アゲラタムは属の中に約38種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは2の原種と、9の園芸品種等を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
■目次
■アゲラタムの主な種と園芸品種の紹介
アゲラタム
アゲラタムとは!
アゲラタムの学名は Ageratum houstonianum 、別名では「オオカッコウアザミ」「ムラサキカッコウアザミ」「フロスフラワー(flossflower)」「ブルーミンク(bluemink)」「メキシカン・ペイントブラッシュ(Mexican paintbrush)」とも呼ばれる一年草です。
アゲラタムの原産地はメキシコと中央アメリカにあり、自生地は草原や森林の端、人の手の入った荒地や道端などにあります。
アゲラタムの特徴
- アゲラタムの魅力:アゲラタムは他の多くの植物とは異なる魅力がたくさんあります。例えば、開花期間が春から晩秋頃までと長い所、頭花が散房状に集まりボリュームのよい花房となる所、花の雌蕊が筒状花冠から細長く突出するため花房はふわふわとした見た目をしている所、株の高さは矮性から高性まであり花壇や切り花などの用途に合わせて選べる所などにあります。
- 花の特徴:花序は頭状散房花序で、花軸の節ごとに頭状花序が散房状に配置されている複合花序になる。頭状散房花序のヘッドは平面状または若干盛り上がる半球状になり、頭花から突出する雌蕊がふさふさとした外観をつくっています。頭花は筒状花のみで構成されており、雌蕊が花冠から長く突出します。
- 葉の特徴:葉の付き方が茎の下部では節ごとに2枚、上部では1枚と変わる傾向にある。葉のサイズは約3~8.5cmと大きめで、概形が三角形・広卵形と幅広になるため、葉が集まると薮の中のような野暮ったい印象を感じさせやすい。
- 草姿:直立型または分枝型になり、基本的に直立型で主軸がハッキリとしていますが、摘芯や品種により主軸が分からなくなるくらい分枝してこんもりと茎が広がる事もあります。
- 鑑賞目的:アゲラタムは春から晩秋にかけて花が咲き続け、装飾性が高いことから、一般的に花を鑑賞する目的で育てられます。花は全体的に雌しべの突出でふわふわとした柔らかな見た目をしているため、メルヘンチックで可愛らしい雰囲気があるお庭によくあいます。また花の色が青色・紫色・桃色・赤色・白色とバリエーションが豊富なため、お庭の雰囲気に合わせて品種が選べる所も魅力となります。
- 寄せ植え:アゲラタム高性品種と矮性品種がありますが、矮性品種はコンパクトに成長するため鉢植えの中で管理がしやすく、また開花期間が長いため、寄せ植え素材にピッタリです。花壇・植木鉢の中で形態の異なる様々な植物を組み合わせて美しくデザインしながら楽しむとよいでしょう。
- 花壇の縁取り:アゲラタムは株がドーム状にコンパクトに成長するため、花壇の外縁に沿って並べることで、美しい花壇の縁どりをつくることができます。
- 毛氈花壇:アゲラタムは草丈が低くて、長期間にわたり株を覆うように沢山の花が咲き、種子から苗を大量に揃えられます。そのため、広い面積の花壇の中にイラストや模様を描くように植物を植えて装飾することが出来ます。
- フラワーアレンジメント:アゲラタムの矮性品種では分枝が多くて花材として使いにくいですが、高性品種では茎が長いため花材として利用されます。小さな頭花がたくさん集まる姿はボリューム感があり、他の植物を引き立てる効果もあるため切り花や花束にピッタリな花材となります。
- 蜜源:花は蜜源として蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。大きな花房の上にちょこんと乗って、蜜を吸う姿はとても可愛らしく見ていて飽きないため、昆虫と共生してお庭の中で蝶々が飛び回る姿を観察したい人におすすめの植物の一つとなります。
アゲラタムの園芸品種の紹介
アリエラ・シリーズ



学名:Ageratum houstonianum ‘ariella’
花の色:青紫色・赤紫色・桃色・白色
葉の形:広卵形・三角形
葉の色:緑色
草丈:約30cm
備考:分枝力が高く花上がりよいため株を覆うように沢山の花が咲きます。株は矮性でコンパクトに成長するため、スモールガーデンや鉢植え等で育てやすい品種となります。花の色は品種により青紫色・赤紫色・桃色・白色の範囲で変化があります。
アリエラ・シリーズの品種
- ブルー:花の色は青紫色をしている。
- バイオレット:花の色は赤紫色をしている。
- ローズ:花の色は成熟するにつれて桃色・白色と変化する。
- ホワイト:花の色は白色をしている。
アーティスト・シリーズ



