような落ち着いた雰囲気がある。
バレッティ・シリーズ


学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:羽状中裂・羽状深裂
葉の色:緑色・赤色・桃色・黄色・紫色・白色
草丈:約20~50cm
受賞:ジャパンフラワーセレクション2022~2023ガーデニング部門 カラークリエイト特別賞
備考:葉は切れ葉タイプで、縁部分が羽状に中裂~深裂しており、裂片は丸みがあり可愛らしい見た目をしています。直射日光でも葉焼けをしにくく、葉の色は春と秋で変化するため、単調さがなく季節の移り変わりを感じさせる。株は分枝に優れ立性になり、倒伏しにくく行儀良い見た目になる。
バレッティ・シリーズの品種
- リラ:葉色が緑色・クリーム色・赤色の3色、春から秋にかけて色の変化があり、全体的に可愛らしい雰囲気がある。
- オーロラ:葉色が赤色・緑色の2色、葉の縁部分に緑色の細い覆輪が入る。そのため、派手さの中に高級感を感じさせる品種です。
- ドラジェ:葉色が緑色・黄色(橙色)・赤紫色の複色、季節により色が変化します。
- キトリ:葉色が緑色・黄色・赤色の複色、季節により色が変化します。
- メルセデス:葉色が赤色・黄色、葉縁部分に細い黄色の覆輪が入る。そのため、炎が立ち上るような派手さがある品種です。※ジャパンフラワーセレクション受賞品種
ゴリラ・シリーズ

学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:緑色・黄緑色・赤色・紫色・桃色・白色
草丈:約100cm
備考:実生系の従来のコリウスと比べて、葉のサイズが倍以上あり、その他のサイズも巨大で強い存在感を感じさせます。そのため、ジャングルの中や南国を想像させるお庭などによくあう品種です。
ゴリラ・シリーズの品種
- スカーレット:葉色が赤紫色・黄緑色の2色、葉の縁部分に黄緑色の覆輪が入る。
- レッド:葉色が濃い緑色・暗緑色・赤ピンク色の3色、葉の中に赤ピンク色と暗緑色の中班が入る。
- ライムスプライト:葉色が黄緑色・赤紫色の2色、葉の中に赤紫色の中班が入る。
- サーモンピンク:葉色が明るい緑色・暗緑色・桃色の3色、葉の中に桃色と暗緑色の中班が入る。
- ローズ:葉色が黄緑色・暗緑色・赤桃色の3色、葉の中に桃色と暗緑色の中班が入る。
- モザイク:葉の色は緑色・白色・赤色の3色、葉の主脈と側脈に沿って白色と赤色の班が入る。
ゴリラjr・シリーズ



学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:緑色・黄緑色・暗緑色・桃色・赤紫色・クリーム色
草丈:約60cm
備考:ゴリラjr・シリーズはゴリラ・シリーズと比べると分枝力が強く、葉のサイズが少し小さめです。ただし、一般的なコリウスよりも葉のサイズは大きいため強い存在感を感じさせます。
ゴリラjr・シリーズの品種
- ウォーターメロン:葉色が明るい緑色・暗緑色・桃色の3色、葉の中に桃色と暗緑色の中班が入る。
- ガーネット:葉色が赤紫色・黄緑色の2色、葉の縁部分に黄緑色の覆輪が入る。
- ライムベイン:葉色が赤紫色・黄緑色の2色、葉の縁部分にガーネットより広い黄緑色の覆輪が入る。
- グリーンハロー:葉色が黄緑色・クリーム色の2色、葉の中にクリーム色の中班が入る。
ハイウェイ・シリーズ
学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形・広卵形
葉の色:緑色・赤色・桃色・黄色・紫色・白色
草丈:約40cm
株張り:約40cm
備考:株はコンパクトで整った草姿をしているため、寄せ植えなどに使いやすい品種です。また株張りも十分にあるため、花壇の縁どりなどにも使いやすく、好みの用途で利用できます。
ハイウェイ・シリーズの品種
- ホワイト:葉色が緑色・クリーム色(白色)の2色、葉の中にクリーム色(白色)の中班が入る。
- レッドベルベット:葉色が赤色・黒色の2色、葉脈間が黒っぽくなり溶岩のような独特な見た目をしている。
- ルビー:葉色が赤色・緑色・黄色・黒色の4色、葉の中央部が赤色で葉脈間に黒色の班が入り、葉縁部に緑色または黄色の覆輪が入る。
- ローズ:葉色が赤色・暗紫色・緑色の3色、葉の中に赤色の中班が入り、葉縁部と中肋の間に帯状の暗紫色の班が入る。
- サーモンローズ:葉色が緑色・黄色・桃色の3色、葉の中央に桃色の中班が入り、葉脈に沿い黄色の班が入る。
- オレンジ:葉色が緑色・暗緑色・橙色の3色、葉の中央に橙色の中班が入り、葉脈間に黒っぽい暗緑色の班が入る。
- イエロー:葉色が緑色・黄色の2色、葉脈に黄色の脈班が入る。
- モザイク:葉の色は緑色・黄色・赤色、葉脈に沿うように黄色の班が入り、葉の中に不規則な赤色の切班が入る。そのため、ピクセルのようなユニークな模様が楽しめます。
- マジック:葉色が緑色・黄色赤色の3色、葉の中央部に黄色の中班が入り、葉が成熟するにつれて基部から外側に向かい赤色の班が広がる。
ウィザード・ミックス

