
科:キク(Asteraceae)
属:ダリア(dahlia)
品種:いとしご
開花時期:4月~11月(5月~6月・9月に最も開花)
花の色:桃色●黄色●
葉色:緑色●
分類:多年草
花の形:ボール咲き
草丈:約70~100cm(中性)
誕生花:7月29日/9月10日
花言葉:赤色「華麗」黄色「栄華」「優美」白色「感謝」「豊かな愛情」全体「華麗」「優雅」「気品」「感謝」「背信」「移り気」「不安定」
用途:開花期間長い/カラーリーフ/背が高い花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ダリア(いとしご)とは!?
ダリア(いとしご)は、薄桃色の花弁が強く内側に巻いて筒状になり幾つもの花弁がボール状に集まり咲く花の形が魅力的な園芸品種です。柔らかな薄桃色の花は、甘い果物を連想させたり、また可愛らしい印象や恋心を想起させたりするため、ロマンチックで優しい雰囲気のお庭や、お菓子を想像させる様なスイートなお庭等によく合うでしょう。
開花時期は春から晩秋(晩春と初夏と秋に最も開花)、花色は桃色、個々の花は頭花で花の形はボール咲き、花序は茎に頭花を複数つけます。草姿は直立して高さ約70(100)cm × 幅約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は単葉もしくは奇数羽状複葉で、小葉は卵形もしくは楕円形か披針形をして縁部分には鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
ダリアとは!?
ダリアは学名Dahlia、属の中に約42種がありますが、今日び栽培(観賞)される殆どのダリアは幾つかの種(2~3種)の雑種で、一般的に殆どの雑種がD.pinnata(野生で絶滅)とD.coccinea(野生で絶滅)を由来としています。
ダリアの語源(由来)
- 属名のdahliaは、1791年にリンネの弟子でスウェーデンの植物学者であるAnders Dahl(1751~1789)への献名として名付けられました。
ダリアの特徴(魅力)
- ダリアは5万以上の登録品種があります。
- ↳そのため殆どの花色があり花の大きさは直径5cm以下から30cm以上まであります。
- ↳花の形は16種類に分類されています。
- ダリアの花は切り花としても魅力があり約5~11日の花持ちがあります。
- 地面下に栄養を吸収して太くなった塊根を多数もちます。
- 種から育てる事も出来るため大量植栽しやすいです。
- ダリアの葉は複葉と呼ばれる形をしていて多数の小葉が集まる装飾的な形をしています。
- ↳葉色は品種によって緑色の他にも黒色がありカラーリーフとして楽しむ事が出来ます。
- 茎は品種により高さ約30~160cmの間で成長します。
- ↳高性品種では花壇の中央や後方で背景として利用されたり矮性品種では縁どりとしても利用されます。
ダリアは地面下に根茎と栄養を貯め肥大化した塊根があります。茎は緑色もしくは赤みを帯びるか黒色をしていて、茎は直立してよく分枝しながら高さ約30(~160)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序に配置され、葉身は単葉の卵形で鋸歯あり、もしくは奇数羽状複葉で小葉は卵形もしくは楕円形か披針形で縁部分に鋸歯をもちます。花序は茎に2個から複数の頭花をつけ、個々の花(頭花)は大きさが直径約5~30cm以上、舌状花と筒状花もしくは舌状花のみで構成されています。
ダリアの切り花
ダリアの切り花は、大きくて豪華な雰囲気をつくる花や、丸くポンポンとした可愛らしい花を多数付ける花があり、非常に人気の高い切り花の素材です。
一方でダリアの切り花はやや気難しい性質があり、例えば収穫後のダリアは花が開きにくかったり、水揚げが上手く出来ない等があります。そのため適切な時期に花を収穫する必要があり、また収穫後も適切なお世話をする必要があります。※ダリアは適切なお世話をした場合花の寿命が1.5倍程度伸びるといわれています。花の寿命は品種やお世話(処置)の仕方で変わりますが約5~11日程度です。
ダリアの切り花の楽しみ方
- ダリアの切り花を収穫するタイミングは花が殆ど開いた時です。
- ↳花が少ししか開いていない場合も収穫出来ますが花瓶の中でスクロースを与える等して開かせる必要があります。
- 収穫は朝の涼しい時間帯に行いましょう。
- 収穫したら茎は斜めに水切りして基本的には葉を全部落としましょう。
- 綺麗な水の入った花瓶に切り花を入れてください。
- ダリアは糖類(スクロース5%グルコース5%)と抗菌剤を入れる事により花の寿命が長くなります。
- ↳延命剤を利用しましょう。
- 茎は微生物により腐敗しやすいため汚れた水を数日に一度かえましょう。
- その時に微生物の影響で水を吸い上げにくくなった茎の先端も切り戻ししましょう。
ダリアの花の形(咲き方)の種類
ダリアは花の形(咲き方)により一般的に16種類に分類する事が出来ます。
ダリアの栽培方法
園芸では、大きく華やかな花を観賞する目的だったり非常に沢山咲く花を観賞する目的だったり、花を切り花として利用する目的だったり、また幾つかの品種で見られる黒葉をカラーリーフとして楽しむ目的で育てられます。ダリアは比較的に背が高くなるため、花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また矮性品種であれば鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりするといいでしょう。