学名:Ageratum houstonianum ‘artist’
花の色:赤紫色・紫色・桃色・白色
葉の形:卵形・広卵形
葉の色:緑色
草丈:約20~30cm
備考:新しい花は、古い花を覆うように咲くため花がら摘みが不要です。連続開花性に優れており次から次に花を咲かせます。栄養系のため性質が安定している。株は矮性でコンパクトに成長するため、スモールガーデンや鉢植え等で育てやすい品種となります。花の色は品種により赤紫色・紫色・桃色・白色の範囲で変化があります。
アーティスト・シリーズの品種
- ブルー:花の色は青紫色をしており、成熟するにつれて白っぽくなる。
- ローズ:花の色は赤紫色から桃色をしている。
- ホワイト:花の色は白色をしている。
スターマイン
学名:Ageratum houstonianum cv.
花の色:青色・紫色・ラベンダー色・赤色・赤紫色・白色
葉の形:広卵形・三角形
葉の色:緑色
草丈:約15~80cm
備考:田中花園プロデュースのアゲラタムです。花の色はシリーズの中に青色・紫色・ラベンダー色・赤色・赤紫色・白色がある。
スターマイン・シリーズの品種
- スカーレット:花の色は赤色から赤紫色をしている。
- バイオレット:花の色は紫色をしている。
- ホワイトライト:花の色は白色をしている。
- ウィスタリア:花の色はラベンダー色をしている。
バモス・シリーズ
学名:Ageratum houstonianum cv.
花の色:青色・水色・白色
葉の形:卵形・広卵形
葉の色:緑色
草丈:約15~20cm
備考:栄養系のため性質が安定していて、強健で育てやすい。株は矮性でコンパクトに成長するため、花壇の縁どりや鉢植え等で育てやすい。花上がりがよく株を覆うようにたくさんの花を咲かせます。花の色はシリーズにより変わり青色・水色・白色がある。
バモス・シリーズの品種
- ブルーバイカラー:花の色は水色と白色、花の咲き初めは白色の単色ですが、花が咲き進むにつれて水色になり複色になる。
- ブルー:花の色は青色をしている。
ブループラネット

学名:Ageratum houstonianum ‘blue planet’
花の色:青色・紫色
葉の形:広卵形・三角形
葉の色:緑色
草丈:約70cm
備考:株は高性のため花壇の中で高さや立体感を出したり、また収穫すれば切り花として楽しめます。花の色は青色・紫色で、落ち着いた雰囲気を感じさせます。
タイムレス・ミックス
学名:Ageratum houstonianum ‘timeless’
花の色:赤紫色・桃色・青色・白色
葉の形:広卵形・三角形
葉の色:緑色
草丈:約70cm
備考:株は高性のため花壇の中で高さや立体感を出したり、また収穫すれば切り花として楽しめます。大輪種になり頭花が頂部に集まり大きな花房をつくります。花の色は種子がミックスのため赤紫色・桃色・青色・白色の範囲で変化があります。
カッコウアザミ
カッコウアザミとは!
カッコウアザミの学名は Ageratum conyzoides 、別名では「ビリゴート・ウィード(billygoat-weed)」「チックウィード(chick weed)」「ゴートウィード(goatweed)」「ホワイトウィード(whiteweed)」とも呼ばれる一年草です。
カッコウアザミの原産地は熱帯アメリカにあり、自生地は草原や森林の端、人の手の入った荒地や道端などにあります。
カッコウアザミの特徴
- カッコウアザミの魅力:カッコウアザミは他の多くの植物とは異なる魅力がたくさんあります。例えば、カッコウアザミはアゲラタム(Ageratum houstonianum)と比べて花序と花序が離れていて疎らに咲く傾向があり、葉の幅が狭い傾向がある所、花序は頭状散房花序になり直立茎の中で腋生・頂生に複数箇所で発生する所、開花期間は春から晩秋頃までと長い所、花の雌蕊が筒状花冠から細長く突出するため花房はふわふわとした見た目をしている所、花の色は全体的に白色・薄い青色・薄い紫色があり全体的に白っぽい所などにあります。
- 花の特徴:花序は頭状散房花序で、花軸の節ごとに頭状花序が散房状に配置されている複合花序になる。頭花は筒状花のみで構成されており、筒状花から雌蕊が突出して、雌蕊は二股にわかれている。花の色は白色・薄い青色・薄い紫色の範囲であり、全体的に白っぽい外観をしている。
- 葉の特徴:葉の付き方が茎の下部では節ごとに2枚、上部では1枚と変わる傾向にある。葉のサイズは約2~8cmと大きめで、概形が広卵形と幅広になるため、葉が集まると薮の中のような野暮ったい印象を感じさせやすい。
- 草姿:基本的に直立型で主軸がハッキリとしており、高さ100cm程度まで成長する。
- 鑑賞目的:カッコウアザミは以前は観賞用として親しまれていましたが、現在は栽培していたものが逸出して草地や畑地等に自生していて、雑草として扱われることが多い。
- フラワーアレンジメント:カッコウアザミは茎が長いため花材として利用できます。小さな頭花がたくさん集まる姿はボリューム感があり、他の植物を引き立てる効果もあるため切り花や花束にピッタリな花材となります。
- 蜜源:花は蜜源として蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。大きな花房の上にちょこんと乗って、蜜を吸う姿はとても可愛らしく見ていて飽きないため、昆虫と共生してお庭の中で蝶々が飛び回る姿を観察したい人におすすめの植物の一つとなります。