ヨモギ属は北半球の温帯地域を中心に約400種以上がある多年草もしくは低木の植物です。一般的に園芸では、丸みを帯びたレースの編み物の様な葉の形とシルバーリーフが魅力的なシロヨモギ、クッションの様なふわふわしたドーム状の草姿に光の反射で輝くような葉色が美しいアサギリソウ、垂直に伸びる洗練された草姿と香りの良いシルバーリーフが魅力的なルドビシアナ種等が親しまれています。
ヨモギ属はよ、一般的に寒さに強い一方で、夏の高温多湿を苦手にしており根腐れ等で株が弱る事もしばしばあるため育てる際は注意が必要です。
種毎の育て方は写真をクリックすると出てきます。
このページでは主に種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
原産:日本/中国/ロシア
学名:Artemisia stelleriana
草丈:約20~60cm
開花時期:8月~10月
分類:多年草
耐寒性:強い
耐暑性:普通
花言葉:「幸福」「平和」
特徴:シロヨモギは学名Artemisia stelleriana、別名「アルテミシア・ステレリアナ」や「ホアリー・マグワート(hoary mugwort)」等とも呼ばれ日本及び中国、ロシアを原産とする多年草で、日本では北海道や本州に分布して海岸の砂地等に自生しています。和名「シロヨモギ」の由来は白色の毛で覆われたヨモギからきています。
シロヨモギの語源(由来)
- 和名「シロヨモギ」の由来は白色の毛で覆われたヨモギからきています。
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
- 種小名のstellerianaはドイツ出身の博物学者Georg Wilhelm Stellerへの献名です。
シロヨモギの特徴(魅力)
- 茎や葉は白色の毛で覆われシルバーリーフとして親しまれる
- ↳シルバーリーフは清潔感があり明るい
- ↳どんな色の花とでも調和がとりやすい
- 葉は細く裂けレースの編み物を連想させる
- 根茎で広がり群生すると雪景色のようにもなる
シロヨモギは地面下に根茎をもっており、海岸の砂地等でしばしば広範に広がり群生する姿が見られます。茎は葉と同様に白色の毛で覆われており、匍匐もしくは立ち上がって最大60cmまでの高さに成長する事がありますが、多くの場合は30cm程度の高さまでしか成長しません。葉は丸みを帯びながら縁部分が緩く裂け(羽状中裂)ており、また葉の表面裏面ともに白色の毛が密生しているためレースの編み物の様な美しい外観が作られます。そのため園芸ではシルバーリーフとして親しまれています。
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花の集まる頭花で、花序は円錐花序に花を咲かせます。草姿は這性もしくは直立して高さは約20(60)cm × 幅は約20(60)cmに成長します。葉色は緑色に白色の毛が密生しており葉身は羽状中裂、葉序は互生葉序につきます。
シロヨモギの栽培
園芸では、美しいシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられる事が多く、他の草花の引き立て役として利用されたりもします。花壇では縁どりとして並べて植えられたり、また鉢植えの中で寄せ植えの素材として利用されたりします。育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分け、種を撒く事で増やせます。
シロヨモギ |
原産:日本
学名:Artemisia schmidtiana
草丈:約15~60cm
開花時期:8月~10月
花色:黄色●
葉色:緑色●白色〇
分類:多年草
耐寒性:強い
耐暑性:普通
誕生花:5月7日/6月7日
花言葉:「光」「喝采」「脚光」「慕う心」
特徴:アサギリソウは学名Artemisia schmidtiana、別名「シルバーマウンド(silvermound)」等とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では北海道や本州に分布して崖地等に自生しています。
アサギリソウの語源(由来)
- 和名のアサギリソウ(朝霧草)の由来は、光を通す細い葉と光に輝く白色の葉色が朝霧を連想させる所からきています。
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
アサギリソウの特徴(魅力)
- 柔らかなクッションを連想させるドーム状の草姿
- 葉は非常に細く裂け綿菓子の様なふわふわした質感を感じさせる
- ↳葉には絹の様な白色の毛が生えシルバーリーフとして観賞用に育てられる
- ↳白色の毛は光を反射してキラキラとする
- ↳シルバーリーフはどんな色の花とでも調和がとりやすい
- 乾燥に強く低メンテナンスで育てられる
アサギリソウは殆ど分枝することない茎を地面から多数伸ばして放射状に広がり、自然状態では最大60cmの高さまで成長する事があります。ただ一般的に園芸で育てられる品種等は30cm程度の高さで育てやすく、また沢山の茎を出して草姿も美しい物が殆どです。葉は非常に細く何回も裂け(羽状複葉)ており、また絹の様な毛が密生する事でシルバーリーフの外観と光に当たると反射する光沢があります。花はキク科特有の頭花で、茎に連なる様に穂状に咲きますが、花が咲き終わると茎は成長を止め、葉も落葉して枯れる様に倒れ装飾性を失います。
