アスター(シオン)は属の中に約214種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、日本原産で一般的にはミヤコワスレの名称で流通しているミヤマヨメナ、根茎で広がり花壇の縁どりやロックガーデンなどに利用される事が多いアルペンアスター、開花期間が長くイタリアン・アスターと同様に花が大きいフリカルティー種等が親しまれています。
アスター(シオン)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アスター(シオン)の主な種の目次
ミヤマヨメナの特徴や園芸品種
- 原産:日本
- 学名:Aster savatieri
- 草丈:約20~50cm
- 分類:多年草
- 開花時期:4月~6月
- 花色:桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:3月11日/5月13日/6月23日/8月1日
- 花言葉:別れ/短い恋/しばしの憩い/また逢う日まで
- 用途:日陰植物/切り花
ミヤマヨメナとは!?
ミヤマヨメナは学名Aster savatieri、別名では「アスター・サバティエリ」や「ノシュンギク(野春菊)」とも呼ばれる日本が原産の多年草です。日本では本州から九州に分布しており、山地の木陰などに自生しています。
ミヤマヨメナの語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
- 種小名のsavatieriは、フランス人の植物学者であるP. A. Savatierへの献名です。
- 和名ミヤマヨマナの由来は「深山(ミヤマ)」に咲く「ヨメナ(Aster yomena)」に似た植物からきています。
ミヤマヨメナの特徴(魅力)
- ミヤマヨメナは楚々とした花姿が美しく切り花(茶花)としても親しまれている植物で、一般に園芸では品種改良され花色が鮮やかなミヤコワスレが広く流通しています。
- ミヤコワスレの名は、承久の乱に敗れ佐渡島に流された、順徳天皇がミヤマヨマナの花を見て、都恋しさを忘れたとの伝承からきたと言われています。
- ミヤマヨメナは地面下にある根茎で広がり、基部からロゼット葉を放射状に広げ、直立する茎を出します。
- 茎の伸長には低温が関係していますが、切り花として用いられる場合は、ロゼット打破をさせて茎の伸長をより促すため、葉(ロゼット葉)にジベレリン処理が行われる事もあります。
- 開花時期は春から初夏、キク科でよく見られる頭花を1個または散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に複数つけます。
- 静かで優雅な雰囲気を漂わせる紫色の花は、高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。
- 可憐な印象を与える楚々とした花は切り花や茶花としても親しまれており、管理の仕方などにも左右されますが花瓶の中で約7日の日持ちがあります。
- ミヤマヨメナは山地の木陰などに自生している事からも分かる通り、耐陰性が強いです。
- そのためシェードガーデン等に利用される事もあり、日陰で咲く花として重宝されます。
ミヤマヨメナの草丈は約30(~50)cm、根茎は地面を這い、草姿は直立、茎の分枝は少なく(花序除く)、茎の色は緑色、茎には白色の毛が生えます。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約3.5(~6)cm、幅約2.5(~3)cm、葉身の形は狭楕円形または披針形、葉のふち部に鋸歯があり、葉質は柔らかく、毛が生えます。
花序は頭状花序または頭状散房花序、頭状花序が散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に茎の頂部に集まります。花は直径約3.5(~4)cm、花の形は頭花、頭花は中央に筒状花、外側に舌状花が1列に並び、花の色は筒状花が黄色、舌状花は紫色・青色・白色・桃色があります。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形でやや扁平、種子に冠毛はありません。
ミヤマヨメナの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ミヤマヨメナ(都忘れ)の園芸品種の紹介
- 都忘れ(ミヤコワスレ)は学名Aster savatieri ‘Miyako wasure’、ミヤマヨメナの園芸品種です。楚々とした印象を与える花姿と色鮮やかな花色が魅力で、春を彩る花として花壇や鉢植えの中で楽しまれたり、花を収穫して切り花や茶花とした楽しまれたりします。
- 江戸紫は、気品のある濃い紫色の花色が特徴の園芸品種です。紫色の花は高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高い風格あるお庭等によく合うでしょう。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 瀬戸の乙女は、花の中に桃山・白色・黄色の三色の花色が円環模様を作るため、カラフルな印象や可愛らしい印象を与える園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 瀬戸の小波は、優しい印象を与える薄い紫色の花が魅力的な園芸品種です。薄い紫色の花色は、繊細でシックな雰囲気を作るため、緊張が解れリラックス出来るようなお庭や、落ち着いた雰囲気があるエレガントなお庭などによくあうでしょう。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 瀬戸の花嫁は、花嫁衣装を思わせる真っ白な花色が、汚れのない清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 瀬戸の白雪は、明るく輝くような印象を与える真っ白な花が、洗練された印象を清潔感を感じさせる魅力的な園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- みのる紫は、高級感のある着物の色を連想させるような鮮やかな紫色の花色と、黄色の筒状花の対比が明るくカラフルな印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 青空は、心をリラックスさせてくれるようなラベンダー色の優しい花色が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 桃山は、可愛らしい印象を与える桃色の花を咲かせるため、ロマンチックな雰囲気をつくるお庭などにおすすめな園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
- 浜乙女は、桃色の舌状花と黄色の筒状花の対比が美しく、可愛らしい印象を与えたり明るくポップな雰囲気をつくる園芸品種です。草姿は直立、高さは約20~50cmに成長します。
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アルペンアスターの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ
- 学名:Aster alpinus
- 草丈:約10~35cm
- 分類:多年草
- 開花時期:5月~7月
- 花色:桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
アルペンアスターとは!?
