ビオラ(スミレ)は属の中に約265~600種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、秋から翌春まで非常に長期に渡り開花して豊富な花色と花の形があるパンジー(ビオラ)、花にラズベリーを連想させる様な甘い香りがあるニオイスミレ、重厚感ある黒葉がカラーリーフとしても魅力的なラブラドリカ等が親しまれています。
ビオラ(スミレ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい((꜆꜄•௰•)꜆꜄꜆ぽちぽち凸
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
![]() 開花時期:10月~翌5月 | ![]() 開花時期:3月~5月 |
![]() 開花時期:3月~5月 | ![]() 開花時期:3月~6月(10月~6月) |
![]() ⑤スミレ 開花時期:3月~5月 | ![]() 開花時期:3月~8月 |
![]() 開花時期:3月~5月 | ![]() |
原産:
学名:Viola × wittrockiana
草丈:約15cm~25cm
分類:一年草
開花時期:10月~翌5月
花色:紫色●青色●黄色●橙色●赤色●桃色●白色○黒色●
葉色:緑色●
耐寒性:強い
耐暑性:弱い
誕生花:4月10日/12月27日
花言葉:全体「私を思って下さい」/紫色「思慮深い」「誠実」/黄色「慎ましい幸せ」/白色「温和」
特徴:パンジー(ビオラ)は学名Viola × wittrockiana、別名「ガーデン・パンジー(garden pansy)」とも呼ばれる一年草です。パンジーは一般的に三色すみれ(Viola tricolor hortensis)の亜種と見られる事がありますが、園芸で育てられる品種は交配が進んだものであり雑種として扱われています。
パンジー(ビオラ)の語源(由来)
- 属名のビオラ(Viola)はラテン語で「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
- 種小名のwittrockianの由来はスウェーデン植物学者のファイト・ウィットロック(Veit Brecher Wittrock)への献名です。
- パンジーの由来は「思考」を意味するフランス語の「pensée」に由来しており、花の形が人の顔に見え俯き咲く花姿が物思いにふける人に見える所からきています。
パンジー(ビオラ)の特徴(魅力)
- パンジー(ビオラ)は非常に豊富な花色があり
- ↳花が少ない冬季に花壇を明るく彩ります
- パンジーは他のビオラ属と比べて花の直径5~8cmと大きい所が特徴で
- ↳直径5cm以下の品種は便宜上日本ではビオラと呼ばれています
- ビオラは株を覆い尽くす程に非常に沢山の花を咲かせます
- ↳パンジーは花数が少ない傾向にあります
- 園芸品種が非常に豊富にあり花弁が厚く丈夫だったり
- ↳花弁が優雅に波打ったりと品種により個性豊かな顔を見せます
- パンジー(ビオラ)は品種改良で冬の寒さに当たらなくても花芽を付ける性質を得ました
- ↳その為現在では秋から晩春まで非常に長く花を楽しめます
- 苗が安くまた種からも容易に育てられるため大量植栽しやすい所も魅力です
- 非常に背が低く広がりの少ないコンパクトな草姿をしています
- ↳寄せ植え素材として重宝されています。
開花時期は秋から晩春、花色は紫色や青色、黄色や橙色、赤色や桃色、白色や黒色があり、個々の花は直径約3~8cmのスミレ形花冠で太く短い距があり、花序は単頂花序に花を咲かせます。草姿は直立で高さ約15(25)cm × 幅は15(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは披針形で縁部分に鋸歯があり、葉序は互生葉序につきます。
パンジー(ビオラ)の栽培
園芸では非常にコンパクトな草姿をしているため、花壇に幾つも並べて縁どりとして利用されたり、また鉢植えの中に植えて玄関周り等に飾られたり、また様々な植物と組み合わせて寄せ植えの素材として楽しまれたりします。
パンジー(ビオラ)は晩夏から種まきを行い育てれば、晩秋頃から花を見る事が出来ます。また10月末から11月頃になると花の咲いた苗が出回るためそれを購入して育てる事も出来ます。苗を購入する際は、株がぐらついていたりヒョロヒョロと茎が長く伸びた苗は避けた方が良いでしょう。なぜなら植え替え時に根元からポッキリ折れて全てが台無しになる事もある上に、株がしっかりしたものの方がその後の生育も良いからです。