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花の集まる頭花で、穂状に小花(頭花)が集まり花を咲かせます。草姿は直立してドーム状になり高さは約20(60)cm × 幅は約20(60)cmに成長します。葉色は緑色に白色の毛が密生しており、葉身は線形で羽状複葉して、葉序は互生葉序につきます。
アサギリソウの栽培
園芸では、美しいシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられる事が多く、他の草花の引き立て役として利用されたりもします。花壇では縁どりとして並べて植えられたり、また鉢植えの中で寄せ植えの素材として利用されたりします。育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分けで増やす方法が一般的ですが、種をとって撒く方法でも増やせます。
アサギリソウ(ナナ)は非常に背が低く沢山の茎が出る事で、コンパクトでボリュームある草姿をつくる魅力的な園芸品種です。葉には絹の様な白色の毛が密生するためシルバーリーフとして人気があり、また光が当たると反射してキラキラと輝くため足元を明るく彩ります。高さは約15cm × 幅は約30cmに成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q |
原産:北アメリカ
学名:Artemisia ludoviciana
草丈:約60cm~90cm
開花時期:7月~9月
花色:黄色●
葉色:緑色●白色〇
分類:多年草
耐寒性:強い
耐暑性:普通
誕生花:7月26日
花言葉:「光」「喝采」「脚光」「注目を集める」
特徴:アルテミシア(ルドビシアナ)は学名Artemisia ludoviciana、別名「シルバーマウンド(silvermound)」等とも呼ばれる日本原産の多年草です。日本では北海道や本州に分布して崖地等に自生しています。
アルテミシア(ルドビシアナ)の語源(由来)
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
- 種小名のルドビシアナ(ludoviciana)はラテン語で「ルイジアナ」を意味しており自生地に由来しています。
アルテミシア(ルドビシアナ)の特徴(魅力)
- 茎は垂直に伸びる洗練された草姿
- ↳根茎により広がる
- 葉は細長い線形で縁部分がしばしば強く裂ける
- ↳葉には白色の毛が生えシルバーリーフとして観賞用に育てられる
- ↳シルバーリーフはどんな色の花とでも調和がとりやすい
- ↳葉は潰すと良い香りがする
- 乾燥に強く低メンテナンスで育てられる
アルテミシア(ルドビシアナ)は殆ど分枝することない茎を垂直に伸ばし約90cmの高さまで成長します。葉の形は最大11cmと細長く、縁部分が裂けないものから強く裂けるものまで可変するため形は様々です。また葉は表面裏面ともに白色の毛が密生して美しい外観となるためシルバーリーフとして高い人気があります。花はキク科特有の頭花で、白色の苞葉で覆われます。開花期になると茎の上部で花穂が円錐状に集まり多数の花が咲きますが、花は小さく同系色(白色の苞葉)のため目立ちません。
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花の集まる頭花で、花序は小花(頭花)が円錐状に集まり円錐花序に花を咲かせます。草姿は直立して根茎により広がり高さは約60(90)cm × 幅は約30(90)cmに成長します。葉色は緑色に白色の毛が密生しており、葉身は線形で縁部分が全円もしくは浅裂~深裂して、葉序は互生葉序につきます。
アルテミシア(ルドビシアナ)の栽培
園芸では、美しいシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられる事が多く、他の草花の引き立て役として利用されたりもします。アルテミシア(ルドビシアナ)は比較的に背が高くなる事から花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりして楽しまれたりします。育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分けで増やす方法が一般的ですが、種をとって撒く方法でも増やせます。
アルテミシア(シルバークィーン)はスラリと伸びる背の高い茎と、白色の毛で覆われた美しいシルバーリーフが魅力的な園芸品種です。銀白色の美しい葉はどんな色の葉や花との相性よく同調するため優れた名脇役となり、紫色の花と合わせれば上品でエレガントな雰囲気の花壇となったり、濃い赤色の花と合わせれば高級感と大人の雰囲気を感じさせる魅力的な花壇となったりするでしょう。高さは約60(90)cm × 幅は約60(90)cmに成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q | アルテミシア(シルバーキング)は一般的な種よりも侵襲性が低く背が高くコンパクトな草姿をつくり、美しいシルバーリーフが楽しめる園芸品種です。高さは約90cm × 幅は約60cmに成長します。 |
