アネモネ属の種は約108種で、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは7種類の原種と、24種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
- アネモネ属の簡易比較
- アネモネ属の主な種と園芸品種の紹介
- 主な原種
- その他の園芸品種
■アネモネ属の簡易比較

学名:Anemone coronaria
生活形:多年草
草丈:約20~60cm
開花:1月~6月
花色:赤色・桃色・紫色・青色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:この植物の魅力は、花の形が丸みを帯びたカップ状で可愛らしさがあり、また花被片の色は色鮮やかな赤色・桃色・青色・紫色・白色と多様で、花中央に集まる濃紫色の雄蕊・雌蕊と美しいコントラストを演じる点にあります。また葉は細かく裂けてレースのような上品な外観を呈すため、エレガントな雰囲気のお庭にもよく合います。本種は地中に塊茎があり、生育に適さない夏場は塊茎を残し地中で休眠し、秋から春にかけて芽を出し生育し、冬から春にかけて花が開花します。

学名:Anemone hupehensis
生活形:多年草
草丈:約50~120
開花:8月~11月
花色:赤色・桃色・白色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:この植物の魅力は、直立する茎を何本も伸ばし群生を作りながら、おもちゃのような可愛らしい花をたくさん咲かせる点にあります。開花は秋頃、花弁のように見られる部分は萼片で、この萼片は厚みを感じさせ光沢があるためプラスチックの玩具のような外観を呈し、桃色や白色の花色が可愛らしさや上品さを演出します。生育型は叢生型で、根生葉が地表を覆いながら茎を何本も伸ばして群生を作り、高さ120cmまで成長するため、花壇の中で背景として活躍し、また葉は複葉または深く葉縁部が裂け、レースのような繊細な外観を呈すため、洗練されたエレガントな庭などにもよく合います。

学名:Anemone nemorosa
生活形:多年草
草丈:約10~30cm
開花:3月~5月
花色:白色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:この植物は、根茎が地中を這い、早春から初夏にかけて根生葉が地表を覆い、花茎を何本も伸ばし群生を作り、白色の花を多数咲かせます。本種は草丈が10~30cm程と低めで、マット状に広がるため樹木の下草などとして地被植物として活用できます。また花茎に1個の花を単生し、花径も普通2cm程と小ぶりですが、多数の花茎を伸ばすため、開花期には花絨毯の真っ白な美しい景観を楽しめるでしょう。ただし、開花後の夏から翌年の早春にかけ長い休眠期に入るため、地中に根茎を残し、地上部は枯れて無くなり地面が露出します。

学名:Anemone virginiana
生活形:多年草
草丈:約30~80cm
開花:4月~7月
花色:白色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:この植物は、根茎が地中を這い、春になると根生葉が地表を覆いながら、春から夏にかけ花茎を何本も伸ばし群生を作り、白色の花を多数咲かせます。そのため、園芸では樹木の下草として利用されたり、また純白の清楚な花を鑑賞する目的で栽培されたりしています。また本種は、花後にできる果実も特徴的で花托の部分が長球状に長く伸び、指ぬきのような見ためとなり、その後、成熟するとそれぞれの果実(痩果)が綿毛に覆われ、綿のような外観となり、風に乗って種子を運びます。原産地はアメリカ合衆国東部とカナダにあり、気候は日本とよく似ています。そのため、管理場所をしっかり決めておけば栽培がしやすい植物です。

学名:Anemone sylvestris
生活形:多年草
草丈:約30~50cm
開花:4月~9月※最盛期は4月~6月で秋頃まで返り咲く事がある
花色:白色・桃色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:この植物は、根茎が地中を這い、春から秋にかけ根生葉が地表を覆い、春から初夏を最盛期にして、条件が良ければ秋まで返り咲きながら花茎を次々と伸ばし、沢山の白色の花を咲かせます。またこの花は、花径が3~5cm程と大きめで、丸みを帯びた花弁状の萼片が可愛らしい表情を見せてくれるのも魅力となります。また葉が地表を覆うように広がるため、地被植物として樹木の下草として利用されたりします。ただし、冬から翌年の早春にかけ休眠期に入るため、地中に根茎を残し、地上部は枯れて無くなり地面が露出します。

