ランタナは属の中に約129種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、ランタナ(七変化)はブッシュ状に成長する習慣があり花の色が咲き進むにつれて変化します。またコバノランタナは匍匐して広がる習慣があり理想的な環境では一年を通して花を咲かせます。
ランタナ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
目次
ランタナ(七変化)の特徴や園芸品種
- 原産:南アメリカ
- 学名:Lantana camara
- 草丈:約50~600cm
- 分類:常緑低木/常緑小高木
- 開花時期:5月~11月
- 花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:暑い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:10月3日/10月27日/11月9日
- 花言葉:心変わり/合意/協力/厳格
- 庭のスタイル:ロマンチックガーデン/エレガントガーデン/かわいいお庭/フェアリーガーデン/エンジェルガーデン/スイーツガーデン/カラーガーデン/バタフライガーデン
- 購入方法:ランタナ(七変化)を楽天で購入
ランタナ(七変化)とは!?
ランタナ(七変化)は学名Lantana camara、別名では「七変化(シチヘンゲ)」や「コモン・ランタナ(common lantana)」等とも呼ばれる南アメリカが原産の常緑低木または常緑小低木です。また環境への適応能力が高いため世界中の熱帯および亜熱帯の国に広く帰化しており、日本でも沖縄や小笠原諸島などに帰化しています。
ランタナ(七変化)の語源(由来)
- 属名のLantanaはイタリア語で「柔軟」「しなやか」などを意味する「lento」に由来しており、また花序の類似性等から古典ラテン語名のViburnum lantanaに関連しています。
- 種小名のcamaraはギリシャ語で「アーチ型の部屋」「屋根付きの馬車」等を意味する「kamara」に由来します。
- 和名の七変化(シチヘンゲ)は花の色が咲き進むにつれて変化していく所に由来しています。
ランタナ(七変化)の特徴(魅力)
- ランタナ(七変化)は、開花期間がとても長い所、花がら摘みが基本的に不要で維持管理が楽な所、花が咲き進むに連れて色が変化していく所、ブッシュ状に成長して花壇の中にボリュームをつくる所等が特徴の植物です。
- そのため、花を長く楽しみたい人や、放ったらかしで花を育てたい人、飽きのこない花色を楽しみたい人、なんとなく花壇の中を花で埋めたい人や、自然風の生垣を作りたい人などに向きます。
- 樹形はブッシュ状またはツル性の性質があります。
- 野生種は茎に鋭い棘があり、柔軟で長く伸びます。そのため、ツル植物のように茎(棘)を他の構造物に引っ掛けて高さ600cmまで成長する事があります。
- 園芸品種は基本的にコンパクトなため、茎が直立または湾曲して広がりブッシュ状に成長します。また棘がない品種も多く安全で育てやすいです。
- 葉には硬い毛が生えているため触るとザラザラとした質感があります。
- 葉を触ったり潰したりすると柑橘類を想像させるような香りが広がります。
- ランタナは開花期間が非常に長く、晩春頃から晩秋まで殆ど休むことなく花を咲かせ続けます。
- 花は頂部に沢山の花が集まりポンポンとした半球状の可愛らしい花を咲かせます。
- 花は咲き進むにつれて色が変化するため、普通は中心部の花と外側の花で花色が変化します。
- 花は近くで匂いを嗅ぐと柑橘類のような心地よい香りがあります。
- ランタナの花は蝶々が好む花としても知られており、バタフライガーデンに取り入れたい花として必ずランクインしてくる植物です。
- そのため、ランタナを植えると、蜜を求めて蝶々が花の周りを優雅にひらひらと飛び回るようになり、お庭全体が昆虫と共生するナチュラルな雰囲気になりやすいです。
- ランタナは大株に育つ品種であれば自然風の生垣として利用する事が出来ます。
- 生垣とは土地の境界をわける目的などで、境界線を引くように植物(木)を並べて植栽して植物の壁をつくる事です。自然風の生垣は、剪定によって形を整えるのではなく自然の樹形をいかして作られる生垣です。
- ランタナは非常に丈夫で育てやすい植物ですが、環境への適応性が高いため根付きやすく、また鳥が種子を食べるため広範に広がる可能性があり、またアレロパシーを放出するため在来植物の発芽や根の伸長を阻害してしまったり、茎葉が繁茂して広がるため在来植物の光や栄養を奪ってしまったりして、生物の多様性を損ねながら広がる可能性があります。
- 実際に世界中の熱帯および亜熱帯の国に広く帰化しており、日本でも沖縄や小笠原諸島などで帰化しています。そのため、有害で悪名高い雑草として扱われる事も多く、世界の侵略的外来種ワースト100にも掲載されています。
