- 原産:中国/マレー半島
- 科:シュウカイドウ(Begoniaceae)
- 属:シュウカイドウ/ベゴニア(Begonia)
- 種:シュウカイドウ/グランディス(Begonia grandis)
- 別名:ベゴニア・グランディス/ヨウラクソウ/ハーディベゴニア(hardy begonia)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:赤色●桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約30~70cm
- 誕生花:9月10日
- 花言葉:親切・丁寧・未熟・片思い・愛の告白
- 用途:日陰植物
- 購入方法:シュウカイドウを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シュウカイドウとは!?
シュウカイドウは学名Begonia grandis、別名では「ベゴニア・グランディス」や「ヨウラクソウ」等とも呼ばれる多年草です。原産地は中国およびマレー半島にあり、日本でも江戸時代に園芸用として持ち込まれたものが帰化しており、本州・四国・九州の湿度の高い山野に自生しています。
シュウカイドウの語源(由来)
- 属名のBegoniaはフランス領の役人であり自然主義者だったMichel Bégon (1638–1710)への献名です。
- 種小名のgrandisはラテン語で「大きい」「偉大な」を意味しています。
- シュウカイドウの由来は中国名の「秋海棠」からきています。
シュウカイドウの特徴(魅力)
- シュウカイドウは、近縁のベゴニアと比べて耐寒性が高い事からハーディベゴニアとも呼ばれています。茎は直立、葉腋から伸びる花序が湾曲するように横に広がり、淡いピンク色の花を優雅に咲かせる所が特徴の植物です。
- 地面下に塊茎を持っており、寒さの厳しい地域では地上部が枯れ、塊茎で越冬します。
- 花は葉腋から花軸が伸びて集散花序に咲かせます。花軸は横に湾曲するように広がるため、優雅な印象を与える事があります。
- 花は雌雄同株、雌花は花被片が5個あり、雄花は花被片が4個あります。
- 葉は左右で面積が異なる非対称な心形です。心形は基部が凹み先端が尖るためハートの形をしており、可愛らしい印象を与える事が出来ます。
- 葉の色は、表面が緑色で、裏面が赤色または赤褐色です。裏面の葉脈は鮮やかな赤色をしています。
- 葉腋にはムカゴが出来るため、ムカゴから株を増やす事も可能です。
シュウカイドウの草丈は約30(~70)cm、塊茎の形は不定形、茎の伸び方は直立、茎の質感は多肉質、茎の色は緑色または赤みを帯びます。
葉序は互生葉序、葉色は表面が緑色で裏面が赤色または赤褐色、葉身の長さ約5(~15)cm、葉身の形は左右で面積の異なる非対称な心形です。
花序は腋生または集散花序、集散花序は葉腋から出て湾曲するように横に広がります。花は雌雄同株、雄花は花被片が4個(2個が小さい)、雌花は花被片が5個(2個が小さい)、花の色は桃色または白色です。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
シュウカイドウの園芸品種の紹介
ベゴニア(シュウカイドウ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
シュウカイドウの育て方
花壇の土づくり
日当り
シュウカイドウは、明るい日陰または半日影で育てる事が理想です。
半日影とは3時間から5時間程度の直射日光が当たる場所をさしており、西日を避けた場所を選んだ方が良いでしょう。明るい日陰とは間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
※注意する事は、強い直射日光に晒さないことです。特に西日に当たる環境や、直射日光が6時間以上当たる日向は避けた方が良いでしょう。何故なら、強い日差しが光合成能力を超えてしまったり、葉焼けを引き起こしたり、乾燥を早めたりするため、株が弱りやすくなるからです。
土壌の土質
シュウカイドウは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
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鉢土づくり
日当り
シュウカイドウは、西日の当たらない半日影または明るい日陰で育てる事が出来ます。理想的な環境は気温にも左右されるため、暑い場合は明るい日陰に移動したり、冷涼な場合は半日影に移動してあげると良いでしょう。
培養土
シュウカイドウは、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
シュウカイドウは、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
ただし、何時までも水分が停滞するジメジメした環境は根腐れを引き起こす原因となるため、土壌の状態を見ながら、水やりを行う必要があるでしょう。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
シュウカイドウは沢山の肥料を必要とする植物ではありませんが、生育期間中に定期的に肥料を与える事で成長が促進されて沢山の花を咲かせる事が出来ます。
肥料は植え付け時に元肥を入れて、生育期間中は定期的に追肥を与えると良いでしょう。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料の選び方