アルペンアスターは学名Aster alpinus、別名では「アスター・アルピヌス」や「ブルー・アルペン・デイジー(blue alpine daisy)」とも呼ばれるヨーロッパが原産の多年草です。
アルペンアスターの語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
- 種小名のalpinusはラテン語で「アルプスの」を意味しており自生地に由来します。
アルペンアスターの特徴(魅力)
- アルペンアスターは、花弁の形が非常に細く糸状をしている所と、花後の果実に冠毛があり「たんぽぽ」のような外観の種を付ける所が特徴の植物です。
- アルペンアスターは地面下にある根茎で広がり、根茎から直立する茎を何本も出し群生するような草姿をつくります。
- 開花時期は晩春から夏、花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、頭花は直径が約3~5cmと大きく、外周にある舌状花が著しく細く糸状をしており、非常に花弁の数が多い所が特徴です。
- 花後の種には白色の長い冠毛があるため、たんぽぽのようなふわふわとした外観になります。
- アルペンアスターは「ロックガーデン」「花壇の縁どり」「鉢植え」等で親しまれます。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して作られる庭園のスタイルのひとつです。
- 岩石の間などには乾燥に強い高山植物や崖地などに自生する植物などが植栽されます。
- 花壇の縁どりとは花壇の手前(ふち部分)の境界線をさしており、普通はレンガなどの装飾物または背の低い植物などが並べられます。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して作られる庭園のスタイルのひとつです。
アルペンアスターの草丈は約10(~35)cm、根茎は地面を這い、草姿は直立、茎の分枝は少なく、茎の色は緑色、茎には白色の毛が生えます。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約3(~10)cm、幅約0.5(~1.5)cm、葉身の形は狭楕円形またはヘラ形、葉質は柔らかく、白色の毛が生えます。
花序は頭状花序、頭状花序は直径約3(~5)cm、花は舌状花と筒状花の2種類で構成されており、舌状花の色は紫色・青色・白色・桃色、筒状花の色は黄色です。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形、痩果の先端には冠毛が生えており、冠毛は白色です。
アルペンアスターの園芸品種の紹介
- ピンキー(aster alpinus ‘pinkie’)は、可愛らしい印象を与える鮮やかな桃色と、明るく開放的な印象を与える黄色の花色の2色の対比が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、根茎で広がり群生をつくり、高さ約15~30cmに成長します。
- ゴリアテ(aster alpinus ‘goliath’)は、落ち着いた印象を与えたり気品を感じさせる青紫色の花が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、根茎で広がり群生をつくり、高さ約15~30cmに成長します。
- ダークビューティー(aster alpinus ‘dark beauty’)は、高級な着物の色を連想させるような非常に濃い紫色の花色が魅力的な園芸品種です。草姿は直立、根茎で広がり群生をつくり、高さ約15~30cmに成長します。
イタリアン・アスターの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ
- 学名:Aster amellus
- 草丈:約20~50cm
- 分類:多年草
- 開花時期:8月~11月
- 花色:桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 用途:切り花
イタリアン・アスターとは!?
イタリアン・アスターは学名Aster amellus、別名では「アスター・アメラス」や「ミカエルデージー(Michaelmas daisy)」とも呼ばれるヨーロッパが原産の多年草です。
イタリアン・アスターの語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
イタリアン・アスターの特徴(魅力)
- イタリアン・アスターは、茎が長くて枝分かれがよく、枝分かれする茎は下部ほど長く、頂部ほど短くなる傾向があるため、花は株の表面を覆うような花姿をつくり、また花弁の形が細く糸状をしている所が特徴の植物です。
- イタリアン・アスターの草姿は叢生して地面から多数の茎が立ち上がります。
- 茎は枝分かれが良く、枝分かれした茎は斜上に伸び、下部ほど長く、上部ほど短くなるため、全体の高さがある程度揃い、開花した時の花が1面に揃う傾向にあります。
- 開花時期は夏から秋、花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、頭花は直径が約3~5cmと大きく、外周にある舌状花が細く糸状をしています。
- 花は切り花としても親しまれており、管理の仕方などにも左右されますが花瓶の中で約7日の日持ちがあります。
イタリアン・アスターの草丈は約30(~50)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、茎は直立して斜上に分枝します。茎の色は緑色または赤みを帯び、白色の毛が生えます。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の形は狭楕円形またはヘラ形か倒卵形、葉のふち部に鋸歯があり、葉全体に短い白色の毛が生えます。
花序は頭状花序、頭状花序は直径約3(~5)cm、花は舌状花と筒状花の2種類で構成されており、舌状花の色は紫色・青色・白色・桃色、筒状花の色は黄色です。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形、痩果の先端には冠毛が生えており、冠毛は白色です。
イタリアン・アスターの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
イタリアン・アスターの園芸品種の紹介
シオン(十五夜草)の特徴や園芸品種
- 原産:中国/朝鮮/シベリア
- 学名:Aster tataricus
- 草丈:約150~200cm
- 分類:多年草
- 開花時期:8月~10月
- 花色:紫色●青色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:9月9日/9月28日/10月7日/10月16日
- 花言葉:追想/思い出/君を忘れない/遠方にある人を思う
- 用途:背の高い植物/切り花
シオン(十五夜草)とは!?
