- 原産:南アフリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ユリオプス(Euryops)
- 種:バージネウス(Euryops virgineus)
- 別名:ハニーユリオプス(honey euryops)/リバーレジンブッシュ(river resin bush)
- 開花時期:2月~5月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:緑色●黄色●
- 香り:
- 分類:常緑低木
- 被覆方法:
- 草丈:約100~350cm
- 株張り:約50~150cm
- 用途:
- 購入方法:ユリオプス(バージネウス)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ユリオプス(バージネウス)とは!?
ユリオプス(バージネウス)の学名はEuryops virgineus、別名では「ユリオプス・ペクチナタス」や「グレーリーブ・ユリオプス(grey-leaved euryops)」等とも呼ばれる南アフリカが原産の常緑低木です。
ユリオプス(バージネウス)の語源(由来)
- 属名のEuryopsはラテン語で「大きい」「広い」を意味する「εὐρύς(eurús)」と、古代ギリシア語で「目」を意味する「ὄψ(óps)」の2語で構成されていて、豊かに咲く花姿または大きな花に由来しています。
- 種小名のvirgineusはラテン語で「処女」「乙女の」を意味しています。
ユリオプス(バージネウス)の特徴(魅力)
- ユリオプス(バージネウス)の特徴は、茎と葉が一体化してるように見える事から独特なシルエットが楽しめる所や、葉が1cm程度と小さいため目立たない所、葉の形が掌状に裂けている所、花が束生して沢山咲く所等にあります。
- 園芸では、茎と葉で作られる独特なシルエットを楽しむ目的で育てられたり、枝先に咲く黄色の花を楽しむ目的で育てられたりします。
- 樹形は直立、茎と茎の間には大きな空間があり、葉も小さくて目立たないため、茎のつくる独特なシルエットを楽しむことができます。
- 葉の形は掌状中裂または掌状深裂、葉の縁部分が裂けているため、手のひらのような見た目をしています。
- 開花期間は2月~5月です。
- 花序はキク科でよく見られる頭状花序、頭状花序は同じ箇所から束生して複数咲く性質があり、花の大きさは直径1cm程度です。花の大きさは、非常に小さいですが、束生に沢山咲くためボリュームのよい花姿が楽しめます。また花の色は黄色、黄色は明るさや元気の良さを感じさせるため、エントランスガーデン等の明るい雰囲気を演出したい場所におすすめな植物になります。
- ユリオプス(バージネウス)は、とても丈夫で肥料や水やりを殆ど必要としないため、育てやすい植物です。また成長がとても早いため、花後に強めに剪定してあげると、株がコンパクトになり、若い芽の成長が促されるため生産性も高まります。
ユリオプス(バージネウス)の樹高は約100~350cm、株張り50~150cm、樹形は直立、分枝は斜上に伸びます。葉序は互生葉序、葉身の大きさは長さ約0.5~1.2cm、幅約0.2~0.7cm、葉身の形は掌状に深裂または中裂して、裂片の数は3~7個、葉の色は緑色です。花序は頭状花序で、複数の花が束生します。頭状花序の直径は約0.7~1cm、頭状花序は舌状花と筒状花で構成されていて、舌状花の数は平均8個、舌状花の形は長楕円形、筒状花の花弁は5個、花の色は黄色です。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ユリオプス(バージネウス)の園芸品種の紹介
ゴールデンクラッカー(Euryops virgineus ‘Golden Cracker’)の特徴は、茎と葉が一体化してるように見える事から独特なシルエットが楽しめる所や、沢山の黄色の花が束生して咲くためボリュームのよい花姿が楽しめるところなどにあります。 |
ユリオプス属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ユリオプス(バージネウス)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ユリオプス(バージネウス)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までて育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
ユリオプス(バージネウス)は、水捌けがよい土壌であれば土質は殆ど選びません。基本的には通気性・排水性・保水性のバランスが良く、適度に肥沃な土壌で育てると良いでしょう。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になる可能性があります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性を良くしたり、通気性と保水性のバランスを改善したり、腐葉土等の有機物を入れて適度に肥沃な土壌にした方が良いでしょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
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鉢土づくり
日当り
ユリオプス(バージネウス)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までて育てる事が出来ます。
培養土
ユリオプス(バージネウス)は、一般的な草花の培養土で育てられます。培養土を自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
植え替え
植物を育てていると、培養土が劣化したり、根詰まりを引き起こす事があります。そのため、成長の早さにも左右されますが数年に一度の頻度で植え替えが必要になります。
根詰まりのサイン
- 成長が悪くなる
- 鉢穴から根が出てきている
- 培養土の乾燥が早い
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は、株の素早い回復が見込める春が適しています。
- 植え替え手順
- 植え替えの前日にはしっかり水やりをしておきます。
- 根の回り具合に合わせて、そのままの鉢を使用するか、一回り大きな鉢を使います。
- 古い鉢から株を取り出して、根を優しく解すように、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 長い根や腐った根がある場合は、必要に応じて軽く剪定して切り詰めます。
- 鉢の中に新しい培養土と株を入れて植え直します。
- 水を鉢底から溢れる位にたっぷりと与えます。
水やりの仕方
地植え
ユリオプス(バージネウス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は基本的に水やり不要です。ただし、雨が長く降らない場合、または水分が少なく植物が萎れてきた場合等は必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
ユリオプスデージーは乾燥に強い植物ですが、鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため注意が必要になります。また水のやり過ぎによって、根腐れを引き起こしたり葉が黄変したりして、生育不良を引き起こす事もあるため、水やりのタイミングには注意が必要です。
基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
ユリオプス(バージネウス)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。
肥料は、土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合、必要に応じて堆肥と肥料が必要になります。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 肥料は成長が始まる前の早春に与えましょう。
- 肥料の選び方
- 肥料は肥効が緩かに長く続く緩効性肥料または、土壌の肥沃さも上げる有機肥料がおすすめです。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料、または窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
剪定のやり方
ユリオプス(バージネウス)は開花後に花がら摘みをかねて切り戻し剪定を行います。剪定の時期を間違わなければ、成長が早いため、株は直ぐに回復します。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定を行う理由
- 古い茎は生産性が低いため成長期が緩かになり、花の数が減る場合があります。
- 剪定を行うことで、生産性の高い若い茎の成長が促されて花の数が増えます。
- 古い茎を残すと、茎が間延びして見た目が悪くなることがあります。
- 剪定を行うことで、樹形がコンパクトになり、分枝も促されるためふさふさとした見た目になります。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 開花後に行います
- 剪定方法
- 株全体を観察して好みの高さで、切り戻し剪定しましょう。
- 枯れた茎等の不要な茎を根元から剪定して取り除きます。不要な茎を剪定する事で、新しい茎の成長が促されたり、風邪通し・日当たりが改善します。
冬越しする方法
Hardiness:9a~10b
ユリオプス(バージネウス)は軽い霜であれば耐えられるため、暖地や平地であれば地植えでも冬越し出来ます。
ただし寒さが厳しい地域では枯れる事もあるため冬越し対策を行った方が良いでしょう。
冬越し対策
- 花壇で育てている場合は、寒さが厳しくなる日は不織布などをかけて対応しましょう。
- 鉢植えで育てている場合は、屋内の窓辺で管理するか、霜の当たらない軒下で管理するとよいでしょう。
- 温度が10度を下回ると、葉が黄変するなどの低温障害を引き起こす可能性が高まるため、屋内で管理する場合は、温度が10度以上ある日当りのよい環境で管理するとよいでしょう。