ポーチュラカ属は属の中に約58~100種があり熱帯及び温帯に広く分布している多年草もしくは一年草です。一般に園芸では、雑種で豊富な花色と様々な葉色があり園芸で最も親しまれているハナスベリヒユ、非常に大きな花と豊富な花色が魅力的なマツバボタン、栄養価が高くスーパーフードとも呼ばれ葉や茎が野菜として食べられるスベリヒユ等が親しまれます。
ポーチュラカは一般的に春に種を撒き、夏の花を楽しんだ後に冬に枯れる一年草として育てられます。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
ポーチュラカの主な種の目次 | |
![]() ①ハナスベリヒユ | ![]() ②マツバボタン |
![]() ③スベリヒユ | ![]() ④ヒメマツバボタン |
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学名:Portulaca umbraticola
草丈:約10~20cm
分類:一年草
開花時期:5月~9月
花色:赤色●桃色●黄色●橙色●白色〇
葉色:緑色●桃色●黄色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:7月16日
花言葉:「無邪気」「いつも元気」「自然を愛する」
特徴:ハナスベリヒユは学名Portulaca umbraticola、しばしばスベリヒユ(P. oleracea)と間違われる事がありますが、スベリヒユ(P. oleracea)とマツバボタン(P. grandiflora)の交雑種です。一般的に園芸で親しまれるポーチュラカは殆どがハナスベリヒユ(P. umbraticola)で、名前が付いているポーチュラカは殆どが雑種のハナスベリヒユです。
ハナスベリヒユの特徴(魅力)
- 葉はマツバボタンと違い扁平で楕円形をしている
- ↳葉はぷにぷにと多肉質
- ↳幾つかの品種では桃色や白色等の班がありカラーリーフとして楽しめる
- 茎は匍匐する様に旺盛に広がり地面を被覆する
- ↳鉢植えに植えると縁部分から元気いっぱいに茎や葉が溢れ出す
- スベリヒユと違い直径約3cmの大きく華やかな花を咲かせる
- ↳花色が非常に豊富で八重咲き品種もある
- ↳花は夜間と曇りの日は通常閉じる(閉じない品種がある)
- ↳多花性で葉を覆う程に花は咲く
- 砂利道や敷石の間等の乾燥しやすい環境でも容易に育つ
ハナスベリヒユの茎は多肉で水分を多く含んでおり、折れやすい所があります。茎は根元からよく分枝して、急速に成長しながら這うように広がります。葉はスベリヒユに似て楕円形(倒卵形)をしており長さ3cmまでで肉厚です。花はマツバボタンに似て大きく節から開花する腋花で、通常は日光の元のみで咲き夜間に閉じて萎れる一日花ですが、改良された最近の品種では曇りの日や夜間も開くものが多いです。
開花時期は晩春から秋、花色は赤色や桃色、黄色や橙色、白色があり、個々の花は一般的に花弁が5個(5数花)ある一重咲きですが花弁が重なり八重咲きする品種もあり、花序は腋花です。草姿は這性で高さ約10(20)cm × 幅は約15(90)cmまで成長します。葉色は緑色や桃色、黄色や白色があり、葉身は倒卵形で多肉質、葉序は互生葉序になります。
ハナスベリヒユの栽培
園芸では、初夏から秋にかけて持続的に咲く花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、地面を被覆する様に広がる草姿から、花壇の縁沿いに植えられて縁どりとして利用されたり、また鉢植えやハンギングバスケット等に植えられて鉢の縁部分から優雅に枝垂れる草姿を鑑賞する目的で育てられたりします。育てる際は基本的に春に種を撒いて育てるか、苗を買ってきて育てます。夏の暑さに強いですが、冬の寒さに弱く霜に当たると枯れる一年草です。
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原産:ブラジル/アルゼンチン/ウルグアイ
学名:Portulaca grandiflora
草丈:約10~20cm
分類:一年草
開花時期:6月~9月
花色:赤色●桃色●黄色●橙色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:8月3日/8月21日
花言葉:「忍耐」「可憐」「無邪気」
