原産:南アフリカ/スワジランド
科:キク(Asteraceae)
属:ガーベラ(Gerbera)
種:ハイブリッド(hybrida)
品種:カルビネア スイート(garvinea sweet)
開花時期:4月~11月(理想的な環境で周年)
花の色:赤色●桃色●橙色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約45cm
誕生花:2月11日/8月1日/10月12日
花言葉:希望/神秘/常に前身/崇高な美/光溢れる
用途:開花期間長い/切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ガーベラ(カルビネア スイート)とは!?
ガーベラ(カルビネア スイート)は一般的なガーベラと比べて遥かに耐病性や害虫に強く、また耐寒性も高いため花壇や鉢植え等で楽しみやすいシリーズです。ガーベラ(カルビネア スイート)は開花すると高さ45cmまで成長して、八重咲きする直径約5cmの花を咲かせます。葉はロゼット状に広がり地面を被覆するため花壇に並べて縁どり等にも利用する事もできます。
開花時期は春から晩秋(理想的環境では周年)、花色は赤色と桃色、黄色と白色があり、個々の花は直径約5cmの大きさで、舌状花と筒状花が組み合わさる頭状花序です。草姿はロゼット状で高さは約30(45)cm × 幅は30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身はさじ形で羽状浅裂(~深裂)して、葉序は根生葉につきます。
ガーベラとは!?
ガーベラは学名Gerbera × hybrida、別名「ガーデン・ハイブリッド」とも呼ばれる多年草です。Gerbera × hybridaは19世紀終わりにイギリスのケンブリッジでリンチ(R.I. Lynch)によりG.jamesoniiとG.viridifoliaが交配されたのが始まりで、交配された雑種はGerbera × cantebrigiensisと命名されました。しかし現在ではその名称は使用されておらず、Gerbera × hybridaとして知られています。
ガーベラの語源(由来)
- 属名のGerberaはカール・リンネの友人でありドイツの植物学者であるゲルベル(Traugott Gerber)への献名です。
- 種小名のhybridaは「雑種」を意味しています。
ガーベラの特徴(魅力)
- ガーベラはスラリと垂直に伸びる花茎の先に咲く直径約7~12cmの大きく豪華な花が魅力です。
- 花は比較的にシンプルな花形(頭花)をしています。
- 園芸品種が多く長さや太さの異なる舌状花と筒状花で構成された様々な花形があります。
- ガーベラは花茎が長く切り花やフラワーアレンジメントに向く品種があったり
- 矮性で花壇等に並べて植えて楽しめる品種等があったりします。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが日持ち7~10日程度です。
- 葉は根生葉のみで構成されておりロゼット状に中央から外側へと優雅に広がります。
- 葉の形は楕円形で縁部分に切れ込みがあり羽状浅裂(~深裂)する装飾的な形をしています。
- ガーベラは乾燥や栄養の乏しい土壌に強いです。
- ただししっかり花を咲かせるためには肥料や水やりをしっかり行う必要があります。
- ガーベラはジメジメした多湿や長雨を苦手にしているため管理場所には注意が必要です。
ガーベラは地面下に根茎をもちます。葉は根生葉のみで構成されており、ロゼット状の草姿を作ります。葉色は緑色で、葉身の長さ約15(~40)cmあり、葉身の形はさじ形で羽状浅裂(~深裂)します。花茎は15(~75)cmの間の長さがあり、花序は直径が約7(~12)cmある頭花です。個々の花(頭花)は舌状花と筒状花と舌状花と筒状花の中間の小花で構成されており、構成される比率により一重咲き・半八重咲き・八重咲きに分類され、また花弁が著しく細いものをスパイダー咲きと呼ぶ場合もあります。花後の果実は痩果で白色の冠毛もちます。
ガーベラの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 基本的に花が綺麗に開いているタイミングで収穫します。
- 水揚げは水に漬けて水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶の水は浅水(浅く水を張る)で延命剤もしくは漂白剤を1滴垂らして花を生けます。
- ガーベラは細菌の影響を受けやすく水揚げを悪化させて日持ちが短縮しやすいため、基本的には延命剤を使用しましょう。
- 管理は数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、同時に水も替えて清潔な水で切り花を管理しましょう。
- 管理方法にも左右されますが日持ちは約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
ガーベラの栽培方法
園芸では、スラリと伸びる花茎の先に咲く大きく華やかな花を鑑賞する目的で育てられたり、また切り花として利用する目的で育てられたりします。ガーベラは花壇では前面や中央部に並べて楽しまれたり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。
育てる際に注意する事は「浸水や過湿」くらいです。何故なら長雨等で株元に水が溜まったり、ジメジメとした多湿環境が続くと病気にかかったり、根腐れを引き起こすからです。また乾燥や栄養の乏しい土壌でも育つガーベラですが、しっかり花を咲かせるには定期的に肥料を与えたり、水やりをしっかり行う必要があります。
