ベンケイソウ(ムラサキベンケイソウ)は属の中に約17~33種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、花が直径約15cmの大きさにもなりパステルグリーンの艶消しされた葉が玩具の様な可愛らしい外観をつくるオオベンケイソウ、園芸品種の中には葉色が黒色や濃い紫色をしている品種が多くカラーリーフとしても楽しめるムラサキベンケイソウ、匍匐する様に茎が成長する事から地被植物としても利用されるミセバヤ等が親しまれています。
ベンケイソウ(ムラサキベンケイソウ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ベンケイソウ(ムラサキベンケイソウ)の主な種の目次
オオベンケイソウの特徴や園芸品種
- 原産:東アジア
- 学名:Hylotelephium spectabile(Sedum spectabile)
- 草丈:約50cm
- 分類:多年草
- 開花時期:8月~11月
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:9月13日/9月26日/10月17日
- 花言葉:静寂/穏やか/優しい心/信じて従う/機転がきく
- 用途:カラーリーフ/切り花
オオベンケイソウとは!?
オオベンケイソウは学名Hylotelephium spectabile(Sedum spectabile)、以前はセダム属にあったため現在も普通に「セダム」や「セダム・スペクタビリス」と呼ばれる事が多く、また別名では「ヒロテレフィウム・スペクタビリス」や「アイスプラント(iceplant)」とも呼ばれる東アジア原産の多年草です。
オオベンケイソウの語源(由来)
- 属名のHylotelephiumはラテン語で「森」「森林」等を意味する「hylo」と、ギリシャ語で「遠く離れた」を意味する「tele-」と、ギリシャ語で「最愛の」や「愛する」を意味する「philos」の3語からなります。
- 種小名のspectabileはラテン語で「注目に値する」「壮観な」「立派な」等を意味しており美しい花に由来します。
オオベンケイソウの特徴(魅力)
- オオベンケイソウは艶消しされたプラスチックの様な可愛らしい葉と、直径15cmに達する華やかな花が魅力的な多年草です。
- 花はブロッコリーの様なモコモコとした可愛らしい花姿をしており、花色は桃色・赤色・紫色・白色などがあります。
- 花は直径約1cmの小花が半球状(複散房花序)に集まり直径約7~15cmの大きな花を咲かせます。
- 花は蝶々の蜜源として利用されるため、開花期には花の周りを優雅に飛び回る蝶々の姿が観察出来ます。
- 豪華な花は切り花としても魅力的で、環境でも変わりますが日持ちが約7~14日あります。
- 葉は艶消しされたプラスチックの様な外観をしており、子供の玩具のような可愛らしい見た目をしています。
- 葉の色はふつう緑色ですが幾つかの品種ではクリーム色の班が入るためカラーリーフとして楽しめます。
- オオベンケイソウは地面下に短い地下茎があり、根元から多くの茎が出る叢生型と呼ばれる草姿をつくります。
- オオベンケイソウは夏の暑さ冬の寒さに強く地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
- ただし湿度の高い環境では根腐れや病気になりやすいため注意が必要です。
オオベンケイソウは草丈が約50cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、地面下に短い地下茎があり、茎は基部から直立して基本的に分枝しません。茎は多肉質、茎の色は緑色です。葉序は互生葉序、葉色は緑色(青緑色)で艶消しされており、葉身は楕円形もしくは倒卵形、縁部分に鋸歯があり、多肉質です。花序は複散房状花序、複散房状花序は散房花序が複数集まり直径約7(~15)cmの半球状の花序をつくります。花は直径約1cm、花弁は5個(星形に開く)、雄蕊は10個(花冠より長く突出する)、雌蕊は5個あります。果実は袋果(1枚の心皮からなり、成熟すると果皮は乾燥して、癒合してできた縫合線から縦に裂けて種子を放出します)です。
オオベンケイソウの切り花の楽しみ方
- オオベンケイソウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが7~14日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
オオベンケイソウの園芸品種の紹介