特徴:マツバボタンは学名Portulaca grandiflora、別名「ヒデリソウ」や「ローズ・モス(rose moss)」等とも呼ばれるブラジル及びアルゼンチン、ウルグアイが原産の一年草です。和名「マツバボタン」の由来は松の様な細い葉とボタンの様な花を咲かせる所からきています。また属名のポーチュラカ(Portulaca)はラテン語で「小さな入口」を意味する「portula」から「入口」を意味する「porta」+小さいを意味する「ula」になり、ドアの様に開く種子に由来しており、種小名のグランディフローラ(grandiflora)はラテン語で「大きな花」を意味しています。
マツバボタンの特徴(魅力)
- モコモコと盛り上がりながら地面を被覆する草姿
- ↳鉢植えに植えると縁部分から元気いっぱいに茎や葉が溢れ出す
- 葉や茎はぷにぷにと多肉質
- ↳葉の形は円錐状で長さ3cm迄になる
- ↳茎は這いながら僅かに上昇する
- 花は通常直径2~3cmで一重咲き(5数花)
- ↳花の大きな品種(Yubi Summer Joy)では7cmに達する
- ↳八重咲き品種もある
- ↳花は夜間と曇りの日は通常閉じる(閉じない品種がある)
- ↳花色が豊富で複色もある
- ↳多花性で葉を覆う程に花は咲く
- 砂利道や敷石の間等の乾燥しやすい環境でも容易に育つ
マツバボタンの茎は多肉で水分を多く含んでおり、折れやすい所があります。茎は根元からよく分枝して、這うように広がり途中で立ち上がります。葉は細く円柱状で長さ3cmまでになり肉厚です。花は腋花で節から開花し、通常は日光の元のみで咲き夜間に閉じて萎れる一日花ですが、多くの雑種(園芸品種)では曇りの日や夜間も開く様に改良されています。
開花時期は初夏から秋、花色は赤色や桃色、黄色や橙色、白色があり、個々の花は一般的に花弁が5個(5数花)ある一重咲きですが花弁が重なり八重咲きする品種もあり、花序は腋花です。草姿は這性で茎は途中で立ち上がり高さ約10(20)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色で光沢があり、葉身は線形で多肉質、葉序は互生葉序になります。
マツバボタンの栽培
園芸では、初夏から秋にかけて持続的に咲く花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、地面を被覆する様に広がる草姿から、花壇の縁沿いに植えられて縁どりとして利用されたり、また鉢植えやハンギングバスケット等に植えられて鉢の縁部分から優雅に枝垂れる草姿を鑑賞する目的で育てられたりします。育てる際は基本的に春に種を撒いて育てるか、苗を買ってきて育てます。夏の暑さに強いですが、冬の寒さに弱く霜に当たると枯れる一年草です。
![]() マツバボタン |
原産:ヨーロッパ/アジア/北アフリカ/アメリカ大陸
学名:Portulaca oleracea
草丈:約15~20cm
分類:一年草
開花時期:5月~9月
花色:赤 黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:7月16日
花言葉:「無邪気」「いつも元気」「自然を愛する」
特徴:ポーチュラカ(スベリヒユ)は学名Portulaca oleracea、別名「ポーチュラカ」や「リトル・ホグウィード(little hogweed)」等とも呼ばれる一年草です。属名のポーチュラカ(Portulaca)はラテン語で「小さな入口」を意味する「portula」から「入口」を意味する「porta」+小さいを意味する「ula」になり、ドアの様に開く種子に由来します。また種小名のoleraceaはラテン語で「野菜/ハーブ」を意味します。
ポーチュラカ(スベリヒユ)の特徴(魅力)
- 旺盛に地面を広がり広範囲を被覆する高いグランドカバー能力
- ↳鉢植えに植えると縁部分から元気いっぱいに茎や葉が溢れ出す
- 葉や茎はぷにぷにと多肉質
- ↳葉の形は楕円形
- ↳茎の色は赤みがかっています
- 茎や葉は古くから野菜として食べられています
- ↳オメガ3脂肪酸が非常に多く含まれるスーパーフード
- 花は黄色で直径約7mmと小さい
- 一日花で朝から昼の早い時間迄の短期間咲く
ポーチュラカ(スベリヒユ)の茎は多肉で赤みを帯びた色合いをしており、根元の方からよく分枝しながら地面を覆うように這って広がり1m近くまで急速に成長します。葉も茎と同様に水分を多く含む多肉で全体は明るい緑色ですが、縁部分がやや赤色の場合もあります。花は腋花で節に数個ずつ束生して、暑い日の午前中から午後の早い時間までの短時間開花し萎れる一日花です。
