原産:ヨーロッパ
科:キンポウゲ(Ranunculaceae)
属:アネモネ(Anemone)
種:ネモローサ/ヤブイチゲ(nemorosa)
別名:ハルオコシ/アネモネ・ネモローサ/ウッド・アネモネ(wood anemone)/ヨーロピアン・スィンブルウィード(European thimbleweed)
開花時期:3月~5月
花の色:白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約15~30cm
花言葉:かすかな希望
用途:日陰植物/切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヤブイチゲとは!?
ヤブイチゲは学名Anemone nemorosa、別名「ハルオコシ」や「アネモネ・ネモローサ」とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
ヤブイチゲの語源(由来)
- 属名のAnemoneはギリシャ語で「風」を意味する「ánemos」と、接尾辞で「娘」を意味する「-one」の2語からなり、「風の娘」を意味しています。
- ↳ギリシャ神話では、ゼファー(ゼピュロス)と風の娘であるアネモネは恋に落ちました。しかし嫉妬深いゼファーの妻により、アネモネは宮殿から追放され、花に変えられたと言われています。
- ↳また別の説ではアネモネの花(萼片)が風によって容易に飛ばされてしまう事から風の娘の名前がついたとも言われます。
- 種小名のnemorosaはラテン語で「森林性の」を意味しており、自生地に由来しています。
ヤブイチゲの特徴(魅力)
- ヤブイチゲは地面下で這うように広がる根茎を持ちます。
- ↳根茎は分岐しながら広範に広がり芽を出し群生する様に広がります。
- 花茎は高さ約30cmまで伸び頂部に1個の花を咲かせます。
- 花は可憐で楚々とした白色の花(萼片6~10個)を咲かせます。
- ↳切り花にも利用されます。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- 葉は基本的に根生葉のみで構成されており花茎には苞葉があります。
- ヤブイチゲは耐陰性が高く日陰でも育てられます。
- 基本的に丈夫で理想的な環境であれば水やりや肥料も殆ど必要なく放ったらかしで育てられます。
ヤブイチゲは地面下で広がる根茎をもっており、根茎は分岐しながら這って広がり芽を出し群生をつくります。葉は基本的に根生葉のみで構成されており花茎には苞葉がつきます。葉色は緑色、根生葉には長い葉柄があり、葉身は3出複葉して小葉は縁部分が浅裂(~深裂)します。また苞葉は花の下で茎を巻くように輪生します。花茎は5(~30)cmの間で伸びて、花序は単頂花序、個々の花は直径約2(~4)cmの大きさ、花弁状の萼は6(~10)個で、中央に小さく球状に盛り上がる緑色の多数の雌蕊、雌蕊を囲む多数の黄色の雄蕊があります。花後に出来る果実は痩果です。
開花時期は早春から晩春、花色は白色、個々の花は直径約2(~4)cmの大きさで、花弁状の萼片は6(~10)個、球状につく多数の雌蕊と、雌蕊を囲う多数の雄蕊があり、花序は単頂花序つけます。草姿は直立して根茎により広がり高さは約5(30)cm × 幅は30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は3出複葉して小葉は縁部分が浅裂(~深裂)して鋸歯があり、葉序は根生葉もしくは苞葉が輪生につきます。
ヤブイチゲの栽培方法
ヤブイチゲを育てる際に注意する事は基本的にありません。理想的な環境(通気性がよく肥沃な土壌・半日影等)であれば放ったらかしで育てる事も可能です。
アネモネの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アネモネの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種【2022】
ヤブイチゲの育て方
花壇の土づくり
ヤブイチゲは西日の当たらない半日影で育てる事が理想ですが、日陰でも育てる事が出来ます。
ヤブイチゲは土壌のPH5.5~6.5の間を好み、通気性が高く有機物(腐植)が豊富に入る肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高めるパーライト等の土壌改良材を入れたり、また肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やピートモスを入れ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
ヤブイチゲは西日の当たらない半日影から明るい日陰迄で育てる事が出来ます。
ヤブイチゲは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良い肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
水やりの仕方
ヤブイチゲを地植えしている場合は一度根付くと水やりは基本的に不要で降水のみで育てられます。
鉢植えで育てている時や、降水がなく乾燥が続く時等は、土の表面もしくは表層が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ヤブイチゲは肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としませんが、晩冬から早春に肥料(寒肥)を施す事で恩恵をうけます。
- 肥料は植付け時に与える元肥、もしくは休眠中の晩冬から早春に与える寒肥を年に1回与えます。
- 植付け時に与える元肥は緩効性肥料を選び成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料もしくは、リンが多めに入る山型肥料を選びましょう。
- 元肥の入れ方は全面施肥(培養土もしくは土に均一に混ぜ込む)しましょう。
- 晩冬もしくは早春に与える寒肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選び、成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型もしくは、リンが多めの山型を選びましょう。
- 寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
- ↳また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する堆肥や腐葉土等も株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
剪定のやり方
ヤブイチゲの剪定は基本的に不要です。
夏越しする方法
ヤブイチゲは夏に地上部が枯れて休眠します。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
ヤブイチゲは耐寒性が高く基本的には冬越しの対策は必要ありません。
春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げるといいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヤブイチゲは株分けによって増やす事ができます。
ヤブイチゲの株分け手順
- ヤブイチゲの株分け時期は成長が始まる前の早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- スコップもしくはナイフ等を利用して株(根茎)を個々に切り分けます。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
ヤブイチゲの根挿しの方法
- ヤブイチゲの根挿しに適した時期は秋から冬です。
- スコップで株を掘り上げて太い根を5~10cm前後で切り取ります。
- 無菌の挿し木用の培養土(バーミキュライトやピートモス等)を準備して少し湿らせておきます。
- 培養土の中に切り分けた根を横向きに埋めましょう。
- 芽が出るまで培養土を湿らせ管理します。
播種で増やす
ヤブイチゲの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:
発芽条件:
ヤブイチゲの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ヤブイチゲの病気
- うどんこ病
ヤブイチゲの害虫
- アブラムシ
- ハモグリバエ