- オータムジョイ(Hylotelephium spectabile ‘autumn joy’)は、モコモコと可愛らしく咲く花姿と、甘くロマンチックな印象を与える桃色の花色、プラスチックの様なぷにぷにとした多肉質な葉、艶消しされたパステルグリーンの柔らかな葉色が魅力の園芸品種です。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ50cmまで成長します。パステルグリーンの柔らかな葉色と、可愛らしい印象を与える桃色の花色は、ベビーグッズの様な柔らかで心が癒される様な優しい雰囲気をつくるため、ふんわりした可愛らしいお庭や、ロマンチックなお庭などにオススメです。
- オータムファイア(Hylotelephium spectabile ‘autumn fire’)は、オータムジョイの改良品種と考えられており、白味を帯びた桃色から秋になると濃い赤色へと変わる花色が魅力の園芸品種です。花はもこもことしてブロッコリーの様な可愛らしい花姿をしており、1個1個の花は白桃色から濃い赤色へと変化します。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ50cmまで成長します。
- ブリリアント(Hylotelephium spectabile ‘brilliant’)は優れた耐熱性があり丈夫で育てやすく、またパステルグリーンのぷにぷにとした葉が玩具の様な外観をつくり、モコモコと可愛らしく咲く桃色の花が甘くロマンチックな印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ50cmまで成長します。
- アイスバーグ(Hylotelephium spectabile ‘iceberg’)は明るく清潔感のある印象を与える様な白色の花(稀に桃色)が魅力の園芸品種です。花はモコモコとブロッコリーの様な可愛らしい花が咲き、またパステルグリーンのぷにぷにとした葉が玩具の様な外観をつくります。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ50cmまで成長します。
- フロスティムーン(Hylotelephium spectabile ‘frosty morn’)は葉の縁部分にクリーム色(薄黄色)の班が入る事で、洗練された印象や柔らかな印象を与える魅力的な園芸品種です。またクリーム色の覆輪が入る葉は、明るく清潔感を感じさせる白花との相性もよく、輝いている様な印象や洗練された印象を与えるため、上品なお庭などによくあうでしょう。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ50cmまで成長します。
- スターダスト(Hylotelephium spectabile ‘stardust’)はベビーグッズを連想させるような、パステル調の青緑色の葉色とぷにぷにとした質感の葉が魅力の園芸品種です。また開花期になると白色の花が咲き、お庭に明るく清潔感のある印象を与えます。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ50cmまで成長します。
- セダム・オータムチャームは葉の縁部分にクリーム色の覆輪が入る事で、柔らかな印象を与えるカラーリーフとして楽しめる魅力的な園芸品種です。パステルグリーンとクリーム色の2色の葉色は、晩夏から秋に咲く桃色の花との相性も良く、甘く優しい雰囲気をつくります。そのため恋心をくすぐる様なロマンチックなお庭や、繊細で心が癒されるような雰囲気のお庭などによくあうでしょう。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ30~50cmまで成長します。
ムラサキベンケイソウの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/アジア
- 学名:Hylotelephium telephium(Sedum telephium)
- 草丈:約20~90cm
- 分類:多年草
- 開花時期:8月~11月
- 花色:赤色●桃色●黄色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●紫色●黒色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:9月13日/9月26日/10月17日
- 花言葉:静寂/穏やか/優しい心/信じて従う/機転がきく
- 用途:カラーリーフ/切り花
ムラサキベンケイソウとは!?
