原産:ヨーロッパ/アジア
科:マメ(Fabaceae)
属:レンリソウ(Lathyrus)
種:キバナノレンリソウ(pratensis)
別名:meadow vetchling/yellow pea/meadow pea
開花時期:6月~8月
花の色:黄色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:30~60cm
草姿:ツル性
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
キバナノレンリソウとは!?
キバナノレンリソウは学名Lathyrus pratensis、別名では「meadow vetchling」や「yellow pea」とも呼ばれるヨーロッパ及びアジアが原産の多年草です。また日本でも帰化しており、伊吹山に自生しています。
キバナノレンリソウの語源(由来)
- 属名のLathyrusはギリシャ語の「Lathyros」に由来しており、非常に(La) + 情熱的な(thyros)の2語からなります。
- 種小名のpratensisはラテン語で「牧草地」を意味する「prātum」と、場所を表す接尾辞の「-ensis」の2語からなり、「牧草地の」を意味しており自生地に由来します。
- キバナノレンリソウの由来は「黄色の花(キバナ)」を咲かせるレンリソウ属の植物を意味しています。
キバナノレンリソウの特徴(魅力)
- キバナノレンリソウはスイートピーの仲間では珍しい黄色の花を咲かせます。
- キバナノレンリソウの茎は白色の毛が生え翼がありません。
- キバナノレンリソウの葉(小葉)は細い狭楕円形をしており巻ヒゲがあります。
- ↳茎は巻ヒゲを絡ませながら構造物を登る事が出来ます。
キバナノレンリソウの茎は緑色で白色の毛が生えており、茎に翼はなく高さ約30~60cmの間で成長します。葉は茎に対して互生葉序につき、葉色は緑色、葉身は羽状複葉、小葉は狭楕円形で糸状のまきひげを備えます。花序は5(~12)個の花が総状花序につき、花色は黄色、花冠は蝶形花冠で旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)からなります。花後の果実は豆果で莢の中に種子(豆)があります。
スイートピー(レンリソウ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
スイートピー(レンリソウ)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
キバナノレンリソウの育て方
花壇の土づくり
日当り
キバナノレンリソウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌のPH
キバナノレンリソウは土壌のPH7.0~7.5の中性から弱アルカリ性を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
キバナノレンリソウは水捌けと通気性がよく、肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
キバナノレンリソウは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
キバナノレンリソウの培養土は酸性土壌を嫌うため、PH中性以上の通気性の高い草花の培養土を選びましょう。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土+くん炭=6:3:1
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土+苦土石灰(適量)=5:2:3:
培養土作成時の注意点
キバナノレンリソウは酸性土壌を嫌うため、培養土にアルカリ性のくん炭や草木灰等を混ぜこむか、苦土石灰を混ぜ込む必要があります。
苦土石灰を混ぜ込む量は培養土の土質にも左右されますが、宿根スイートピーは一般的なバランス良い土壌を好むため恐らく壌土に近い培養土を使っているはずです。
壌土のPHを1上げるには培養土10Lに対して苦土石灰15~20g程度を目安に使用します。基本的には1Lあたり1.5~2.0gの苦土石灰を混ぜ込むとよいでしょう。ただし培養土を強い酸性に傾ける無調整ピートモスや鹿沼土を利用した場合は話しが変わります。そのため培養土に使う用土は中性のものを利用する事がおすすめです。
水やりの仕方
キバナノレンリソウはやや湿り気のある土壌を好みます。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
キバナノレンリソウは花をしっかり咲かせるために、植付け時に元肥を施し、また生育期間中も持続的に追肥を施す事が大切です。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
キバナノレンリソウの追肥は生育期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。化成肥料や緩効性肥料は山型肥料(リン酸多め)を選び、株から少し離した場所に規定量を置肥しましょう。
剪定のやり方
キバナノレンリソウの剪定「摘芯」と「花がら摘み」の2つに分かれます。
摘芯
キバナノレンリソウは生育初期の草丈の低い時期に茎の成長点を指やハサミで摘む事で、頂芽の成長を止めてしまい側芽の成長を促す事が出来ます。
摘芯は必ず必要な作業というわけではありませんが、摘芯を行う事で草丈を抑えて茎の数を増やしたり、また茎の数が増える事で花の数が増えます。ただし背が低くなり自然な草姿でなくなったり、花が小さくなる可能性があります。
宿根スイートピーの摘芯のやり方は、成長点を摘むだけです。草丈が10~20cm程度に育ったら頂部の成長点を指で摘んで取り除きましょう。
花がら摘み
キバナノレンリソウは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、新しい花がつくられにくくなったりするからです。 枯れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みのやり方は、萎れた花を個々に指もしくはハサミを使い取り除きましょう。
夏越しする方法
キバナノレンリソウは夏の終わり頃になると葉が黄色くりボロボロとなる傾向にありますが、基本的には暑さに耐えます。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
キバナノレンリソウは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は特にありません。翌年の成長や霜から根を守るために株の周囲を腐葉土でマルチングしてあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
キバナノレンリソウは株分けで増やす事も可能です。
播種で増やす
キバナノレンリソウの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:15度~20度
発芽日数:約7日~14日
発芽条件:硬実種子
硬実種子
キバナノレンリソウの種は硬実種子です。市販の種の場合は発芽促進処理をされているため、そのまま撒く事が出来ますが、自家採種した種は発芽促進処理を行う必要があります。
何故なら、キバナノレンリソウの種は水を吸収しにくい構造をしているため、そのまま撒いても水が吸収されず発芽までの期間が不規則になるからです。
キバナノレンリソウの発芽促進処理のやり方
①種の硬い種皮をナイフで刻むか、サンドペーパーで擦り物理的に傷つけて水を吸収させやすくします。
②容器に浅くぬるま湯を入れて種を数時間浸します。
③発芽準備の整った種子は膨らみ柔らかくなります。
直根性
キバナノレンリソウの根は直根性のため、根が傷つくと生育不良を起こしやすく、また回復までに時間がかかります。そのため、できるだけ根を傷つけない方法で育成する必要があります。
そのため、キバナノレンリソウは直撒きして移植を避けるか、ピートポット等の移植しやすいポットを利用して種を撒く方法が一般的です。
キバナノレンリソウの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に約1cm程度の土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
キバナノレンリソウの病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 炭疽病
- 萎凋病
- 半身萎凋病
- モザイク病
キバナノレンリソウの害虫
- アブラムシ