学名:Anemone blanda
同義語:Anemonoides blanda
生活形:多年草
草丈:約10~15cm
開花:2月~5月
花色:青色・紫色・桃色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:この植物は、地中に塊茎がある球根植物です。秋に芽を出し、冬の間はロゼットを形成し、そして晩冬から春に花茎を伸ばし、1個の花を咲かせ、その後の夏に塊茎を残し地上部が枯れて秋まで休眠します。本種の際立つ特徴は、花の見た目がキクの花のようで、細長い萼片が繊細な見た目を呈し、色が青色・紫色・桃色・白色と多彩です。また葉も小ぶりで葉縁部が細かく深く裂けるため洗練された外観を呈します。本種は基本的に、暑さ・寒さ・乾燥に比較的耐えますが、多湿を苦手にしているため栽培時には注意が必要です。
■アネモネ属の主な種と園芸品種の紹介
●主な原種
アネモネ・コロナリア
アネモネ・コロナリアとは!
アネモネ・コロナリア(学名: Anemone coronaria)は、単に「アネモネ」と呼ばれる他、別名で「ボタンイチゲ」「ハナイチゲ」「ベニバナオキナグサ」「ポピーアネモネ(poppy anemone)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
アネモネ・コロナリアの原産地は地中海沿岸で、自生地は丘陵地の草原、林縁、岩場などに見られます。
アネモネ・コロナリアの特徴
- アネモネ・コロナリアの魅力:この植物の魅力は、花の形が丸みを帯びたカップ状で可愛らしさがあり、また花被片の色は色鮮やかな赤色・桃色・青色・紫色・白色と多様で、花中央に集まる濃紫色の雄蕊・雌蕊と美しいコントラストを演じる点にあります。また葉は細かく裂けてレースのような上品な外観を呈すため、エレガントな雰囲気のお庭にもよく合います。本種は地中に塊茎があり、生育に適さない夏場は塊茎を残し地中で休眠し、秋から春にかけて芽を出し生育し、冬から春にかけて花が開花します。
- 草姿:草丈は約20~60cm、生育型はロゼット型、地中に塊茎があり、塊茎から複数の根生葉と花茎を伸ばします。
- 葉の特徴:葉は根生葉で、葉序はロゼットを形成します。葉序は基本的に複葉で個体により大きな差異があり、2回3出複葉・2回三出羽状複葉を呈し、葉縁部は浅裂~深裂し、細かで繊細な外観をしています。
- 花の特徴:開花期は1月~6月頃、自然環境では3月~5月頃によく見られます。花序は単生、花の直径は約3~8cm、花の咲き方はカップ状の一重咲き・半八重咲き・八重咲きがあります。花は花托・花被片・雄蕊・雌蕊で構成されており、その下に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした花被片の部位になり、色が鮮やかで赤色・桃色・青色・紫色・白色と多彩です。また花中央には球状の花托があり、花托の上部に濃紫色の雌蕊が、その周りに濃紫色または青色や黒色の多数の雄蕊が配置されます。
- フラワーアレンジメント:アネモネ・コロナリアは、開花後の花を花茎から収穫し、切り花やフラワーアレンジメントに利用できます。花は直径8cmほどと大きくて色鮮やかなため、切り花や花束などのアレンジメント野中で主役級の花材となり、明るくカラフルな印象を添えてくれるでしょう。
アネモネ・コロナリアの園芸品種の紹介
ロード レフテナント

