
- 原産:パプアニューギニア(ビスマルク諸島)
- 科:トウダイグサ(Euphorbiaceae)
- 属:アカリファ(Acalypha)
- 種:ベニヒモノキ/ヒスピダ(Acalypha hispida)
- 別名:アカリファ・ヒスピダ/シニール・プラント(chenille plant)/フィリピン・メドゥーサ(Philippine medusa)/レッド・ホット・キャットテール(Red-hot cat’s tail)
- 開花時期:周年(主な開花期は4月~11月)
- 花の色:赤色
- 葉の色:緑色
- 生活形:常緑低木
- 樹高:約150~400cm
- 誕生花:6月22日
- 花言葉:愛撫/気まま/偽りのない心/誠の救世主
- 用途:開花期間長い
- 購入方法:ベニヒモノキを楽天で購入
■ベニヒモノキとは!?
ベニヒモノキ(学名: Acalypha hispida)は、別名で「アカリファ・ヒスピダ」「シニール・プラント(chenille plant)」「フィリピン・メドゥーサ(Philippine medusa)」「レッド・ホット・キャットテール(Red-hot cat’s tail)」とも呼ばれるトウダイグサ科アカリファ属に分類される常緑低木の種です。
ベニヒモノキの原産地はパプアニューギニア(ビスマルク諸島)で、東南アジアや熱帯アフリカ、熱帯アメリカに帰化しており、自生地は林縁や川沿いなどです。
■ベニヒモノキの語源(由来)
- Acalyphaの語源:古代ギリシア語で「イラクサ」や「刺す」を意味する「ἀκᾰλήφη」からきており、アカリファの葉がイラクサの葉に似ていることに由来します。
- hispidaの語源:ラテン語で「剛毛の」「毛におおわれた」を意味しており、恐らく雌蕊の花柱が羽状に分裂し、花序が毛で覆われているように見える様子に由来しています。
- ベニヒモノキの語源:紅色のヒモのような花を咲かせる木を意味します。
■ベニヒモノキの特徴(魅力)
- 形態:草丈は約150~400cm、生育型は直立型または分枝型です。葉序は互生、葉の形は卵形から広卵形で縁部分に鋸歯があり、色は緑色です。花序は穂状花序(尾状花序)で、雌雄異株のため雄株と雌株があり、園芸品種は基本的に雌株です。雌株は花弁を欠く雌花が穂状に密生して付き、赤色の3本の花柱が羽状に細かく分裂するため、本種の花穂の外観が尻尾のような見た目になります。
- ライフサイクル:生活形は非耐寒性の常緑低木です。
- 春:暖かくなってくると茎から萌芽し、生育旺盛に茎を伸長させながら葉を展開し、花を咲かせます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し花がどんどん咲きます。
- 秋:気温が低くなり始めると生育がやや鈍りますが、この時期も生育期間中で開花も続きます。
- 冬:熱帯地域では、この時期も枝葉が成長し、開花も見られますが、日本の寒さが厳しい地域では茎から葉が落ち半休眠状態になるか、5度を下回る環境で株が徐々に弱り、氷点下になると枯れてしまいます。
- 開花期間:開花期間は周年、ただし日本では開花に必要な十分な温かさが確保できないため、4月~11月が主な開花期間となります。個々の花も1ヶ月以上美しい外観を保つため連続開花性も抜群です。そのため、花を長く楽しみたい人に人気がある植物です。
- 花の魅力:本種は、花穂の長さが50cmに達することもあり、赤色の紐状の花穂が、枝からだらんと垂れ下がる個性的な花姿を見せます。この日本では見られないような個性的な花姿から南国をテーマにするようなトロピカルガーデンなどによく調和する植物です。
- 欠点:本種は、耐寒性が極端に低いことから熱帯地域以外での地植えは難しいかもしれません。基本的には鉢植え栽培で育てて、冬に日当たりの良い屋内に取り込まれることが多いです。
■ベニヒモノキの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:常緑低木
- 樹高:約150~400cm
- 生育型:基本的に主軸が明瞭な直立型ですが、成長に伴い頂芽の伸長が抑制されて分枝が促され主軸が不明瞭な分枝型になります。
- 分枝:斜上に伸びます。
- 茎の毛:若い茎は柔らかな毛が生えています。
- 茎の色:若い茎の色は黄緑色から緑色、または黄褐色、木質化すると淡褐色に変化します。
●葉の形態
- 葉序:互生
- 葉柄:約4~8cm
- 葉身の長さ:約8~20cm
- 葉身の幅:約5~14cm
- 葉身の概形:卵形・広卵形
- 葉先:鋭尖形
- 葉縁:鋸歯
- 葉脈:網状脈
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:穂状花序または花の見た目から尾状花序に分類されます。
- 尾状花序の概要:花弁を欠き雌蕊の花柱が長く伸びて密生することで尻尾のような外観をしている花序です。
- 尾状花序の構成:雌雄異株のため、雌花のみが咲く雌株と、雄花のみが咲く雄株で完全に別れています。雄花は見た目が控えめのため、園芸品種は基本的に雌株のみが扱われます。
- 尾状花序の形:紐状
- 尾状花序の長さ:約15~50cm
- 花柄:ごく短い花柄があるか無柄です。
- 苞:花柄の基部にありごく小さいです。
- 花:雌花の構成は花托・萼・雌蕊で、雄花の構成は花托・萼・雄蕊です。
- 雌花:萼片は合片萼、花弁は欠き、雌蕊は心皮が3個、花柱が3本で、それぞれが長く糸状に伸びて羽状に細かく分裂しており、色は赤色です。※この雌蕊の花柱は長く伸び分枝するため花にフサフサ感がでます。
- 雄花:萼片は合片萼でごく小さい、花弁は欠き、雄蕊の数は8本です。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ベニヒモノキの園芸品種を紹介
■アカリファ属(キャットテール)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ベニヒモノキの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:熱帯雨林・亜熱帯乾燥林・モンスーン林