ガーベラの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガーベラの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ガーベラ(カルビネア スイート)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ガーベラ(カルビネア スイート)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てますが、3時間~5時間の半日影までで植えて育てる事が出来ます。また長雨に当たると根腐れを引き起こしたり病気になりやすいため、軒下等の雨に当たらない環境で育てた方がよい場合もあります。
作土層
ガーベラの根はとても深くまで張ります。そのため作土層は約30~50cmまでしっかり耕してくおくと生育がよくなります。
土壌のPH
ガーベラは土壌のPH5.5~6.5の間を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると要素障害を引き起こし葉が黄化したり黒色の斑点等が浮きでて生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
ガーベラは基本的に通気性と排水性が良好であれば、あまり土質を選びません。ただし土壌が粘土質で水捌けが悪い場合等は根腐れを引き起こしやすくなるため注意が必要です。そのため植付け前に土壌診断を行い、土質が粘土質な場合等は川砂やパーライト等を入れて通気性をよくしましょう。また適度に肥沃な土壌を好むため必要に応じて腐葉土等の堆肥を入れて土壌改善を行います。
植付け時
ガーベラの植付け時に注意する事は、深植えしないことです。何故なら株元のクラウンが埋まると腐敗して枯れてしまう事があるためです。そのため浅植えもしくは標準植えで植付けましょう。
※深植えとは苗を地面深くに植え込む事で、茎が地面に埋まってしまう様な状態です。
鉢土づくり
日当り
ガーベラ(カルビネア スイート)は日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また3時間~5時間の半日影までで植えて育てる事が出来ます。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
地植え
ガーベラ(カルビネア スイート)を地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。 ただし葉や花が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。また乾燥にある程度耐えるため水やりを少々忘れても枯れる事は少ないですが、水やりを怠ると生育が鈍るため注意が必要です。
水やり時の注意点
ガーベラは水やり時にクラウン(株中心)に水が溜まったり、泥はねで葉に泥水がかかったりすると株元が腐敗したり病気にかかる事があります。基本的には株に水がかからないように、株から少し離れた場所に優しく水を注ぎましょう。
肥料の与え方
ガーベラ(カルビネア スイート)は花をしっかり咲かせるために、持続的に肥料を施す事が大切です。
肥料は植え付け時に元肥を入れて、生育期間中も追肥を定期的に与えましょう。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。また成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
ガーベラの追肥は、生育期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。化成肥料や緩効性肥料は山型肥料(リン酸多め)を選び、株から少し離した場所に規定量を置肥しましょう。
剪定のやり方
ガーベラ(カルビネア スイート)の剪定は「花がら摘み」「古葉とり」の2つに分かれます。
花がら摘み
ガーベラは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、新しい花がつくられにくくなったりするからです。 枯れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みは基本的にハサミを使いません。花茎の根元を指で摘み捻り折るように摘み取ります。
古葉とり
ガーベラは成長により葉が段々と古くなり枯れてきます。枯れた葉を残すと見た目が悪いばかりか、新しい葉が出にくくなるため光合成が出来なくなり生育が衰えます。また病気の感染源ともなるため、健康な部分に病気が広がり腐敗して枯れる事も予想されます。そのため枯れ葉は直ぐに取り除く様に心がけましょう。
冬越しする方法
Hardiness:8~10
ガーベラ(カルビネア スイート)は強い霜の降りない地域であれば屋外で越冬する事が出来ます。ただし強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株を掘り起こして鉢植えに植え直し室内か温室に入れます。
- それも難しい場合は株元に腐葉土を盛り不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
播種で増やす
ガーベラの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数約7~14日
発芽条件:
ガーベラの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。