学名:Anemone coronaria ‘lord lieutenant’
花の色:青紫色
葉の色:緑色
草丈:約30cm
備考:花の形は八重咲きするため、華やかで豪華な花姿を呈し、青紫色の花色が落ち着いた雰囲気をつくる品種です。そのため、エレガントな雰囲気のお庭などによくあいます。
ミストラル・シリーズ
グレープ
ピーチ
園芸ネット予約店
学名:Anemone coronaria ‘mistral’
花の色:赤色・桃色・青色・紫色・白色
葉の色:緑色
草丈:約30~50cm
備考:花は大輪でカップ状の一重咲きになります。花の色は品種により変わりますが、萼片の基部が白色になりリング状の斑が入り、独特な色彩を魅せるものが多いです。
- グレープ:花の色は濃赤色・薄い紫色・紫色の3色で、花の中に円状の模様を描くように色が変化します。
- ピーチ:花の色は淡いサーモンピンク色・白色・紫色の3色からなり、花の中に円状の模様を描くように色が変化します。そのため、可愛らしさの中に上品さも感じさせる品種です。
- アジュール:花の色は薄い紫色・紫色・黒色の3色からなり、薄い紫色を基調とした萼片の中間部に紫色の斑が入ります。そのため、花の中に円環状の模様ができる個性的な品種です。
- ティグレワイン:花の色は淡い紫色・紫色(赤紫色)・暗紫色の3色からなり、淡い紫色を基調とする萼片の中に紫色(赤紫色)の絞り模様がはいります。
ホワイトインブルー
学名:Anemone coronaria ‘white in blue’
花の色:白色・青紫色
葉の色:緑色
草丈:約20~30cm
備考:花の形は一重咲きのカップ形をしているため、可愛らしい見た目をしています。花の色は青紫色と白色、花芯から縁部に剥けて、グラデーションのように青紫色から白色へと変化します。そのため、上品さを感じさせる品種です。
モナーク
学名:Anemone coronaria ‘monarch’
花の色:赤色・桃色・青色・紫色・白色
葉の色:緑色
草丈:約20~30cm
備考:花の形は半八重咲きし華やかな見た目をしています。花の色は品種により、赤色・桃色・青色・紫色・白色などがあり好みの色を選べる点も魅力です。
シュウメイギク(秋明菊)



シュウメイギク(秋明菊)とは!
シュウメイギク(学名: Anemone hupehensis)は、別名で「アネモネ・フペヘンシス」「キブネギク」「チャイニーズ アネモネ(Chinese anemone)」「ジャパニーズ ウィンドフラワー(Japanese windflower)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
シュウメイギク(秋明菊)の原産地は中国で、自生地は山地の草原、林縁、河川沿いなどに見られます。
シュウメイギク(秋明菊)の特徴
- シュウメイギク(秋明菊)の魅力:この植物の魅力は、直立する茎を何本も伸ばし群生を作りながら、おもちゃのような可愛らしい花をたくさん咲かせる点にあります。開花は秋頃、花弁のように見られる部分は萼片で、この萼片は厚みを感じさせ光沢があるためプラスチックの玩具のような外観を呈し、桃色や白色の花色が可愛らしさや上品さを演出します。生育型は叢生型で、根生葉が地表を覆いながら茎を何本も伸ばして群生を作り、高さ120cmまで成長するため、花壇の中で背景として活躍し、また葉は複葉または深く葉縁部が裂け、レースのような繊細な外観を呈すため、洗練されたエレガントな庭などにもよく合います。
- 草姿:草丈は約50~120cm、生育型は叢生型またはロゼット型を呈し、地中の根茎で広がりながら、根生葉がロゼットを形成したり、地上茎を伸ばし群生をつくります。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉があり、基本的に根生葉の葉が大きくなる。葉序はロゼットまたは互生で、葉の概形は3出複葉もしくは茎葉では分裂葉になり葉縁部が裂けます。
- 花の特徴:開花期は8月~11月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2~3本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の直径は約5~7cm、花の咲き方はカップ状の一重咲き・半八重咲き・八重咲きがあります。花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、赤色・桃色・白色をしています。また花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色または黄色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます。
- フラワーアレンジメント:シュウメイギク(秋明菊)は、開花後の花を花茎から収穫し、切り花やフラワーアレンジメントに利用できます。
シュウメイギク(秋明菊)の園芸品種の紹介
ハドスペン アバンダンス

