- 原産:メキシコ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:エリゲロン(Erigeron)
- 種:カルビンスキアヌス/ペラペラヨメナ(Erigeron karvinskianus)
- 別名:ペラペラヨメナ/ゲンペイコギク(源平小菊)/ペラペラヒメジョオン/メキシコヒナギク/ムキュウギク(無休菊)/メキシカン・フリーバネ(Mexican fleabane)/ラテンアメリカ・フリーバネ(Latin American fleabane)/サンタバーバラ・デイジー(Santa Barbara daisy)/スパニッシュ・デイジー(Spanish daisy)/カーワウスキー・フリーバネ(Karwinsky’s fleabane)/ボニーチップ・フリーバネ(bony-tip fleabane)
- 品種:スタローン(erigeron karvinskianus ‘stallone’)
- 開花時期:4月~12月(理想的な環境では周年)
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約20cm
- 誕生花:5月27日
- 花言葉:移り気/遠くから見守ります
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/枝垂れる植物/ロックガーデン/ロマンチックなお庭
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
エリゲロン(スタローン)とは!?
エリゲロン(スタローン)は草丈が非常に低く、横へと大きく広がるため、地被植物として優れており、また桃色と白色の二色の花を沢山咲かせるため、開花期には花で溢れる絨毯のような外観をつくる魅力的な園芸品種です。草姿は背の低いドーム状、高さ約20cm、幅は約60cmに成長します。
エリゲロン(ペラペラヨメナ)とは!?
エリゲロン(ペラペラヨメナ)は学名Erigeron karvinskianus、別名では「エリゲロン・カルビンスキアヌス」や「ゲンペイコギク(源平小菊)」とも呼ばれるメキシコが原産の多年草です。
エリゲロン(ペラペラヨメナ)の語源(由来)
- 属名のErigeronは古代ギリシア語で「早朝」「夜明け」を意味する「ἦρι(eri)」と、古代ギリシア語で「老人」を意味する「γέρων(geron)」の2語からなり、花後にできる種に冠毛が生えて老人の髭のように見える所から属名の由来がきています。
- 種小名のkarvinskianusは、ドイツの自然主義者で、メキシコでこの植物を採集したWilhelm Friedrich Karwinsky von Karwin (1780–1855)への献名です。
エリゲロン(ペラペラヨメナ)の特徴(魅力)
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)は、たまに小休止しますが開花期間が非常に長い事から、お庭全体の印象を決める花としておすすめの植物です。
- 花は非常に多花性のため、株を覆うように咲き誇り、白色と桃色の2色の花が株一面を覆い非常にロマンチックな雰囲気をつくります。
- 草姿は半球状に盛り上がり広がる習慣があるため、花壇の縁どりなどに利用出来ます。
- 茎は匍匐茎または分枝して盛り上がり、匍匐茎は地面を這い不定根を出して定着しながら無制限に広がっていきます。
- 開花時期は春から晩秋、暖かな地域では冬の間もちょこちょこと花が残り一年を通して花が見られる場合もあります。
- 花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、頭花は直径が約0.7~1cmと小ぶり、外周にある舌状花は咲き進むに連れて白色から桃色へと変化します。
- 桃色と白色の2色の花色は、明るく輝くような印象を与えたり、可愛らしい印象を与えたりするため、明るくポップな雰囲気をつくるお庭や、可愛らしくロマンチックな雰囲気をつくるお庭などにおすすめです。
- 花はシジミ蝶やハナアブなどの蜜源にもなるため、開花期になると花の周りを元気に飛ぶ昆虫の姿がよく見られます。そのため、お庭全体の印象を明るくしてくれます。
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)の仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ハンギング」「ロックガーデン」「ナチュラルガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)は、ドーム状に盛り上がり、また匍匐茎が横に伸びて広がる草姿をつくります。そのため、花壇のふち部分に苗を並べて、花壇の縁どりとして利用したり、敷石の隙間に植えてナチュラルな景観をつくる地被植物として利用したりされます。
- ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて上や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)は、株全体が盛り上がりながらも、上から下へと下垂する習慣があります。そのため、鉢植えなどに植えると、ふち部分から零れるように茎葉が枝垂れて側面を覆い、人工物と自然との境界を曖昧にして、ナチュラルな雰囲気を作り出します。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)は、乾燥に強く丈夫なためロックガーデンに向いています。岩の隙間やコンクリートの小さな隙間でも生き延び、急速に広がり壁面や斜面を被覆する事が出来るため、手軽にロックガーデンが出来る魅力的な植物です。
- ナチュラルガーデンとは、フォーマルガーデンのように格式ばって植物を左右対称に並べたり無理に美しく見せるために剪定したりせず、植物本来の美しさを引き出しながら、昆虫や野生動物などとも共生してつくる、お庭のスタイルの一つです。
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)は一度定着すると基本的に放ったらかしで育てられる程に丈夫で手もかかりません。そのため、ナチュラルガーデンに非常に向く植物の1つです。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)は、こぼれ種が風で広がり逸出しやすく、様々な場所で株を増やす傾向があります。そのため雑草化しやすく、お庭の様々な場所からエリゲロンが出てくると、雑多な印象を与えてしまいます。