ムラサキベンケイソウは学名Hylotelephium telephium(Sedum telephium)、以前はセダム属にあったため現在も普通に「セダム」と呼ばれる事が多く、また別名では「ヒロテレフィウム・テレフィウム」や「セダム・テレフィウム」とも呼ばれるアジアおよびヨーロッパが原産の多年草です。
ムラサキベンケイソウの語源(由来)
- 属名のHylotelephiumはラテン語で「森」「森林」等を意味する「hylo」と、ギリシャ語で「遠く離れた」を意味する「tele-」と、ギリシャ語で「最愛の」や「愛する」を意味する「philos」の3語からなります。
- 種小名のtelephiumはギリシャ神話に出てくる人物であるテーレポス王(Telephus)に由来します。
ムラサキベンケイソウの特徴(魅力)
- ムラサキベンケイソウは葉色が紫色(~黒色)をした園芸品種が豊富にありカラーリーフとしてよく楽しまれます。
- 葉は艶消しされたプラスチックの様な外観をしており、玩具を連想させるような個性的な魅力があります。
- 花は茎の頂部で小花が半球状(複散房花序)に集まりボリューミーな花姿をつくります。
- 花色はふつう桃色ですが、赤色や黄色や白色などもあります。
- 花は切り花としても魅力的で、環境でも変わりますが日持ちが約7~14日あります。
- ムラサキベンケイソウは地面下にニンジンの様な短い地下茎が何本もあり、根元から多くの茎が出る叢生型と呼ばれる草姿をつくります。
- ムラサキベンケイソウは結婚する時に茎葉が部屋に吊るされる伝統があり、吊るされた茎に成長する兆候が見られた場合は、結婚が祝福され女性が幸せになると言われています。
- 茎葉には沢山の水分が保持されているため成長する事があります。
- ムラサキベンケイソウは夏の暑さ冬の寒さに強く地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
- ただし湿度の高い環境では根腐れや病気になりやすいため注意が必要です。
ムラサキベンケイソウは草丈が約20(~90)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、地面下に短い地下茎があり、茎は基部から直立して基本的に分枝しません。茎は多肉質、茎の色は緑色もしくは赤色(紫色)です。葉序は互生葉序もしくは対生葉序、葉色は緑色もしくは紫色(黒色)をしており、葉身は楕円形(~狭楕円形)もしくは卵形、縁部分に鋸歯があり、多肉質です。花序は複散房状花序、複散房状花序は散房花序が複数集まり半球状の花序をつくります。花は、花弁は5個、花弁はふつう桃色、雄蕊は10個(花弁とほぼ同じ長さで突出する)、雌蕊は5個あります。果実は袋果(1枚の心皮からなり、成熟すると果皮は乾燥して、癒合してできた縫合線から縦に裂けて種子を放出します)です。
ムラサキベンケイソウの切り花の楽しみ方
- ムラサキベンケイソウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが7~14日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ムラサキベンケイソウの園芸品種の紹介
- パープルエンペラー(purple emperor)は甘いチョコレートを連想させる様な殆ど黒色をした濃い紫色の葉が魅力の園芸品種です。また花は桃色で、濃い紫色の葉との相性もよくチョコとベリーの様な甘酸っぱいお菓子をイメージさせます。そのため、甘くロマンチックな雰囲気が漂うお庭や、重厚的でモダンな雰囲気のお庭などにおすすめです。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ45cmまで成長します。
- マトローナ(Hylotelephium telephium ‘matrona’)は葉の色がくすんだ様な灰みの緑色もしくは紫色を帯びており、素朴で落ち着いた雰囲気をつくる園芸品種です。花は灰みを帯びた薄桃色で、赤色の茎の先に半球状に咲き華やかな印象を与えます。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ70cmまで成長します。
- レッドカリ(Hylotelephium telephium ‘red cauli’)は強く目を引き付ける真っ赤な花色と、黒色にも見える紫みを帯びた緑色の落ち着いた葉が魅力の園芸品種です。重厚感を感じさせる黒色の葉と上品さを感じさせる濃い赤色の花は、独特な世界観やミステリアスな雰囲気をつくり、また高級感なども感じさせます。そのためゴシック調のイラストで出てくるような個性的なお庭や、モダンでスタイリッシュな雰囲気があるカッコイイお庭等によくあうでしょう。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ約30cmまで成長します。
- ダークマジック(Hylotelephium telephium ‘dark magic’)は、一般的なムラサキベンケイソウと比べて背が低く高さが最大30cmまでにしかなりません。そのため茎は倒伏しにくく鉢植えや花壇の縁どりなどにも利用しやすいです。また殆ど黒色にも見える濃い紫色の葉と、色鮮やかな赤色(濃い桃色)の花は、重厚感や上品な印象を与えます。そのため独特な世界観やミステリアスな雰囲気をつくるお庭や、チョコレートやベリーを連想させるような可愛らしいお庭などにおすすめです。
- ゼノックス(Hylotelephium telephium ‘xenox’)はアンティークな雰囲気をつくるやや白色にくすんだ紫色の葉と、柔らかな雰囲気をつくる薄桃色の花が魅力的な園芸品種です。草姿は叢生型(根元から沢山の茎が出る)で、茎は殆ど分枝することなく高さ約30~60cmまで成長します。
ミセバヤの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Hylotelephium sieboldii(synonym:Sedum sieboldii)
- 草丈:約10cm
- 分類:多年草
- 開花時期:10月~11月
- 花色:桃色●
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:9月17日/10月15日/10月25日
- 花言葉:つつましさ/大切なあなた
- 用途:カラーリーフ
ミセバヤとは!?
