ジャスミン属(ソケイ属)の種は約202種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは7種類の原種と、14種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ジャスミン属(ソケイ属)の簡易比較

学名:Jasminum officinale
生活形:落葉つる性木本・半常緑つる性木本
生育型:ツル型
全長:約400~800cm
開花:5月~9月(一部の品種5月~11月)
花序:集散花序
花色:淡い桃色・白色
花の芳香:強い
葉の形:奇数羽状複葉
葉色:緑色・黄色・クリーム色・白色
備考:羽衣ジャスミンと比べて、開花期間が晩春頃から初秋頃と遅くて長めです。また花の色は基本的に白色で、花弁裏側も白色から薄めの桃色をしています。ツル性で壁面緑化などにも利用されます。

学名:Jasminum polyanthum
生活形:常緑ツル性木本・半常緑つる性木本
生育型:ツル型
樹高:約300~600cm
開花:3月~6月
花序:集散花序
花色:白色・桃色
花の芳香:強い
葉の形:奇数羽状複葉
葉色:緑色・黄色・クリーム色・白色
備考:ソケイと比べて開花時期が早春から初夏と早いです。また非常に多花性で、ひとつの花序の中に数十個、多い時には50個程度の花が咲くこともあります。そのため、開花時には株を覆うように花が咲き誇ります。花の色は蕾時(花弁裏側)の色が鮮やかな桃色をしているため、開花時(花弁内側)の白色との組み合わせで強いコントラストがうまれます。

学名:Jasminum sambac
生活形:常緑・半常緑つる性木本・常緑・半常緑低木
生育型:ツル型・分枝型
樹高:約50~300cm
開花:周年(主な開花期は5月~10月)
花序:集散花序
花色:白色
花の芳香:強い
葉の形:単葉(楕円形・卵形)
葉色:緑色
備考:開花期間が周年で何回かに分けて開花します。葉はハゴロモジャスミンやソケイなどと違い単葉です。花は官能的な甘い香りがあり、催淫作用や気分を高揚させる効果があるとされます。またジャスミンティーに使われる花は本種です。

学名:Jasminum mesnyi
生活形:常緑低木
生育型:叢生型・ツル型
樹高:約100~300cm
開花:3月~4月
花序:単生
花色:黄色
花の芳香:微香・無香
葉の形:三出複葉
葉色:緑色
備考:近縁で類似点の多いオウバイは落葉低木ですが、本種は常緑低木になり、枝は頑強で自立する傾向が強く、個々の花が直径約2~4.5cmと大きめです。

学名:Jasminum humile var. revolutum
生活形:半常緑低木
生育型:叢生型・ツル型
樹高:約100~300cm
開花:5月~7月
花序:集散花序
花色:黄色
花の芳香:爽やかな香り
葉の形:単葉(楕円形・披針形・卵形)
葉色:緑色・黄色・白色
備考:葉序が互生になる点が最大の特徴です。またソケイ・ヒューミレ(jasminum humile)と比べて、本種は花弁が反曲します。

学名:Jasminum nudiflorum
生活形:落葉低木
生育型:分枝型・匍匐型・ツル型
樹高:約100~300cm
開花:3月~4月
花序:単生
花色:黄色
花の芳香:微香・無香
葉の形:三出複葉
葉色:緑色・黄色・白色
備考:近縁で類似点の多いオウバイモドキは常緑低木ですが、本種は落葉低木になり、枝は柔軟で地面を這ったり枝垂れたりしやすいです。
■ジャスミン属(ソケイ属)の主な種と園芸品種の紹介
ソケイ(素馨)
ソケイ(素馨)とは!
