- 原産:ブラジル/アルゼンチン/ウルグアイ
- 科:スベリヒユ(Portulacaceae)
- 属:ポーチュラカ(Portulaca)
- 種:マツバボタン/グランディフローラ(grandiflora)
- 別名:ポーチュラカ/ポーチュラカ・グランディフローラ/ヒデリソウ/ツメキリソウ/ローズ・モス(rose moss)/モス・ローズ(moss rose)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:赤色●桃色●橙色●黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 被覆方法:ほふく性
- 草丈:約10~30cm
- 株張り:
- 誕生花:8月2日
- 花言葉:可憐・無邪気・親を思う気持ち
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/枝垂れる植物/ロックガーデン
- 購入方法:マツバボタンを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マツバボタンとは!?
マツバボタンの学名はPortulaca grandiflora、園芸では単にポーチュラカと呼ばれる事も多く、別名では「ポーチュラカ・グランディフローラ」や「ヒデリソウ」とも呼ばれているブラジル・アルゼンチン・ウルグアイが原産の一年草です。
マツバボタンの語源(由来)
- 属名のPortulacaはラテン語で「入口」「小さな扉」を意味する「portula」から来ており、果実が熟して裂開する時に、扉が開いているように見える所からきています。
- 種小名のgrandifloraはラテン語で「大きい」を意味する「grandis」と、ラテン語で「花」を意味する「flos」の2語からきており、大きな花を意味しています。
- マツバボタンの由来は葉の形が「松の葉」に似ている所と、花の形が「ボタン(牡丹)」に似ている所からきています。
マツバボタンの特徴(魅力)
- マツバボタンの特徴は、葉の形が松の葉のような針形をしている所、草姿がほふく性で、茎が横に移動したり下垂したりする所、開花期間が長い所、花径は2.5~3cm程度あり、花数が多く株を覆うように沢山咲くため花絨毯のような見た目になる所などにあります。
- 園芸では、地被植物として利用して花絨毯のように仕立てられたり、またハンギング仕立てにして上から下へと下垂する優雅な草姿と花が楽しまれたりします。
- 草姿はほふく性、茎は横に移動したり下垂したり傾状するため、園芸では地被植物やハンギング仕立てにされる事が多いです。
- 葉の形は線形または針形、葉の質感はぷにぷにと多肉質です。
- 開花期間は初夏から秋頃までと、とても長いため長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 花は直径が2.5~3cm程度あり、多花性で株を覆うように沢山の花が咲くため、開花期になると花の絨毯を敷いたような景観をつくる事が可能です。
- 花の色は赤色・桃色・橙色・黄色・白色と鮮やかなためカラフルな印象を感じさせる事が出来ます。
- 花は一般的に日中開き夜になると閉じる性質がありますが、新しい品種の多くは夜間にも花が閉じず終日開花している事が多いです。
- 開花期になると花蜜を求めて蜜蜂が集まるため、花の周りを元気に飛び回る蜜蜂の姿や、花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- マツバボタンの仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「花壇の縁取り」「枝垂れる植物」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- 花壇の縁取りとは、花壇の外縁に沿って、または花壇の外縁を作るように、草丈の低い植物を並べて植えて、花壇外縁のデザインを作る方法です。花壇の中に統一感やリズムを作り、美しい景観を作り出す事が出来ます。
- 枝垂れる植物とは、植物の茎が上から下へと下垂する習慣(決まりのように繰り返す癖)がある植物です。
- マツバボタンはハンギングバスケットや傾斜のある壁面などに植える事で、茎葉が滝のように枝垂れ下垂したり、人工的な壁面を茎葉が覆い隠し人工物と自然の境界を曖昧にするため、ナチュラルな美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
- マツバボタンは乾燥に強いためロックガーデンに向いており、岩壁を覆うように広がり被覆する事が出来ます。
マツバボタンの草丈は約10~30cm、草姿はほふく性、茎は横に広がったり、傾状したり、下垂したりする、茎の質感は多肉質、茎の色は緑色または淡い赤褐色です。
葉身の長さ約2.5cm、葉身の形は線形または針形、葉の質感は肉厚、葉の色は緑色です。
花径は約2.5~3cm、花の形は花弁が五個または五個以上で皿状に開く、花弁の形は倒卵形、花弁の色は赤色・桃色・黄色・橙色・白色、雄蕊の数は約50個、雄蕊の色は黄色です。
果実は蒴果、形は菱形または卵形、成熟すると上部分が外れて種子を放出します。
マツバボタンの園芸品種の紹介
ポーチュラカの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マツバボタンの育て方
花壇の土づくり
日当り
マツバボタンは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
マツバボタンは、多肉質な茎や葉を持っている事からもわかる通り、乾燥に強い植物です。