ミセバヤは学名Hylotelephium sieboldii(synonym:Sedum sieboldii)、別名では「たまのお」や「セダム・シーボルディ」とも呼ばれる日本固有の多年草です。
ミセバヤの語源(由来)
- 属名のHylotelephiumはラテン語で「森」「森林」等を意味する「hylo」と、ギリシャ語で「遠く離れた」を意味する「tele-」と、ギリシャ語で「最愛の」や「愛する」を意味する「philos」の3語からなります。
- 種小名のsieboldiiは長崎のオランダ商館に医師として来日したシーボルトに由来しています。
- ミセバヤの由来は高野山の法師が「君に見せばや(見せたい)」と詠んだ和歌に因んで名付けられたと言われています。
ミセバヤの特徴(魅力)
- ミセバヤは地面を這ったり壁を下垂する匍匐性の草姿と、白粉を帯びたようなパステル調の柔らかな青緑色の葉色が魅力の植物です。
- 葉は厚みがあり、艶消しされたプラスチックの様な青緑色の葉色をしているため、ベビーグッズのような可愛らしい見た目をしています。
- 葉は茎の一定の箇所から輪を描く様に3個つきます。
- 葉の形は円形です。
- 花は薄桃色でパステルグリーンの柔らかな葉との相性もよく、ベビーグッズの様な可愛らしい外観をつくります。
- 花は直径約1cmの小花が半球状(散房花序)に集まっています。
- ミセバヤは地面下に短い地下茎があり、根元から多くの茎が出て叢生します。
- 茎は地面を這うように横に広がる習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。
- そのため地面を被覆する地被植物として利用されたり、鉢植えの側面や岩壁を下垂させて優雅な草姿を鑑賞する目的で利用したりできます。
- 茎はふつう白緑色ですが、赤みを帯びる事もあります。
- ミセバヤは夏の暑さ冬の寒さに強く地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
- ただし湿度の高い環境では根腐れや病気になりやすいため注意が必要です。
ミセバヤは高さ約10cm、幅が約30cm、草姿は匍匐性(茎が地面を這うように伸びる)で、地面下に短い地下茎があり、茎は叢生(根元から茎が沢山出る)して、茎の色は白緑色もしくは赤みを帯びます。葉序は輪生葉序(葉が一定の箇所から輪を描く様に生じる)、葉色は緑色(青緑色)でふち部分が赤色になり全体的に白粉を帯びます。葉身は円形もしくは卵形、縁部分に鋸歯があり、多肉質です。花序は散房花序、花は直径約1cm、花弁は5個(星形に開く)、花弁の色は桃色、雄蕊は10個(花冠より長く突出する)、雌蕊は5個あります。果実は袋果(1枚の心皮からなり、成熟すると果皮は乾燥して、癒合してできた縫合線から縦に裂けて種子を放出します)です。
ミセバヤの園芸品種の紹介
ベンケイソウ(弁慶草)の特徴や園芸品種
- 原産:日本/東アジア/ロシア
- 学名:Hylotelephium erythrostictum(Sedum erythrostictum)
- 草丈:約30~70cm
- 分類:多年草
- 開花時期:8月~10月
- 花色:桃色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:カラーリーフ/切り花
ベンケイソウ(弁慶草)とは!?
