原産:南アフリカ/スワジランド
科:キク(Asteraceae)
属:ガーベラ(Gerbera)
種:ヤメソニー(jamesonii)
別名:ハナグルマ/アフリカセンボンヤリ/オオセンボンヤリ/バーバートン・デイジー(Barberton daisy)
開花時期:4月~11月(理想的な環境で周年)
花の色:赤色●橙色●黄色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約15~75cm
誕生花:2月11日/8月1日/10月12日
花言葉:希望/神秘/常に前身/崇高な美/光溢れる
用途:開花期間長い/切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ガーベラ(ヤメソニー種)とは!?
ガーベラ(ヤメソニー種)は学名Gerbera jamesonii、別名「ハナグルマ」や「アフリカセンボンヤリ」とも呼ばれる南アフリカ及びスワジランドが原産の多年草です。またガーベラ(ヤメソニー種)は現在栽培される多くの雑種の起源となっています。
ガーベラ(ヤメソニー種)の語源(由来)
- 属名のGerberaはカール・リンネの友人でありドイツの植物学者であるゲルベル(Traugott Gerber)への献名です。
- 種小名のjamesoniiは南アフリカのバーバートン近郊で植物を集めた、スコットランド生まれの植物学者で鉱物学者のRobert Jamesonへの献名です。
ガーベラ(ヤメソニー種)の特徴(魅力)
- ガーベラ(ヤメソニー種)は現在栽培される殆ど全てのガーベラの祖先として知られています。
- 花は直径約4~5cmで舌状花と筒状花からなるシンプルな花形をしています。
- ↳通常は舌状花が赤色(赤橙色)をしていますが桃色や黄色等もあります。
- 花茎は葉がつかず最大75cmまで伸びます。
- ↳花茎は緑色ですが白色の毛が密生してるため灰緑色の外観をしています。
- 葉は根生葉のみで構成されておりロゼット状に中央から外側へと優雅に広がります。
- 葉の形はさじ形で縁部分に切れ込みがあり羽状浅裂(~深裂)する装飾的な形をしています。
ガーベラ(ヤメソニー種)の葉は根生葉のみで構成されており、ロゼット状の草姿を作ります。葉は緑色で、葉身の長さ約15(~68)cm幅約4(~14)cmあり、葉身の形はさじ形で羽状浅裂(~深裂)します。花茎は15(~75)cmの間の長さがあり、花序は直径が約4(~5)cmある頭花で、個々の花(頭花)は通常は赤橙色(稀に橙色・黄色・桃色・白色)の舌状花と、黄色(~赤色・橙色)の筒状花で構成されています。花後は多数の痩果をつけます。
開花時期は春から晩秋(理想的環境では周年)、花色は赤色や桃色、橙色や黄色、白色があり、個々の花は直径約4(~5)cmの大きさで、舌状花と筒状花が組み合わさる頭状花序です。草姿はロゼット状で高さは約15(75)cm × 幅は30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身はさじ形で羽状浅裂(~深裂)して、葉序は根生葉につきます。
ガーベラ(ヤメソニー種)の切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- 開花してるものを花茎の根元から切りバケツに入れて収穫します。
- 収穫したら茎の切り口部分を水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは管理の仕方で変わりますが約7~10日程度です。
- 管理はバクテリアが増殖すると水揚げが悪くなるため数日(約3~4日)ごとに水換えと水切りを行い、水揚げが悪い場合は必要に応じて湯揚げを行います。
- ↳バクテリアの増殖を抑制するために花瓶の水に漂白剤を1滴垂らすのもおすすめです。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
湯揚げ
湯揚げとは約80度に沸騰させたお湯に切り花の切り口をつけて、内部の気泡を膨張させ外に押し出し、水揚げをよくする方法です。
①湯上げする際は熱や水蒸気が余計な部分に当たらないように切り花の下部(約20cm)を残して花全体を新聞紙で包みます。
②切り花をお湯につけた後は冷水に浸ける必要があるため、予めバケツ等に冷水を入れて準備しておきましょう。
②鍋で沸騰させたお湯(約80度)に約30秒ほど切り花の切り口をつけましょう。
③お湯に浸け終わったら予め準備しておいた冷水に浸けて2時間程度水揚げを行います。
④水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い再度花瓶に生けて楽しみます。
ガーベラ(ヤメソニー種)の栽培方法
園芸では、スラリと伸びる花茎の先に咲く大きく華やかな花を鑑賞する目的で育てられたり、また切り花として利用する目的で育てられたりします。花壇では前面や中央部に並べて楽しまれたり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。
育てる際に注意する事は「浸水や過湿」くらいです。何故なら長雨等で株元に水が溜まったり、ジメジメとした多湿環境が続くと病気にかかったり、根腐れを引き起こすからです。また乾燥や栄養の乏しい土壌でも育つガーベラですが、しっかり花を咲かせるには定期的に肥料を与えたり、水やりをしっかり行う必要があります。
ガーベラの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガーベラの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
ガーベラ(ヤメソニー種)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ガーベラ(ヤメソニー種)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てますが、3時間~5時間の半日影までで植えて育てる事が出来ます。また長雨に当たると根腐れを引き起こしたり病気になりやすいため、軒下等の雨に当たらない環境で育てた方がよい場合もあります。
作土層
ガーベラの根はとても深くまで張ります。そのため作土層は約30~50cmまでしっかり耕してくおくと生育がよくなります。
