科:キンポウゲ(Ranunculaceae)
属:アネモネ(Anemone)
品種:ワイルドスワン(wild swan)
開花時期:5月~10月
花の色:紫色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約40~60cm
誕生花:9月14日/9月30日/10月2日/10月8日/10月15日
花言葉:薄れゆく愛/忍耐/淡い思い
用途:切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アネモネ(ワイルドスワン)とは!?
アネモネ(ワイルドスワン)は学名Anemone ‘wild swan’、早咲きのルピコラ種(A.rupicola)とシュウメイギクの交雑種と考えられており、エリザベス・マクレガー・ナーセリー(苗木販売所)の所有者であるエリザベス・マクレガーにより発見され選ばれた品種です。
開花時期は晩春から秋、花色は白色と紫色、個々の花は直径約7~9cmの大きさで、花弁状の萼片は5個、球状につく多数の緑色の雌蕊と、雌蕊を囲う多数の黄色の雄蕊があり、花序は集散花序に花が咲きます。草姿は直立して根茎があり高さは約40(60)cm × 幅は40(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は三出複葉で小葉は掌状浅裂(~中裂)して、葉序は根生葉もしくは苞葉が輪生につきます。
アネモネ(ワイルドスワン)の特徴(魅力)
- アネモネ(ワイルドスワン)は秋に咲くシュウメイギクと違い晩春から秋まで長く開花する所が魅力です。
- 花は大きく直径約7~9cmの大きさがあります。
- 光に敏感で夕方から翌朝まで頷くように花を閉じる傾向があります。
- 花弁状の萼片は白色ですが幾つかの萼片の裏側は紫色をしていて表面も紫色がやや透けて見えます。
- ↳白色と紫色の2色の花色は繊細で優しい印象を与えるため心を癒すような上品なお庭によくあいます。
- 花茎が長く伸びて楚々と咲く花は可憐な魅力があり切り花や茶花としても魅力的です。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- 葉は基本的に根生葉のみで構成されており花茎には花柄の下につく小さな苞葉があります。
- 根茎は侵襲的に広がる事はなく扱いやすいです。
- やや湿り気のある土壌を好みますが理想的な環境であれば水やりや肥料も殆ど必要なく放ったらかしで育てられます。
アネモネ(ワイルドスワン)の切り花の楽しみ方
- アネモネ(ワイルドスワン)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 花が開ききっていないものを収穫すると日持ちがよくなります。
- 水揚げは水に漬けて水切りと必要に応じて湯揚げを行います。
- 水切りしたら延命剤(栄養入り)入りの花瓶に生けると蕾も開きやすくなり日持ちが長くなります。
- 管理場所は出来るだけ直射日光の当たらない低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
おすすめの延命剤
アネモネ(ワイルドスワン)の栽培方法
園芸では、長く伸びる花茎に楚々として咲く可憐な花を楽しむ目的で育てられたり、またその花を切り花として利用する目的で育てられたりします。また花のない時期は地面を被覆する様に根生葉(基部から出る葉)が出て深くカットされた装飾的な葉が地面を覆うことから、花壇に並べると被覆植物として利用できます。
アネモネ(ワイルドスワン)を育てる際に注意する事は基本的にありません。アネモネ(ワイルドスワン)はやや湿り気のある土壌を好みますが、理想的な環境(肥沃な土壌・半日影等)であれば放ったらかしで育てる事も可能です。
アネモネの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アネモネの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種【2022】
アネモネ(ワイルドスワン)の育て方
花壇の土づくり
アネモネ(ワイルドスワン)は日向でも育てられますが、強い日差しが一日中あたる場所よりも、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影を好みます。またやや湿り気のある土壌を好む事から、日向よりも半日影の方が管理もしやすいです。
アネモネ(ワイルドスワン)は土壌のPH5.5~6.5の間を好み、通気性が高く有機物(腐植)が豊富に入る肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高めるパーライト等の土壌改良材を入れたり、また肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やピートモスを入れ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
アネモネ(ワイルドスワン)は日向でも育てられますが、西日の当たらない半日影が理想です。
アネモネ(ワイルドスワン)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性が良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 黒土+腐葉土+パーライト(極小粒)=5:3:2
水やりの仕方
アネモネ(ワイルドスワン)は冬を除いた生育期間中、持続的に湿り気のある土壌を好みます。また乾燥した土壌を好みません。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
アネモネ(ワイルドスワン)は肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としませんが、晩冬から早春に肥料(寒肥)を施す事で恩恵をうけます。
- 肥料は植付け時に与える元肥、もしくは休眠中の晩冬から早春に与える寒肥を年に1回与えます。
- 植付け時に与える元肥は緩効性肥料を選び成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料もしくは、リンが多めに入る山型肥料を選びましょう。
- 元肥の入れ方は全面施肥(培養土もしくは土に均一に混ぜ込む)しましょう。
- 晩冬もしくは早春に与える寒肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選び、成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型もしくは、リンが多めの山型を選びましょう。
- 寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
- ↳また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する堆肥や腐葉土等も株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
剪定のやり方
アネモネ(ワイルドスワン)の剪定は基本的に不要です。
夏越しする方法
アネモネ(ワイルドスワン)は夏の暑さに耐えますが、乾燥を苦手にしています。
アネモネ(ワイルドスワン)の夏越し対策
- 基本的には西日の当たらない半日影で育てた方がいいでしょう。
- 地面が乾燥するのを防ぐために腐葉土等で株元をマルチングするのも対策になります。
- 地植えしたものでも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
アネモネ(ワイルドスワン)は耐寒性が高く基本的には冬越しの対策は必要ありません。
春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げるといいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
アネモネ(ワイルドスワン)は株分けや根挿しによって増やす事ができます。
アネモネ(ワイルドスワン)の株分け手順
- アネモネ(ワイルドスワン)の株分け時期は成長が始まる前の早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- スコップもしくはナイフ等を利用して株(根茎)を個々に切り分けます。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
アネモネ(ワイルドスワン)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アネモネ(ワイルドスワン)の病気
- うどんこ病
- 灰色かび病
アネモネ(ワイルドスワン)の害虫
- アブラムシ
- ハモグリバエ