ベンケイソウ(弁慶草)は学名Hylotelephium erythrostictum(Sedum erythrostictum)、別名では「コベンケイソウ」や「ガーデン・ストーンクロップ(garden stonecrop)」とも呼ばれる日本および東アジア、ロシアが原産の多年草です。日本では本州中北部から九州にかけて分布して、山地の草原などに自生しています。
ベンケイソウ(弁慶草)の語源(由来)
- 属名のHylotelephiumはラテン語で「森」「森林」等を意味する「hylo」と、ギリシャ語で「遠く離れた」を意味する「tele-」と、ギリシャ語で「最愛の」や「愛する」を意味する「philos」の3語からなります。
- ベンケイソウ(弁慶草)の由来は、生命力が強く茎葉を捨てても、そこから再度芽吹く姿から、武蔵坊弁慶になぞらえつけられたと言われています。
ベンケイソウ(弁慶草)の特徴(魅力)
- ベンケイソウ(弁慶草)は艶消しされたプラスチックの様な可愛らしい葉と、晩夏から秋に咲く桃色の花が魅力的な多年草です。
- 花はブロッコリーの様なモコモコとした可愛らしい花姿をしており、花色は桃色や白色などがあります。
- 花は直径約1cmの小花が半球状(複散房花序)に集まり咲きます。
- 花は蝶々の蜜源として利用されるため、開花期には花の周りを優雅に飛び回る蝶々の姿が観察出来ます。
- 花は切り花としても魅力的で、環境でも変わりますが日持ちが約7~14日あります。
- 葉は艶消しされたプラスチックの様な外観をしており、子供の玩具のような可愛らしい見た目をしています。
- 葉の色はふつう緑色ですが幾つかの品種では白色もしくはクリーム色の班が入るためカラーリーフとして楽しめます。
- ベンケイソウ(弁慶草)は地面下に短い地下茎があり、根元から多くの茎が出る叢生型と呼ばれる草姿をつくります。
- ベンケイソウ(弁慶草)は夏の暑さ冬の寒さに強く地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
- ただし湿度の高い環境では根腐れや病気になりやすいため注意が必要です。
ベンケイソウ(弁慶草)は草丈が約30(~70)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、地面下に短い地下茎があり、茎は基部から直立して基本的に分枝しません。茎は多肉質、茎の色は緑色です。葉序は対生葉序、葉色は緑色で艶消しされており、葉身の長さ約5(~7)cm、葉身は楕円形、縁部分に鋸歯があり、多肉質です。花序は複散房状花序、複散房状花序は散房花序が複数集まり半球状の花序をつくります。花は直径約1cm、花弁は5個(星形に開く)、花弁は桃色もしくは白色、雄蕊は10個(花弁と長さが同程度で突出する)、雌蕊は5個あります。果実は袋果(1枚の心皮からなり、成熟すると果皮は乾燥して、癒合してできた縫合線から縦に裂けて種子を放出します)です。
ベンケイソウ(弁慶草)の切り花の楽しみ方
- ベンケイソウ(弁慶草)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが7~14日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ベンケイソウ(弁慶草)の園芸品種の紹介
その他の種や園芸品種
- セダム・バートムアンダーソンは紫みを帯びた濃い葉色や、濃い赤色(赤紫色)の茎、匍匐性の草姿などが特徴の雑種の園芸品種です。バートムアンダーソンは葉の付き方(対生葉序)などがミセバヤ(輪生葉序)と全然違うものの、匍匐性の草姿が似ているため、ミセバヤと同様に鉢植えや花壇の縁どりなどで使うと下垂する優雅な草姿が見られたり、また地被植物として利用出来たりします。セダム・バートムアンダーソンの濃い紫色をした美しい葉は、重厚的で高価な印象を与えたり、モダンでスタイリッシュな印象を与えたりするカラーリーフとして利用できます。そのため重厚感のあるお洒落なお庭や、洗練された現代的なお庭などにおすすめです。また草姿は匍匐性で高さ約10cm、幅は約30cmに成長するため、下垂する優雅な草姿を鑑賞する目的で鉢植えで育てたり、地被植物として利用するため花壇の縁どりやロックガーデンなどに利用するのと良いでしょう。
- ヒダカミセバヤは学名Hylotelephium cauticolum、別名では「セダム・カウティコラ」とも呼ばれる日本固有の多年草です。日本では北海道に分布しており、岩場などに自生しています。草姿は匍匐性でミセバヤによく似ており、秋になると桃色の花を咲かせます。