アジュガは属の中に約64種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは5の原種と、23の園芸品種等を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
■目次
■アジュガの簡易比較
名称 | 草姿 | 葉色 | 備考 |
---|---|---|---|
アジュガ![]() | 匍匐 | 緑・黄・赤・桃・橙・紫・白・黒・銀 | ・シェードガーデンの地被植物として利用される。 ・園芸品種が豊富で好みに合わせて葉色や花色が選べる。 |
アジュガ・テノリー![]() | 匍匐 | 緑・黄・桃・紫・白・黒 | ・シェードガーデンの地被植物として利用される。 ・アジュガと比べると葉が滑らかで上品な見た目をしている。ただし成長スピードが緩やかで、園芸品種が少ない。 |
アジュガ・ピラミダリス![]() | 根茎 | 緑・紫 | ・株は短い根茎で広がり親株の近くに子株をつくる。 ・ロゼットがある程度に大きくなるとピラミッド型の花穂をつくる。 |
アジュガ・ゲネウェンシス![]() | 直立 | 緑色 | ・株は基部付近で分枝する傾向があり、茎は直立して伸びる。 |
ヒメキランソウ![]() | 匍匐 | 緑色 |
■アジュガの主な種と園芸品種の紹介
●主な原種
アジュガ
アジュガとは!
アジュガの学名は Ajuga reptans 、別名では「ツルジュウニヒトエ」「セイヨウジュウニヒトエ」「ブルー・ビューグル(Blue bugle)」等とも呼ばれる常緑多年草です。
アジュガの原産地はヨーロッパ・南西アジア・北アフリカ、自生地は森林や湿潤な草原などにあります。
アジュガの特徴
- 花の装飾性:開花期になると匍匐茎から直立に伸びる花茎を伸ばし花を咲かせる。花は節ごとに花梗の短い集散花序が付いているため、ボリューム感とシャープさを感じさせる花穂をつける。花はふつう紫色・青紫色をしているため、上品さや気品を感じさせるお庭によくあいます。
- 葉の装飾性:葉の色はふつう緑色ですが、園芸品種の中には紫色・桃色・黄色・白色・黒色・銀色があります。そのため、お庭の雰囲気に合わせてカラーリーフとして楽しめます。
- 常緑性:葉は常緑のため、冬季や乾季も葉を落としません。そのため、一年を通して葉を楽しめて、地面を葉が覆い続けます。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長する性質があるため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- アジュガを地被植物として利用するメリットは、草丈が高くならずに絨毯のように広がる所、葉の色が豊富なため好みの色のカラーリーフ絨毯が作れる所、多少の踏圧にも耐えるため飛び石の間などに利用できる所、開花期になると華やかな花姿が楽しめる所、日陰で育てることが出来る所などにあります。一方で地面を被覆するスピードが遅い傾向がある所がデメリットになります。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
アジュガの園芸品種の紹介
キャトリンジャイアント

学名:Ajuga reptans ‘catlin’s giant’
葉の形:卵形・楕円形
葉縁部:波状
葉の色:緑色・紫色
花の色:紫色・青紫色
草丈:約15~30cm
備考:従来のアジュガよりも葉のサイズが大きく、15cmに達する事があり存在感がある。葉の色は緑色から紫色を帯びているため、上品さを感じさせるカラーリーフにもなります。また花は従来のアジュガと比べて大きくボリューミーで豪華さがあり、花の色は濃い青紫色をしているため、心を落ち着かせるような鎮静効果、また上品さと気品をお庭の中に演出することが出来ます。
ブラックスカロップ

学名:Ajuga reptans ‘black scallop’