開花時期は晩春から秋、花色は黄色、個々の花は花弁が5個ある5数花で直径約6~7mm、花序は腋花で節に数個ずつ花が咲きます。草姿は這性で高さ約15(20)cm × 幅は約30(90)cmまで成長します。葉色は緑色で縁部分が赤色になる場合もあり、葉身は倒卵形で、葉序は互生葉序ですが、しばしば対生葉序になります。
ポーチュラカ(スベリヒユ)の利用(食用)
ポーチュラカ(スベリヒユ)は葉野菜として、世界中(ヨーロッパ・アジア・中東・メキシコ)で広く食べられています。例えば、スベリヒユの新鮮な茎葉を収穫して洗い、油でベーコンと一緒に炒めたら「肉野菜炒め」として美味しく食べれますし。また新鮮な茎葉をお湯で程よく茹でたら、冷水で冷やし、お皿に盛れば「お浸し」となり醤油やポン酢で美味しく食べられます。またその他にも「スープ」に入れたり「パスタ」に入れたりと様々な方法で美味しく食べられます。
ポーチュラカ(スベリヒユ)は非常に栄養価が高い植物として知られており、特にオメガ3脂肪酸が非常に多く含まれているため、スーパーフードとも呼ばれています。またその他にもカルシウムや鉄、カリウムやマグネシウム、ビタミン類が豊富です。
ただし、栄養価が高いと言っても腎臓にダメージを与えるシュウ酸も多く含まれているため注意が必要です。シュウ酸はほうれん草の様に茹でれば減らせるため、茹でずに生のまま食べたり、多量に摂取する事はやめた方がいいでしょう。
ポーチュラカ(スベリヒユ)は雑草?
ポーチュラカ(スベリヒユ)は、畑や花壇にいつの間にか現れて奔放に広がるため、しばしば雑草として嫌われる事があります。容易に引っこ抜けるので、取り除く事自体は簡単ですが、切った茎から根を出して再度定着したり、こぼれ種によって翌年以降(発芽しなくても何年も生きる)も増えたりで、いたちごっこになる事もしばしばあります。
一方でコンパニオンプランツとして、近くの植物に良い影響を与える植物と考えられる場合もあるようです。ポーチュラカ(スベリヒユ)の近くには湿気のある微気候を作り出すため、乾燥を嫌う植物等には良い影響を与える事があります。また硬い土壌でも深くまで根を張るため、1部の植物(トウモロコシ等)はスベリヒユの根を辿って深くまで根を張ることが出来る様になるようです。
ポーチュラカ(スベリヒユ)の栽培
園芸では、ポーチュラカ(スベリヒユ)の茎葉を野菜として食べる為に育てられたり、また花壇やロックガーデン等の被覆植物として利用される為に育てられたります。育てる際は基本的に春に種を撒いて育てるか、苗を買ってきて育て、収穫は1.2ヶ月もすれば行えます。夏の暑さに強いですが、冬の寒さに弱く霜に当たると枯れる一年草です。
![]() スベリヒユ |
原産:南アメリカ
学名:Portulaca pilosa
草丈:約15~30cm
分類:一年草
開花時期:6月~9月
花色:桃色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:-
誕生花:
花言葉:
特徴:ヒメマツバボタンは学名Portulaca pilosa、別名「ヒデリソウ」や「へアリー・ピクウィード(hairy pigweed)」等とも呼ばれる南アメリカが原産の一年草です。和名「マツバボタン」の由来は松の様な細い葉とボタンの様な花を咲かせる所からきています。また属名のポーチュラカ(Portulaca)はラテン語で「小さな入口」を意味する「portula」から「入口」を意味する「porta」+小さいを意味する「ula」になり、ドアの様に開く種子に由来しており、種小名のピローサ(pilosa)はラテン語で「毛で覆われた/毛深い」を意味しています。
ヒメマツバボタンの特徴(魅力)
- 茎から白色の長い毛(毛状突起)が生えクモの巣状になる
- ↳乾燥した環境ではより密になる
- 葉は多肉質で通常は円柱状になる
- ↳しばしば扁平な葉もある
- モコモコと盛り上がりながら地面を被覆する草姿
- ↳鉢植えに植えると縁部分から元気いっぱいに茎や葉が溢れ出す
- 花は桃色(~紫色)で通常直径0.5~1.2cm
- 砂利道や敷石の間等の乾燥しやすい環境でも容易に育つ
開花時期は初夏から秋、花色は赤色もしくは紫色、個々の花は花弁が5個(5数花)で直径約0.5~1.2cmあり、花序は腋花です。草姿は這性で高さ約10(30)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色で光沢があり、葉身は線形もしくは披針形で多肉質、葉序は互生葉序になります。
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