そのため、地植えする場合は、ロックガーデンをイメージしながら、通気性と排水性の高い、適度に肥沃な土壌に植えてあげるとよいでしょう。
また水分が停滞して過湿する土壌では根腐れを引き起こして、生育不良となったり、枯れる原因となったりします。そのため、雨の後に水が集まるような場所や、粘土質な土壌で育てるのは避けた方がよいでしょう。
植え付けの前に土壌診断を行い、土壌診断の結果に従って、土壌改良材を入れて通気性・排水性の高い土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植付け間隔
- 植付け間隔は15~25cm程度の間隔で離します。
- 植え付け方法
- 植付け方法は標準植えで行います。苗(根鉢)の1.5~2倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除き、標準植えで植え付けを行いましょう。
鉢土づくり
日当り
マツバボタンは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
マツバボタンの培養土は、一般的な草花の培養土を選ぶと良いでしょう。
自作する場合は通気性・排水性が高めのバランスが良い培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
マツバボタンは、一般的な多肉植物ほどではないですが、乾燥にとても強い植物です。そのため、少し水やりを忘れた位では枯れることはありません。
ただし、水のやり過ぎで過湿になると根腐れを引き起こして枯れる事があります。そのため、水やりの頻度には注意が必要になります。
地植え
地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時には必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため注意が必要になります。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面から数cmが乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
マツバボタンは、砂地や岩場などに自生していることからもわかる通り、栄養の乏しい土壌でも問題なく成長します。
ただし、肥料の効果はあり、株を大きくしたり、沢山の花を咲かせたりするために、生育期間中はしっかり肥料を与える方がよいでしょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 春から秋の生育期間中に与えます。
- 肥料の選び方
- 肥料は緩効性肥料がおすすめです。
- 肥料の成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
マツバボタンの剪定は基本的に不要です。
ただし、決められた範囲を逸出して成長する事があるため、必要に応じて切り戻し剪定を行い株の形を整えるの事が出来ます。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 生育期間中であれば、何時でもおこなえます。
- 剪定方法
- 枯れた茎・古い茎・病気の茎・弱々しい茎などは、根元から剪定するか、健康な部分まで切り戻し剪定しましょう。
- 茎葉が決められた範囲を逸出して成長しようとしてる場合は、茎葉を短く切り戻し剪定して形を維持しましょう。
夏越しする方法
マツバボタンは、夏の暑さと乾燥に強く基本的に夏越し対策不要です。
ただし長雨などで地面に水分が停滞すると、根腐れを引き起こし生育不良を引き起こす可能性があります。そのため、土壌の排水性を高めておいたり、長雨を避けた場所に移動しておくなどの対策をしておくとよいかもしれません。
夏越しで重要なポイント
- 長雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 日向または半日影で育てましょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:10~11
マツバボタンは、多年草ですが一般的には冬に枯れる一年草として扱われています。
基本的に霜の降りる地域では、冬越し対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。
挿し木や株分けで増やす
マツバボタンは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は発根率の高い晩春から夏頃または秋が適します。※秋に行う場合は屋内で管理する。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを7cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程をいれます。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
マツバボタンの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約7~21日
発芽条件:
- 種まきの時期
- 3月~5月
- 発芽温度が高いため暖かくなってから種を撒くか、保温マットを利用して種を撒きます。
- 土の準備
- ピートバンや種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減るでしょう。花壇の土に撒くことも可能です。
- 種の撒き方
- 種は重ならないように、用土の上にばら撒きして、基本的に土は被せません。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。