ソケイ(学名: Jasminum officinale)は、単に「ジャスミン」あるいは「ジャスミン・オフィキナーレ」「コモンジャスミン(common jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属に分類される落葉つる性木本または半常緑つる性木本の種です。
ソケイ(素馨)の原産地はアゼルバイジャン、アフガニスタン、アルメニア、インド、イラン、ジョージア、タジキスタン、チベット、中国、トルコ、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、ネパール、ミャンマーで、自生地は山地の森林や谷間、茂みなどです。
ソケイ(素馨)の特徴
- 形態:全長は約400~800cm、生育型はツル型、茎は柔軟で自立せずに、他物を支えにしながら伸びる【ツル】で、本種は、このツルを他物に巻き付けて支えにします。葉は小葉が3~9枚の奇数羽状複葉、小葉の概形は楕円形・披針形・卵形、色は緑色(園芸品種では黄色・クリーム色・白色も見られます)です。花序は頂生または腋生の集散花序(二出集散花序・多出集散花序)で、花冠は高杯形、色は花弁の外側が白色または淡い桃色、内側が白色をしています。
- ライフサイクル:生活形は落葉または半常緑つる性木本の多年生です。
- 春:暖かくなってくると休眠芽が萌芽し、生育旺盛に枝を伸長させながら葉を展開し、早ければ晩春頃から花を咲かせ始めます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、分枝を繰り返しながら、花がどんどん咲きます。
- 秋:開花は初秋頃まで続き、受粉した花は結実も見られます。休眠に備え、根や茎に栄養が蓄えられます。
- 冬:温暖な地域では、一部の葉を残すこともありますが、基本的に全ての葉を落とし休眠します。
- 近縁種との比較:近縁種の羽衣ジャスミンと比べて、開花期間が晩春頃から初秋頃と遅くて長めです。また花の色は基本的に白色で、花弁裏側も白色から薄めの桃色をしているため、濃桃色をしている羽衣ジャスミンと区別することが可能です。
- 葉の魅力:本種は1枚の葉の中に複数の細長い小葉が集まる羽状複葉です。そのため、繊細で洗練された印象を与える造形美があり、エレガントな雰囲気のお庭にもよく調和します。また園芸品種の中には、葉の色が黄色・クリーム色・白色の品種もあるため、明るさを感じさせるカラーリーフとして楽しめるものもあります。
- 花の装飾性:本種は、花の直径が2cm程度と比較的小ぶりですが、非常に多花性で株を覆うように花が咲き誇るため、華やかさと賑やかさを感じさせる豪華な花姿が楽しめます。花の色は基本的に白色の単色または裏側が淡い桃色をしています。白色は、ウェディングに使われたり神様の色として使われたりしており純粋無垢さや神聖さを感じさせる色のため、清潔感があり明るさを感じさせるエントランスガーデン、洗練された気品を感じさせるエレガントなお庭などによく合います。
- 香りの特徴:本種は三大フローラル(ジャスミン・スズラン・薔薇)の一つです。開花期になると、花は数メートル先まで強い芳香を漂わせ、この芳香は蜂蜜を想像させるような甘さがあり、また刺激的でスパイシーな香りも感じさせます。
- 主要な芳香成分:酢酸ベンジル(甘くフルーティー)、安息香酸ベンジル(バルサムに似たフローラル)、リナロール(甘く爽やかなフローラル)、シス-ジャスモン(濃厚な甘みのあるフローラルでフルーティー)、インドール(便のような刺激臭、極微量ではフローラルな香り)などが含まれ、香りに複雑さと奥行きを与えています。
- 主な園芸用途:小道の植え込みなどに植栽して通行人が香りを楽しめるようにしたり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りを楽しむことが出来たりします。またこの芳香に、催淫作用や気分を高揚させる効果があると考えられていることから、マツリカ(Jasminum sambac)と同様にアジアの一部地域では夜の営みの前に花を収穫してベッドの周りに散らしたり、ベッド横の花瓶に生けて香りを楽しむ習慣が古くからあり、現在も続いています。
- 商業用途:花から香気成分が抽出されて、香水やアロマオイルなどに利用されています。
