原産:ヨーロッパ/アジア/北アメリカ
科:ヒガンバナ(Amaryllidaceae)
属:アリウム/ネギ(Allium)
種:スコエノプラスム(schoenoprasum)
英名:チャイブ(Chives)
別名:アリウム・スコエノプラスム
開花時期:4月~6月
花の色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約30~50cm
誕生花:6月2日
花言葉:素直/忠実/柔軟性
用途:切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
チャイブとは!?
チャイブは学名Allium schoenoprasum、別名「アリウム・スコエノプラスム」とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア、北アメリカを原産とする多年草です。
チャイブの語源(由来)
- 属名のAlliumはラテン語の「alium」からきており、ネギ属の何れかの球根状の植物に由来します。
- 種小名のschoenoprasumはギリシャ語で「カヤツリグサ」もしくは「イグサ」を意味する「σχοίνος(skhoínos)」と、「ネギ」を意味する「πράσον(práson)」の2語からきており、チャイブがイグサの様な葉をもっている事に由来します。
チャイブの特徴(魅力)
- チャイブは葉を中心に花や球根に至るまで全草が食用とされています。
- ↳チャイブの味は玉ねぎをマイルドにしたような感じです。
- ↳薬効としては血行改善や抗酸化作用等があります。
- 花は花茎の頂部で10~30個迄の小花が球状に集まり咲きます。
- ↳花(小花)は桃色で花被片は大きく開かず前に突き出るためふさふさした感じになります。
- ↳桃色の花はふんわりとした優しい印象を与えるため、ロマンチックで甘い雰囲気のあるお庭等におすすめです。
- 葉はネギを思わせる様な円柱形をしています。
- 茎や葉は傷つけるとニンニク特有の匂いがあります。
- 地面下にある球根(鱗茎)は増えやすく密集しやすいです。
チャイブは地面下に円錐形の鱗茎があり、鱗茎の大きさは直径約0.5(~1)cm幅約1.5(~2)cm、薄皮に包まれ灰褐色(~薄黄色)をしてておりしばしば赤みを帯びています。葉は基部から出るのみで茎葉はなく通常1(~2)個、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約20(~60)cm幅約0.2(0.7)cmあり、葉身の形は円柱形です。花茎は30(~50)cmに伸び、花序は約10(~30)個の花が集まり散形花序をつくり開花前は薄褐色の苞葉で包まれます。個々の花は花被片が6個、雄蕊が6個、雌蕊が1個あります。花後に出来る果実は蒴果で種子は黒色です。
開花時期は春から初夏、花色は桃色もしくは白色、個々の花は6個の花被片と6個の雄蕊と1個の雌蕊があり、花序は散形花序をつくります。草姿はロゼット状で地面下に球根(鱗茎)があり高さは最大約40cm × 幅は約30cmの間で成長します。葉色は緑色、葉身は円柱形です。
チャイブの収穫時期や食べ方の紹介
食用部分:葉・花・球根
収穫時期:4月~11月(7cm以上の葉を収穫)
食べ方:炒め物・スープ(吸い物)・ティー(お茶)・調味料(風味漬け)
効能:抗酸化作用/整腸作用/食欲増進/消化促進/血行改善/抗菌作用等
チャイブの食用部分
チャイブは一般的に葉の部分が食用として利用されますが、葉の他にも花や球根等の全草が食用として利用出来ます。チャイブの風味は玉ねぎをマイルドにしたような感じがあり、また調理すると味が更にマイルドになるため食べやすくなります。
チャイブの収穫方法
チャイブ葉の収穫期間は長く春から霜が降りるまで長く収穫出来ます。ただし新しい葉と古い葉、季節により風味は変わりってきます。一般的には新しい葉はジューシーで美味しく古い葉は硬く繊維質になり食べにくいです。また季節では夏場が1番風味が強くなるとされており刺激的な味になります。
収穫する際は中途半端に葉を切ったり(折ったり)せずに、必ず葉の根元から収穫して次の新しい成長を促しましょう。収穫は葉の根元をハサミで切ったり指で横に折る事で収穫出来ます。また花は開花期間に収穫出来ます。球根は何時でも収穫する事が可能です。
チャイブの葉の食べ方
チャイブの葉は好みの長さで切ったり刻んだりして「炒め物」「スープ」「卵焼き」「パスタ」等に入れて食べられるのが一般的です。
チャイブの花の食べ方
チャイブの花は生のまま「サラダ」に入れられたり「スープ」の中に飾り付け香り付けとして入れられて食べられます。
チャイブの球根の食べ方
チャイブの球根は玉ねぎの代用として「炒め物」「スープ」等に入れて食べる事が出来ます。ただし、チャイブの球根は小さく収穫すると葉の収穫等が出来なくなるため、食べるメリットはあまりないかもしれません。