学名:Coleus scutellarioides ‘wizard’
葉の形:卵形
葉の色:緑色・黄緑色・赤色・紫色・桃色・白色
草丈:約30~40cm
備考:ウィザード・ミックスは、豊富な品種があるウィザード・シリーズの種を混合したもののため、多彩な葉色が楽しめる品種です。ミックスは種を混合したもののため、個体差があり生育後は様々な葉色になります。また種から育てられるため大量植栽もしやすいです。
レインボー・ミックス
学名:Coleus scutellarioides ‘Rainbow’
葉の形:卵形・広卵形
葉の色:緑色・赤色・桃色・紫色・黒色・白色
草丈:約40cm
備考:レインボー・ミックスは虹を思わせる多彩な葉色が魅力の品種です。ミックスは種を混合したもののため、個体差があり生育後は様々な葉色になります。また種から育てられるため大量植栽もしやすい。
ジャイアントエキシビジョン・ミックス
学名:Coleus scutellarioides ‘Giant Exhibition’
葉の形:卵形・広卵形
葉の色:緑色・赤色・黄色・紫色
草丈:約25~35cm
備考:葉のサイズが大きく強い存在感があり、葉が湾曲しながら先端が下に若干垂れる傾向があるため優雅な見た目をしている品種です。ミックスはジャイアントエキシビジョン・シリーズの種を混合したもののため、個体差があり生育後は様々な葉色になります。また種から育てられるため大量植栽もしやすい。
トレイルブレイザー・ロードトリップ

学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:緑色(覆輪)・濃い紫色・赤ピンク色(中班)
草丈:約25~30cm
受賞:ジャパンフラワーセレクション2023~2024 ベストフラワー(優秀賞)・ガーデンパフォーマンス特別賞
備考:草姿は這性で横に広がる性質があり、また分枝性に優れているため高い被覆力がある。そのため、地被植物として利用できる。葉のサイズは小ぶりなため、雑草感が少なく洗練された印象を感じさせやすく、節間は詰まってないため、ふんわりとした柔らかな見た目になりやすい。葉の色は緑色・濃い紫色・赤ピンク色、葉の中にドリップしたような赤ピンク色の班が入る。濃い紫色と赤ピンク色の葉色が夜のネオン街のような独特な雰囲気をつくります。
マイクロブレイズ・マッチスティック
学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形(羽状浅裂)
葉の色:緑色(覆輪)・赤褐色
草丈:約30~50cm
受賞:ジャパンフラワーセレクション2022~2023ガーデニング部門 ガーデンパフォーマンス特別賞
備考:這性と立性の両方の性質があるため、立体感のあるこんもりとした草姿になる。そのため、花壇の縁どりや地被植物におすすめです。分枝力が高く、葉のサイズが小ぶりで強い主張をしない為、緻密で繊細な印象を与え、また寄せ植えなどにも使いやすい品種です。葉の色は緑色と赤褐色、葉の縁部分に緑色の覆輪が入る。
コロチャ ローズ
学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:羽状浅裂・羽状中裂
葉の色:赤ピンク色・緑色
草丈:約25~30cm
備考:葉縁部に浅い切れ込みが入るため、フリルのようなお洒落な見た目をしています。また葉は全体的に丸みがあり、赤ピンク色の葉色が、女性的な可愛らしさを感じさせます。そのため、可愛いをテーマにするようなお庭などにおすすめの品種です。
ときめきリンダ