パンジー(ビオラ)を育てる際に注意する点は「水やり」「花がら摘み」「追肥」の3つです。冬の間はほったらかしでも、春まで殆ど枯れる事なく成長するため放置されがちですが、土が完全に乾燥すれば枯れる事もありますし、花がら摘みを行わないと病害虫が発生したり次の花が咲きにくくなったり、またまた肥料を与えないと大きく成長しません。美しい花を見たりしっかりした株に成長させるためには「水やり」「花がら摘み」「追肥」の3つが大切です。
原産:ヨーロッパ
学名:Viola tricolor
草丈:約15cm
分類:一年草/多年草(短命)
開花時期:3月~5月
花色:紫色●青色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
特徴:サンシキスミレは学名Viola tricolor、別名「ワイルドパンジー(wild pansy)」や「サンショクスミレ」等とも呼ばれるヨーロッパ原産の一年草もしくは短命の多年草です。
サンシキスミレの語源(由来)
- 属名のビオラ(Viola)はラテン語で「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
- 種小名のトリコロール(tricolor)は「3色の」を意味しており花色に由来しています。
- サンシキスミレまたはサンショクスミレ(三色菫)の由来は紫色(~青色)・黄色・白色の三色の花色に由来します。
サンシキスミレの特徴(魅力)
- 花色が紫色(~青色)と黄色と白色の三色でカラフル
- 花の直径は約1.5cm程度です
- 花が終わると1度に最大50個の種を生産して
- ↳こぼれ種からも容易に増えます
- パンジーの祖先として知られておりしばしばパンジーの別名として扱われる事もあります
- ↳パンジーと違いサンシキスミレは寒さに当たらないと花が咲きません
- 種から容易に育てられるため大量植栽しやすい所が魅力です
- 非常に背が低く広がりの少ないコンパクトな草姿をしています
開花時期は早春から晩春、花色は紫色や青色、黄色や白色があり、個々の花は直径約1.5cmのスミレ形花冠で、花序は単頂花序に花を咲かせます。草姿は直立もしくは這性で高さ約15cm × 幅は20cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは楕円形で縁部分に鋸歯があり、葉序は互生葉序につきます。
サンシキスミレの栽培
サンシキスミレは夏の暑さが過ぎ気温が安定した秋頃に種を撒き、早春から晩春に花を楽しみ枯れる一年草(もしくは短命の多年草)として楽しみます。
![]() サンシキスミレ |
原産:ヨーロッパ/アジア
学名:Viola odorata
草丈:約15cm~20cm
分類:多年草
開花時期:3月~5月
花色:紫色●青色●桃色●白色○
葉色:緑色●
誕生花:12月1日/2月15日
花言葉:「奥ゆかしい」「高尚」「秘密の愛」
特徴:ニオイスミレは学名Viola odorata、別名「ビオラ・オドラータ」や「スイート・バイオレット(sweet violet)」等とも呼ばれるヨーロッパおよびアジア原産の多年草です。
ニオイスミレの語源(由来)
- 属名のビオラ(Viola)はラテン語で「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
- 種小名のオドラータ(odorata)はイタリア語もしくはラテン語で「香りが良い/芳香を放つ」を意味しており花の香りに由来します。
- ニオイスミレの由来はニオイ(匂い)がするスミレの花という意味です。
ニオイスミレの特徴(魅力)
- 花はキャンディやラズベリーを連想させる甘い香りがあり
- ↳また葉はキュウリを想像させる匂いがあります
- 花は濃い紫色(~青紫色)と白色の2色です
- 葉は可愛らしいハート形をしており全て根生して地面を被覆します。
- ヨーロッパでは花や葉をサラダやお茶にして食べられています
- 根の部分には毒性のあるサポニン等が多く含まれるため食べられません
- 根茎で広範に広がるためグランドカバーにも使えます
- ↳夏は地上部がボロボロになる傾向があります
ニオイスミレは地面下で広がる根茎があり、これが広がる事で密な群生をつくります。葉は全て根生してロゼット状の草姿をつくり、長い葉柄の先に直径約3~5cmのハートの形(心形)をした葉を付けます。花茎は高さ20cmまで伸びる事があり、花を咲かせる直前でU字に曲がり横向きに花を咲かせます。
開花時期は早春から晩春、花色は紫色や青色、桃色や白色があり、個々の花はスミレ形花冠で、花序は単頂花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で根茎により広がり高さ約15cm × 幅は60cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は心形(腎臓形)で縁部分に鋸歯があり、葉序は根生葉につきます。
