- 原産:イタリア
- 科:キク(asteraceae)
- 属:ヤグルマギク/セントレーア(Centaurea)
- 種:ギムノカルパ(gymnocarpa)
- 別名:ピンクダスティミラー/ベルベット・セントレーア(Velvet centaurea)/フィオルダリソ・デ・カプラーイア(fiordaliso di Capraia)/キャプリアン・コーンフラワー(Caprian cornflower)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:緑色●白色〇
- 分類:多年草
- 草丈:約80~100cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
セントレーア・ギムノカルパとは!?
セントレーア・ギムノカルパは学名Centaurea gymnocarpa、別名では「ピンクダスティミラー」や「ベルベット・セントレーア(Velvet centaurea)」等とも呼ばれるイタリア原産の多年草です。
セントレーア・ギムノカルパの語源(由来)
- 属名のCentaureaは、ギリシャ神話に出てくるケンタウロスに由来しており、ケンタウロスは古代ギリシャ語で「Κένταυρος」になり、ラテン語で「Centaurus」になります。
- 伝承によると、ケンタウロスのカイロンは、ヘラクレスの矢に射抜かれて怪我をした時に、ヤグルマギクで作られた傷薬もしくは湿布を使って傷を覆い、傷が治癒したと言われています。
セントレーア・ギムノカルパの特徴(魅力)
- セントレーア・ギムノカルパは茎や葉が白色の短い毛で密に覆われているため、白色もしくは銀色の外観をしており、園芸ではシルバーリーフとして親しまれています。
- 葉は羽状に分裂して隙間から光を通すため、レースの編み物の様な上品な外観をしています。
- 葉は横へと大きく広がりこんもりした草姿をつくるため、花壇の縁どりなどで使えます。
- 葉の表面に密につく白色の毛は、光と熱を反射して水の損失を抑えるためにあると言われており、実際に乾燥に非常に強い植物です。
- 花はアザミを連想させる様な個性的な花の形をしており、桃色の花を咲かせるため、別名ではピンクダスティミラーと呼ばれます。
- ピンクは花色をさし、ダスティーミラー(Dusty Miller)とは銀色の葉をもつ幾つかの植物の総称もしくは、シロタエギクの事をさします。
- セントレーア・ギムノカルパは乾燥や栄養の乏しい土壌に強いです。
- ただしジメジメした多湿や長雨を苦手にしているため管理場所には注意が必要です。
セントレーア・ギムノカルパは高さ約80(~100)cm、幅約80(~100)cm、草姿はブッシュ状、茎はよく分枝して広がります。茎の色は緑色、白色の短い毛が密生するため白緑色の外観をしています。葉序は根生葉もしくは互生葉序、葉色は緑色、白色の短い毛が密に生えています。葉身は1~2回羽状深裂(~中裂)です。花序は頭状花序、頭状花序は桃色の筒状花のみで構成(外周の花は舌状花とされる場合もある)されています。花序の基部には苞葉があり、苞葉は卵形で苞片が重なっています。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
セントレーア・ギムノカルパの園芸品種の紹介
ヤグルマギク(セントレーア)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヤグルマギクの珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2020】
セントレーア・ギムノカルパの育て方
花壇の土づくり
日当たり
セントレーア・ギムノカルパは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
セントレーア・ギムノカルパがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌のPH
セントレーア・ギムノカルパは土壌のPH6.5~7.5の間を好みます。PHが低すぎると生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
セントレーア・ギムノカルパは通気性と排水性がよく適度に肥沃な砂壌土を好みます。水捌けの悪い粘土質な土壌では根腐れや真菌性の病気にかかりやすくなるため注意が必要です。また肥沃すぎる過ぎる土壌でも草姿が乱れ倒伏しやすくなるため注意が必要です。そのため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
セントレーア・ギムノカルパは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
セントレーア・ギムノカルパは培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
セントレーア・ギムノカルパは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
セントレーア・ギムノカルパを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
セントレーア・ギムノカルパは栄養の少ない土壌でも問題なく育ち、基本的には肥料を必要としません。肥料の与えすぎは、花が少なくなったり、草姿が乱れ株が倒伏しやすくなる可能性があります。そのため肥料の与え方には注意が必要です。
地植えする場合は、極端に栄養の乏しい土壌でない限りは肥料不要です。鉢植えで育てる場合は2週間に一度の頻度で水やりの際に液肥を与えましょう。
剪定のやり方
セントレーア・ギムノカルパは一般的にシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられており、ふさふさとした魅力的な外観をつくるために摘芯や切り戻しの恩恵をよくうけます。何故なら摘芯や切り戻しを行わないと、茎がひょろひょろと間延びしたり、毛が落ちた古い茎葉が残り見た目が悪くなるからです。
摘芯は植物が勢いよく成長する春に行うと良いでしょう。茎の成長点を指で摘みとり分枝を促すだけです。切り戻し剪定は花が終わる頃や、茎が間延びしている時などに行うとよいでしょう。比較的に強い切り戻し耐えるため、好みの場所で剪定するといいでしょう。
夏越しする方法
セントレーア・ギムノカルパは夏の暑さに耐えますが、ジメジメとした多湿を苦手にしており、特に高温多湿環境では生育不良を引き起こしやすくなります。そのため必要に応じて夏越し対策をおこないましょう。
セントレーア・ギムノカルパの夏越し対策
- 高温多湿になる場所を避けて管理しましょう。
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動して、地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てるといいでしょう。
- 土壌の土質が粘土質だったり腐植が多い場合は、植え付けの前にパーライトや川砂などを混ぜて土壌改善を行っておきましょう。
- 周辺より高い場所に植え付けを行うと土壌の排水性が高くなり、水分が停滞しにくくなります。
- 空気の流れの良い場所で管理しましょう。周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。
冬越しする方法
Hardiness:7a~11b
セントレーア・ギムノカルパは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
挿し木や株分けで増やす
セントレーア・ギムノカルパの株分け手順
- セントレーア・ギムノカルパの株分け時期は春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 根茎に数個の芽をつけるようにしてナイフやハサミ等を使い切り分けます。
- 株分けしたらそれぞれの株を植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
セントレーア・ギムノカルパの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7日
発芽条件:
- 種を撒く時期は、暖地では秋、強い霜の降りる地域では春です。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
- 発芽して本葉が5~7枚出たらポット苗を定植しましょう。
植物の病気
セントレーア・ギムノカルパの病気
- 立枯病
- 菌核病
- 白絹病
セントレーア・ギムノカルパの害虫
- アブラムシ
- スリップス
- ヨトウムシ