- 欠点:花の芳香が極めて強いため、香りに敏感な人が頭痛を引き起こすことがあります。
- フラワーアレンジメント:切り花の寿命は1~3日程度と短いですが、収穫して花瓶に生けて切り花として楽しまれることもあります。本種の花を花瓶に生けて部屋に飾ることで、蜂蜜のような甘い香りが部屋に広がり、心地良い芳香を楽しむことが出来ます。
- ツル植物の仕立て:本種は生育型がツル型で、他物にツルを螺旋状に巻き付けて支えに登攀します。そのため、園芸ではツルを支える園芸資材(支柱・ネット・トレリス・ラティス・アーチ・パーゴラ・ガゼボ・オベリスク・壁面ワイヤー・トピアリーフレーム)を準備して、これに誘引しながら栽培すると良いでしょう。
- ハンギング仕立て:本種は茎が比較的柔軟で枝垂れる性質があるため、吊り鉢やコンテナなどに植えると鉢縁から真下に枝垂れる草姿が観賞できます。
ソケイ(素馨)の園芸品種の紹介
●クロテッドクリーム
学名:Jasminum officinale ‘Clotted Cream’
開花時期:5月~9月
花の色:クリーム色
葉の色:緑色
全長:約200~400cm
色彩効果:クリーム色は、とろけるような甘いお菓子のカスタードやシュークリームを想像させたり、幻想的な柔らかな光を連想させます。また見る人に柔らかさ・温かさ・優しさ等を感じさせるため、絵本の中で見るお菓子で作られた世界を切り取ってきたような【スイーツガーデン】や、夢心地な乙女心をくすぐる【メルヘンチックなお庭】を演出するのにおすすめです。
●斑入りジャスミン
学名:Jasminum officinale ‘Argenteovariegatum’
開花時期:5月~9月
花の色:白色
葉の色:灰緑色・クリーム色(覆輪)
全長:300~500cm
カラーリーフ:葉の色は灰緑色を基調として、縁部分にクリーム色の覆輪が入ります。全体にパステル調の柔らかなトーンをしているため、見る人に穏やかさや優しさを感じさせます。
●フィオナサンライズ

学名:Jasminum officinale ‘Fiona Sunrise’
開花時期:5月~9月
花の色:白色
葉の色:黄色
全長:約300~600cm
カラーリーフ:葉の色は黄色をしています。黄色は子供っぽく元気な印象を与えたり、また太陽のように明るい印象を与えるため、子供が好むような明るいお庭や、色をテーマにしたカラフルなお庭などによく調和します。
●ホワイトプリンセス

学名:Jasminum officinale ‘White Princess’
開花時期:5月~11月※真夏は休むことはあります。
花の色:白色
葉の色:緑色
全長:約200~300cm
四季咲き性:花は四季咲き性があり、晩春から晩秋にかけ咲くため、長く花を楽しみたい人に好まれる品種です。
色彩効果:従来のジャスミンと違い、この品種は花弁の裏側が桃色に染まらず、純白(蕾の時期は淡い緑色)をしています。白色は、ウェディングに使われたり神様の色として使われたりしており純粋無垢さや神聖さを感じさせる色です。そのため、清潔感があり明るさを感じさせるエントランスガーデン、洗練された気品を感じさせるエレガントなお庭などによく合います。
ハゴロモジャスミン
ハゴロモジャスミンとは!
ハゴロモジャスミン(学名: Jasminum polyanthum)は、別名で「メニー・フラワージャスミン(many-flowered jasmine)」「ピンク・ジャスミン(pink jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属に分類される常緑ツル性木本または半常緑つる性木本の種です。
ハゴロモジャスミンの原産地は中国、ミャンマーで、自生地は標高1400~3000mの山岳地帯の森林や谷間、茂みなどです。
ハゴロモジャスミンの特徴
- 形態:全長は約300~600cm、生育型はツル型、茎は柔軟で自立せずに、他物を支えにしながら伸びる【ツル】で、本種は、このツルを他物に巻き付けて支えにします。葉は小葉が5~9枚の奇数羽状複葉、小葉の概形は披針形・卵形、色は緑色(園芸品種では黄色・クリーム色・白色も見られます)です。花序は頂生または腋生の集散花序(単出集散花序・二出集散花序・多出集散花序)で、花冠は高杯形、色は花弁の外側が桃色、内側が白色をしています。
- ライフサイクル:生活形は常緑または半常緑つる性木本の多年生です。
