原産:ヨーロッパ
科:ヒガンバナ(Amaryllidaceae)
属:アリウム/ネギ(Allium)
種:スファエロセファロン(sphaerocephalon)
別名:タンチョウ アリウム(round headed allium)/アリウム・スファエロセファロン/ラウンドへディッド ガーリック(round headed garlic)/ドラムスティック アリウム(Drumstick allium)
開花時期:5月~7月
花の色:緑色●赤色●紫色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約30~50cm
誕生花:6月7日/6月24日
花言葉:無限の悲しみ/くじけない心
用途:切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
タンチョウアリウムとは!?
タンチョウアリウムは学名Allium sphaerocephalon、別名「アリウム・スファエロセファロン」や「ドラムスティック アリウム(Drumstick allium)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
タンチョウアリウムの語源(由来)
- 属名のAlliumはラテン語の「alium」からきており、ネギ属の何れかの球根状の植物に由来します。
- 種小名のsphaerocephalonはラテン語で「球形」「円形」を意味する「spherical」からきており、恐らく花の形に由来します。
タンチョウアリウムの特徴(魅力)
- タンチョウアリウムの花は小花が球状に集まり直径2.5~6cmの卵の様な形をしています。
- 花の色は成熟するに連れて緑色から紫色(赤紫色)へと色がかわるため下部が緑色で上部が紫色(赤紫色)と2色になる事もあります。
- 個々の花の花被片は大きく開かず雄蕊や雌蕊が突出するため一部(上部)がふさふさとした見た目をつくり個性的な花姿をつくります。
- 赤紫色の花は熟成したワインを連想させるためゴージャスで派手な印象のお庭やエレガントで優雅な雰囲気をつくるお庭などにおすすめです。
- 個性的な形の花は切り花やフラワーアレンジメントの花材としても人気が高いです。
- 管理の仕方でもかわりますが切り花の日持ちは約1~2週間と長いです。
- 葉はネギ等を連想させる様な円柱形をしています。
- 葉の多くは花が開花するまでに枯れます。
- 茎や葉は傷つけるとニンニク特有の匂いがあります。
- 地面下にある球根(鱗茎)をもちます。
開花時期は晩春から夏、花色は緑色から紫色(赤紫色)、個々の花は6個の花被片と6個の雄蕊と1個の雌蕊があり、花序は直径約1~6cmの散形花序の花を咲かせます。草姿はロゼット状で地面下に球根(鱗茎)をもち高さは最大約30(50)cm × 幅は約30(45)cmの間で成長します。葉色は緑色、葉身は円柱形です。
タンチョウアリウムの切り花の楽しみ方
- タンチョウアリウムの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- タンチョウアリウムの収穫は花が4分の1から2分の1以上開いたタイミングで行います。
- 好みの長さで花茎を切りバケツに入れて収穫します。
- 収穫したタンチョウアリウムを水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは管理の仕方で変わりますが約7~14日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水換えと水切りを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
タンチョウアリウムの栽培方法
園芸では、垂直にスラッと花茎が伸びる洗練された姿と、頂部で小花が密に集まり球状に咲くボリューミーな花姿を鑑賞する目的で育てられます。茎は垂直に伸びて、比較的に背が高くなるため花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また切り花として利用する目的で植えられたりします。
タンチョウアリウムを育てる際に注意する事は「休眠中の多湿」です。何故なら休眠中の夏に高温多湿になると、球根(鱗茎)が腐敗する原因になるからです。そのため、夏の間は雨に当たらない場所に鉢を移動したり、また球根(鱗茎)を掘り起こし、冷暗所で管理した方がよいでしょう。
アリウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アリウムの珍しい種類と主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
タンチョウアリウムの育て方
花壇の土づくり
タンチョウアリウムは健康な成長を促すために直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
タンチョウアリウムは、基本的に水捌けと通気性がよく適度に肥沃な土壌を好みます。水分が停滞する様な粘土質な土壌では球根(鱗茎)が腐敗する原因になるため避けましょう。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れたり、また肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やバーク堆肥を入れ土壌改善を行いましょう。
球根(鱗茎)の植え付けは9月~10月に行います。植え付ける深さは約10~15cmもしくは球根(鱗茎)2~3個分の深さに植え付けます。
鉢土づくり
タンチョウアリウムは基本的に直射日光が6時間以上あたる日向で管理しましょう。
タンチョウアリウムは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥(適量)
- 赤玉土(5割)+腐葉土(3割)+パーライト(2割)+元肥(適量)
水やりの仕方
タンチョウアリウムを浸水する様な状態を嫌いますが、旺盛に成長する時期はしっかり水やりを行いましょう。また活着すると、乾燥に強くなります。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
タンチョウアリウムは多くの肥料を必要としません。肥料は植付け時もしくは秋に元肥を入れるのみです。また基本的には不要ですが早春に再度追肥する事もできます。
- タンチョウアリウムの植付けは秋に行われるため、元肥は秋に入れます。
- 元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料(有機肥料)を選び成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料もしくは、リンが多めに入る山型肥料を選びましょう。
- 元肥の入れ方は全面施肥(培養土もしくは土に均一に混ぜ込む)しましょう。
- 追肥は基本的に不要です。
- 追肥する場合は早春に緩効性肥料を与えましょう。
剪定のやり方
タンチョウアリウムの剪定は基本的に不要です。
枯れた葉や花を必要に応じて取り除きましょう。
夏越しする方法
タンチョウアリウムは夏の間も植えっぱなしで育てる事も出来ます。
ただし休眠中は夏の長雨による浸水や高温多湿で球根が腐敗しやすくなるため、必要に応じて球根を掘りあげて乾燥貯蔵する事も出来ます。
タンチョウアリウムの夏越し対策
- 花が終わり地上部の葉が枯れてしまったら晴天の日に球根を掘りあげます。
- 日陰で数日乾燥させます。
- ネットに球根を入れたら、風通しの良い冷暗所で乾燥貯蔵します。
- 秋の植え付け時期に植え直します。
冬越しする方法
Hardiness:4b~9a
タンチョウアリウムは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
タンチョウアリウムは分球によって増やす事ができます。
分球
タンチョウアリウムは花や葉が枯れる7月頃に球根を掘りあげ分球して増やすことが出来ます。分球後は秋まで保管して再度植え直します。
分球後の子球が通常綺麗な開花を迎えるまでに2年程かかります。
播種で増やす
タンチョウアリウムの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- タンチョウアリウムの種を秋に撒き、春に発芽させる場合はそのまま種を撒いて問題ありません。
- 冬の寒さを経験させない場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で6~8週間保管して種を撒きます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に軽く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
タンチョウアリウムの病気
- アリウム腐敗病
- 黒斑病
- さび病
- 疫病
タンチョウアリウムの害虫
- アブラムシ