- 原産:ヨーロッパ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:シオン/アスター(Aster)
- 種:フリカルティー(Aster × frikartii)
- 別名:フリカルツ・アスター(Frikart’s aster)
- 品種:メンヒ(Aster × frikartii ‘monch’)
- 開花時期:6月~11月
- 花の色:青色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約50~100cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アスター(メンヒ)とは!?
アスター(メンヒ)は、非常に茎の枝分かれがよくふさふさとした外観の草姿をつくり、株の表面を覆うように咲く薄い紫色の花が、心を落ち着かせてリラックス出来るような空間をつくる魅力的な園芸品種です。開花は初夏から秋、花の大きさは直径約3~5cm、花の色は舌状花が薄い紫色、筒状花が黄色です。草姿は叢生、茎は分枝がよく、高さ約50~100cmに成長します。
アスター(フリカルティー)とは!?
アスター(フリカルティー)は学名Aster × frikartii、ヨーロッパが原産のイタリアン・アスター(A.amellus)とヨーロッパが原産のトムソニー種(A.thomsonii)の交配種で、スイスの植物学者のCarl Ludwig Frikart(1879-1964)に作出された雑種の多年草です。
アスター(フリカルティー)の語源(由来)
- 属名のAsterは古代ギリシア語で「星」を意味する「ἀστήρ」からきており、星の形を連想させる花の形に由来します。
- 種小名のfrikartiiはスイスの植物学者のCarl Ludwig Frikart(1879-1964)に因みます。
アスター(フリカルティー)の特徴(魅力)
- アスター(フリカルティー)は、茎の枝分かれがよくふさふさとした外観の草姿をつくり、また花が散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に株の表面に沢山集まるため非常に華やかな花姿となり、初夏から秋にかけて沢山の花を咲かせる所が魅力の植物です。
- アスター(フリカルティー)の草姿は叢生33・地面から多数の茎が立ち上がり、非常に枝分かれがよくふさふさとした外観をつくります。
- 開花時期は夏から秋、花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、株の表面を覆うように散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に花が咲くため非常に華やかな花姿をつくります。
- 頭花はイタリアン・アスターと同様に直径が約3~5cmと大きく、外周にある舌状花が細く糸状をしています。
- 花は切り花としても親しまれており、管理の仕方などにも左右されますが花瓶の中で約7日の日持ちがあります。
アスター(フリカルティー)の草丈は約50(~100)cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)、茎はよく枝分かれします。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)または披針形です。
花序は頭状散房花序、頭状散房花序は散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に頭状花序が集まります。頭状花序は直径約3(~5)cm、頭花は中央に筒状花、外側に舌状花が1列に並び、花の色は筒状花が黄色、舌状花は紫色・青色・桃色があります。
アスター(フリカルティー)の切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
アスター(フリカルティー)の園芸品種の紹介
アスター(シオン)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アスター(メンヒ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
アスター(メンヒ)は、日光がよく当たる日向から、西日の当たらない半日影までて育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。そのため西日の当たらない半日影で育てる事が理想です。
土壌の土質
アスター(メンヒ)は、基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アスター(メンヒ)は、日光がよく当たる日向から、西日の当たらない半日影までて育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。そのため西日の当たらない半日影で育てる事が理想です。
培養土
アスター(メンヒ)は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
アスター(メンヒ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
アスター(メンヒ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アスター(メンヒ)はある程度肥沃な土壌で育てている場合は肥料が無くても育てられます。ただし栄養の乏しい土壌や鉢植えで育ている場合は毎年早春に肥料を与えるようにしましょう。また鉢植えの場合は根が回りやすいため毎年植え替えと必要に応じて株分けも行った方がよいでしょう。
肥料と堆肥の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が長く緩やかに効き土壌改善効果もある有機肥料(配合肥料)または必要な栄養成分がしっかりはいっており非常に肥効が長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料の場合も株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
- 堆肥の与え方(鉢植えは植え替え)
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
剪定のやり方
アスター(メンヒ)の剪定は花がら摘みのみ行います。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあります。余計なエネルギーを使わせない事によって、株の老化(弱体)を防いだり、花の生産が止まる事を防ぎ開花期間を延長する事に繋がったり、花数を増やす事に繋がったりします。
花がら摘みのやり方は、個々の萎れた花をハサミを使い取り除く、または花茎にある花が全体的に終わったら花茎の下からハサミを使い取り除きます。
夏越しする方法
アスター(メンヒ)は、夏の暑さに耐える事が出来ますが、強い日差しや乾燥により生育不良を引き起こす事があります。そのため必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
アスター(メンヒ)の夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 乾燥を苦手にしていることから土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
アスター(メンヒ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アスター(フリカルティー)は挿し木や株分けによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- アスター(フリカルティー)の挿し木時期は晩春頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- 株を掘りあげます。
- 土を軽く落として茎(芽)・根の位置を確認します。
- 茎を何本か残すように株(塊)を切り分けましょう。
- 切り離した株を新しい鉢植えまたは植えたい場所に地植えします。
- 植え直した株に水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
アスター(フリカルティー)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アスター(フリカルティー)の病気
アスター(フリカルティー)の害虫
- アブラムシ
- ナメクジ