ヘリオトロープは属の中に約144種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、開花期間が長く花の香りがよいヘリオトロープとその園芸品種、また匍匐して広がりタコの足のような花を咲かせるブライドパール等です。
ヘリオトロープ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
目次
ヘリオトロープの特徴や園芸品種
- 原産:ポリビア/コロンビア/ペルー
- 学名:Heliotropium arborescens
- 草丈:約30~120cm
- 分類:多年草/常緑低木
- 開花時期:5月~11月
- 花色:紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:普通
- 誕生花:5月24日
- 花言葉:献身的な愛/夢中/忠誠心
- 用途:開花期間長い/香りが良い
- 庭のスタイル:ロマンチックガーデン/エレガントガーデン/モダンガーデン/ギリシャ庭園
- 購入方法:ヘリオトロープを楽天で購入
ヘリオトロープとは!?
ヘリオトロープは学名Heliotropium arborescens、別名では「キダチルリソウ」「香水草」「ガーデン・ヘリオトロープ(garden heliotrope)」とも呼ばれる、ポリビアおよびコロンビア、ペルーが原産の多年草または常緑低木です。
ヘリオトロープの語源(由来)
- 属名のHeliotropiumは、古代ギリシア語で「太陽」を意味する「Ἥλιος(helios)」と、古代ギリシア語で「方向転換」「向く」を意味する「τρόπος(tropes)」の二語の造語で「太陽を向く」を意味します。
- Heliotropium(太陽を向く)の名前の由来はギリシア神話に出てくるクリュティエー(Clytie)から来ています。ギリシア神話によるとクリュティエー(Clytie)は、太陽神ヘーリオスを愛しあっていました。しかし、アフロディーテの謀略により太陽神ヘーリオスはバビロニアの王女レウコトエ(Leucothoe)の元にいってしまい、クリュティエー(Clytie)は捨てられてしまいます。捨てられたクリュティエー(Clytie)は、それでも太陽神ヘーリオスに実らない愛を注ぎ続け、食事もとらず憔悴しながら太陽(太陽神ヘーリオス)を見続け、倒れてしまいます。クリュティエー(Clytie)が倒れた後、そこからヘリオトロープまたはひまわり、キンセンカ等がうまれたとされており、植物になった後も太陽を見つめ続けたという伝承があります。
- 種小名のarborescensは「木になる」「木のような」を意味しています。
- ヘリオトロープの幾つかの別名(香水草・ニオイムラサキ・チェリーパイ(cherry pie)・コモン・ヘリオトロープ(common heliotrope))は強烈な花の香りに由来しています。
ヘリオトロープの特徴(魅力)
- ヘリオトロープは、花の香りの良さや、開花期間の長さ、重厚的で落ち着いた色合い等が特徴の植物です。
- そのため、甘い香りを楽しみリラックスした空間を作りたい人や、低メンテナンスで長く庭を彩りたい人、格式高い雰囲気やエレガントな雰囲気をお庭の中に演出したい人などに向いています。
- 草姿はブッシュ状、多くの場合は高さ約30~50cmの間で成長してドーム状の外観をつくります。
- そのため、花壇の中でボリュームを出したり、縁どりとして使ったり、鉢植えで育てるのに良いでしょう。また香りが良いため、小道などの人通りに近い所や、ガーデンファニチャー等の休憩所の近くに植えて上げると良いかもしれません。
- 葉は明度が低い濃い緑色をしているため、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出する事ができます。
- 花は開花期間がとても長くて殆ど休みなく霜が降りる前まで花を咲かせ続けます。そのため、お庭の景観を長く維持したい人に向く植物です。
- 花は散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)になるため、頂点に集まるように花が集まり半球状の外観をつくります。大きさは直径約3~15cmになり、非常に大きくボリューミーなため、豪華な雰囲気を演出する事が可能です。
- 花の色は品種によって紫色・青色・白色がありますが、個人的には紫色の花が、濃い緑色の葉との相性もよく、エレガントさと格式高さの統一性を出すため、おすすめです。
