原産:メキシコ
科:キク(Asteraceae)
属:ダリア(dahlia)
種:ピナータ(pinnata)
別名:ガーデンダリア(garden dahlia)
開花時期:6月~11月
花の色:赤色●桃色●黄色●橙色●紫色●白色○黒色●
葉色:緑色●黒色●
分類:多年草
草丈:約30~160cm
誕生花:7月29日/9月10日
花言葉:赤色「華麗」黄色「栄華」「優美」白色「感謝」「豊かな愛情」全体「華麗」「優雅」「気品」「感謝」「背信」「移り気」「不安定」
用途:開花期間長い/カラーリーフ/背が高い花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ダリア(ピナータ種)とは!?
ダリア(ピナータ種)は学名Dahlia pinnata(Dahlia × pinnata)、別名「ガーデンダリア(garden dahlia)」等とも呼ばれるメキシコ原産の多年生植物です。D.sorenseniiの亜種と言われており、以前はメキシコの標高1500~4300mに高原に自生していましたが現在野生のダリア(ピナータ種)は絶滅したと言われています。
ダリア(ピナータ種)の語源(由来)
- 属名のdahliaは、1791年にリンネの弟子でスウェーデンの植物学者であるAnders Dahl(1751~1789)への献名として名付けられました。
- 種小名のpinnataはラテン語で「羽状の」を意味しており、葉の形に由来しています。
ダリア(ピナータ種)は地面下に根茎と栄養を貯め肥大化した塊根があります。茎は緑色で、直立して基本的に分枝することなく花序でのみ分枝して、高さ約30(~160)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序に配置され、葉身は単葉の卵形(鋸歯あり)もしくは奇数羽状複葉で小葉は卵形をしており縁部分に鋸歯をもちます。花序は茎に2個~8個の頭花をつけ、個々の花(頭花)は大きさが直径約6~10cm、舌状花と筒状花もしくは舌状花のみで構成されています。
開花時期は初夏から晩秋、花色は桃色や赤色、黄色や橙色、紫色や白色、黒色があり、個々の花は直径約6~10cmの頭花で舌状花と筒状花もしくは舌状花のみで構成されており、花序は茎に2から8個つけます。草姿は直立して高さ約30(~160)cm × 幅約30(90)cmまで成長します。葉色は緑色もしくは黒色、葉身は単葉もしくは奇数羽状複葉で、小葉は卵形もしくは楕円形をして縁部分には鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
ダリアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ダリアの種類を花形から紹介、主なダリアの種と園芸品種の紹介【2021】
ダリア(ピナータ種)の育て方
花壇の土づくり
ダリア(ピナータ種)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。一方で日当たりの悪い場所では開花が悪くなります。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。
ダリア(ピナータ種)は土壌のPH6.5~7.5の間を好み、また有機物(腐植)が豊富に入る土壌を好みます。ダリアは基本的に根が浅いため水捌けの良すぎる土は避けた方が無難です。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が白っぽかったり赤かったりして肥沃さを感じない場合は腐葉土等を入れたり、土が硬すぎたりバラバラと崩れる場合は、必要に応じて通気性を高めるパーライトや軽石等を入れたり、黒土や田土を入れ土壌改善を行いましょう。
ダリア(ピナータ種)の塊根を埋める深さは約7~15cmの間です。塊茎の大きさに合わせて深さを調整しましょう。
鉢土づくり
ダリア(ピナータ種)は直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の例
- 赤玉土(6割)+腐葉土(4割)+元肥
- 黒土(5割)+腐葉土(3割)+パーライト(2割)+元肥(適量)
ダリア(ピナータ種)の塊根を埋める深さは約7~15cmの間です。塊茎の大きさに合わせて深さを調整しましょう。
水やりの仕方
ダリア(ピナータ種)は根が浅く乾燥を好まないため、やや湿り気のある土壌を保つ必要があります。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。ただし根塊から芽が出ていない状態の時は休眠状態のため水やりは控えます。
肥料の与え方
ダリア(ピナータ種)は一般的な植物よりも多くの肥料を求める植物です。大きく花や沢山の花を咲かせる為にはしっかり肥料を与える事が大切です。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期は春から秋にかけてで持続的に行います。