- 原産地:パプアニューギニア(ビスマルク諸島)
- 自生地:林縁や川沿いなど
- 気候:主に熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候に属します。
- 熱帯雨林気候:最寒月の平均気温が18℃以上あり、降水量は一年を通して多雨です。
- 熱帯モンスーン気候:最寒月の平均気温が18℃以上あり、降水量は基本的に多雨ですが短い乾季があります。
- 日照:日向から半日陰
- 土壌:主にアクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)・フェラルソル(Ferralsols)などが分布します。
- アクリソル:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、粘土の集積層ができる。塩基飽和度が低く、強い酸性を示し、粘土の部分は酸化鉄の影響で赤褐色から黄褐色を呈します。
- アリソル:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、粘土の集積層ができる。集積層ではアルミニウム含有量が高く、PHは強い酸性を示します。
- フェラルソル:熱帯雨林の気候下での長年の風化と溶脱作用によって酸化鉄やアルミニウムが集積し土の色が赤褐色をしています。また高温による有機物の分解の早さや、降水量の多さから、腐植層は浅く、保肥力も低く、肥沃さがほぼない。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ベニヒモノキは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。ただし、一定の湿潤環境を好むため、直ぐに乾くような土壌も避けた方が良いでしょう。日照条件・周囲の水捌け具合などを考慮して、土質は水捌けのよい【砂壌土から壌土】に調節すると良いでしょう。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けて下さい。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(腐葉土など)を用土全体の2割を目安に混ぜ込むとよいでしょう。堆肥を入れることで土壌の通気性・排水性・保水性が改善され、根の活着を高め根張りをよくしたり、堆肥に含有する有機物が微生物の働きを促進して土質を改善したり、さらに植物の栄養補給にも寄与します。
- pH:pHは5.5~7.0の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面施肥で混和しておきましょう。
- 植え付け:苗は浅植え・深植えせずに、標準植えします。標準植えは、根鉢の肩の部分と地面を水平に合わせて、植物の根っこが完全に土に覆われるように植え付けます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ベニヒモノキは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
ベニヒモノキの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも少し通気性・排水性を高めた培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:本種の自生地は熱帯の疎林や草原などにあり、土壌は表層の粘土が溶脱しているため、基本的に砂質で通気性・排水性が高いです。ただし、湿潤を維持するために、培養土の保水性も一定程度高める必要があります。本種は弱酸性(pH5.5~6.5)の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 無機質の用土:一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を改善する目的で、赤玉土などの用土を7割程度を目安にして多めに配合します。基本的に土粒の粒子は小粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性の低下や植物の生育不良の原因となるため避けてください。
- 有機質の用土:腐葉土などの堆肥は、一般的な植物よりも少なめに3割程度を目安にしながら培養土の中に配合します。腐葉土などの有機物は培養土の水分・養分を保持して、根の活着を助け、生育を促進する効果がありますが、本種の場合は堆肥を入れ過ぎると、夏場に蒸れて過湿状態になり根腐れを引き起こす原因ともなります。そのため、バランスを考えて必要量を入れる事が大切です。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を培養土の中にしっかり混和しておきましょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+赤玉土(小粒)3割+ピートモス(酸度調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+バーミキュライト1割+腐葉土3割+元肥適量
水やりの仕方
