アゲラタムは属の中に約51種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、花が大きく春から霜が降りるまで持続的に開花するオオカッコウアザミとその園芸品種が親しまれています。
アゲラタム属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の特徴や園芸品種
原産:中央アメリカ
学名:Ageratum houstonianum
草丈:約15~100cm
分類:一年草・二年草
開花時期:5月~10月(霜が降りるまで)
花色:桃色●紫色●青色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:5月10日/9月14日/10月24日
花言葉:信頼/安楽/幸せを得る
用途:開花期間長い/切り花
特徴:アゲラタム(オオカッコウアザミ)は学名Ageratum houstonianum、別名「オオカッコウアザミ」とも呼ばれる中央アメリカ原産の一年草もしくは二年草です。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の語源(由来)
- 属名のAgeratumは、否定を意味する接頭語の「a」と、ギリシャ語で「老化」「老年」を意味する「gēras」の2語からきており、色褪せない花に由来します。
- オオカッコウアザミの由来はカッコウアザミと比べて花が大きい事からきています。
- ↳カッコウアザミは葉がカッコウ(霍香)に似ていて花がアザミ(薊)に似る事に由来します。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の特徴(魅力)
- アゲラタム(オオカッコウアザミ)は開花期間がとても長く通常は春から霜が降りるまで持続的に開花します。
- 花はアザミの様な小さな小花が半球状に幾つも集まりボリュームある花を作ります。
- 頭花の中にある筒状の小花には突出する長い雌蕊が1本(二叉)あり沢山集まる事で花全体がふさふさとした柔らかな見た目を作っています。
- ふんわりとした柔らかな花姿と花色は繊細で優しい雰囲気があり気品のあるお庭等によく合います。
- アゲラタム(オオカッコウアザミ)は草丈1m近くなる品種や15cm程度の品種があります。
- ↳背が高い品種は切り花向きで背が低い品種は分枝がよくこんもり茂るため花壇の縁どりや鉢植えで育てるのに向きます。
- 種から育てられるため大量植栽も容易です。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の茎は緑色(~赤みがかる緑色)で白色の毛が生えており、茎は傾状茎(地表を這い途中で立ち上がる)もしくは直立して、ドーム状の草姿、もしくは直立に伸びた草姿を作り、高さ約15(~100)cmの間で成長します。葉は対生葉序もしくは上部で互生葉序に配置され、葉色は緑色で白色の毛が生えており、葉身の大きさは長さ約2.5(8.5)cm幅約2.5(6.5)cmあり、葉身の形は卵形から三角形をしています。花序は頭花が集まり複散房花序をつくり、個々の花(頭花)には筒状花のみが集まり、筒状花は花被片が5個と雄蕊が5個と雌蕊が1個(二股)あります。花後の果実は細長い痩果で褐色もしくは黒色をしています。
開花時期は晩春から秋(霜が降りるまで)、花色は青色や紫色、桃色や白色があり、個々の花は筒状花が集まる頭花で、花序は頭花が複散房花序に集まります。草姿は直立もしくはドーム状になり高さ約15(~100)cm × 幅約15(45)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は卵形か三角形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序もしくは互生葉序につきます。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の切り花の楽しみ方
- アゲラタム(オオカッコウアザミ)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 花が4分の3程度開いてる状態のものを収穫すると日持ちが良いです。
- 収穫したら水揚げを悪くする葉を出来るだけ取り除きましょう。
- 水に漬けて水切りと必要に応じて湯揚げを行います。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 高温環境では極端に日持ちが悪くなり花が萎れやすくなります。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の栽培方法
園芸では、春から霜が降りるまで持続的に開花する花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、花壇の縁どり等として利用されたり、背が高い品種は花壇の中央や後方に植えられて背景として利用されたり、切り花として利用されたりします。花色は青色・紫色・桃色・白色があるため、お庭の雰囲気に合わせて、気品のあるお庭をつくる場合は紫色を選んだり、可愛らしいお庭をつくる場合は桃色の花を選ぶといいかもしれません。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)を育てる際に注意する事は「強い乾燥」です。何故ならアゲラタム(オオカッコウアザミ)は根がやや浅いため、乾燥を苦手にしており、やや湿り気のある土壌を好むからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは鉢植えを日向から半日影等に移動した方が管理しやすいかもしれません。
アゲラタム(オオカッコウアザミ)の主な園芸品種
アゲラタム(アリエラ)は分枝がとても良く高さ幅ともに30cm程度のコンパクトなドーム状の草姿を作り、次々と開花する花数の多さが魅力的な園芸品種です。アゲラタム(アリエラ)はコンパクトな草姿をしている事から花壇の縁どりや鉢植え等で育てるのに向きます。シリーズの中には青色(~紫色)の繊細な雰囲気の花を咲かせる「ブルー」や桃色の花を咲かせる「バイオレット」等があるためお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶといいでしょう。
アゲラタム(トップブルー)は背が高く最大80cmまでスラリと垂直に伸びる草姿と、ふわふわとした柔らかな花姿、透明感のある青色(薄紫色)の花色が魅力的な園芸品種です。透明感ある青色の花は、心を穏やかにしたり癒される様な優しい雰囲気をつくるため、リラックス出来るようなお庭や爽やかで気品のあるお庭等によくあいます。また高さがあるため花壇の中で、立体感を作ったり、花を収穫した切り花として利用する事もできます。