- 肥料は肥効が長く続くマグアンプや緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料、または窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 元肥の与え方
- 元肥は苗を植え付ける前の土壌に肥料を入れて、均一に混ぜこみます。
追肥の与え方
- 追肥は春から秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は肥効が長く続く固形肥料を選びましょう。
- 化成肥料や緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
剪定のやり方
シュウカイドウの剪定は必要に応じて「花がら摘み」と「切り戻し剪定」を行います。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みのメリット
- 種を作るエネルギーが、花に向かうため、花の数が増えたり、開花期間が伸びたり、株の寿命が伸びるなどします。
- 種が作られないため、こぼれ種による雑草化を防ぐ事が出来ます。
- 花にカビ(真菌)等がついて腐敗することを防ぐため、病気の予防に繋がります。
- 花がらはカビが生えたり、褐色になったり、乾燥して縮んだりして外観を悪くするため、花がら摘みを行うことで清潔感を保つことが出来ます。
花がら摘みのデメリット
- 種を採取できません。
- 時間と労力が必要になります。
花がら摘みのやり方
シュウカイドウの花がら摘みのやり方は、色褪せたり枯れた花を、花柄の下からハサミで剪定して摘み取ります。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のメリット
- 切り戻し剪定を行う事で茎の長さなどが均一になり、外観が整います。
- 剪定によって頂芽優勢が崩れ、分枝が促されるため、茎の数が増えて株がボリューミーになり、花の数も増えます。
- 生産性の低い古い茎を切り戻す事で、生産性の高い新しい成長が促されるため、株が若返り、花が咲きやすくなるなど生産性が高まります。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、株全体または土壌にも日が当たり、日当たりの改善・多湿の改善に寄与します。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、風の流れが良くなり、多湿の改善が期待出来ます。
- 多湿を改善する事で蒸れによる根腐れを防止、多湿を好むカビ(真菌)の発生を抑制して病気予防、多湿により集まってくる害虫の発生予防等が期待出来ます。
切り戻し剪定のデメリット
- 花芽を剪定する事があるため、開花が暫く(数週間)見られない可能性があります。
- 株のボリュームがなくなり、葉の数も減るため、一時的に見た目が悪くなる事があります。
- 一度に沢山の剪定を行うと、植物に強いストレスがかかり、一時的に成長が止まる可能性があります。
- 傷口が病気の感染ルートになる可能性があります。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定時期
- シュウカイドウの切り戻し剪定は生育期間中であれば何時でもおこなえます。
- 剪定のやり方
- 茎が突出するように間延びしている場合は、他の茎と長さを合わせるように切り戻し剪定する事が出来ます。
- 葉が枯れている場合は、枯れた葉を取り除きます。
夏越しする方法
シュウカイドウは夏の暑さに耐えますが、強い日差しや乾燥・多湿に注意する必要があります。
夏越しで重要なポイント
- 直射日光の当たらない明るい日陰で管理する。
- 土壌が完全に乾燥しないように土壌の状態を見ながら定期的に水やりをおこなう。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと根腐れを引き起こします。そのため、土壌の保水性・通気性・排水性・保肥力のバランスをよくする。
冬越しする方法
Hardiness:6~9
シュウカイドウは、寒さの厳しい地域では地上部が枯れる事がありますが、塊茎で越冬する事が出来ます。耐寒性が高く基本的に冬越し対策は不要です。
挿し木や株分けで増やす
シュウカイドウは挿し木や分球やムカゴによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ7~10cm程度にわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂の1/3程を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
シュウカイドウの種蒔の方法
播種時期:3月~6月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- 土の準備
- 種を撒く場所の準備を行います。
- ピートバンや種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減るでしょう。花壇の土に撒くことも可能です。
- 種の撒き方
- 種を培養土の上にばら撒きします。
- 種まき後の管理
- 種まき後は、種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
植物の病気
シュウカイドウの病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 根頭癌腫病
- 斑点細菌病
- 根腐れ病
- ウィルス病
シュウカイドウの害虫
- アブラムシ