シオン(十五夜草)は学名Aster tataricus、別名では「オニノシコグサ(鬼の醜草)」や「オモイグサ(思い草)」とも呼ばれる中国および朝鮮、シベリアが原産の多年草です。日本にも本州・九州に分布しており、山地などに自生しています。
シオン(十五夜草)の語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
- 種小名のtataricusは中央アジアにある古い地名の「Tartay」に由来します。
- シオンの由来は漢名の「紫菀」からきています。
シオン(十五夜草)の特徴(魅力)
- シオン(十五夜草)は、高さが最大200cmと非常に背が高くなり、茎がほとんど分枝すること無く真っ直ぐ上に伸びる草姿が特徴です。また花は小さな頭花が円錐状に並び咲くため非常にボリュームがあり、切り花としても楽しめます。
- シオン(十五夜草)は地面下にある根茎で広がり、根茎から多数の茎を出すため群生するような草姿をつくります。
- 根茎は去痰などの効果のある生薬として利用される事もあり、生薬名は「紫苑」と呼ばれます。
- 開花時期は晩夏から秋、キク科でよく見られる頭花を円錐状に多数つけるため、非常にボリュームある花穂をつくります。
- ただし1個1個の頭花は直径が約2.5~3.5cmと小さめです。
- 花は蝶々や花蜂の蜜源にもなるため開花期になると、花の周りを優雅に飛ぶ蝶々の姿や、花に乗って蜜を集める可愛らしい蜜蜂の姿を観察できるかもしれません。
- 花は切り花や茶花としても親しまれており、管理の仕方などにも左右されますが花瓶の中で約7日の日持ちがあります。
シオン(十五夜草)の草丈は約150(~200)cm、根茎があり、草姿は直立、茎は上部で分枝、分枝した茎は斜上に伸びる、茎の色は緑色また赤みを帯び、茎は触るとざらつきます。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)またはヘラ形か卵形、葉のふち部に鋸歯があり、葉は触るとざらつきます。
花序は頭状円錐花序、頭状円錐花序は円錐状に頭花が多数集まります。頭花は直径約2.5(~3.5)cm、中央に筒状花、外側に舌状花が1列に並び、花の色は筒状花が黄色、舌状花は紫色または青色です。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形、種子に冠毛があります。
シオン(十五夜草)の切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
シオン(十五夜草)の園芸品種の紹介
アスター(フリカルティー)の特徴や園芸品種
- 学名:Aster × frikartii
- 草丈:約50~100cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~11月
- 花色:桃色●紫色●青色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:切り花
アスター(フリカルティー)とは!?
アスター(フリカルティー)は学名Aster × frikartii、ヨーロッパが原産のイタリアン・アスター(A.amellus)とヨーロッパが原産のトムソニー種(A.thomsonii)の交配種で、スイスの植物学者のCarl Ludwig Frikart(1879-1964)に作出された雑種の多年草です。
アスター(フリカルティー)の語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
- 種小名のfrikartiiはスイスの植物学者のCarl Ludwig Frikart(1879-1964)に因みます。
アスター(フリカルティー)の特徴(魅力)
- アスター(フリカルティー)は、茎の枝分かれがよくふさふさとした外観の草姿をつくり、また花が散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に株の表面に沢山集まるため非常に華やかな花姿となり、初夏から秋にかけて沢山の花を咲かせる所が魅力の植物です。
- アスター(フリカルティー)の草姿は叢生33・地面から多数の茎が立ち上がり、非常に枝分かれがよくふさふさとした外観をつくります。
- 開花時期は夏から秋、花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、株の表面を覆うように散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に花が咲くため非常に華やかな花姿をつくります。
- 頭花はイタリアン・アスターと同様に直径が約3~5cmと大きく、外周にある舌状花が細く糸状をしています。
- 花は切り花としても親しまれており、管理の仕方などにも左右されますが花瓶の中で約7日の日持ちがあります。
アスター(フリカルティー)の草丈は約30(~70)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、茎はよく枝分かれします。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)または披針形です。
花序は頭状散房花序、頭状散房花序は散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に頭状花序が集まります。頭状花序は直径約3(~5)cm、頭花は中央に筒状花、外側に舌状花が1列に並び、花の色は筒状花が黄色、舌状花は紫色・青色・桃色があります。
アスター(フリカルティー)の切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。