ベニヒモノキは、自生地が熱帯(熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候)にあり、比較的多雨な環境に自生しています。そのため、本種は基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本ですが、夏場は乾燥が早く、水切れして株が弱りやすいため、土壌や株の状態を見ながら、必要に応じて夕方にも水を与えましょう。ただし、真昼の高温時に水やりを行うと、鉢内で水温が上昇して高温多湿による蒸れや酸欠状態で根を傷めることがあるため避けてください。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:休眠期または半休眠期は殆ど水分を吸収しないため、水やりの頻度を大きく減らします。この時期に水分が多いと根腐れを引き起こす原因になります。ただし、土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、夏の昼の高温時に水を与えると、鉢内の温度上昇と共に湿度が上がり、根が酸欠状態(蒸れ)に陥り、根腐れや生理障害を起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、夜間に土壌が過湿状態になり、病原菌(真菌)の繁殖や呼吸の邪魔となり、根腐れを引き起こす原因になったり、過剰な水分で徒長し株姿が乱れる原因にもなります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいです。ただし例外として、夏場や植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、特に赤い花穂に水がかかると、そこから傷んで腐敗する原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ベニヒモノキは自生地が熱帯の疎林等にあり、栄養の少ない痩せた土壌にも生育しています。ただし、園芸品種の多くは多花性で、この花を持続的に咲かせるため、多くの肥料を必要とします。そのため、生育期間中はしっかり肥料を与えることが非常に大切です。
●栽培環境での違い
- 地植え:腐葉土や堆肥が十分にすき込まれた、一定の肥沃さがある土壌であれば、肥料が無くても栽培可能です。ただし本種は開花期間が長く多花性のため、地植えであっても生育期間中は追肥をした方が花付きがよくなります。
- 鉢植え:土の量が限られており、養分も流出しやすいため追肥が必要です。必要に応じて植付け時に元肥を施してあげるとよいでしょう。注意することは、窒素成分の多い肥料を使わないことです。 窒素の多い土壌は、茎葉を茂らせて花数を減らす原因になります。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または花付きを良くするためにリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る緩効性肥料などを選ぶと良いでしょう。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋に追肥を施します。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランス良く入る肥料、またはリン酸が多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
ベニヒモノキは剪定せずに育てる事も出来ますが、より健康で沢山の花を咲かせるために剪定が推奨されます。剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
●剪定方法
- 概要:剪定の種類は「花がら摘み」「切り戻し」があります。それぞれ目的が違うため、株の生育状態や栽培環境(鉢植えか地植えかなど)に合わせて仕立て方を変えると良いでしょう。
- 花がら摘みの方法:花がら摘みを行う時期は開花期間中です。株を観察して、花穂が黒ずんだり褐色になり汚れている物を探します。これを花穂の下にある葉腋の上で剪定します。花がら摘みを行うことで、見た目の清潔感を保ち、また花が種作りに栄養を奪われるのを防ぎ、次の花芽に栄養が回り咲きやすくなります。
- 切り戻しの概要:株を若返らせる目的で、早春頃に切り戻し(強剪定)を行います。これを行うことで、茎の根元付近から萌芽しやすくなり、生産性の高い枝が伸長して、沢山の花が咲きやすくなります。古い枝を残すとエネルギーが分散し、花数が少なくなり、花穂も小さくなる傾向にあります。
- 切り戻し方法:剪定時期は早春頃、地表から10~30cmの高さで幹または枝を強剪定します。
冬越しする方法

Hardiness:10~11
ベニヒモノキは、熱帯・亜熱帯の気候の地域に自生している植物です。基本的に冬の低温を苦手にしており、気温が10度を下回ると成長が止まり、5度を下回ると株が弱る可能性があり、氷点下を下回る環境では枯れてしまいます。そのため、熱帯・亜熱帯地域に住んでいる場合を除いて、しっかりと冬越し対策をしてあげる必要があるでしょう。
●冬越しの条件
- 屋内環境:植物を育てるのに十分な光量があり、生育に必要な温度を十分に保てる場所です。
- 温度:理想的な温度は10度以上、5度を下回ると落葉して株が弱り始め、氷点下を下回ると枯れます。
- 光量の目安:5000~20000Lux/92.5~370μmol/m2・s ※光量を確保できない場所で栽培したい場合は、植物育成ライトが基本的に必要となります。
- 水やり頻度:土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
●冬越し対策一覧
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中に入れる方法です。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たりにくくなるため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ベニヒモノキは挿し芽によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを10~15cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。









