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原産:ヨーロッパ 科:シソ(Lamiaceae) 属:ラヴァンドラ(Lavandula) 種:ストエカス(stoechas) 英名:フレンチラベンダー(French lavender) 別名:ラベンダー・ストエカス/スパニッシュ・ラベンダー(Spanish lavender)/トップト・ラベンダー(topped lavender) 品種:ホワイトアヌーク(white anouk) 花の色:白色〇紫色● 葉色:緑色● 分類:常緑低木 草丈:約60cm 開花時期:5月~9月 誕生花:5月19日 花言葉:「期待」「沈黙」「豊香」「私に答えてください」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
フレンチラベンダー(ホワイトアヌーク)は、白色の大きな苞葉と紫色の小花が非常に上品な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。
開花時期は晩春から初秋、花色は白色と紫色、個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂する、花序は小花が穂状に集まり輪散花序もしくは穂状花序に花を咲かせます。樹形は基部付近でよく分枝して枝は直立しドーム状になり高さ約60cm × 幅は60cmまで成長します。葉色は緑色で白色の毛があり、葉身は線形で全円、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
フレンチラベンダー(French lavender)は学名Lavandula stoechas、別名「ラベンダー・ストエカス」や「スパニッシュ・ラベンダー(Spanish lavender)」等とも呼ばれるヨーロッパ原産の常緑低木です。
フレンチラベンダーの語源(由来)
- 属名のラヴァンドラ(Lavandula)は洗っているを意味するラテン語の「lavo」もしくは洗浄を意味する「lavare」からきており、古代ローマ人が入浴時の香水として利用したり洗濯等に利用したりした事に由来しています。
- 種小名のストエカス種(stoechas)はギリシャ語のstoichas(列に並んでいる)から来ており、この種のギリシャ語の名前でもあります。
フレンチラベンダーの特徴(魅力)
- フレンチラベンダーの花は「兎の耳」や「天使の羽」等に例えられる可愛らしい苞葉を花の頂部にもっています。
- ↳開花期間が比較的長く小花が落ちても苞葉が長く残るため鑑賞期間も長めです
- 他のラベンダーでは見られない赤い花色があります
- ↳園芸品種が非常に豊富です
- 花はドライフラワーやポプリの素材等に利用されます
- 葉は緑色ですが白色の腺毛が薄ら生えているため灰緑色の外観をつくります
- ↳葉・茎・萼の腺毛には香りの元になる精油が溜まっているため
- ↳潰したり傷つけると心地よい香りが広がります
- 乾燥に強くて肥料を殆ど必要とせず環境が合えば放ったらかしで育ちます
- ↳夏の暑さにも強く夏越しが比較的に簡単です
- ↳ただし梅雨の雨や夏の長雨には弱いです
- 寿命は5年程度と最大15年生きるイングリッシュラベンダーと比べるとやや短命です
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フレンチラベンダーの茎は若い時は緑色で白色の腺毛があり灰緑色の外観をしていますが、成熟すると木質化して樹皮は褐色から灰褐色になります。樹形は基部でよく分枝して直立に伸び高さ約30~90cmの間で成長します。葉は緑色ですが白色の腺毛があるため灰緑色の外観をつくり、また腺毛で精油が生成されているため潰すと香りがします。葉の形は線形で長さ約4cmあり、茎に対生葉序もしくは輪生葉序に配置されます。花は円筒形をした穂状花序で小花を保護する様に苞葉が密に並び頂部には長い苞葉があります。小花を保護する苞葉は長さ0.4~0.8cmあり、苞葉1個に小花が3個付き、個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂します。
開花時期は晩春から初秋、花色は青色や紫色、赤色や桃色、白色があり、個々の花は唇形で上唇は2裂して下唇は3裂する、花序は小花が穂状に集まり穂状花序に花を咲かせます。樹形は基部付近でよく分枝して枝は直立しドーム状になり高さ約30(90)cm × 幅は30(90)cmまで成長します。葉色は緑色で白色の毛が生えており、葉身は線形で全円、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
フレンチラベンダーの香りの印象と精油成分
フレンチラベンダーの葉や花には、「ウッディ(木)」や「薬品」等を想像させるスッキリした香りがあり、花の香りを特徴づける精油は季節や育てられる環境等によって含有率が変わりますが「フェンコン」を主成分にして「樟脳」「p-シメン」「α-ピネン」等が含まれています。
- フェンコンは「樟脳」「クスノキ」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、一般に植物ではフェンネルやラベンダー等に含まれています。
- 樟脳は「クスノキ」「防虫剤(衣服)」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした冷感のある味があります。一般に植物ではクスノキやローズマリー等に含まれており、精油は医薬品や防虫剤等に幅広く利用されています。樟脳の精油の効果には「抗菌作用(防腐効果)」「抗ウィルス作用」「防虫作用」等があります。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘系(僅か)」に例えられる心地よい香りをもっています。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、一般的には石鹸等の香料に利用されています。p-シメンの精油には抗菌作用(殺菌作用)があるとされています。
- α-ピネンの香りは「木の香り」「松」「樟脳」「甘い」等に例えられる香りがあります。一般に植物ではユーカリやローマンカモミール、ローズマリー等に含まれており、精油は香水等に利用されています。精油の効果には「抗炎症作用」「抗菌作用」「鎮静作用」等があります。
フレンチラベンダーの用途(使い方)
フレンチラベンダーは独特な花の形をしていて、また花や葉にスッキリした香りがある事からドライフラワーやポプリ等としてよく利用されます。一方で樟脳を多く含有しているため、あまり食用には向かないようです。
フレンチラベンダーの栽培
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園芸では、ウサギを思わせる様な可愛らしい花や灰緑色の葉をシルバーリーフとして楽しむ目的で育てられる事が多いです。一般的には長雨等の多湿を苦手にしているため、管理しやすい鉢植え等で育てられる事が多いですが、花壇に並べて縁どり等で楽しむ事も出来ます。園芸品種には、白色の長い苞葉と紫色の小花が上品な魅力を感じさせる「バレリーナ」や桃色の長い苞葉と小花を包む薄紫色の苞葉が可愛らしくロマンチックな雰囲気を感じさせる「フェアリーウィング」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
フレンチラベンダーは育てる際に1番注意する事は「長雨を避ける」事です。基本的には暑さに強く水やりも肥料も殆ど必要としないため、環境が合えば放ったらかしで育つ事もあります。ただし梅雨の雨や夏の長雨に枯れてしまう事もあるため、雨に当たらない対策が重要です。例えば雨が続く場合は鉢植えを軒下等に移動したり、雨が当たらない様な日当たりのよい場所に地植えしたり、また泥はねが葉に当たり病気になる事も多いためマルチングをしておくと良いでしょう。増やし方は挿し木によって行われます。