- 春:早春頃から開花が始まり、株を覆うように花が咲き誇ります。暖かくなってくると休眠芽も萌芽し、生育旺盛に枝を伸長させながら葉を展開します。
- 夏:高温期も枝葉を伸長させて生育旺盛にぐんぐん成長します。
- 秋:生育がやや緩慢になり、花芽の形成が始まります。
- 冬:生育は緩慢で基本的に葉を残した過ごしますが、寒冷な地域では、葉を落とすこともあります。
- 近縁種との比較:近縁種のソケイと比べて、開花時期が早春から初夏と早いです。また非常に多花性で、ひとつの花序の中に数十個、多い時には50個程度の花が咲くこともあります。花の色も蕾時(花弁裏側)の色が鮮やかな桃色をしているため、開花時(花弁内側)の白色との組み合わせで強いコントラストがうまれます。
- 葉の魅力:本種は1枚の葉の中に複数の細長い小葉が集まる羽状複葉です。そのため、繊細で洗練された印象を与える造形美があり、エレガントな雰囲気のお庭にもよく調和します。また園芸品種の中には、葉の色が黄色・クリーム色・白色の品種もあるため、明るさを感じさせるカラーリーフとして楽しめるものもあります。
- 花の装飾性:本種は、花の直径が2cm程度と比較的小ぶりですが、非常に多花性で株を覆うように花が咲き誇るため、華やかさと賑やかさを感じさせる豪華な花姿が楽しめます。花の色は桃色と白色の複色です。この配色は、女性的な可愛らしさの中に清潔感を感じさせます。そのため、恋心を抱かせるようなロマンチックなお庭や、絵本を切り取ったようなメルヘンチックな世界観のお庭を演出するのにおすすめです。
- 香りの特徴:本種は三大フローラル(ジャスミン・スズラン・薔薇)の一つです。開花期になると、花は数メートル先まで強い芳香を漂わせ、この芳香は蜂蜜を想像させるような甘さがあり、また刺激的でスパイシーな香りも感じさせます。
- 主要な芳香成分:酢酸ベンジル(甘くフルーティーな香り)、p-クレゾール(刺激的な薬品臭)、イソオイゲノール(スパイシーなクローブ調の香り)、リナロール(甘く爽やかなフローラル調の香り)、インドール(便のような刺激臭、極微量ではフローラルな香り)などが含まれ、香りに複雑さと奥行きを与えています。
- 主な園芸用途:小道の植え込みなどに植栽して通行人が香りを楽しめるようにしたり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りを楽しむことが出来たりします。
- 商業用途:花から香気成分が抽出されて、香水やアロマオイルなどに利用されています。
- 欠点:花の芳香が極めて強いため、香りに敏感な人が頭痛を引き起こすことがあります。
- フラワーアレンジメント:切り花の寿命は1~3日程度と短いですが、収穫して花瓶に生けて切り花として楽しまれることもあります。本種の花を花瓶に生けて部屋に飾ることで、蜂蜜のような刺激的な甘い香りが部屋に広がり、心地良い芳香を楽しむことが出来ます。
- ツル植物の仕立て:本種は生育型がツル型で、他物にツルを螺旋状に巻き付けて支えに登攀します。そのため、園芸ではツルを支える園芸資材(支柱・ネット・トレリス・ラティス・アーチ・パーゴラ・ガゼボ・オベリスク・壁面ワイヤー・トピアリーフレーム)を準備して、これに誘引しながら栽培すると良いでしょう。
- ハンギング仕立て:本種は茎が比較的柔軟で枝垂れる性質があるため、吊り鉢やコンテナなどに植えると鉢縁から真下に枝垂れる草姿が観賞できます。
ハゴロモジャスミンの園芸品種の紹介
●レッドスター
学名:Jasminum polyanthum ‘Red Star’
開花時期:3月~6月
花の色:濃桃色・白色
葉の色:緑色
色彩効果:濃桃色と白色の組み合わせは、非常に明るくポップな可愛らしさの中に、清潔感や洗練された魅力を感じさせます。そのため、大人の女性が持つ艶やかな魅力を感じさせるお庭、ガールズパーティーでも開いているようなポップで可愛らしいお庭などにおすすめです。
●ミルキーウェイ
学名:Jasminum polyanthum ‘milkyway’
開花時期:3月~6月
花の色:パステルピンク色・白色
葉の色:緑色
備考:一般的なハゴロモジャスミンと比べて、蕾時(花弁裏側)の色がパステル調の淡い桃色をしているため、開花時(花弁内側)の白色との組み合わせでメルヘンチックな優しい色彩となります。
マツリカ


マツリカとは!