- ランタナは有害な雑草として見られる事もありますが、園芸品種では種子を生産しなかったり、コンパクトに成長する習慣があったりするため、侵襲性が低いです。またアレロパシー効果も花壇の中では雑草を抑制するメリットとしてとらえる事ができます。
- ランタナは葉・花・果実に有毒成分であるランタデン(Lantadene)が含まれており、牛や馬、犬や猫などの家畜に対して有毒である事が知られています。人体に対しては不明な部分も多く、熟した果実は安全と主張する研究などもありますが、有毒である可能性が高いため食べることは出来ません。
- ランタデン(Lantadene)は、摂取すると肝毒性や光過敏症などの症状を引き起こす可能性があります。
ランタナ(七変化)の樹高は約50(~600)cm、樹形はツル性またはブッシュ状、茎は柔軟で湾曲する傾向があり、枝分かれが多く、直立したり斜上したり横へと広がったりします。茎の断面は四角形、棘があり、茎の色は若い時は緑色、成熟して木質化すると淡い褐色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約2(~12)cm、幅は約2(~6)cm、葉身の形は卵形(広卵形)、葉のふち部分に鋸歯があり、硬い毛が生えるためざらざらした質感がある。
花序の大きさは直径約2(~4)cm、形は散形花序になり茎の末端に花が集まります。花冠は高杯形、高杯形花冠は花弁が合着しており筒部が長く先端が皿状に開き、裂片は4個、花冠の色は赤・桃・黄・橙・紫・白があります。
果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果の形は球形、色は黒色または暗紫色です。
ランタナ(七変化)の園芸品種の紹介
・茎が非常によく分岐するため茎の数が多くふさふさとした密な外観をつくり、株を覆うように沢山の花が咲きます。
・花はボール状の整った外観をしています。
・草丈が20~25cmと低くコンパクトに育つため小さな庭の花壇や鉢植えでも育てやすいです。
・維持管理が楽で育てやすいです。
・ジャパンフラワーセレクション2018-2019でガーデニング部門の最優秀賞を受賞した品種(ムーンホワイト)です。
・従来のランタナよりも分枝がよいため密な樹形になり綺麗なドーム状の外観になります。
・連続開花性に非常に優れており次々と花を咲かせます。
・花の数が非常に多いため、花が株の表面を覆う力が高く、華やかな花姿が楽しめます。
・花房の大きさが直径5cmに達する事もあり、従来のランタナよりも大きいため強い存在感があり華やかです。
・維持管理が楽で丈夫なため初心者でも育てやすいです。
・株は高さ約50cm、幅は約60cmのドーム状に成長します。
楽天で購入 スーパーランタナ・トロピカルサンセットは、花の色が咲き進むにつれて黄色から鮮やかな桃色へと色が変化します。そのため、南国の果物を想像させるようなトロピカルでカラフルな雰囲気をつくります。 | 楽天で購入 スーパーランタナ・サニーイエローは、花の外周が白色になる黄色と白色の2色の花色が、光輝くような明るい雰囲気を演出します。 |
楽天で購入 スーパーランタナ・レインボーオレンジは、花の色が咲き進むにつれて黄色から赤色(赤橙色)へと変化します。そのため、南国の果物を想像させるようなトロピカルでカラフルな花色が楽しめます。 | 楽天で購入 スーパーランタナ・ムーンホワイトは、花の筒部が黄色になる、白色と黄色の2色の花色が、光に照らされて明るく輝くような雰囲気を演出します。 |
・花は不稔性のため種子を作りません。
・種子作りにエネルギーを使わずに花にエネルギーが向かうため、沢山の花を咲かせる事が出来ます。
・不稔性のため種子が逸出して地域に帰化する心配がありません。
・開花が少し早いため、普通より早く花を楽しむ事が出来ます。
・花の形が綺麗な半球形となるため整った見た目をしています。
・高さ幅ともに約30~40cmとコンパクトに成長するため小さなお庭の花壇や鉢植えでも育てやすいです。
ブルーミファイ・レッドは、花の色が咲き進むにつれて黄色から赤色(赤橙色)へと変化します。そのため、南国の果物を想像させるようなトロピカルでカラフルな花色が楽しめます。 | ブルーミファイ・ローズは、花の色が咲き進むにつれて黄色からサーモンピンク、ホットピンクへと色が変化します。そのため、南国の果物を想像させるようなトロピカルでカラフルな花色が楽しめます。 |
ブルーミファイ・ピンクは、花の色が咲き進むにつれて黄色から柔らかな桃色へと変化します。そのため、明るさと子供っぽさがあり、可愛らしい雰囲気をつくります。 | ブルーミファイ・マンゴーは、花の色が咲き進むにつれて黄色から明るい橙色へと変化します。そのため、南国のビーチを想像させるようなトロピカルガーデンによく合う品種です。 |
ブルーミファイ・オレンジは、花の色が咲き進むにつれて黄橙色から橙色へと変化します。そのため、明るく開放的な雰囲気をつくるカジュアルガーデンによくあいます。 | ブルーミファイ・ホワイトは、花の色が咲き進むにつれて明度の高い黄色から白色へと変化します。そのため、光に照らされて明るく輝くような雰囲気を演出出来ます。 |