アゲラタム(ブループラネット)は基部でよく枝分かれして直立に高さ70cmまで背が高く成長するため、花壇の中央付近で高さを出すために利用したり、切り花に向く園芸品種です。長い雌蕊が突出してふわふわとした青色(薄紫色)の繊細な花は、爽やかで落ち着いた雰囲気のお庭をつくる時や、清楚で気品のあるお庭をつくりたい時等におすすめです
アゲラタム(アロハ シリーズ)は非常に背が低くコンパクトな草姿をしており、非常に枝分かれがよく株を覆うように沢山の花を咲かせる魅力的な園芸品種です。アロハシリーズの中には青色の美しい花を咲かせる「アロハブルー」や清潔感を感じさせる様な白色の花を咲かせる「アロハホワイト」があるため、お庭の雰囲気にあわせて品種を選ぶといいでしょう。
アゲラタム(ブルーミンク)は高さ幅ともに30cm程度と非常にコンパクトな草姿をしているため花壇の縁どりや鉢植え等で育てやすく、また柔らかな青色(薄紫色)の花が繊細で心を癒す様な優しい雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。
アゲラタム(アーティスト)は古い花を覆うように新しい花が次々と開花するため花がら摘みが不要な品種(シリーズ)です。アゲラタム(アーティスト)は高さ幅ともに30cm以下のコンパクトな草姿をしており、花は多花性で霜が降りるまで夏の間も持続的に開花して、品種により青色の花を咲かせる「バッソブルー」や白色の花を咲かせる「バッソホワイト」等があります。
カッコウアザミの特徴や園芸品種
原産:中央アメリカ/南アメリカ
学名:Ageratum conyzoides
草丈:約50~100cm
分類:一年草
開花時期:5月~10月(霜が降りるまで)
花色:紫色●青色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:5月10日/9月14日/10月24日
花言葉:信頼/安楽/幸せを得る
用途:開花期間長い
特徴:カッコウアザミは学名Ageratum conyzoides、別名「ビリーゴート・ウィード(billygoat-weed)」とも呼ばれる中央アメリカ及び南アメリカが原産の一年草です。日本でも以前は観賞用としてよく栽培されており、逸出したものが暖地を中心に帰化して、草地や畑地等に自生して迷惑な雑草として扱われたりもしています。
カッコウアザミの語源(由来)
- 属名のAgeratumは、否定を意味する接頭語の「a」と、ギリシャ語で「老化」「老年」を意味する「gēras」の2語からきており、色褪せない花に由来します。
- カッコウアザミは葉がカッコウ(霍香)に似ていて花がアザミ(薊)に似る事に由来します。
カッコウアザミの特徴(魅力)
- カッコウアザミはオオカッコウアザミよりも花が小さいため観賞用としては引けをとります。
- 草姿は基本的に分枝しながら直立にスラリと伸びます。
- 開花期間がとても長く通常は春から霜が降りるまで持続的に開花します。
- 中央アメリカ及び南アメリカが原産ですが世界の広い地域に帰化しており畑地等に自生するため迷惑な雑草として扱われています。
- 花はアザミの様な小さな花が半球状に4~18個集まりボリュームある花姿をつくります。
- カッコウアザミは薬用植物としても扱われますが基本的には有毒なため食べられません。
- ↳肝臓にダメージを与えるピロリジジンアルカロイド等が含有しておりエチオピアでは穀物に混ざり中毒事件がおきています。
カッコウアザミの茎は緑色もしくは赤色で、若い茎は白色の毛(軟毛)が生えており、茎は分枝しながら直立した草姿を作り、高さ約50(~100)cmの間で成長します。葉は対生葉序に配置され、葉色は緑色で白色の毛が生えており、葉身の大きさは長さ約2(~8)cm幅約1(~5)cmあり、葉身の形は卵形から楕円形をしており縁部分に鋸歯があります。花序は4~18個の頭花が集まり複散房花序をつくり、個々の花(頭花)には筒状花のみが集まり、筒状花は花被片が5個と雄蕊が5個と雌蕊が1個(二股)あります。花後の果実は細長い痩果で褐色もしくは黒色をしています。
開花時期は晩春から秋(霜が降りるまで)、花色は青色や紫色、白色があり、個々の花は筒状花が集まる頭花で、花序は頭花が複散房花序に集まります。草姿は直立で高さ約50(~100)cm × 幅約30(45)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は卵形か楕円形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
カッコウアザミの切り花の楽しみ方
- カッコウアザミの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- カッコウアザミの収穫は花が4分の3程度開いてる時に行うと良いでしょう。
- 収穫したカッコウアザミはバケツに漬けて水切りを行います。
- 水揚げが終わったら花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳日持ちは7日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約3日)ごとに水を換えをして、必要に応じて再度水切りもしくは湯上げを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分で斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
湯上げ
湯上げとは約80度に沸騰させたお湯に切り花の切り口をつけて、内部の気泡を膨張させ外に押し出し、水揚げをよくする方法です。
①湯上げする際は熱や水蒸気が余計な部分に当たらないように切り花の下部(約20cm)を残して花全体を新聞紙で包みます。
②切り花をお湯につけた後は冷水に浸ける必要があるため、予めバケツ等に冷水を入れて準備しておきましょう。
②鍋で沸騰させたお湯(約80度)に約30秒ほど切り花の切り口をつけましょう。
③お湯に浸け終わったら予め準備しておいた冷水に浸けて2時間程度水揚げを行います。
④水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い再度花瓶に生けて楽しみます。
カッコウアザミの栽培方法
カッコウアザミを育てる際に注意する事は「強い乾燥」です。何故ならカッコウアザミは根がやや浅いため、乾燥を苦手にしており、やや湿り気のある土壌を好むからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは鉢植えを日向から半日影等に移動した方が管理しやすいかもしれません。