- 原産:ヨーロッパ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:シオン/アスター(Aster)
- 種:アルピヌス(Aster alpinus)
- 英名:アルペンアスター(alpine aster)
- 別名:アスター・アルピヌス/ブルー・アルペン・デイジー(blue alpine daisy)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:桃色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10~35cm
- 誕生花:6月9日
- 花言葉:多種多様/信じる心/思い返す
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アルペンアスターとは!?
アルペンアスターは学名Aster alpinus、別名では「アスター・アルピヌス」や「ブルー・アルペン・デイジー(blue alpine daisy)」とも呼ばれるヨーロッパが原産の多年草です。
アルペンアスターの語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
- 種小名のalpinusはラテン語で「アルプスの」を意味しており自生地に由来します。
アルペンアスターの特徴(魅力)
- アルペンアスターは、花弁の形が非常に細く糸状をしている所と、花後の果実に冠毛があり「たんぽぽ」のような外観の種を付ける所が特徴の植物です。
- アルペンアスターは地面下にある根茎で広がり、根茎から直立する茎を何本も出し群生するような草姿をつくります。
- 開花時期は晩春から夏、花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、頭花は直径が約3~5cmと大きく、外周にある舌状花が著しく細く糸状をしており、非常に花弁の数が多い所が特徴です。
- 花後の種には白色の長い冠毛があるため、たんぽぽのようなふわふわとした外観になります。
- アルペンアスターは「ロックガーデン」「花壇の縁どり」「鉢植え」等で親しまれます。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して作られる庭園のスタイルのひとつです。
- 岩石の間などには乾燥に強い高山植物や崖地などに自生する植物などが植栽されます。
- 花壇の縁どりとは花壇の手前(ふち部分)の境界線をさしており、普通はレンガなどの装飾物または背の低い植物などが並べられます。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して作られる庭園のスタイルのひとつです。
アルペンアスターの草丈は約10(~35)cm、根茎は地面を這い、草姿は直立、茎の分枝は少なく、茎の色は緑色、茎には白色の毛が生えます。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約3(~10)cm、幅約0.5(~1.5)cm、葉身の形は狭楕円形またはヘラ形、葉質は柔らかく、白色の毛が生えます。
花序は頭状花序、頭状花序は直径約3(~5)cm、花は舌状花と筒状花の2種類で構成されており、舌状花の色は紫色・青色・白色・桃色、筒状花の色は黄色です。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形、痩果の先端には冠毛が生えており、冠毛は白色です。
アルペンアスターの園芸品種の紹介
- ピンキー(aster alpinus ‘pinkie’)は、可愛らしい印象を与える鮮やかな桃色と、明るく開放的な印象を与える黄色の花色の2色の対比が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、根茎で広がり群生をつくり、高さ約15~30cmに成長します。
- ゴリアテ(aster alpinus ‘goliath’)は、落ち着いた印象を与えたり気品を感じさせる青紫色の花が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、根茎で広がり群生をつくり、高さ約15~30cmに成長します。
- ダークビューティー(aster alpinus ‘dark beauty’)は、高級な着物の色を連想させるような非常に濃い紫色の花色が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、根茎で広がり群生をつくり、高さ約15~30cmに成長します。
アスター(シオン)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アルペンアスターの育て方
花壇の土づくり
日当り
アルペンアスターは、日光がよく当たる日向から、西日の当たらない半日影までて育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。そのため西日の当たらない半日影で育てる事が理想です。
土壌の土質
アルペンアスターは、基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アルペンアスターは、日光がよく当たる日向から、西日の当たらない半日影までて育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。そのため西日の当たらない半日影で育てる事が理想です。
培養土
アルペンアスターは通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
アルペンアスターは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
アルペンアスターを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アルペンアスターはある程度肥沃な土壌で育てている場合は肥料が無くても育てられます。ただし栄養の乏しい土壌や鉢植えで育ている場合は毎年早春に肥料を与えるようにしましょう。また鉢植えの場合は根が回りやすいため毎年植え替えと必要に応じて株分けも行った方がよいでしょう。
肥料の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が長く緩やかに効く緩効性肥料を選び、肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料の場合も株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
アルペンアスターの剪定は花がら摘みのみ行います。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあります。余計なエネルギーを使わせない事によって、株の老化(弱体)を防ぎ、寿命を伸ばすことにあります。
花がら摘みのやり方は、花が萎れてきたらハサミを使い花の下で剪定して切り戻すだけです。
夏越しする方法
アルペンアスターは、自生地がアルプスからも分かる通り冷涼な夏を好みます。夏の暑さ・強光・乾燥・多湿などは、株に強いストレスを与え生育不良を引き起こす原因になります。そのため夏の暑さが厳しい地域では必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
アルペンアスターの夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 多湿は根腐れなどの病気を引き起こす原因となるため避けた方がよいでしょう。
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動します。
- 地植えの場合は雨に当たりにくい場所に植えて上げると良いかもしれません。
- 土壌の土質が粘土質だったり腐植が多い場合は、植え付けの前にパーライトや川砂などを混ぜて土壌改善を行っておきましょう。
- ロックガーデンなど周辺より少し高い場所に植え付けを行うと排水性が高まり、水分が停滞しにくくなります。
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動します。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
アルペンアスターは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アルペンアスターは挿し木や株分けによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- アルペンアスターの挿し木時期は晩春頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- 株を掘りあげます。
- 土を軽く落として根茎の広がりと芽・茎の位置を確認します。
- 根茎に茎を何本か残すように根茎を切り分けましょう。
- 切り離した株を新しい鉢植えまたは植えたい場所に地植えします。
- 植え直した株に水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
アルペンアスターの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アルペンアスターの病気
アルペンアスターの害虫
- アブラムシ
- ナメクジ