土壌のPH
ガーベラは土壌のPH5.5~6.5の間を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると要素障害を引き起こし葉が黄化したり黒色の斑点等が浮きでて生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
ガーベラは基本的に通気性と排水性が良好であれば、あまり土質を選びません。ただし土壌が粘土質で水捌けが悪い場合等は根腐れを引き起こしやすくなるため注意が必要です。そのため植付け前に土壌診断を行い、土質が粘土質な場合等は川砂やパーライト等を入れて通気性をよくしましょう。また適度に肥沃な土壌を好むため必要に応じて腐葉土等の堆肥を入れて土壌改善を行います。
植付け時
ガーベラの植付け時に注意する事は、深植えしないことです。何故なら株元のクラウンが埋まると腐敗して枯れてしまう事があるためです。そのため浅植えもしくは標準植えで植付けましょう。
※深植えとは苗を地面深くに植え込む事で、茎が地面に埋まってしまう様な状態です。
鉢土づくり
日当り
ガーベラ(ヤメソニー種)は日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また3時間~5時間の半日影までで植えて育てる事が出来ます。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
地植え
ガーベラ(ヤメソニー種)を地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。 ただし葉や花が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。また乾燥にある程度耐えるため水やりを少々忘れても枯れる事は少ないですが、水やりを怠ると生育が鈍るため注意が必要です。
水やり時の注意点
ガーベラは水やり時にクラウン(株中心)に水が溜まったり、泥はねで葉に泥水がかかったりすると株元が腐敗したり病気にかかる事があります。基本的には株に水がかからないように、株から少し離れた場所に優しく水を注ぎましょう。
肥料の与え方
ガーベラ(ヤメソニー種)は花をしっかり咲かせるために、持続的に肥料を施す事が大切です。
肥料は植え付け時に元肥を入れて、生育期間中も追肥を定期的に与えましょう。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。また成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
ガーベラの追肥は、生育期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。化成肥料や緩効性肥料は山型肥料(リン酸多め)を選び、株から少し離した場所に規定量を置肥しましょう。
剪定のやり方
ガーベラ(ヤメソニー種)の剪定は「花がら摘み」「古葉とり」の2つに分かれます。
花がら摘み
ガーベラは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、新しい花がつくられにくくなったりするからです。 枯れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みは基本的にハサミを使いません。花茎の根元を指で摘み捻り折るように摘み取ります。
古葉とり
ガーベラは成長により葉が段々と古くなり枯れてきます。枯れた葉を残すと見た目が悪いばかりか、新しい葉が出にくくなるため光合成が出来なくなり生育が衰えます。また病気の感染源ともなるため、健康な部分に病気が広がり腐敗して枯れる事も予想されます。そのため枯れ葉は直ぐに取り除く様に心がけましょう。
夏越しする方法
ガーベラ(ヤメソニー種)は夏の暑さに耐える事が出来ますが、暑さや強い日差しで生育が衰えます。また長雨等により過湿が続くと根腐れを起こし株が枯れる事もあります。そのため必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
ガーベラ(ヤメソニー種)の夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、暑さと長雨対策として、西日の当たらない半日影や軒下等に移動するといいでしょう。
- 地植えで育てている場合は、株を弱らせない為に、必要に応じて遮光ネットを張るのも1つの対策です。
- 多湿に弱いため土壌の排水性を高めて、浸水しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:8a~10b
ガーベラ(ヤメソニー種)は強い霜の降りない地域であれば屋外で越冬する事が出来ます。ただし強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株を掘り起こして鉢植えに植え直し室内か温室に入れます。
- それも難しい場合は株元に腐葉土を盛り不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
ガーベラ(ヤメソニー種)は株分けによって増やす事ができます。
ガーベラの株分け手順
- ガーベラの株分け時期は早春頃が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 株の状態を見ながら、芽(葉)と根の沢山付いた部分を、手もしくはハサミ等を利用して慎重に株を分けます。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
ガーベラ(ヤメソニー種)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数約7~14日
発芽条件:
ガーベラの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ガーベラ(ヤメソニー種)の病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 斑点病
- 白絹病
- 菌核病
- 茎腐病
- 斑点細菌病
ガーベラ(ヤメソニー種)の害虫
- アブラムシ
- ハダニ
- アザミウマ