原産:ヨーロッパ
科:ナデシコ(Caryophyllaceae)
属:ナデシコ/ダイアンサス(Dianthus)
種:ホソバナデシコ(carthusianorum)
別名:カルトゥシアン ピンク(Carthusian pink)
花の色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約15~60cm
草姿:直立
開花時期:4月~8月
誕生花:5月29日
花言葉:嫌悪/才能/純愛/あなたが嫌い
用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ホソバナデシコとは!?
ホソバナデシコは学名Dianthus carthusianorum、別名「カルトゥシアン ピンク(Carthusian pink)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
ホソバナデシコの語源(由来)
- 属名のDianthusの由来はギリシャ語の「Dios(神聖な)」と「Anthos(花)」の2語からきており神聖な花を意味しています。
- ホソバナデシコの由来は葉が細いところからきています。
ホソバナデシコの特徴(魅力)
- ホソバナデシコは葉が非常に細長く華奢な見た目をしている所が特徴です。
- 葉の細さから和名「ホソバ(細葉)」の由来にもなっています。
- ホソバナデシコは地際から何本も直立に茎を伸ばし叢生する草姿をつくります。
- 高さ15~60cm程度とあまり背が高くならないため花壇の縁どりや鉢植え等で育てやすいです。
- 花は紫色の長い苞から直径約2cmの花を咲かせます。
- 花は茎の頂部で半球状に集まり基本的に全て上向きで咲きます。
ホソバナデシコは地面下に根茎があります。草姿は叢生型(根元から多くの茎が出る)で、茎は直立(殆ど垂直に伸びる)に伸び高さ約15(~60)cmの間で成長します。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約7cm、幅約0.5cm、葉身の形は線形です。花序は散房花序で茎の頂部に密に花が集まり半球状に咲きます。個々の花は直径約2cm、花弁の数は5個でふち部分に鋸歯状のギザギザがあり、雄蕊は10個、雌蕊は2個あります。花後に出来る果実は蒴果で、種子は黒色です。
ホソバナデシコの栽培方法
育てる際に注意する事は「長雨の浸水」や「高温多湿」です。何故ならホソバナデシコは長雨による浸水や高温多湿環境になると、根腐れを引き起こしたり、病気になり枯れるリスクが高まるからです。そのため、出来るだけ長雨の影響が少ない場所に植えたり、土壌の排水性を高めておく等の対策が必要でしょう。
ナデシコ(ダイアンサス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ナデシコ(ダイアンサス)の珍しい種類、主な種や園芸品種の紹介【2021】
ホソバナデシコの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ホソバナデシコは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たる半日影で育てましょう。
土壌のPH
ホソバナデシコは土壌のPH7.0~7.5の中性から弱アルカリ性を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
ホソバナデシコは、良好な水捌けがない場合、根腐れを引き起こし生育不良を引き起こす可能性があります。そのため通気性と排水性のよい土壌に植えて上げましょう。また適度に肥沃な土壌を好むため必要に応じて腐葉土等をいれてあげましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなります。土の色が薄い場合は土壌が肥沃じゃない可能性があります。
土壌診断後、作土層が十分でない場合はスコップで土を深くまで掘り起こし石等を取り除きます。土壌が粘土質な場合は必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れましょう。また肥沃さはそれほど必要ありませんが、必要に応じて腐葉土や牛糞等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ホソバナデシコは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また3時間~5時間の半日影までで植えて育てる事が出来ます。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土+くん炭=6::3:1
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土+苦土石灰(適量)=4:3:3:
培養土作成時の注意点
ホソバナデシコは酸性土壌を嫌うため、培養土にアルカリ性のくん炭や草木灰等を混ぜこむか、苦土石灰を混ぜ込む必要があります。
苦土石灰を混ぜ込む量は培養土の土質にも左右されますが、ホソバナデシコは一般的なバランス良い土壌を好むため恐らく壌土に近い培養土を使っているはずです。
壌土のPHを1上げるには培養土10Lに対して苦土石灰15~20g程度を目安に使用します。基本的には1Lあたり1.5~2.0gの苦土石灰を混ぜ込むとよいでしょう。ただし培養土を強い酸性に傾ける無調整ピートモスや鹿沼土を利用した場合は話しが変わります。そのため培養土に使う用土は中性のものを利用する事がおすすめです。
水やりの仕方
ホソバナデシコは水のやり過ぎで浸水したりすると、根腐れを引き起こしたり病気になる等して生育不良を引き起こす可能性があります。そのため土壌の状態を見ながら水やりを行いましょう。
水やりの方法
水やりの最高のタイミングは茎葉が萎れてきたタイミングですが、萎れたタイミングを逃すと株に致命的なダメージを残す可能性があるため、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきタイミングで水やりを行うといいでしょう。乾燥の確認は土の色を目視で見て確認するか、指の第1関節まで入れて土の乾燥を確認します。
肥料の与え方
ホソバナデシコに与える肥料は、基本的には植付け時に与える元肥のみです。多くの肥料を必要としません。
元肥
ホソバナデシコの元肥は植え付け時もしくは、植付け2週間に前(有機肥料の場合)に与えましょう。
元肥は緩効性肥料を選びましょう。肥料の成分は山型肥料(リン酸多め)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。規定された量を入れましょう。
剪定のやり方
ホソバナデシコの剪定は「花がら摘み」のみです。
花がら摘み
ホソバナデシコは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、蕾の花が咲にくくなったりするからです。 枯れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みの方法は個々の花を摘む、もしくは開花が一段落した所で茎の3分の1程度を目安に一律に剪定します。
夏越しする方法
ホソバナデシコは夏の暑さに耐えますが、病気の原因にもなる多湿を苦手にしており、特に暑さと多湿のストレスが組み合わさる高温多湿を非常に苦手にしています。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
ホソバナデシコの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 多湿に弱いため土壌の排水性を高めて、浸水しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
ホソバナデシコは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
ホソバナデシコの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約7日~21日
光条件:
ホソバナデシコの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ホソバナデシコの病気
- 斑点病
- 灰色カビ病
- サビ病
- 萎凋病
- 疫病
- 菌核病
- 根腐れ病
- 斑点細菌病
- 細菌萎凋病
- モザイク病
ホソバナデシコの害虫
- アブラムシ
- クロウリハムシ