原産:ヨーロッパ/北アフリカ/中東
学名:Artemisia absinthium
草丈:約30~120cm
分類:多年草
開花時期:7月~9月
花色:黄色●
葉色:緑色●白色〇
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:7月26日
花言葉:「平和」「冗談」「からかい」「愛の離別」
特徴:ニガヨモギは学名Artemisia absinthium、別名「ワームウッド(wormwood)」や「アブシンチウム(absinthium)」等とも呼ばれヨーロッパ/北アフリカ/中東を原産とする多年草です。
ニガヨモギの語源(由来)
- 和名「ニガヨモギ」の由来は食べた時の味が苦い事からきています。
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
- 種小名のabsinthiumの由来は古代ギリシャ語の「ἀσπίνθιον」からきています。
ニガヨモギの特徴(魅力)
- ニガヨモギは垂直に高く伸びる茎と灰緑色の葉を鑑賞する目的で育てられます
- 葉は緑色ですが白色の毛状突起が密生するためシルバーリーフの外観をつくります
- ↳また毛状突起には香りの元になる精油が溜まっているため
- ↳葉を潰すとヨモギ特有の良い香りがします
- ニガヨモギは酒やワイン等の風味漬けに利用されており
- ↳また幾つかの薬効もあります
- ↳ただし有毒成分のツジョンを含有しているため多量の摂取は出来ません
ニガヨモギは短い直根とひげ根をもっています。茎は基部が木質化しますが新しく成長した部分は緑色、よく枝分かれして高さ30~120cmの間で成長します。葉は香りがよく、葉色は緑色ですが白色の毛状突起に覆われているため灰緑色の外観をしています。葉の形は羽状複葉で葉先が丸みを帯びており、互生に配置されます。花は小花と花穂が円錐状に並び円錐花序をつくり、個々の花は黄色の筒状花のみで頭花をつくります。
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花の集まる頭花、花序は円錐花序に花を咲かせます。草姿は直立して高さは約30(120)cm × 幅は約30(90)cmに成長します。葉色は緑色に白色の毛が密生しており、葉身は羽状複葉、葉序は互生葉序につきます。
ニガヨモギの香りの印象と精油成分
ニガヨモギは葉の部分にはヨモギ特有の独特な香りがあり、葉の香りを特徴づける精油には「ミルセン」「サビネン」「シネオール」「ツジョン」等が含まれています。
- ミルセンは「コショウ」「バルサミコ酢」等に例えられる甘酸っぱく爽やかな香りがあり、フルーティでミントを思わせる様な風味(フレーバー)をもっています。植物では月桂樹やホップ等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
- サビネンは「木の香り」「柑橘系」「スパイシー」等に例えられる爽やかで優しい香りがあり、風味(フレーバー)はウッディ(木)で辛さを感じさせます。一般に植物ではマジョラム等に含まれており、黒胡椒の絡みに寄与する成分の1つです。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- ツジョンは「メントール」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる爽やかな香りがあります。一般に植物ではタンジーやニガヨモギ等に含まれており、精油は有毒です。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
ニガヨモギの既知の危険性
ニガヨモギは精油に有毒成分のツジョンを含有しています。そのため、人によっては汁を触るだけでも接触性皮膚炎(アレルギー)を引き起こす可能性があります。また多量に摂取すると脳や腎臓、肝臓等にダメージを与え、痙攣を起こし、最悪の場合死亡する事もあります。そのため、ニガヨモギは多量摂取は出来ません。
ニガヨモギの栽培
園芸では、美しいシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられる事が多く、他の草花の引き立て役として利用されたりもします。比較的に背が高くなる事から花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりして楽しまれたりします。育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分け、種を撒く事で増やせます。
ニガヨモギ |
原産:地中海沿岸
学名:Artemisia absinthium
草丈:約60~120cm
分類:亜低木
開花時期:7月~9月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:
花言葉:
特徴:オキナヨモギ(サザンウッド)は学名Artemisia absinthium、別名「キダチヨモギ」や「ラッツラブ(lad’s love)」等とも呼ばれ地中海沿岸を原産とする亜低木です。
オキナヨモギ(サザンウッド)の語源(由来)
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