マツリカ(学名: Jasminum sambac)は、別名で「アラビアジャスミン(Arabian jasmine)」「サムバック・ジャスミン(Sambac jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属に分類される常緑・半常緑つる性木本または常緑・半常緑低木の種です。
マツリカ(茉莉花)の原産地はインド(東ヒマラヤ山嶺)で、自生地は熱帯の林縁や茂みなどです。
マツリカの特徴
- 形態:樹高は約50~300cm、生育型は【ツル型】と【分枝型】の性質があり、茎は比較的頑強で自立しますが、長く伸びるとツルのようになり、 他物を支えにしながら弱い【巻き付き茎】や【スクランブリングシュラブ】により登攀することもあります。葉は単葉で楕円形・卵形、色は緑色です。花序は頂生または腋生の集散花序(単出集散花序・二出集散花序・多出集散花序)で、花冠は高杯形、色は白色の単色です。
- ライフサイクル:生活形は常緑・半常緑つる性木本または常緑・半常緑低木の多年生です。
- 春:暖かくなってくると休眠芽が萌芽し、生育旺盛に枝を伸長させながら葉を展開し、開花が見られます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、分枝を繰り返しながら、途中で休みも入れながら開花も続きます。
- 秋:生育がやや緩慢になり、開花も見られます。
- 冬:温暖な地域では常緑ですが、寒さの厳しい地域では葉を落とすことがあります。熱帯では、この時期も花をつけますが、日本では開花が止まります。
- 近縁種との比較:近縁種のジャスミンと比べて、開花期間が周年で何回かに分けて開花します。花は弁が5~9枚、園芸品種ではさらに多い弁数があることもあり、花の色は白色の単色です。葉はハゴロモジャスミンやソケイなどと違い単葉(楕円形・卵形)です。
- 開花期間:基本的に周年開花する能力をもちます。ただし日本では開花に必要な十分な温かさが確保できないため、5月~10月が主な開花期間となり、この期間中、新しく伸びた枝の先に花芽を形成し、開花と新しい茎の伸長を交互に繰り返し、数回に分けて花の開花が楽しめます。そのため、花を長く楽しみたい人に好まれるジャスミンです。
- 花の装飾性:本種は、従来のジャスミンと比べて花の直径が2~3cm程度と大きめで、さらに園芸品種の中には八重咲きで薔薇のような花を咲かせる品種もあります。そのため、見応えのある豪華な花姿が楽しめます。また花は蝋細工のような光沢があり、色は純白です。そのため、宝飾品のような美しさも感じさせます。
- 香りの特徴:本種は三大フローラル(ジャスミン・スズラン・薔薇)の一つです。開花期になると、花は数メートル先まで強い芳香を漂わせ、この芳香は酔うような官能的な甘い香りを漂わせます。
- 主要な芳香成分:酢酸ベンジル(甘くフルーティーな香り)、α-ファルネセン(青リンゴのような爽やかな香り)、リナロール(甘く爽やかなフローラル調の香り)、インドール(便のような刺激臭、極微量ではフローラルな香り)、ジャスミンラクトン(甘くフルーティーな香り)などが含まれ、香りに複雑さと奥行きを与えています。
- 主な園芸用途:小道の植え込みなどに植栽して通行人が香りを楽しめるようにしたり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りを楽しむことが出来たりします。またこの芳香に、催淫作用や気分を高揚させる効果があると考えられていることから、アジアの一部地域では夜の営みの前に花を収穫してベッドの周りに散らしたり、ベッド横の花瓶に生けて香りを楽しむ習慣が古くからあり、現在も続いています。
- 商業用途:花から香気成分が抽出されて、香水やアロマオイルなどに利用されています。
- 欠点:花の芳香が極めて強いため、香りに敏感な人が頭痛を引き起こすことがあります。
ジャスミンティーの概要と作成工程:茶葉の香り漬けに、本種の花が利用されます。※ジャスミンの花を、そのままお湯で蒸らし飲むものではありません。- ジャスミンティーの準備:茶葉(烏龍茶や緑茶)・密閉出来る瓶・新鮮な花を準備します。
- 瓶に詰める:瓶の中に茶葉を薄く1層敷いて、その上にマツリカの花を薄く1層敷きます。これを繰り返して、茶葉と花をミルフィーユ状にします。
- 保管:茶葉を全て入れたら瓶を閉めます。一般的に数時間から1日程度保管して花の匂いを茶葉に移します。※数週間保管することもありますが、花の水分で茶葉が腐敗し全てダメになるリスクがあるため、専門家でない場合はやめておいた方が無難です。長時間香り漬けする場合は花を入れ替えたり、空気を入れ替えるなどの対策が取られています。
- 完成:1日程度保管したら、瓶から茶葉と花を取り出して、花を出来るだけ取り除きます。
- 飲む:急須に茶葉を茶さじ2~3杯いれて、お湯で5分ほど蒸らしジャスミンティーを飲みましょう。
- フラワーアレンジメント:切り花の寿命は1~3日程度と短いですが、収穫して花瓶に生けて切り花として楽しまれることもあります。本種の花を花瓶に生けて部屋に飾ることで、蜂蜜のような甘い香りが部屋に広がり、心地良い芳香を楽しむことが出来ます。
マツリカの園芸品種の紹介
オウバイモドキ
オウバイモドキとは!