ニオイスミレの香りの印象と精油成分
ニオイスミレの花には、「ラズベリー」や「キャンディ」を連想させる様な甘い香りがあり、花の香りを特徴づける精油には「β-イオノン」や「α-イオノン」等が含まれています。また葉にも「キュウリ」を想像させる青々しい香りがあり、精油が抽質されています。
- β-イオノンは「スミレ」「ラズベリー」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる甘くフルーティーな香りがあり、甘くフルーティーな風味(フレーバー)があります。一般に植物ではラズベリーやバラ等に含まれており、精油は食品や香水等に利用されています。
- α-イオノンは「スミレ」「ラズベリー」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる甘くフルーティーな香りがあり、甘いラズベリーのような風味(フレーバー)があります。一般に植物ではスミレやラズベリー等に含まれており、精油は食品や香水等に利用されています。
ニオイスミレの栽培
ニオイスミレを育てる際に注意する事は「夏の暑さ」「乾燥」「強い日差し」の3つです。基本的に冷涼な気候を好み、森の中等に自生しているニオイスミレは日本の夏の暑さや乾燥、強い日差しを苦手にしています。そのため、植える場所(日向を避ける)には特に気をつける必要があるでしょう。
ニオイスミレの増やし方は、株分けで増やすのが一般的ですが、秋に種を撒き増やす事も出来ます。ただし種で増やす場合は休眠している可能性もあるため、発芽までに時間がかかる事もあります。
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原産:グリーンランド/カナダ/北アメリカ
学名:Viola labradorica
草丈:約10cm~15cm
分類:多年草
開花時期:3月~6月(10月~6月)
花色:紫色●
葉色:緑色●
耐寒性:強い
耐暑性:普通
特徴:ビオラ(ラブラドリカ)は学名Viola labradorica、別名「ラブラドールバイオレット」等とも呼ばれるグリーンランドおよびカナダ、北アメリカ原産の半常緑多年草です。
ビオラ(ラブラドリカ)の語源(由来)
- 属名のビオラ(Viola)はラテン語で「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
- 種小名のラブラドリカ(labradorica)はカナダのラブラドールにちなみます。
ビオラ(ラブラドリカ)の特徴(魅力)
- シックな黒葉とハートの形をした葉が魅力です
- ↳花は紫色(~青色)で重厚感ある黒葉との相性も最高です
- ↳落ち着いた雰囲気のお庭によく合います
- 花は早春から初夏に咲き
- ↳しばしば秋に再度咲く事もあります
- 成長は緩やかで小道の縁どりや敷石の間の被覆等に利用されています
- 耐陰性が強くシェードガーデンにも利用可能です
開花時期は早春から初夏(稀に秋にも開花する)、花色は紫色(~青色)、個々の花はスミレ形花冠で、花序は単頂花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で根茎をもち高さ約10(15)cm × 幅は20(30)cmまで成長します。葉色は深緑色(~黒色)、葉身は心形(腎臓形)で縁部分に鋸歯があり、葉序は根生葉もしくは互生葉序につきます。
ビオラ(ラブラドリカ)の栽培
ビオラ(ラブラドリカ)は「乾燥」や「強い日差し」に気を付けて植えれば、放ったらかしで育つくらい丈夫です。ただしこぼれ種で容易に増えるため、逸出には注意が必要かもしれません。
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原産:日本/中国/朝鮮
学名:Viola mandshurica
草丈:約10cm~20cm
分類:多年草
開花時期:3月~5月
花色:紫色●桃色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
花言葉:全体「誠実」「謙虚」/紫色「愛」「貞操」/黄色「田園の幸福」「つつましい喜び」/白色「あどけない恋」「無邪気な恋」「純潔」
誕生花:1月9日/2月21日
特徴:スミレは広義では属名の方で使われるためビオラやラブラドリカ等もスミレと呼ばれますが、狭義では学名Viola mandshurica、別名「ホンスミレ」とも呼ばれる日本原産の多年草をさしています。非常に矮性でロゼット状の草姿をしており太く短い地下茎をもちます。葉は基部から葉柄を伸ばし細長い葉をつけ、花は一般的に気品のある紫色をしています。