学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:黒色(暗紫色)・濃い桃色(覆輪)
草丈:約30~50cm
備考:葉のサイズは小ぶりなため、雑草感が少なく洗練された印象や可愛らしい印象を感じさせやすい。また赤ピンク色と黒色の組み合わせが、小悪魔的な雰囲気をつくる事からガーリー系の可愛いお庭によくあう品種となります。
チョコレートチェリー
育て方・楽天で購入
学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:緑色・赤色・暗紫色
草丈:約30cm
備考:株はコンパクトで、また開花が遅いため管理がしやすい品種です。葉の色は赤色・暗紫色・緑色の3色で明るさと暗さのコントラストが独特な雰囲気をつくります。また種から育てられるため大量植栽もしやすい。
ブラックドラゴン
学名:Coleus scutellarioides ‘black dragon’
葉の形:卵形
葉の色:黒色(暗紫色)・赤色
草丈:約20~40cm
備考:葉の形状は卵形で、縁部分に大きめの波状の切れ込みがはいる。葉の色は黒色(暗紫色)と赤色の複色で、葉の主脈に沿い赤色の班が入る。そのため、ダークファンタジーに出てくるようなユニークな雰囲気をお庭の中につくることができます。また種から育てられるため大量植栽もしやすい。
メズマライズ チョコレートローズ
育て方・楽天で購入
学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形・広卵形
葉の色:緑色・赤ピンク色(中班)・暗紫色(覆輪)
草丈:約40~50cm
備考:葉の色は赤ピンク色・暗紫色・緑色の3色、暗紫色が上品さを感じさせながら、赤ピンク色が可愛らしさを感じさせる品種です。
サマータイム イエローウィズグリーン

学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:緑色・クリーム色
草丈:約40cm
備考:株はコンパクトにまとまり抽だいが遅い所が特徴です。葉の色は明るい緑色とクリーム色、葉の中にクリーム色の中班が入り、明るく爽やかな雰囲気をつくります。
ピーターグリーン

学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:披針形
葉の色:緑色・白色(クリーム色)
草丈:約50~70cm
備考:葉の形状は一般的なコリウスと比べて細くシャープで、葉縁部分に波状の凹凸があるため、お洒落でカッコイイ見た目をしています。また緑色と白色の2色の葉色が明るく爽やかな雰囲気をつくる園芸品種です。
ホットビート

学名:Coleus scutellarioides cv.
葉の形:卵形
葉の色:黄色・赤色(脈班)
草丈:約50~70cm
備考:葉の色は赤色と黄色の2色で、葉の脈に沿うように赤色の班が入る。赤色と黄色は強いコントラストを生み出すため明るく派手なお庭、複数の色を組み合わせたカラフルなお庭などによくあいます。
アロマティカス
アロマティカスとは!
アロマティカスの学名は Plectranthus amboinicus 、または同義語で Coleus amboinicus 、別名では「プレクトランサス・アンボイニクス」「キューバンオレガノ(Cuban oregano)」「インディアン・ボリジ(Indian borage)」「カントリーボリジ(country borage)」「フレンチ・タイム(French thyme)」「スパニッシュ・タイム(Spanish thyme)」とも呼ばれる多年草です。
アロマティカスの原産地はアフリカ・アラビア半島・インド、自生地は海岸沿いの林縁や岩場などにあります。
アロマティカスの特徴
- 花の特徴:花は節に花梗の短い集散花序が付いているため、花が節を囲んだ見た目をしており、節間が長めのため段々とした花姿をしています。花の色は白色に紫色の斑点が入るため、上品な雰囲気を感じさせます。※ただし葉の収穫のために多くの場合で開花前に剪定されてしまいます。
- 葉の装飾性:葉は多肉質なため ゙ぷにぷに゙ とした可愛らしさがあり、また柔らかな軟毛が生えているため優しい見た目をしています。
- 精油:葉には精油が含まれており、精油の成分にはカルバクロール・チモール等が含まれており、オレガノに似た香りと風味があります。
- 食用:葉はオレガノのような刺激的な風味があり、調味料として肉料理・スープ・ソース・ドレッシング・ハーブティーなど様々な用途で利用されます。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長します。そのため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は花蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
プレクトランサス・ネオチラス
プレクトランサス・ネオチラスとは!
プレクトランサス・ネオチラスの学名は Plectranthus neochilus 、または同義語で Coleus neochilus 、別名では「ロブスター・ブッシュ(lobster bush)」「モスキート・ブッシュ(mosquito bush)」「スメリー・コリウス(smelly coleus)」とも呼ばれる常緑低木です。
プレクトランサス・ネオチラスの原産地は南アフリカ、自生地は疎らに木の生える草原のような場所などにあります。
プレクトランサス・ネオチラスの特徴
- 花の特徴:開花前は紫色の苞が鱗片状についており、とても可愛らしく装飾的です。ただし苞は早落性で、花が咲くと落ちるため、開花が進むと花序の上部にだけ残る傾向にある。花は唇形で下唇が雨樋のような個性的な形をしている。花もすぐに落ちますが暗灰色・暗紫色の萼が残るため、花の装飾性は長く保たれます。
- 葉の装飾性:葉は多肉質なため ゙ぷにぷに゙ とした可愛らしさがあり、また葉の色は白緑色を可愛らしさや柔らかさを感じさせます。そのため、可愛いをテーマにするお庭、メルヘンチックなお庭などによくあいます。
- 葉の香り:葉は触ると粘着質がある場合があり、スカンクに例えられる香りがあります。そのため、自生地では野生動物に食害されることが少なく、蚊などの害虫も忌避して寄り付きにくくなるようです。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長します。そのため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は花蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
ミントリーフ
ミントリーフとは!
ミントリーフの学名は Plectranthus coleoides 、別名では「プレクトランサス・コレオイデス」「バリエガータ・スウェディシュ・アイビー(Variegated Swedish Ivy)」とも呼ばれるニューカレドニア・フィジー・ロイヤルティ諸島が原産の多年草です。
ミントリーフの特徴
- 花の特徴:花は節に花梗の短い集散花序が付いているため、花が節を囲んだ見た目をしており、節間が長めのため段々とした花姿をしています。花の色は白色または薄い青色で、上品な雰囲気を感じさせます。
- 葉の装飾性:葉の色は緑色と白色、縁部分に白色の覆輪が入るため明るさや上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
- ハンギング仕立て:茎は柔軟で地面を匍匐したり下垂する傾向があるため、ハンギングバスケットや斜面に植えると茎が枝垂れる優雅な草姿が楽しめる。また地面を匍匐するため地被植物として利用する事も可能です。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は花蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
プレクトランサス・フルティコサ