ダリアは理想的な環境であれば放ったらかしで育てる事ができますが、幾つかの事に注意する必要があります。ダリアを育てる際に注意する事は「乾燥」「冬の寒さ」の2個です。ダリアは基本的に根が浅いため乾燥を苦手にしています。そのため植える土は有機物のたっぷり入る保水性のある土壌に植えたり、必要に応じてしっかり水やりをする事が大切です。また暖地であれば地植えでも越冬する事が可能ですが、強い霜に当たると塊根が腐敗する可能性があるため、冬場は塊根を彫り上げて屋内に入れるなどの対策が必要でしょう。
ダリアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ダリアの種類を花形から紹介、主なダリアの種と園芸品種の紹介【2021】
ダリア(いとしご)の育て方
花壇の土づくり
ダリア(いとしご)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。一方で日当たりの悪い場所では開花が悪くなります。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。
ダリア(いとしご)は土壌のPH6.5~7.5の間を好み、また有機物(腐植)が豊富に入る土壌を好みます。ダリアは基本的に根が浅いため水捌けの良すぎる土は避けた方が無難です。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が白っぽかったり赤かったりして肥沃さを感じない場合は腐葉土等を入れたり、土が硬すぎたりバラバラと崩れる場合は、必要に応じて通気性を高めるパーライトや軽石等を入れたり、黒土や田土を入れ土壌改善を行いましょう。
ダリアの塊根を埋める深さは約7~15cmの間です。塊茎の大きさに合わせて深さを調整しましょう。
水やりの仕方
ダリア(いとしご)は根が浅く乾燥を好まないため、やや湿り気のある土壌を保つ必要があります。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。ただし根塊から芽が出ていない状態の時は休眠状態のため水やりは控えます。
剪定のやり方
ダリア(いとしご)は花の大きさにより剪定の仕方(楽しみ方)がかわります。
一般的に小輪(~中輪)の品種は摘芯がされ沢山の花の開花を促します。一方で大輪(巨大輪)の品種は大きな花を咲かせる為に脇芽をかきとり栄養を1個もしくは幾つかの少数の花に集中させます。
ダリアの小輪(中輪)の仕立て方
- ダリアは塊根から1個以上の芽(茎)を出しますが、小輪(中輪)の花を楽しむ場合は7~10本の茎を維持します。
- 摘芯は新芽が3~4節成長した頃、もしくは地面から高さ40cm程度成長したに行いましょう。
- ↳摘芯は主茎の成長点を指で摘み取り除きます。
- 開花期間中は持続的な開花を促すために必要に応じて個々の花を摘み取ります。
ダリアの大輪(巨大輪)の仕立て方
- ダリアは塊根から1個以上の芽(茎)を出しますが、大輪(巨大輪)の育てる場合は栄養を集中させる為に3~5本の茎を維持します。
- 頂芽を優先的に成長させるため摘芯は基本的に行いません。
- ↳下から3節目までは2番花を咲かせる為に脇芽を残します。ただし3節芽から上の芽は栄養を集中させるためかきとります。
- 一番花が終わり花が散ったら、脇芽が伸びている3節芽の所まで強く切り戻しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
ダリア(いとしご)は温暖な地域では植えっぱなしで越冬が出来ます。ただし強い霜が降りる地域では、塊根が腐るため冬越し対策が必要です。
ダリアの冬越し手順
- 強い霜の降りる地域では霜が降りる前に根塊を掘りあげます。
- ↳必要であれば品種名や花色・花形を目印しておくといいでしょう。
- 掘りあげた塊根を2~3日の間、乾燥させます。
- ダンボール箱等の通気性のよい容器に、やや湿らせたバーミキュライトもしくはピートモスをいれます。
- その中にある程度、乾燥と土を落としたダリアの塊根をいれます。
- ダリアは保管している間に萎びたり、腐敗する事があります。
- 萎びた場合は霧吹きで水を少しかけ、腐り始めた場合はその部分を取り除きましょう。
ダリアの冬越し手順②
- 長く霜が続くような地域や強い霜が短期的に降りる地域等では、霜よけする事で地植えのままでも冬越し出来ます。
- 霜よけの方法は株元に腐葉土を盛ったり、不織布もしくはビニールを被せます。
挿し木や株分けで増やす
ダリア(いとしご)は挿し木や株分け(分球)によって増やす事ができます。
ダリアの挿し木の手順
- ダリアの挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 挿し穂の長さ約7cmでカットしましょう。
- 上部の葉を残し下部の葉をとります。
- 水を入れたコップに30分程浸けて水揚げを行いましょう。
- 水揚げしたら挿し穂をコップから出して、湿らせた培養土に挿して下さい。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
ダリアの株分け(分球)の手順

- ダリアの塊根を分割する時期は、塊根から芽が確認出来る早春から晩春です。
- ↳ダリアは太い芋の部分には芽をつけず細いクラウン部分に芽を付けるため分割する際は、クラウンの扱いに注意が必要です。
- 塊根から芽が出たら最低一個は芽がつくように分割しましょう。
- ↳その際に塊根を1個ずつ分けるのではなく、数個単位でわけると、後の成長がよくなります。
播種で増やす
ダリアの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7~14日
発芽条件:
ダリアの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。