エリゲロン(ペラペラヨメナ)の草丈は約30(~75)cm、草姿は匍匐性または分枝してドーム状に盛り上がり、茎の色は緑色、茎の基部は木質化します。※匍匐茎は地面を這い節から不定根を出し無制限に広がります。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄は無柄または短い、葉身の形は狭楕円形またはヘラ形、葉のふち部は浅裂(~中裂)する事があり、裂片は無しまたは3(~5)個、葉は短い白色の毛が生えます。
花序は頭状花序、頭状花序は直径約0.7(~1)cm、頭花は舌状花と筒状花の2種類で構成されており、舌状花の数は約40(~80)個、形は線形、色は咲き始めは白色で成熟すると桃色または稀に紫色です。筒状花の数は多数、長さ約0.2cm、色は黄色です。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形、長さ約0.1(~0.2)cm、色は褐色、痩果の先端には冠毛が生えており、冠毛の数は約15(~27)個、色は白色です。
エリゲロン(ペラペラヨメナ)の園芸品種の紹介
- プロフュージョン(erigeron karvinskianus ‘profusion’)は、プロフュージョンの名前からも分かる通り豊富に咲く白色と桃色の二色の花が魅力的な園芸品種です。草姿は背の低いドーム状、高さ約15~30cm、幅は約60~120cmに成長します。
- スタローン(erigeron karvinskianus ‘stallone’)は草丈が非常に低く、横へと大きく広がるため、地被植物として優れており、また桃色と白色の二色の花を沢山咲かせるため、開花期には花で溢れる絨毯のような外観をつくる魅力的な園芸品種です。草姿は背の低いドーム状、高さ約20cm、幅は約60cmに成長します。
- ラベンダーレディ(erigeron karvinskianus ‘lavender lady’)は、繊細でシックな印象を与える薄い紫色の花が魅力的な園芸品種です。薄い紫色の花は、心や体が癒される様な優しい雰囲気を作ったり、緊張が解れリラックス出来るようなお庭や、シックで落ち着いた雰囲気のあるエレガントなお庭などにおすすめです。草姿は背の低いドーム状、高さ約25cm、幅は約60cmに成長します。
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エリゲロン属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
エリゲロン(スタローン)の育て方
花壇の土づくり
日当り
エリゲロン(スタローン)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。
日当たりの悪い場所で育てる事も可能ですが、花が減り葉ばっかりが茂ったり、全体に茎が間延びしてだらしない印象の草姿をつくる事があります。
土壌の土質
エリゲロン(スタローン)は、水はけがよく、適度に肥沃な土壌で最もよく成長しますが、基本的に土質を選ばず幅広い土壌で育てる事が可能です。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
エリゲロン(スタローン)は、は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。
日当たりの悪い場所で育てる事も可能ですが、花が減り葉ばっかりが茂ったり、全体に茎が間延びしてだらしない印象の草姿をつくる事があります。
培養土
エリゲロン(スタローン)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良い肥沃な培養土をつくりましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
エリゲロン(スタローン)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
エリゲロン(スタローン)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
剪定のやり方
エリゲロン(スタローン)の剪定は外観を整える目的で行われます。剪定をせずに育てる事も出来ますが、茎が奔放に伸びて外観を崩してしまったり、範囲を逸出して歩道に茎が飛びてて邪魔になったりします。そのため、必要に応じて剪定を行いましょう。
エリゲロン(スタローン)の剪定方法
- 剪定時期
- 晩秋または早春頃におこないます。
- 剪定のやり方
- 剪定は半球形の草姿をつくるように「バッサバッサ」と刈り込み剪定を行いましょう。剪定の量は株全体の大きさの半分を目安にします。
- 刈り込み剪定が終わったら、株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 地面を這うように伸びる匍匐茎も、株を広げたくない場合は剪定して取り除きましょう。
挿し木や株分けで増やす
エリゲロン(ペラペラヨメナ)は挿し木や株分けによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- エリゲロン(ペラペラヨメナ)の挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂の長さ約7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分け時期は春もしくは秋が最適です。
- 地面近くにある匍匐茎を探して、匍匐茎から根を下ろし定着している部分を探しましょう。
- 不定根が定着している部分を何センチか取り、親株から切り離して、掘りあげます。
- 掘りあげた株を新しい鉢植えまたは植えたい場所に地植えします。
- 植え直した株に水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
エリゲロン(ペラペラヨメナ)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月 9~10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約14日
光条件:好光性
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に土は被せません。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。