オウバイモドキ(学名: Jasminum mesnyi)は、別名で「ウンナンオウバイ(雲南黄梅)」「プリムローズ・ジャスミン(primrose jasmine)」「ジャパニーズ・ジャスミン(Japanese jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される常緑低木の種です。
オウバイモドキ(黄梅擬)の原産地は中国(貴州省、四川省、雲南省)、ベトナムで、自生地は岩場や林縁、茂みなどです。
オウバイモドキの特徴
- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は【叢生型】または【ツル型】の性質があります。葉は三出複葉、小葉は楕円形・披針形、色は緑色です。花序は腋生の単生で、花冠は高杯形、裂片は通常6枚(5~8枚)または半八重咲きの品種も見られ、色は黄色です。
- ライフサイクル:生活形は常緑低木の多年生です。
- 春:暖かくなってくると新芽が展開し、生育旺盛に枝を伸長させながら、葉を展開させ、早春から春にかけては花が咲きます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、枝は分枝を繰り返し、弧状に湾曲しながら長く伸びます。
- 秋:生育がやや緩慢になり、花芽が形成されます。
- 冬:生育は緩慢になり、枝に葉を付けたまま半休眠状態になります。
- 近縁種との比較:近縁種のジャスミンと比べて、開花期が早春から春と早いです。花の色は鮮やかな黄色で、無香または微香で、他のジャスミンのような強烈な香りはありません。またオウバイ(Jasminum nudiflorum)は落葉低木ですが、本種は常緑低木になり、枝は頑強で自立する傾向が強く、個々の花が直径約2~4.5cmと大きめです。
- 花の装飾性:本種は、春の訪れを知らせるように一斉に開花する黄色の花が魅力です。この花は、株を覆い尽くすように咲き誇るため、非常に華やかな花姿となり、また鮮やかな黄色が光を反射し周囲をパッと明るくして、心理的にもポジティブで元気な気持ちにさせます。そのため、活発で元気な雰囲気を感じさせるお庭などによく合うでしょう。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種により白色(クリーム色)の斑入りも見られます。そのため、品種を選べば明るさを感じさせるカラーリーフとしても楽しむことができます。
- スタンダード仕立て:本種はスタンダード仕立てを用いることで【柳の木】のような枝が枝垂れる優美な樹形に仕立てることができます。基本的に、本種は枝が比較的柔軟なため、主枝を一定の高さまで支柱を用いて、幹のように垂直に誘引します。この自立させた主枝から、側枝を伸ばし、側枝を弧状に枝垂れさせることで柳のような枝振りを演出します。
- エスパリエ仕立て:主に果樹などで用いられる手法で、垂直な壁面やフェンスに沿って枝を平面的に誘引して、幾何学的あるいは絵画で見られるような魅力的な樹形に仕立てる方法です。本種をこの方法で仕立てる場合は、事前に壁面にワイヤーを張るか、格子(トレリスなど)を設置し、そこに枝を誘引し、麻紐などで固定します。
オウバイモドキの園芸品種の紹介
●ウンナンオウバイ

ウンナンオウバイ(学名: Jasminum mesnyi)は、別名で「オウバイモドキ」「プリムローズ・ジャスミン(primrose jasmine)」「ジャパニーズ・ジャスミン(Japanese jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される常緑低木の種です。
●黄金葉
学名:Jasminum mesnyi cv.
開花時期:3月~4月
花の色:黄色
葉の色:黄色(黄緑色)
樹高:約100~200cm
カラーリーフ:葉の色は黄色をしています。黄色は子供っぽく元気な印象を与えたり、また太陽のように明るい印象を与えるため、子供が好むような明るいお庭や、色をテーマにしたカラフルなお庭などによく調和します。
●黄覆輪斑葉
学名:Jasminum mesnyi cv.
開花時期:3月~4月
花の色:黄色
葉の色:黄色(黄緑色)
樹高:約100~200cm
カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、縁部分に黄色の覆輪が入ります。黄色は子供っぽく元気な印象を与えたり、また太陽のように明るい印象を与えるため、子供が好むような明るいお庭や、色をテーマにしたカラフルなお庭などによく調和します。
キソケイ
キソケイとは!