葉に柑橘類を想像させるような強い香りがあります。
・暑さと乾燥に非常に強く夏の間も休まず沢山の花を咲かせます。
・シリーズの中には品種が豊富にありコンパクトに成長する品種や最大90cmまで広がり地被植物として利用出来る品種等があります。
・開花が早い傾向があるため普通より早くから花を楽しめます。
・花房の中の花数が多いため花房のボリュームがよく半球形の綺麗な花姿をつくります。
・花の直径が大きめなため存在感があり華やかです。
・開花が少し早いため、普通より早く花を楽しむ事が出来ます。
・樹形は開張型、開張型は横に広がる傾向が強いため花壇の縁などで地被植物としても利用出来ます。
楽天で購入 パニックドーム・オレンジバイカラーは、花の色が咲き進むにつれて黄色から橙色、赤橙色へと変化します。そのため、南国の果物を想像させるようなトロピカルでカラフルな花色が楽しめます。 | 楽天で購入 パニックドーム・ホワイトバイカラーは、花の色が咲き進むにつれて明度の高い黄色から白色へと変化します。そのため、光に照らされて明るく輝くような雰囲気を演出出来ます。 |
・一般的なランタナよりも茎が細く繊細な雰囲気をつくります。
・株の高さが20~40cmとコンパクトに育つため小さな庭の花壇や鉢植えでも育てやすいです。
・いくつかの品種では葉のふち部分にクリーム色の覆輪が入るためカラーリーフとして楽しめます。
・維持管理が楽で育てやすいです。
コバノランタナの特徴や園芸品種
- 原産:南アメリカ
- 学名:Lantana montevidensis
- 草丈:約30~60cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:5月~11月(理想的な環境では周年)
- 花色:桃色●黄色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:9月18日/10月16日
- 花言葉:厳格
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/枝垂れる植物
- 購入方法:コバノランタナを楽天で購入
コバノランタナとは!?
コバノランタナは学名Lantana montevidensis、別名では「ランタナ・モンテビデンシス」や「トレーリング・ランタナ(trailing lantana)」等とも呼ばれる南アメリカが原産の常緑低木です。
コバノランタナの語源(由来)
- 属名のLantanaはイタリア語で「柔軟」「しなやか」などを意味する「lento」に由来しており、また花序の類似性等から古典ラテン語名のViburnum lantanaに関連しています。
- 種小名のmontevidensisは、この植物が発見されたウルグアイのモンテビデオ(Montevideo)に由来します。
- コバノランタナは小葉のランタナを意味します。
コバノランタナの特徴(魅力)
- コバノランタナは、開花期間がとても長い所、花がら摘みが基本的に不要で維持管理が楽な所、茎が匍匐して地面の上にマットを形成する所などが特徴です。
- そのため、花を長く楽しみたい人や、放ったらかしで花を育てたい人、斜面等の人の歩かない場所の地面を覆う地被植物として利用したい人などに向く植物です。
- 樹形はツル性、茎は柔軟で地面を匍匐して広がるため、主に地被植物として利用されます。
- コバノランタナは開花期間が非常に長く、温暖な理想的な環境であれば周年開花する事が可能です。
- 花は頂部に沢山の花が集まりポンポンとした半球状の可愛らしい花を咲かせます。
- 花の色はふつう薄い紫色、喉部は白く筒内部は黄色くなる傾向がある。
- コバノランタナもランタナと同様に、花が蝶々を引き寄せます。
- そのため、ランタナを植えると、蜜を求めて蝶々が花の周りを優雅にひらひらと飛び回るようになり、お庭全体が昆虫と共生するナチュラルな雰囲気になりやすいです。
コバノランタナの樹高は約30(~60)cm、株の広がりは150(~300)cm、樹形はツル性、茎は柔軟で匍匐して広がる習慣があります。茎の断面は四角形または成熟すると円形、茎の色は緑色または赤紫色、成熟して木質化すると灰褐色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の長さ約1(~4)cm、幅は約0.5(~2.5)cm、葉身の形は卵形、葉のふち部分に鋸歯があり、硬い毛が生えるためざらざらした質感がある。
花序の大きさは直径約1(~4)cm、形は散形花序になり茎の末端に花が集まります。花冠は高杯形、高杯形花冠は花弁が合着しており筒部が長く先端が皿状に開き、裂片は4個、花冠の色は桃・黄・紫・白、筒部は白色と黄色になる傾向があります。
果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果の形は球形、色は黒色または暗紫色です。