チャイブの栄養や効能
チャイブには豊富なビタミンやミネラル類が含有しており栄養満点です。またチャイブに含有する精油(ジプロピルジスルフィド等)は食欲増進や血行改善に繋がるとされています。
チャイブの栽培方法
園芸では、一般的に葉を収穫食べる目的でハーブガーデン等に植えて楽しまれますが、花壇の縁どりに植えてふさふさとした葉を被覆植物として利用されたり、桃色の可愛らしい花を鑑賞する目的で育てられたりします。
チャイブを育てる際に注意する事は「極端な暑さ」です。基本的には丈夫な植物ですが、暑さの厳しい地域では生育が衰えやすいため半日影に移動したり、必要に応じて遮光ネットを利用するといいでしょう。
アリウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アリウムの珍しい種類と主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
チャイブの育て方
花壇の土づくり
チャイブは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし暑さの厳しい地域では、夏の暑さを避けるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい事もあります。植える場所は地域に合わせて直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たる半日影で育てましょう。
チャイブは、通気性がよく有機物(腐植)がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れたり、またバラバラと崩れる場合は必要に応じて保水性を高める田土や黒土を入れたり、その他にも肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やバーク堆肥を入れたりして土壌改善を行いましょう。
球根(鱗茎)の植え付けは春もしくは秋に行います。植え付ける深さは約2~3cmです。
鉢土づくり
チャイブは基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で管理しましょう。夏の暑さの厳しい地域では、必要に応じて株が弱らないように半日影に移動します。
チャイブは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く、肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 黒土+腐葉土+パーライト(極小粒)=5:3:2
水やりの仕方
チャイブは浸水する様な状態を嫌いますが、旺盛に成長する時期はしっかり水やりを行いましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
チャイブは多くの肥料を必要としません。肥料は植付け時もしくは春に元肥を入れるのみです。また基本的には不要ですが、鉢植えで育てていて栄養が足りなくなると感じる場合は必要に応じて追肥を与えましょう。
- チャイブの植付け時もしくは春に元肥を与えましょう。
- 元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料(有機肥料)を選び成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料もしくは、窒素が多めに入る右下がり型肥料を選びましょう。
- 元肥の入れ方は全面施肥もしくは置き肥で与えましょう。
- 追肥は基本的に不要です。
- 追肥する場合は秋に窒素成分が多めの配合肥料もしくは化成肥料を与えましょう。
剪定のやり方
チャイブの剪定は「花がら摘み」と「切り戻し」「収穫」の3つです。
花がら摘み
チャイブの花がら摘みは開花期間が終わったら、花茎の根元から個々に間引きするか、株全体を根元から一気に切り戻します。
花がら摘みを行わないと、枯れた花が残り見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育がにぶったり、新しい葉が作られにくくなります。
切り戻し
チャイブは生育期間中であれば何時でも根元から切り戻しする事が出来ます。古い葉や花を根元から切り戻しする事で新しい葉の成長を促す事が出来ます。ただし新しい葉が成長して収穫が出来る様になるまでに数週間の時間がかかります。それを防ぐために株ごとに切り戻しのタイミングをずらすといいかもしれません。
播種で増やす
チャイブの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に軽く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。