- 花の香りはとても良く、特に花の咲き初めは精油の揮発が少なく大量のため、数メートル先までバニラの甘い香りを漂わせます。もちろん、咲き進んでも、花に近づけば甘く心地よい香りを楽しめます。
- その香りの良さから、以前は香水を作るために精油が採られていましたが、収油率の低さや揮発のしやすさ等から、合成香料で香水が作られるようになったようです。
- 花の香りは植物の上でも楽しめますが、花を収穫してポプリやサシェなどを作り、身近に香りを楽しむことも出来ます。
- 植物にはピロリジジンアルカロイドが含まれており食べられません。食べた場合は胃のムカつきや肝障害を引き起こす可能性があります。
- ヘリオトロープは軽い霜を耐える事が出来ますが、寒さに弱いため基本的には寒さ・霜対策が必要です。寒さに当たって葉が落ちてしまっても茎が無事であれば翌年また芽吹きます。
ヘリオトロープの草丈は約30(~120)cm、草姿はブッシュ状、茎は分枝があり、直立または斜上するためドーム状の外観をつくります。茎の色は緑色または暗紫色、基部は木質化して淡褐色になり、白色の毛が生えます。
葉序は対生葉序、葉色は濃い緑色、葉身の大きさは長さ約4(~9)cm、幅は約2(~4)cm、葉身の形は楕円形または披針形、葉脈部分に強い凹凸がある。
花序は散房状に集散花序が集まる複合花序、大きさは直径約3(~15)cm、形状は半球状です。花冠は漏斗状で裂片は5個、大きさは直径が約0.5(~0.9)cm、花の色は紫色・青色・白色がある。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)です。
ヘリオトロープの園芸品種の紹介
楽天で購入 ブライドブルーは、分枝がとても良い所が特徴です。そのため茎の数が多く花の数も多くなります。また連続開花性にも優れているため、沢山の花が楽しめます。花の色は青紫色、青紫色は落ち着いた雰囲気とミステリアスな雰囲気をつくります。また濃い緑色の葉との相性もとても良く、重厚的で落ち着いた雰囲気を演出するため、格式高い雰囲気のお庭や、エレガントガーデンなどにおすすめです。草姿はドーム状で高さ幅共に約40cmと、コンパクトに成長する習慣があります。そのため、管理がしやすく行儀よい見た目をしています。 | 楽天で購入 ミッドナイトスカイは、高さ幅ともに約30cmとコンパクトに成長する習慣があり、心地よいバニラの甘い香りと、上品で優雅な印象を与える紫色の花色が特徴の園芸品種です。コンパクトに成長する習慣があるため、小さなお庭の花壇や鉢植えなどでも育てやすく、紫色の花色が上品で優雅な印象を与える事が出来ます。 |
楽天で購入 エレガンスは、非常に濃い紫色の花色が特徴です。濃い紫色の花は、濃い緑色の葉との相性が抜群によく重厚的で落ち着いた雰囲気を演出します。そのため、格式高いお庭やエレガントガーデンなどにおすすめの品種です。草姿はドーム状、株は高さ約30cmに成長します。 | 楽天で購入 ミルクは、ミルクを想像させるような白色の花色とバニラを想像させる甘い香りが特徴の園芸品種です。真っ白な花は清潔感があり、明るい雰囲気をつくるため、玄関先などのエントランスガーデンや、上品で清潔感のあるエレガントガーデンなどにおすすめです。草姿はドーム状、株は高さ約30cmに成長します。 |
楽天で購入 スイートバニラ・シリーズは、その名前からも分かる通り花の香りの良い株を選抜して育種されたシリーズです。そのため、より香りを楽しみたい人におすすめの品種群になります。シリーズの中には花の色に合わせて「ホワイト」「ピンク」「パープル」等があり、ホワイトが最も香りが良いと言われています。草姿はドーム状、株は高さ約30cmに成長します。 | 楽天で購入 ライムは、ヘリオトロープでは珍しいライムグリーンの明るい葉を持っていて、またほんのり紫色に染まる白色の花を咲かせます。そのため、明るく開放的な雰囲気を楽しめるカラーリーフとしても楽しめる品種です。草姿はドーム状、株は高さ約30cmに成長します。 |
フレグラントデライトは、一般的な種や品種よりも香りが強く、甘く心地よいバニラの香りを漂わせる所が特徴です。そのため、ヘリオトロープの香りをより楽しみたい人におすすめの園芸品種になります。草姿はドーム状、株は高さ約30~60cmに成長します。 | マリンは、花の大きさが直径15cmに達する事もあり非常に巨大で、また濃い紫色の花色と、心地よいバニラの香りが魅力的な園芸品種です。草姿はドーム状、株は高さ約30~50cmに成長します。 |
その他の園芸品種
ブライドパールはタコの足のような外観の花と、匍匐して広がる成長習慣が特徴の園芸品種です。 |