プレクトランサス・フルティコサとは!
プレクトランサス・フルティコサの学名は Plectranthus fruticosus 、別名では「フォレスト・シュプールフラワー(forest spurflower)」とも呼ばれる常緑低木です。
プレクトランサス・フルティコサの原産地は南アフリカ、自生地は森林の中や林縁などにあります。
プレクトランサス・フルティコサの特徴
- 花の装飾性:花の色は紫色をしているため、心を落ち着かせるような鎮静効果や上品さがあり、また花穂は節間が短く、節を囲うように複数の花が咲くためボリューム良い花姿が楽しめます。
- 葉の特徴:葉は幅の広い卵形をしており、葉脈が凹むため深い皺の入ったような見た目をしています。
- 葉の香り:葉には強い香りがあり、自制地では虫を忌避させる効果があると考えられています。そのため、家の周りにこの植物を吊るしたり、窓枠などに擦り付ける事もあるようです。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花はpetal蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
モナラベンダー
モナラベンダーとは!
モナラベンダーの学名は Plectranthus ‘Mona Lavender’ 、野生に自生している植物ではなく、1990年代の後半に南アフリカのカーステンボッシュ国立植物園(Kirstenbosch National Botanical Garden)にて、Plectranthus hilliardiae と Plectranthus saccatus の二種が交雑されて作出された園芸品種です。
モナラベンダーの特徴
- 花の装飾性:花は節ごとに花梗の短い集散花序が付いているためボリュームが良くスッキリとした花穂をつくり、花は花冠筒部が長いためシャープなカッコ良さを感じさせる見た目をしています。また花の色は透き通るような紫色をしているため、お部屋に飾ると心を落ち着かせるような鎮静効果があり、また上品さと気品を演出することが出来ます。
- 葉の装飾性:葉の色は濃い緑色と紫色の複色です。そのため、重厚的で落ち着いた雰囲気を感じさせたり、格式高く高貴な印象を感じさせたりします。そのため、大人っぽくエレガントなお部屋、高級感を感じさせるラグジュアリーお部屋などによく合う植物です。
- インドアグリーン:寒さに弱い植物のため、一般的に屋内でインドアグリーンとして楽しまれる事が多い植物です。ただし、日光にしっかり当てる事で、葉の色が綺麗に出たり、株がコンパクトにまとまりよく成長します。