学名:Anemone hupehensis ‘hadspen abundance’
花の色:桃色
草丈:約90cm
備考:花は2枚の小さな萼片と、大きな3枚の萼片で構成されており、不揃いな個性的な花姿を呈しています。また花色は明るい桃色をしているため、可愛らしい印象を添えるお庭等によくあいます。
スプレンデンス

学名:Anemone hupehensis var. japonica ‘splendens’
花の色:濃い桃色
草丈:50~100cm
備考:花は萼片のサイズがふぞろいで個性的な花姿をしており、濃い桃色の花色が明るさと可愛らしさを感じさせる品種です。
パミナ

学名:Anemone hupehensis ‘pamina’
花の色:桃色
草丈:約80cm
備考:花の形は半八重咲きで、華やかな見た目をしており、鮮やかな桃色の花色が可愛らしさとポップな明るさを感じさせる品種です。
プリンツ ハインリッヒ

学名:Anemone hupehensis ‘prinz heinrich’
花の色:桃色
草丈:約80cm
備考:花の中に10~15枚のの花弁状の萼片があり、半八重咲きする華やかな花姿を楽しめる品種です。
ヤブイチゲ
ヤブイチゲとは!
ヤブイチゲ(学名: Anemone nemorosa)は、別名で「アネモネ・ネモローサ」「ウッド・アネモネ(wood anemone)」「ヨーロピアン・シンブルウィード(European thimbleweed)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
ヤブイチゲの原産地はヨーロッパと西アジア(トルコからコーカサス地方)で、自生地は森林(落葉樹)の林床と林縁などに見られます。
ヤブイチゲの特徴
- ヤブイチゲの魅力:この植物は、根茎が地中を這い、早春から初夏にかけて根生葉が地表を覆い、花茎を何本も伸ばし群生を作り、白色の花を多数咲かせます。本種は草丈が10~30cm程と低めで、マット状に広がるため樹木の下草などとして地被植物として活用できます。また花茎に1個の花を単生し、花径も普通2cm程と小ぶりですが、多数の花茎を伸ばすため、開花期には花絨毯の真っ白な美しい景観を楽しめるでしょう。ただし、開花後の夏から翌年の早春にかけ長い休眠期に入るため、地中に根茎を残し、地上部は枯れて無くなり地面が露出します。
- 草姿:草丈は約10~30cm、生育型は叢生型、地中の根茎で広がりながら、早春から夏にかけ根生葉が地表を覆い、花茎を伸ばして群生をつくります。開花後の夏頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉(苞葉)があり、根生葉は地際から葉が出て、茎葉の苞葉は輪生します。葉の概形は3出複葉し、小葉の縁部は深く裂け、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は3月~5月頃、花茎に1個の花を単生します。花の直径は一般的に2cmで園芸品種の中には4cmに達するものもあり、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に3枚の輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の数は6枚、または稀に5~10枚あり、萼片の色は白色をしています。
ヤブイチゲの園芸品種の紹介
アネモネ・バージニア
アネモネ・バージニアとは!
アネモネ・バージニア(学名: Anemone virginiana)は、別名で「ハルザキシュウメイギク」「トールシンブルウィード(Tall thimbleweed)」「トールアネモネ(Tall Anemone)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
アネモネ・バージニアの原産地は温帯または冷帯のアメリカ合衆国とカナダで、自生地は森林の中の開けた場所、林縁、草原、河川沿いなどに見られます。
アネモネ・バージニアの特徴
- アネモネ・バージニアの魅力:この植物は、根茎が地中を這い、春になると根生葉が地表を覆いながら、春から夏にかけ花茎を何本も伸ばし群生を作り、白色の花を多数咲かせます。そのため、園芸では樹木の下草として利用されたり、また純白の清楚な花を鑑賞する目的で栽培されたりしています。また本種は、花後にできる果実も特徴的で花托の部分が長球状に長く伸び、指ぬきのような見ためとなり、その後、成熟するとそれぞれの果実(痩果)が綿毛に覆われ、綿のような外観となり、風に乗って種子を運びます。原産地はアメリカ合衆国東部とカナダにあり、気候は日本とよく似ています。そのため、管理場所をしっかり決めておけば栽培がしやすい植物です。
- 草姿:草丈は約30~80cm、生育型は叢生型、地中の根茎で広がりながら、春から秋にかけ根生葉が地表を覆い、春から夏にかけ花茎を伸ばして群生をつくります。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉(苞葉)があり、根生葉は互生し、茎葉の苞葉は輪生します。葉の概形は3出複葉もしくは掌状複葉し小葉が4~5枚あり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は4月~7月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~複数の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせ、花茎に1~9個の花をつける。花の直径は約2.5cm、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の数は5枚、萼片の色は白色をしています。また花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます。
アネモネ・バージニアの園芸品種の紹介
アネモネ・シルベストリス