- 肥料はリンの含有が多い肥料を選んで下さい。
- 固形肥料や緩効性肥料等、規定された量を定期的に与えましょう。
剪定のやり方
ダリア(ピナータ種)は花の大きさにより剪定の仕方(楽しみ方)がかわります。
一般的に小輪(~中輪)の品種は摘芯がされ沢山の花の開花を促します。一方で大輪(巨大輪)の品種は大きな花を咲かせる為に脇芽をかきとり栄養を1個もしくは幾つかの少数の花に集中させます。
ダリア(ピナータ種)の小輪(中輪)の仕立て方
- ダリア(ピナータ種)は塊根から1個以上の芽(茎)を出しますが、小輪(中輪)の花を楽しむ場合は7~10本の茎を維持します。
- 摘芯は新芽が3~4節成長した頃、もしくは地面から高さ40cm程度成長したに行いましょう。
- ↳摘芯は主茎の成長点を指で摘み取り除きます。
- 開花期間中は持続的な開花を促すために必要に応じて個々の花を摘み取ります。
ダリア(ピナータ種)の大輪(巨大輪)の仕立て方
- ダリア(ピナータ種)は塊根から1個以上の芽(茎)を出しますが、大輪(巨大輪)の育てる場合は栄養を集中させる為に3~5本の茎を維持します。
- 頂芽を優先的に成長させるため摘芯は基本的に行いません。
- ↳下から3節目までは2番花を咲かせる為に脇芽を残します。ただし3節芽から上の芽は栄養を集中させるためかきとります。
- 一番花が終わり花が散ったら、脇芽が伸びている3節芽の所まで強く切り戻しましょう。
夏越しする方法
ダリア(ピナータ種)は夏の暑さに耐えますが、乾燥を苦手にしています。
ダリア(ピナータ種)の夏越し対策
- ダリアは根が浅く乾燥を苦手にしているため、地植えしたものでも乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
- 初夏に入り花が一段落した頃に切り戻しすると、葉の数が減るため蒸散の量が減り乾燥対策となります。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
ダリア(ピナータ種)は温暖な地域では植えっぱなしで越冬が出来ます。ただし強い霜が降りる地域では、塊根が腐るため冬越し対策が必要です。
ダリア(ピナータ種)の冬越し手順
- 強い霜の降りる地域では霜が降りる前に根塊を掘りあげます。
- ↳必要であれば品種名や花色・花形を目印しておくといいでしょう。
- 掘りあげた塊根を2~3日の間、乾燥させます。
- ダンボール箱等の通気性のよい容器に、やや湿らせたバーミキュライトもしくはピートモスをいれます。
- その中にある程度、乾燥と土を落としたダリアの塊根をいれます。
- ダリアは保管している間に萎びたり、腐敗する事があります。
- 萎びた場合は霧吹きで水を少しかけ、腐り始めた場合はその部分を取り除きましょう。
ダリア(ピナータ種)の冬越し手順②
- 長く霜が続くような地域や強い霜が短期的に降りる地域等では、霜よけする事で地植えのままでも冬越し出来ます。
- 霜よけの方法は株元に腐葉土を盛ったり、不織布もしくはビニールを被せます。
挿し木や株分けで増やす
ダリア(ピナータ種)は挿し木や株分け(分球)によって増やす事ができます。
ダリア(ピナータ種)の挿し木の手順
- ダリア(ピナータ種)の挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 挿し穂の長さ約7cmでカットしましょう。
- 上部の葉を残し下部の葉をとります。
- 水を入れたコップに30分程浸けて水揚げを行いましょう。
- 水揚げしたら挿し穂をコップから出して、湿らせた培養土に挿して下さい。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
ダリア(ピナータ種)の株分け(分球)の手順
- ダリア(ピナータ種)の塊根を分割する時期は、塊根から芽が確認出来る早春から晩春です。
- ↳ダリアは太い芋の部分には芽をつけず細いクラウン部分に芽を付けるため分割する際は、クラウンの扱いに注意が必要です。
- 塊根から芽が出たら最低一個は芽がつくように分割しましょう。
- ↳その際に塊根を1個ずつ分けるのではなく、数個単位でわけると、後の成長がよくなります。
播種で増やす
ダリア(ピナータ種)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7~14日
発芽条件:
ダリア(ピナータ種)の種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ダリア(ピナータ種)の病気
- うどんこ病
- 灰色かび病
- 斑点病
- 青枯病
- 白絹病
- モザイク病
ダリア(ピナータ種)の害虫
- アブラムシ
- ハダニ