- 種小名のabsinthiumの由来は古代ギリシャ語で「ヨモギ」を意味する「ἀβρότονον(abrótonon)」からきています。
オキナヨモギ(サザンウッド)の特徴(魅力)
- オキナヨモギは葉に樟脳やコーヒーを連想させる甘く鋭い香りがあります
- ↳また1部の品種(コーラ)ではサイダーの様な香りがあります
- ↳葉は伝統的に芳香剤やストローイングハーブ等に利用されています
- オキナヨモギの精油(樟脳等)は蚊や蛾等の昆虫に対して忌避作用があり
- ↳衣服にスプレーされたりクローゼットに吊るされていました
- イタリア等の自生地ではハーブティーやデザートの香り漬け等に利用される事があります
- 葉は羽毛の様にふさふさしていて装飾的です
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花の集まる頭花、花序は円錐花序に花を咲かせます。草姿は直立して高さは約60(120)cm × 幅は約60(90)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は糸状で羽状複葉、葉序は互生葉序につきます。
オキナヨモギ(サザンウッド)の香りの印象と精油成分
オキナヨモギ(サザンウッド)は葉の部分には「樟脳」や「コーヒー」を思わせる甘く鋭い香りがあり、また品種(コーラ)によってはサイダーの様な香りがするものもあります。葉の香りを特徴づける精油には「シネオール」「樟脳」等の複数の精油が含まれています。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- 樟脳は「クスノキ」「防虫剤(衣服)」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした冷感のある味があります。一般に植物ではクスノキやローズマリー等に含まれており、精油は医薬品や防虫剤等に幅広く利用されています。樟脳の精油の効果には「抗菌作用(防腐効果)」「抗ウィルス作用」「防虫作用」等があります。
オキナヨモギ(サザンウッド)の栽培
園芸では、羽毛の様にふさふさした草姿を楽しむ目的であったり、香り良い葉を楽しむ目的で育てられる事が多く、基部で枝分かれ良くボリューミーな草姿を作る事から花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりして楽しまれたりします。
育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分け、種を撒く事で増やせます。
オキナヨモギ |
原産:南ヨーロッパ/西アジア
学名:Artemisia dracunculus
草丈:約30~150cm
分類:多年草
開花時期:6月~8月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:8月5日/11月20日
花言葉:「潔癖」「不変の好奇心」
特徴:タラゴンは学名Artemisia dracunculus、別名「エストラゴン(estragon)」等とも呼ばれ南ヨーロッパおよび西アジアを原産とする多年草です。
タラゴンの語源(由来)
- タラゴンの由来は古代ギリシャ語で「ドラゴン」を意味する「ράκων(drákōn)」からきており根の形に由来すると言われています。
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
- 種小名のdracunculusはラテン語で「小さなドラゴン」を意味しており、根の形に由来すると言われています
タラゴンの特徴(魅力)
- タラゴンの葉はアニスを思わせる香りと風味があり
- ↳新鮮な葉をオリーブに漬けたりビネガー漬けにして料理に利用されます
- 欧州ではタラゴンに含有するエストラゴールがラット実験の結果により発がん性や遺伝子毒性があるのではないかと疑われています
- ↳人間の場合は一般的な消費量であれば問題ないとされています
- 花は不稔性のため種による繁殖出来ません
- ↳ロシアンタラゴン(Russian tarragon)は種子をつくります
- ↳タラゴンは根茎により広がるため一般的に株分けで増やします
タラゴンは地面下で広がる根茎をもっており、茎は根茎から直立してよく分枝して高さ30~150cmの間で成長します。葉は細長く長さ約2(~8)cm幅約0.2(~1)cmあり披針形で、茎に対して互生に配置されます。花は小花と花穂が円錐状に並び円錐花序をつくり、個々の花は黄色の筒状花のみで頭花をつくります。花後は不稔性のため種をつくりません。
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花のみが集まる頭花、花序は円錐花序に花を咲かせます。草姿は直立して根茎で広がり高さは約30(150)cm × 幅は約30(90)cmに成長します。葉色は緑色に白色の毛が密生しており、葉身は羽状複葉、葉序は互生葉序につきます。
タラゴンの栽培
園芸では、料理用のハーブとして利用される目的でハーブガーデン等で育てられます。育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分けにより増やせます。
タラゴン |