キソケイ(学名: Jasminum humile var. revolutum)は、別名で「ヒマラヤソケイ」「イタリアンジャスミン(Italian Jasmine)」「イエローネパールジャスミン(Yellow Nepal Jasmine)」「リーブスジャスミン(Reeves’ Jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される半常緑低木の種です。
キソケイの原産地はヒマラヤ全域で、自生地は山岳の岩場や林縁などです。
キソケイの特徴
- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は【叢生型】または【ツル型】の性質があります。葉は奇数羽状複葉、小葉は楕円形・披針形・卵形、色は緑色です。花序は集散花序で、花冠は高杯形、裂片は5~6枚、色は黄色です。
- ライフサイクル:生活形は半常緑低木の多年生です。
- 春:暖かくなってくると新芽が展開し、生育旺盛に枝を伸長させながら、葉を展開させ、晩春頃から開花が始まります。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、枝は分枝を繰り返し、弧状に湾曲しながら長く伸び、開花は最盛期を迎えます。
- 秋:生育がやや緩慢になります。
- 冬:生育は緩慢になり、枝に葉を付けたまま半休眠状態になります。
- 近縁種との比較:近縁種のジャスミンと比べて、葉序が互生になる点が最大の特徴です。またソケイ・ヒューミレ(jasminum humile)と比べて、本種は花弁が反曲します。
- 花の装飾性:本種は、春の訪れを知らせるように一斉に開花する黄色の花が魅力です。この花は、株を覆い尽くすように咲き誇るため、非常に華やかな花姿となり、また鮮やかな黄色が光を反射し周囲をパッと明るくして、心理的にもポジティブで元気な気持ちにさせます。そのため、活発で元気な雰囲気を感じさせるお庭などによく合うでしょう。また花には爽やかな香りがあるため、ガーデンファニチャーの側などに植えて香りを楽しむこともできます。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種により黄色の斑入りも見られます。そのため、品種を選べば明るさを感じさせるカラーリーフとしても楽しむことができます。
キソケイの園芸品種の紹介
●ヒマラヤソケイ

ヒマラヤソケイ(学名: Jasminum humile var. revolutum)は、別名で「キソケイ」「イタリアンジャスミン(Italian Jasmine)」「イエローネパールジャスミン(Yellow Nepal Jasmine)」「リーブスジャスミン(Reeves’ Jasmine)」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される半常緑低木の種です。
●イエローバタフライ
学名:Jasminum humile var. revolutum cv.
開花時期:5月~7月
花の色:黄色
葉の色:緑色・黄緑色
樹高:約100~150cm
花の印象:花は八重咲きですが小輪のため、華やかさの中に可愛らしさを感じさせます。
カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、縁部分に幅広の黄緑色の覆輪が入ります。黄緑色は明るくフレッシュな印象を与えるため、気分を明るく元気にさせるようなお庭によく調和します。
オウバイ(黄梅)
オウバイ(黄梅)とは!
オウバイ(学名: Jasminum nudiflorum)は、別名で「ウィンター・ジャスミン(winter jasmine)」「迎春花」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される落葉低木の種です。
オウバイ(黄梅)の原産地は中国、チベットで、自生地は岩場や林縁、茂みなどです。
オウバイ(黄梅)の特徴
- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は【分枝型】【匍匐型】【ツル型】の性質があります。茎は基本的に柔軟で弧状に湾曲する傾向があり、ブッシュ状に茂ったり、また地面を這うことが多いですが、新梢を他物に引っ掛けてツルのように登攀することもあります。葉は三出複葉、小葉は楕円形・披針形、色は緑色です。花序は腋生の単生で、花冠は高杯形、裂片は通常6枚(5~7枚)、色は黄色の単色です。
- ライフサイクル:生活形は落葉低木の多年生です。
- 春:早春から春にかけて、葉のない枝に花が咲きます。開花が進み、暖かくなってくると葉芽も展開し、枝も伸長しだします。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、枝は分枝を繰り返し、弧状に湾曲しながら長く伸びます。
- 秋:生育がやや緩慢になり、花芽が形成されます。
- 冬:休眠期に入り葉は全て落ちます。
- 近縁種との比較:近縁種のジャスミンと比べて、開花期が早春から春と早いです。開花は落葉期にあり、葉のない枝に直接咲きます。花序は葉腋に単生し、他の多くのジャスミンと違い集散花序を形成しません。花の色は鮮やかな黄色で、無香または微香で、他のジャスミンのような強烈な香りはありません。
