![]() ![]() | ||
原産:大西洋諸島/アラビア半島/地中海沿岸 科:シソ(Lamiaceae) 属:ラヴァンドラ(Lavandula) 種:デンタータ(dentata) 別名:フリンジ・ラベンダー(fringed lavender)/フレンチ・ラベンダー(French lavender)/トゥーストゥ・ラベンダー(toothed lavender) 花の色:紫色●青色●白色〇 葉色:緑色● 分類:常緑低木 草丈:約30~90cm 開花時期:5月~11月(夏を除く) 誕生花:5月19日 花言葉:「期待」「沈黙」「豊香」「私に答えてください」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ラベンダー(デンタータ)は学名Lavandula dentata、別名「フリンジ・ラベンダー(fringed lavender)」や「フレンチ・ラベンダー(French lavender)」等とも呼ばれる大西洋諸島及びアラビア半島、地中海沿岸が原産の常緑低木です。
ラベンダー(デンタータ)の語源(由来)
- 属名のラヴァンドラ(Lavandula)は洗っているを意味するラテン語の「lavo」もしくは洗浄を意味する「lavare」からきており、古代ローマ人が入浴時の香水として利用したり洗濯等に利用したりした事に由来しています。
- 種小名のデンタータ(dentata)はラテン語で「歯状の/歯のある」を意味しており、葉の縁がギザギザしていて歯を連想させる事に由来します。
- 英名フリンジ・ラベンダーは「fringed(縁取られた/縁のある)」と「ラベンダー」の2語からなり葉の縁部分にギザギザした縁どりがある事に由来します。
ラベンダー(デンタータ)の特徴(魅力)
- 花は四季咲き性があり開花が長いです
- ↳花は小花を保護する様に灰色の苞葉と頂部付近に紫色の長い苞葉が並び個性的な花姿をつくります
- 花はドライフラワーとして利用されます
- 葉は縁部分に強い切れ込みがありギザギザしています
- 葉は緑色ですが白色の腺毛が薄ら生えているため灰緑色の外観をつくります
- ↳腺毛には香りの元になる精油が溜まっているため
- ↳葉を触るとネバつき潰したり傷つけると強く心地よい香りが広がります
- ↳香りはシネオール特有の薬品や樟脳を連想させる爽やかな香り
- 精油は抽質されて香水等に利用されています
- 乾燥に強くて肥料を殆ど必要とせず環境が合えば放ったらかしで育ちます
- ↳夏の暑さにも強く夏越しが比較的に簡単です
- ↳ただし梅雨の雨や夏の長雨には弱いです
ラベンダー(デンタータ)の茎は若い時は緑色で白色の腺毛があり灰緑色の外観をしていますが、成熟すると木質化して樹皮は褐色から灰褐色になります。樹形は基部でよく分枝して直立に伸び高さ約30~90cmの間で成長します。葉は緑色ですが白色の腺毛があるため灰緑色の外観をつくり、また腺毛で精油が生成されているため触るとネバつき潰すと香りがします。葉の形は線形で長さ約3~4cmあり、茎に対生葉序もしくは輪生葉序に配置されます。花は円筒形をした穂状花序で小花を保護する様に苞葉が疎らに並び頂部にはやや長く薄い苞葉があります。個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂します。
開花時期は晩春から初秋、花色は青色や紫色、白色があり、個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂する、花序は小花が穂状に集まり輪散花序もしくは穂状花序に花を咲かせます。樹形は基部付近でよく分枝して枝は直立しドーム状になり高さ約30(90)cm × 幅は30(120)cmまで成長します。葉色は緑色で白色の毛があり、葉身は線形で鋸葉もしくは羽状中裂(深裂)して、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
ラベンダー(デンタータ)の香りの印象と精油成分
ラベンダー(デンタータ)の葉や花には、「ユーカリ」や「薬品」等を想像させるスッキリした香りがあり、葉や花の香りを特徴づける精油は季節や育てられる環境等によって含有率が変わりますが「シネオール」を主成分にして「フェンコン」「p-シメン」等が含まれています。またシネオールの香りには頭をスッキリさせて集中力を上げたり記憶力を高めたりする効果が期待できるため、仕事や勉強を行う際に嗅ぐのがオススメです。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- フェンコンは「樟脳」「薬品」「ウッディ(木)」等に例えられる素朴で爽やかな香りがあります。一般に植物ではフェンネルやラベンダー等に含有しています。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘系(僅か)」に例えられる心地よい香りをもっています。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、一般的には石鹸等の香料に利用されています。p-シメンの精油には抗菌作用(殺菌作用)があるとされています。
フレンチラベンダー(デンタータ種とストエカス種)の違い
ラベンダー(デンタータ種)は、ラベンダー(ストエカス種)と同様にフレンチ・ラベンダーと呼ばれているため、しばしば混同される事があります。基本的にはストエカス種の方がフレンチ・ラベンダーと呼ばれる事が多く、デンタータ種の方はフリンジ・ラベンダーと呼ばれる事が多いですが、両方の違いを知っておく事も大事でしょう。
ラベンダー(デンタータ)の栽培
![]() | ![]() |
園芸では、四季咲き性の高い花を鑑賞する目的や、香りがよく装飾性の高い葉を鑑賞する目的で育てられる事が多いです。一般的には長雨等の多湿を苦手にしているため、管理しやすい鉢植え等で育てられる事が多いですが、花壇に並べて縁どり等で楽しむ事も出来ます。園芸品種には、白色の苞葉と白色の小花が上品で清楚な魅力を感じさせる「ピュア ホワイト」や紫色の苞葉と紫色の小花が上品でエレガントな雰囲気を感じさせる「エバーモア ブルー(evermore blue)」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
ラベンダー(デンタータ)を育てる際に1番注意する事は「長雨を避ける」事です。基本的には暑さに強く水やりも肥料も殆ど必要としないため、環境が合えば放ったらかしで育つ事もあります。ただし梅雨の雨や夏の長雨に枯れてしまう事もあるため、雨に当たらない対策が重要です。例えば雨が続く場合は鉢植えを軒下等に移動したり、雨が当たらない様な日当たりのよい場所に地植えしたり、また泥はねが葉に当たり病気になる事も多いためマルチングをしておくと良いでしょう。増やし方は挿し木や種を撒く事で増やせます。
ラベンダーの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。