アネモネ・シルベストリスとは!
アネモネ・シルベストリス(学名: Anemone sylvestris)は、別名で「バイカイチゲ」「スノードロップ・アネモネ(snowdrop anemone)」「スノードロップ・ウィンドフラワー(snowdrop windflower)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
アネモネ・シルベストリスの原産地はヨーロッパと温帯アジアで、自生地は森林(落葉樹)の林床、林縁、草原などに見られます。
アネモネ・シルベストリスの特徴
- アネモネ・シルベストリスの魅力:この植物は、根茎が地中を這い、春から秋にかけ根生葉が地表を覆い、春から初夏を最盛期にして、条件が良ければ秋まで返り咲きながら花茎を次々と伸ばし、沢山の白色の花を咲かせます。またこの花は、花径が3~5cm程と大きめで、丸みを帯びた花弁状の萼片が可愛らしい表情を見せてくれるのも魅力となります。また葉が地表を覆うように広がるため、地被植物として樹木の下草として利用されたりします。ただし、冬から翌年の早春にかけ休眠期に入るため、地中に根茎を残し、地上部は枯れて無くなり地面が露出します。
- 草姿:草丈は約30~50cm、生育型は叢生型、地中の根茎で広がりながら、春から秋頃にかけ根生葉が地表を覆い、花茎を伸ばして群生をつくります。冬になると地上部は枯れて根茎だけが残り、早春頃まで休眠します。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉(苞葉)があり、根生葉は地際から葉が出て、茎葉の苞葉は輪生します。葉の概形は3出複葉し、小葉の縁部は深く裂け、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は4月~9月頃、最盛期は春から初夏頃で、条件が良ければ秋頃まで再開花します。花茎に1個または2個の花を咲かせます。花の直径は3~5cm、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に3枚の輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の数は5枚、萼片の色は白色をしています。
アネモネ・シルベストリスの園芸品種の紹介
アネモネ・ブランダ