- 花の装飾性:本種は、春の訪れを知らせるように一斉に開花する黄色の花が魅力です。この花は、株を覆い尽くすように咲き誇るため、非常に華やかな花姿となり、また鮮やかな黄色が光を反射し周囲をパッと明るくして、心理的にもポジティブで元気な気持ちにさせます。そのため、活発で元気な雰囲気を感じさせるお庭などによく合うでしょう。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種により白色(クリーム色)の斑入りも見られます。そのため、品種を選べば明るさを感じさせるカラーリーフとしても楽しむことができます。
- 地被植物:本種は、生育型が匍匐型または分枝型で、マウンド状に盛り上がりながら地表を覆うことが出来ます。そのため、地面や岩場などを覆う地被植物として利用するのにおすすめです。
- 枝垂れ植物:本種は枝が比較的柔軟で枝垂れる性質があるため、岩壁などの壁面を枝垂れさせて被覆することが出来ます。これらの仕立て方で、人工物などが植物に覆われていく様は、優美な雰囲気を醸し出すだけでなく、時の流れや、自然の脅威や荒廃を演出するのにも一役買います。
- スタンダード仕立て:本種は枝が比較的柔軟なため、基本的に自立しませんが、支柱を用いて、主枝を幹のように垂直に立てることができます。この主幹から、側枝を伸ばし、弧状に枝垂れさせることで【柳の木】のような優美な樹形に仕立てることが出来ます。
- エスパリエ仕立て:主に果樹などで用いられる手法で、垂直な壁面やフェンスに沿って枝を平面的に誘引して、幾何学的あるいは絵画で見られるような魅力的な樹形に仕立てる方法です。本種をこの方法で仕立てる場合は、事前に壁面にワイヤーを張るか、格子(トレリスなど)を設置し、そこに枝を誘引し、麻紐などで固定します。
オウバイ(黄梅)の園芸品種の紹介
●斑入りオウバイ
学名:Jasminum nudiflorum ‘Variegated’
開花時期:3月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色・クリーム色(白色)
樹高:約100~300cm
カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、縁部分に幅広の白色(クリーム色)の覆輪が入ります。そのため、見る人に明るさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
ボルネオソケイ
ボルネオソケイとは!
ボルネオソケイ(学名: Jasminum multiflorum)は、別名で「スタージャスミン(star jasmine)」「ジャスミン・マルチフローラム」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される常緑・半常緑つる性木本または常緑・半常緑低木の種です。
ボルネオソケイの原産地はバングラデシュ、インド、ラオス、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナムで、自生地は熱帯の林縁や茂みなどです。
ボルネオソケイの特徴
- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は【ツル型】と【分枝型】の性質があり、茎は比較的頑強で自立しますが、長く伸びるとツルのようになり、 他物を支えにしながら弱い【巻き付き茎】や【スクランブリングシュラブ】により登攀することもあります。葉は単葉で卵形・心形、色は緑色です。花序は頂生または腋生の集散花序(単出集散花序・二出集散花序・多出集散花序)で、花冠は高杯形、裂片は5~9枚、色は白色の単色です。
- ライフサイクル:生活形は常緑・半常緑つる性木本または常緑・半常緑低木の多年生です。
- 春:暖かくなってくると休眠芽が萌芽し、生育旺盛に枝を伸長させながら葉を展開し、開花は終盤に入ります。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、分枝を繰り返しながら、散発的に開花が見られることもあります。
- 秋:生育がやや緩慢になり、花芽分化が進み、短日条件と気温低下で開花が見られることもあります。
- 冬:温暖な地域では常緑ですが、寒さの厳しい地域では葉を落とすことがあります。熱帯の原産地ではこの時期が花の最盛期になります。ただし、日本では寒さが厳しいため半休眠状態となるため、比較的暖かくなるまで開花は疎らです。
- 近縁種との比較:近縁種のジャスミンと比べて、主な開花期が冬にあります。花は花梗が非常に短く、枝先に密生するため、ボリューム感のある花房が楽しめます。花を構成する弁は6~9枚と多めで、長楕円形の細長い弁を持つため【星】の形にも例えられます。花は無香または微香で、他のジャスミンのような強烈な香りはありません。また葉はハゴロモジャスミンやソケイなどと違い単葉(卵形・心形)です。
- 開花期間:基本的に周年開花する能力をもちます。ただし日本では開花に必要な十分な温かさが確保できないため、主に12月~6月が開花期間になり、特に晩冬頃から花がよく咲きます。そのため、花を長く楽しみたい人に好まれるジャスミンです。
- 花の装飾性:本種は、従来のジャスミンと比べて花の直径が2~3cm程度と大きめで、さらに花弁が細長く伸びるため、光が放射状に広がる星の輝きを見てるような花姿をしています。また花は蝋細工のような光沢があり、色は純白です。そのため、宝飾品のような美しさも感じさせるジャスミンです。
ボルネオソケイの園芸品種の紹介