葉の形:円形・楕円形・ヘラ形
葉縁部:波状
葉の色:緑色・暗紫色・黒色
花の色:青紫色
草丈:約10~15cm
備考:葉表面には濡れたような光沢があり、宝石を見ているようなラグジュアリー感を感じさせます。葉の色は殆ど黒色に見える暗紫色をしており、お庭の中に重厚的な雰囲気を演出できます。
ピンクライトニング

学名:Ajuga reptans ‘pink lightning’
葉の形:円形・卵形・楕円形
葉の色:灰緑色・クリーム色
花の色:桃色
草丈:約10~15cm
備考:葉の色は全体的に明るくパステル調で、明るい灰緑色とクリーム色の2色で構成されています。そのため、明るさや柔らかさを感じさせるカラーリーフとして楽しめます。また桃色の花は、柔らかな葉色との相性も抜群によく、女性的な可愛らしい雰囲気をつくるため、可愛いをテーマにするお庭、メルヘンチックなお庭などによく合うでしょう。
バニラチップ

学名:Ajuga reptans ‘vanilla chip’
葉の形:楕円形・円形
葉の色:灰緑色・クリーム色
花の色:青色
草丈:約10~20cm
備考:葉の色は全体的に明るくパステル調で、明るい灰緑色とクリーム色の2色で構成されています。そのため、明るさや柔らかさを感じさせるカラーリーフとして楽しめます。花の色は鮮やかめの青色で男性的なカッコ良さを感じさせたり、また心を落ち着かせるような鎮静効果があったりします。
ゴールデングロウ
学名:Ajuga reptans ‘golden glow’
葉の形:ヘラ形・楕円形・円形
葉の色:灰緑色・黄色・赤橙色・赤紫色
花の色:青色
草丈:約10~15cm
備考:葉は全体的に灰色を帯びたくすんだ色合いをしているため大人っぽくシックな雰囲気があります。葉の色は緑色・黄色・赤橙色(赤紫色)で構成されており、葉の縁部分にクリーム色の覆輪、若葉が赤橙色(赤紫色)に染まります。そのため、アンティーク調のユニークなカラーリーフが楽しめる品種です。
ゴールドライム
学名:Ajuga reptans ‘gold lime’
葉の形:円形・卵形・楕円形
葉の色:黄色
花の色:桃色
草丈:約10~20cm
備考:イエローリーフが明るさや元気の良さを感じさせる品種です。また開花期には桃色の花が咲くため、女性的な可愛らしもあり、黄色・桃色の組み合わせは子供っぽい雰囲気を感じさせる品種です。
グレイレディー
学名:Ajuga reptans ‘Grey Lady’
葉の形:円形・ヘラ形
葉の色:銀色
花の色:青紫色
草丈:約10~15cm
備考:葉の表面には程よい光沢があり、葉の色はアジュガでは珍しい銀色をしています。そのため、シルバーの宝飾品をみているような高級感があり、ラグジュアリーな雰囲気のお庭などによくあいます。
ライムブルー
学名:Ajuga reptans ‘lime blue’
葉の形:楕円形・ヘラ形
葉の色:緑色・黄色・橙色・ブロンズ色
花の色:青紫色
草丈:約10~20cm
備考:葉の色は成熟度で変化しており若葉は橙色・黄色・緑色になり、低温期になると濃い緑色からブロンズの色の葉が見られる。花は青色で、苞は明るい紫色で、葉との組み合わせもあり独特な色合いが楽しめる品種です。
ピンクエルフ
学名:Ajuga reptans ‘pink elf’
葉の形:楕円形・卵形・ヘラ形
葉の色:緑色
花の色:桃色
草丈:約10~20cm
備考:花の立ち上がりがよく、開花期なると桃花をたくさん咲かせる。そのため、お庭の中に可愛らしい雰囲気をつくります。
シュガープラム
学名:Ajuga reptans ‘sugar plum’
葉の形:円形・卵形・ヘラ形
葉の色:灰緑色・白色・赤紫色
花の色:青紫色
草丈:約10~20cm
備考:葉表面には光沢があり、全体的にグレーを帯びるため、シックで大人っぽい雰囲気があり、葉の色は灰緑色・白色・赤紫色の3色で、高貴さや上品さを感じさせる品種です。
アジュガ・テノリー
アジュガ・テノリーとは!