開花時期は早春から晩春、花色は一般的に紫色でスミレの花特有の上弁が2個、側弁が2個、唇弁が1個のスミレ形花冠の花を単頂花序に咲かせます。草姿はロゼット状で太く短い地下茎をもち高さは約10(20)cm × 幅は15(30)cmまで成長し、葉色は緑色で葉形は長い楕円形もしくは披針形をしており長い葉柄を付け根出葉します。
スミレは夏の暑さや強い日差しをやや苦手にしていますが、冬の寒さに強く丈夫で育てやすい多年草です。
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原産:北アメリカ
学名:Viola sororia
草丈:約15cm~20cm
分類:多年草
開花時期:3月~8月
花色:紫色●青色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
特徴:アメリカスミレサイシンは学名Viola sororia、別名「ビオラ・ソロリア」「コモン・ブルーバイオレット(common blue violet)」等とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。日本にも明治以降に観賞用として輸出されたものが逸出して帰化しており、道端や野原などに自生しています。
アメリカスミレサイシンの語源(由来)
- 属名のビオラ(Viola)はラテン語で「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
アメリカスミレサイシンの特徴(魅力)
- 地面下にある太い根茎で広がり
- ↳個々にロゼットを形成してハート形の葉を広げます
- ↳葉は基部(根生葉)からのみ出ます
- こぼれ種で増えやすく
- ↳雑草化しやすい所が欠点です
開花時期は早春から秋、花色は紫色や青色、桃色や白色があり、個々の花はスミレ形花冠で、花序は単頂花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で根茎で広がり高さ約15(20)cm × 幅は15(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は心形(腎臓形)で縁部分に鋸歯があり、葉序は根生葉につきます。
アメリカスミレサイシンの栽培
アメリカスミレサイシンは「乾燥」や「強い日差し」に気を付けて植えれば、放ったらかしで育つくらい丈夫です。ただしこぼれ種で容易に増えるため、逸出には注意が必要かもしれません。
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学名:Viola
草丈:約15cm~20cm
分類:多年草
開花時期:3月~5月
花色:紫色●青色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
特徴:パルマスミレは起源が不明の品種群ですが、一般的にはアルバ種やニオイスミレ等が交配されてうまれたと言われており、16世紀に初めてイタリアで紹介されイタリア起源の植物と言われています。草姿は非常に矮性でロゼット状しており葉は基部から長い葉柄を伸ばしてやや厚みのある丸みを帯びたハート形の葉を付けます。花は品種によって5枚以上の花弁があり花色も豊富です。
開花時期は早春から晩春、花色は紫色や青色、桃色や白色があり5枚以上の花弁がある個性的な花を単頂花序に咲かせます。草姿はロゼット状で高さ約10(20)cm × 幅は10(20)cmまで成長し、葉色は緑色で葉形はハート形(腎臓形)をしており長い葉柄を付け根出葉します。
パルマスミレは矮性で非常にコンパクトな草姿をしており、花壇の境界で縁どりを作ったり、寄せ植えやハンギングバスケットの素材におすすめです。シックで落ち着きのある葉色と紫色の花は、非常に気品があり上品なお庭によく合うでしょう。
パルマスミレは夏の暑さをやや苦手にしていますが、冬の寒さに強く丈夫で育てやすい多年草です。
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![]() ビオラ(ハートスローブ)はビオラ(マーズ)が突然変異した品種で、葉や斑点が大きく色濃いのが魅力です。草姿はロゼット状をしており、基部から長い葉柄を伸ばし葉の芯に黒色の斑があるハート形の葉をつけます。花はやや葉に隠れ気味に紫色から桃色の花を咲かせます。高さは約20cm × 幅は35cmまで成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q |