アネモネ・ブランダとは!
アネモネ・ブランダ(学名: Anemone blanda)は、同義語でアネモネイデス・ブランダ(Anemonoides blanda)ともに呼ばれたり、また別名で「バルカンアネモネ(Balkan anemone)」「グリーシアンウィンドフラワー(Grecian windflower)」「ウィンターウィンドフラワー(winter windflower)」とも呼ばたりするキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
アネモネ・ブランダの原産地は地中海沿岸地域で、自生地は森林の開けた場所、林縁、高地の草原などに見られます。
アネモネ・ブランダの特徴
- アネモネ・ブランダの魅力:この植物は、地中に塊茎がある球根植物です。秋に芽を出し、冬の間はロゼットを形成し、そして晩冬から春に花茎を伸ばし、1個の花を咲かせ、その後の夏に塊茎を残し地上部が枯れて秋まで休眠します。本種の際立つ特徴は、花の見た目がキクの花のようで、細長い萼片が繊細な見た目を呈し、色が青色・紫色・桃色・白色と多彩です。また葉も小ぶりで葉縁部が細かく深く裂けるため洗練された外観を呈します。本種は基本的に、暑さ・寒さ・乾燥に比較的耐えますが、多湿を苦手にしているため栽培時には注意が必要です。
- 草姿:草丈は約10~15cm、生育型はロゼット型、地中に塊茎があり、塊茎から複数の根生葉と花茎を伸ばします。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉(苞葉)があり、根生葉は地際から葉が出て、茎葉の苞葉は輪生します。根生葉の概形は3出複葉または稀に鳥足状複葉となり、葉縁部は深く裂ける分裂葉で、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は2月~5月頃、花茎に1個の花を咲かせます。花の直径3.5cm、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、この萼片は細長い楕円形または線形を呈し、萼片の色は青色・紫色・桃色・白色をしています。
アネモネ・ブランダの園芸品種の紹介
アネモネ・パルマータ
アネモネ・パルマータとは!
アネモネ・パルマータ(学名: Anemone palmata)は、別名で「パルマータ・アネモネ(Palmate Anemone)」「シクラメンリーブ・ウィンドフラワー(cyclamen-leaved windflower)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
アネモネ・パルマータの原産地は西側の地中海沿岸地域(フランス、イタリア、ポルトガル、スペイン、モロッコ、チュニジア、アルジェリア)で、自生地は森林の開けた場所、林縁、草原などに見られます。
アネモネ・パルマータの特徴
- アネモネ・パルマータの魅力:この植物は、地中に塊茎があり、秋から翌年の春にかけてロゼットを形成し、晩冬から春に花茎を伸ばし、1個~2個の花を咲かせ、夏に塊茎を残し地上部が枯れて秋まで休眠します。本種の際立つ特徴は、花(萼片)の色が黄色からクリーム色を呈している点と、根生葉の形が腎形で丸みのあるハート形になり、葉縁部が深く裂けている点にあります。
- 草姿:草丈は約10~30cm、生育型はロゼット型、地中に塊茎があり、塊茎から複数の根生葉と花茎を伸ばします。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉(苞葉)があり、根生葉は地際から葉が出て、茎葉の苞葉は輪生します。根生葉の概形は腎形で、葉縁部は深く裂ける分裂葉になり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は2月~5月頃、花茎に1個または2個の花を咲かせます。花の直径は2~3.5cm、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は黄色またはクリーム色をしています。
アネモネ・パルマータの園芸品種の紹介
●その他の品種
ワイルドスワン

学名:アネモネ(ワイルドスワン)の学名はAnemone ‘wild swan’です。エリザベス・マクレガー・ナーセリー(苗木販売所)の所有者であるエリザベス・マクレガーにより発見され、早咲き性のあるアネモネ・ルピコラ種(A.rupicola)とシュウメイギクの交雑種と考えられている品種です。
本種の魅力:2011年のRHS Chelsea Flower Showで、プラントオブザイヤーを受賞しています。従来のシュウメイギクと比べて、開花期間が晩春頃から秋頃まであるため、長く鑑賞して楽しむ事ができます。また花のサイズが5~7cmと大きいことから強い存在感を感じさせ、白色と紫色のコントラストが上品さ清潔感を感じさせます。そのため、エレガントなお庭などによく合うでしょう。
草姿:生育型は叢生型で、草丈は40~60cmほど、地中の根茎があります。早春に芽を出し、根生葉を形成して地表を覆い、晩春から秋にかけて花茎を伸ばして群生をつくり、冬頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
花の特徴:開花期は5月~10月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~数本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の直径は約5~7cm、花の咲き方は一重咲きです。花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は白色と紫色の複色で、最も外側の3枚の萼片の裏側のみ紫色になります。
ドリーミングスワン

学名:アネモネ(ドリーミングスワン)の学名はAnemone ‘dreaming swan’で、アネモネ(ワイルドスワン)に続いて、エリザベス・マクレガーから新しく出された最新品種です。
本種の魅力:アネモネ(ワイルドスワン)と同様に、開花期間が晩春頃から秋頃まであるため、長く鑑賞して楽しむ事ができます。また花は八重咲きのため、一重咲きと比べて華やかなで豪華な見た目をしており、白色と紫色のコントラストが上品さと清潔感を感じさせます。そのため、エレガントなお庭などによく合うでしょう。
草姿:生育型は叢生型で、草丈は40~60cmほど、地中の根茎があります。早春に芽を出し、根生葉を形成して地表を覆い、晩春から秋にかけて花茎を伸ばして群生をつくり、冬頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
花の特徴:開花期は5月~10月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~数本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の咲き方は半八重咲きです。花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は白色と紫色の複色で、最も外側の3枚の萼片の裏側のみ紫色になります。
オノリンジョベルト