アジュガ・テノリーの学名は Ajuga tenorii 、別名では「イタリアン・ビューグルウィード(Italian Bugleweed)」等とも呼ばれるイタリアが原産の多年草です。
アジュガ・テノリーの特徴
- 近縁種との比較:アジュガ・テノリーはアジュガ(Ajuga reptans)と比べて、葉の形が細長いヘラ形をしていて、縁部分が滑らかのため洗練された見た目をしている。また成長スピードが緩やかで侵略性が低めな傾向があります。
- 花の特徴:開花期になると匍匐茎から直立に伸びる花茎を伸ばし花を咲かせる。花は節ごとに花梗の短い集散花序が付いているため、ボリューム感とシャープさを感じさせる花穂をつける。
- 葉の装飾性:葉の形状が滑らかで細長いため洗練された見た目をしており、また葉の色はふつう緑色ですが、園芸品種の中には緑色・黄色・桃色・紫色・白色・黒色があるため、お庭の雰囲気に合わせてカラーリーフとして楽しめます。
- 常緑性:葉は常緑のため、冬季や乾季も葉を落としません。そのため、一年を通して葉を楽しめて、地面を葉が覆い続けます。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長する性質があるため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
アジュガ・テノリーの園芸品種の紹介
プリンセスナディア

学名:Ajuga tenorii ‘princess nadia’
花の色:青色・青紫色
葉の色:緑色(灰緑色)・クリーム色・桃色
草丈:約10~20cm
備考:葉の色は灰緑色・クリーム色・桃色の3色、葉の縁部分にクリーム色の覆輪が入り、若葉が明るい桃色に染まる。そのため、全体的に柔らかな雰囲気があり、また可愛らしさを感じさせる品種です。
アジュガ・ピラミダリス
アジュガ・ピラミダリスとは!
アジュガ・ピラミダリスの学名は Ajuga pyramidalis 、別名では「ピラミダル・ビューグル(pyramidal bugle)」等とも呼ばれる多年草です。
アジュガ・ピラミダリスの原産地はヨーロッパ、自生地は丘陵地の草原や高山などにあります。
アジュガ・ピラミダリスの特徴
- 近縁種との比較:アジュガ・ピラミダリスはアジュガ(Ajuga reptans)と違い匍匐茎がありません。匍匐茎のかわりに短な根茎があり、親株の周りに小さな子株をつくりロゼットを形成します。
- 花の装飾性:開花期になるとロゼットから花茎を直立に伸ばし花を咲かせる。花茎には花よりも大きな苞があり、苞は下部から段階的にサイズが大きくなるため、花序全体はピラミッドのような四角錐の見た目になる。苞は花と比べてサイズが大きくて、色も鮮やかな紫色に変化するため、花ではなく苞をメインに鑑賞されます。
- 葉の特徴:葉はふつう株の基部で密に集まって放射状に広がり、ロゼットを形成します。ロゼットが一定の大きさまで成長すると翌年に開花します。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
アジュガ・ゲネウェンシス
アジュガ・ゲネウェンシスとは!
アジュガ・ゲネウェンシスの学名は Ajuga genevensis 、別名では「アップライト・ビューグル(upright bugle)」「ジュネーブ・ビューグルウィード(Geneva bugleweed)」等とも呼ばれる多年草です。
アジュガ・ゲネウェンシスの原産地はヨーロッパ・コーカサス地方、自生地は森林や湿潤な草原などにあります。
アジュガ・ゲネウェンシスの特徴
- 近縁種との比較:アジュガ・ゲネウェンシスはアジュガ(Ajuga reptans)と違い匍匐茎がありません。茎は根元で分枝する傾向があり、真っ直ぐ上に直立します。
- 花の装飾性:開花期になると直立する茎の節ごとに花梗の短い集散花序をつけて、花が節を囲むように段々とした花穂を咲かせます。苞は花のサイズと同程度か小さいため、花を隠すことがなく、また紫色に色付く傾向があるため、花の美しさを損ねずに鑑賞することができます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
ヒメキランソウ
ヒメキランソウとは!
ヒメキランソウの学名は Ajuga pygmaea 、別名では「アジュガ・ピグマエア」等とも呼ばれる多年草です。ヒメキランソウの原産地は日本・中国・台湾、自生地は草地などにあります。
ヒメキランソウの特徴
- 近縁種との比較:ヒメキランソウはアジュガ(Ajuga reptans)と比べて、開花期も草丈が高くならず、茎の節部分で芽が出て葉がロゼットのように広がる。
- 花の特徴:開花期になると茎の節ごとに花梗の短い集散花序をつけて、花が節を囲むように段々とした花穂を咲かせます。花は青紫色をしていて上品な見た目をしています。
- 葉の装飾性:葉の形状はヘラ形をしていて縁部分が波状に凹凸する。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長する性質があるため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
ヒメキランソウの園芸品種の紹介
●その他の品種
プチ パラキート
- 植物名:プチ パラキートの学名は Ajuga Feathered Friends™ ‘Petite Parakeet’ です。
- 花の装飾性:開花期になると直立する茎の節ごとに花梗の短い集散花序をつけて、花が節を囲むように段々とした花穂を咲かせます。苞は花のサイズと同程度か小さいため、花を隠すことがなく、また青紫色の花が上品さを感じさせます。
- 葉の装飾性:葉の形状は滑らかで細長いため洗練された見た目をしており、葉の色は黄色・橙色の2色で若葉が橙色になる。そのため、太陽や黄金を思わせるような明るさやラグジュアリー感があり、また紫色の花とのコントラストでカラフルな雰囲気もつくります。
- 常緑性:葉は常緑のため、冬季や乾季も葉を落としません。そのため、一年を通して葉を楽しめて、地面を葉が覆い続けます。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長する性質があるため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
ファンシーフィンチ
- 植物名:ファンシーフィンチの学名は Ajuga Feathered Friends™ ‘fancy finch’ です。
- 花の装飾性:開花期になると直立する茎の節ごとに花梗の短い集散花序をつけて、花が節を囲むように段々とした花穂を咲かせます。苞は花のサイズと同程度か小さいため、花を隠すことがなく、また青紫色の花が上品さを感じさせます。
- 葉の装飾性:葉の形状は滑らかで細長いため洗練された見た目をしており、葉の色は緑色・黄色・赤茶色の葉の成熟度により色が変化する。そのため、単調さがなく魔法のように変化していく葉の色が楽しめます。
- 常緑性:葉は常緑のため、冬季や乾季も葉を落としません。そのため、一年を通して葉を楽しめて、地面を葉が覆い続けます。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長する性質があるため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
ノーブルナイチンゲール
- 植物名:ノーブルナイチンゲールの学名は Ajuga Feathered Friends™ ‘noble nightingale’ です。
- 花の装飾性:開花期になると直立する茎の節ごとに花梗の短い集散花序をつけて、花が節を囲むように段々とした花穂を咲かせます。苞は花のサイズと同程度か小さいため、花を隠すことがなく、また青紫色の花が上品さを感じさせます。
- 葉の装飾性:葉の形状は滑らかで細長いため洗練された見た目をしており、葉表面は濡れたような光沢がある。葉の色は濃い緑色・暗紫色・赤茶色の範囲であり、若葉は暗所紫色から赤茶色でチョコレートのような色合いをしている。そのため、重厚的で落ち着いた雰囲気のカラーリーフとして楽しめます。
- 常緑性:葉は常緑のため、冬季や乾季も葉を落としません。そのため、一年を通して葉を楽しめて、地面を葉が覆い続けます。
- 地被植物:茎は匍匐して広がり節から不定根や芽を出して成長する性質があるため、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。