学名:アネモネ(オノリンジョベルト)の学名はAnemone ‘honorine jobert’で、1858年のフランスのヴェルダンで発見された品種になります。この品種は、シュウメイギク(A. hupehensis)とアネモネ・ビチフォリウム種(A. vitifolium)とアネモネ・トメントーサ種(A. tomentosa)の3種の交配で生まれたと考えられています。
本種の魅力:非常に生育旺盛で、簡単に繁茂し、春から秋にかけ濃い緑色の根生葉が地表を覆い、秋から晩秋にかけ沢山の花茎を伸ばして多数の花を咲かせます。また草丈は120cmに達し、根生葉の集まりの更に上に、花が咲くため、洗練した概観を呈します。花の色は白色で、裏面が淡い桃色を呈し、そのため、上品さの中に可愛らしさも顔を覗かせる品種です。
草姿:生育型は叢生型で、草丈は90~120cmほど、地中の根茎があります。早春に芽を出し、根生葉を形成して地表を覆い、秋頃に花茎を伸ばして花を咲かせ、冬頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
花の特徴:開花期は8月~11月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~数本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の直径は約5~7.5cm、花の咲き方はカップ状の一重咲きです。花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は白色、また裏面か淡い桃色を呈すことがあります。花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます。
セレナーデ

学名:アネモネ(セレナーデ)の学名はAnemone ‘serenade’で、雑種(ハイブリッド)の品種です。
本種の魅力:花の色は鮮やかな桃色の萼片と、黄色の雄蕊で構成されていて、元気の良い子供っぽい印象を与えたり、可愛らしさを感じさせます。また草丈は100cmに達し、根生葉の集まりの更に上に、花が咲くため、洗練した概観を呈す点も魅力です。
草姿:生育型は叢生型で、草丈は100cmほど、地中の根茎があります。早春に芽を出し、根生葉を形成して地表を覆い、秋頃に花茎を伸ばして花を咲かせ、冬頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
花の特徴:開花期は8月~11月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~数本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の咲き方は半八重咲きで、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は明るい桃色、花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます。
エレガンス

学名:アネモネ(エレガンス)の学名はAnemone ‘elegans’で、雑種(ハイブリッド)の品種です。
本種の魅力:開花は夏の終わりの晩夏頃から始まり、半八重咲きの桃色の花が咲きます。そのため、華やかさの中に可愛らしさを感じさせる品種です。また草丈は120cmに達し、根生葉の集まりの更に上に、花が咲くため、洗練した概観を呈します。
草姿:生育型は叢生型で、草丈は120cmほど、地中の根茎があります。早春に芽を出し、根生葉を形成して地表を覆い、秋頃に花茎を伸ばして花を咲かせ、冬頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
花の特徴:開花期は8月~11月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~数本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の咲き方は半八重咲きで、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は明るい桃色、花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます
クーニギン シャーロッテ

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学名:アネモネ(クーニギン シャーロッテ)の学名はAnemone ‘konigin charlotte’で、雑種(ハイブリッド)の品種です。
本種の魅力:花は半八重咲きで、花を構成している萼片の形が捻れ縁部が裂けているため、フリルした遊び心のある見た目をしています。花の色は桃色をしているため可愛らしさを感じさせます。
草姿:生育型は叢生型で、草丈は60cmほど、地中の根茎があります。早春に芽を出し、根生葉を形成して地表を覆い、秋頃に花茎を伸ばして花を咲かせ、冬頃になると地上部は枯れて根茎だけが残り、翌年の早春頃まで休眠します。
花の特徴:開花期は8月~11月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から1~数本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の咲き方は半八重咲きで、花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、萼片の色は明るい桃色、花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます。