スイートピー(レンリソウ)は属の中に約160種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、香りがとても良く大きく華やかな花を咲かせるスイートピー、花に香りがなく華やかさはスイートピーに劣りますが宿根タイプの宿根スイートピー等が親しまれています。
スイートピー(レンリソウ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
スイートピー(レンリソウ)の主な種の目次
スイートピーの特徴や園芸品種
- 原産:イタリア
- 学名:Lathyrus odoratus
- 草丈:約50~240cm
- 分類:一年草
- 開花時期:4月~6月(春撒き6月~7月)
- 花色:赤色●桃色●紫色●青色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 誕生花:3月20日/2月8日
- 花言葉:門出/別離/ほのかな喜び/優しい思い出
- 用途:壁面緑化/香りが良い/切り花
スイートピーとは!?
スイートピーは学名Lathyrus odoratus、別名「ジャコウエンドウ」や「カオリエンドウ」とも呼ばれるイタリア原産の一年草です。
スイートピーの語源(由来)
- 属名のLathyrusはギリシャ語の「Lathyros」に由来しており、非常に(La) + 情熱的な(thyros)の2語からなります。
- 種小名のodoratusはラテン語で「香りの良い」を意味しており、花の香りに由来します。
- スイートピー(sweet pea)は香りがよい事を表す「スイート(sweet)」と豆を意味する「ピー(pea)」の2語からなり、花に甘い香りがある事に由来します。
スイートピーの特徴(魅力)
- スイートピーは、花に甘く繊細な香りがあることから香りの花として楽しまれる事があり、またマメ科でよく見られる蝶々のような優雅な印象を与える花姿が魅力的な植物です。
- 草姿はツル性、茎は基本的に自立せず、葉軸の先端にある紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定します。
- そのため、トレリスやオベリスク等の資材を準備して育てる必要があります。
- スイートピーの花は宿根スイートピーと比べて大きくなる傾向があるため、華やかな印象を与えます。
- 花は直径約2~5.5cmと大きく、花弁が優雅に波打つため蝶々のような華やかな印象を与える花姿をしています。
- 花は色鮮やかな花色からパステルカラーまで様々あるため、お庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
- 花は甘く繊細な香りがある事からsweet pea(甘い香りがする豆)と呼ばれています。
- 花に含まれる主な精油にはオシメン・リナロール・ネロール・ゲラニオール等があります。
- オシメンは柑橘類やウッディ等に例えられるトロピカルな甘い香りがあります。一般に植物ではスイートピー等に豊富に含まれており、精油は香水等にふくまれています。
- リナロールは柑橘類やブルーベリーやバラ等に例えられる甘く華やかな香りがあり、風味は甘くフルーティーです。精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われており、精油の効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)等があります。
- ゲラニオールは「柑橘類」「ローズ」等に例えられる甘く華やかな香りがあり、風味はフルーティーで、精油は食品の香料やアロマオイル等にも利用されています。
- 花は収穫して切り花としても楽しまれており、管理の仕方にも左右されますが花瓶の中で5~7日ほど楽しめます。
- ひらひらした花は部屋に飾ることで華やかな雰囲気となり、また様々な花色があるため桃色の花であればロマンチックな雰囲気をつくったり、紫色だったらエレガントな雰囲気をつくったりします。
- スイートピーは種に有毒な有機化合物である「アミノプロピオニトリル」が含まれているため絶対に食べてはいけません。
- スイートピーの種を多量に摂取するとラチリズムと呼ばれる症状を引き起こす事があり、人によっては下肢の麻痺と筋萎縮が起こす可能性があります。
- スイートピーは種から簡単に育てる事が出来て、苗の値段も安いため大量植栽しやすいです。
- スイートピーはアブラムシを引き寄せるため囮として庭の端に植えておけばバンカープランツとして働きます。
- バンカープランツをつくる事で、農薬の量が減り益虫を増やしたり、大切な植物にアブラムシが付く事を軽減する事ができます。
スイートピーの草丈は約50(~240)cm、草姿はツル性(まきヒゲ)、茎の色は緑色、茎の両側には翼(葉を思わせるような扁平なヒレ状の突起物)があります。※まきヒゲは葉・茎の一部分が紐状になり、紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定する方法です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身は羽状複葉、羽状複葉は小葉が一対(2個)とまきヒゲが数本あり、小葉は長さ約2(~6)cm、幅は約0.7(~3)cm、小葉の形は楕円形をしています。
花序は総状花序、総状花序はふつう1(~4)個の花をつけます。花冠は蝶形花冠、大きさは直径約2(~5.5)cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、花色は紫色・青色・赤色・桃色・白色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は楕円形、色は緑色から成熟すると黄褐色になり、全体に長い白色の毛が生えます。
スイートピーの切り花の楽しみ方
- スイートピーの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫する花は、蕾が2個以上残っていると花持ちがよくなります。
- 収穫したら水揚げを悪くする葉を出来るだけ取り除きます。
- 水揚げは水切りと必要に応じて湯揚げを行いましょう。
- 花を生ける花瓶には延命剤(栄養入り)いれましょう。
- 延命剤の効果によって蕾が開きやすくなったり日持ちが長くなります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)でエチレン発生源から離した場所で楽しみましょう。
- 高温環境では日持ちが悪くなり、またエチレンの感受性が非常に高い事からエチレンが発生する場所の近くに置くと花が萎れやすくなります。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 萎れた花を手で丁寧に摘み取ると蕾の花が咲きやすくなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
エチレン
エチレンは植物の世界では植物ホルモンの一つとして働いています。一般的には植物の成長の阻害や老化、成熟等に関与しており、切り花の世界では日持ちが短縮する要因として知られています。エチレンの感受性が低い切り花(キク・ガーベラ等)はエチレンの影響を受けにくいですが、エチレンの感受性が高い切り花(カスミソウ・スイートピー等)はエチレンの発生源から遠ざけて管理した方が良いでしょう。
エチレンの発生源
果実(バナナ・リンゴ・アボカド等)・枯れた植物(花がら等)・植物が病原菌に感染した部位・植物が損傷部位・たばこ・線香の煙・排気ガス等
スイートピーの品種の種類
- クパニ(lathyrus odoratus ‘cupani’)は、1690年代にシチリアの修道院の神父フランシス・クパニよって発見された園芸品種です。原種に近く最も香りのよいスイートピーの1つに数えられており、紫色(~赤紫色)と青色(~紫色)の2色の花色が奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、また神秘的で非現実的な印象を与えます。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- マツカナ(lathyrus odoratus ‘matucana’)は、最も香りのよいスイートピーの1つとして、世界中で人気が高く有名な園芸品種です。花は蝶形花、鮮やかな赤紫色をした旗弁と紫色の翼弁・竜骨弁のグラデーションが美しく、高貴な印象を与えりミステリアスな雰囲気をつくります。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- ペインテッド・レディ(lathyrus odoratus ‘painted lady’)は、香水の様な甘い香りと、可愛らしい印象やロマンチックな雰囲気をつくる桃色(赤色)と白色の2色の花色が魅力的な園芸品種です。花は蝶形花、花色は旗弁が桃色で翼弁・竜骨弁が白色をしています。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- ライラックリップル(lathyrus odoratus ‘lilac Ripple’)は、花弁のふち部分がフリル状に波打つため舞い踊る姿を連想させる様な華やかな花の形をしており、また薄い紫色の花色が着物を思わせるような上品な印象や洗練された印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- ジャネット(lathyrus odoratus ‘Janet’)は、明るく輝くような印象を与える真っ白な花色と、香りの良さが魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- アラン・ティッチマーシュ(lathyrus odoratus ‘Alan Titchmarsh’)は、花に甘く繊細な香りがあり、サーモンピンクの柔らかな花色が可愛い印象やロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約180cmまで成長します。
- ジャイアント・ウェーブ(lathyrus odoratus ‘Giant Wave’)は、花が普通のスイートピーより大きいため華やかな印象を与えます。また他のスイートピーと同様に花には甘く繊細な香りがあります。基本的に種はミックスです。そのため赤色・桃色・紫色・白色の花のいずれかが出てきます。草姿はツル性、高さ約200cmまで成長します。
- リップスティック(lathyrus odoratus ‘Lipstick’)は、花の直径が約5.5cmと大きく、花弁のふち部分がフリル状に波打つため、華やかな印象を与える花姿となります。また色鮮やかな赤色の花色は、刺激的な色をしているため遠くからでも強く目を引く力があり、華やかな印象や情熱的で愛情深い印象などを与える魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- メイフラワー400(lathyrus odoratus ‘Mayflower 400′)は、白地に鮮やかな桃色(赤色)の絞りが入るため、可愛らしい印象や明るくポップな雰囲気をつくる園芸品種です。草姿はツル性、高さ180cmに成長します。
- ショーベンチ8(lathyrus odoratus ‘Showbench 8′)は、花の直径が大きく花弁のふち部分がフリル状に波打つため、華やかな印象を与える花姿となります。花色は基本的にミックスなため、ため赤色・桃色・紫色・白色の花のいずれかが出てきます。草姿はツル性、高さ約200cmまで成長します。
- サマーシズラー(lathyrus odoratus ‘Summer Sizzler’)は、花の香りがとてもよく、トマトを連想させるような真っ赤な花が魅力的な園芸品種です。草姿はツル性ら高さ約200cmに成長します。
- パティオ・ミックス(lathyrus odoratus ‘Patio mixed’)は、成熟しても高さが30cm程度までしか成長しないため、鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花色は基本的にミックスなため、ため赤色・桃色・紫色・白色の花のいずれかが出てきます。
- ウィルシャー・リップル(lathyrus odoratus ‘Wiltshire Ripple’)は、花弁のふち部分が波打つためフリルドレスの様な優雅な印象を与える花姿をしており、また白地に紫色の班が入る花色が、高貴な印象を与えたりエレガントな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200に成長します。
- キング・エドワード VII(lathyrus odoratus ‘KING EDWARD VII’)は、1903年に著名な園芸家であるHenry Eckfordに紹介された古くからある園芸品種です。花は非常に香りがよく、炎を思わせるような真紅の花色が魅力です。草姿はツル性、高さ約180~240cmに成長します。
- グリーンフィンガーズ(lathyrus odoratus ‘Greenfingers’)は、花弁の縁部分に紫色の線状の覆輪が入り、クリーム色と紫色の二色の花色が楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- キューピット・ピンク(lathyrus odoratus ‘Cupid Pink’)は、成熟しても高さが40cm程度までしか成長しないため鉢植えなどでも育てやすく、桃色と白色のバイカラーの花色が、可愛らしい印象を与えたりロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。
- オールドタイム(lathyrus odoratus ‘Old Times’)は、花全体が薄いクリーム色をしており、旗弁がほんのりと薄い紫色に染まることからグラデーションのような色合いになる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約250cmに成長します。
- テレサ・モーリーン(lathyrus odoratus ‘Teresa Maureen’)は、花の香りがとてもよく、上品な印象を与える紫色と白色の2色の花色が魅力的な園芸品種です。花は蝶形花、花色は旗弁が紫色で翼弁・竜骨弁が白色をしています。草姿はツル性、高さ約100cmに成長します。
- クリーム・エッグス(lathyrus odoratus ‘Cream Eggs’)は、花に繊細で甘い香りがあり、またクリーム色の花弁のふち部分にほんのり紫色のピコティー(覆輪)が入ることから、優しい雰囲気の中に気品を感じさせる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ハイ・セント(lathyrus odoratus ‘Hi Scent’)は、「高い香り(Hi Scent)」の品種名からも分かる通り、スイートピーの中でも最も香りがよい品種の1つとして数えられています。花色はクリーム色の花弁のふち部分にほんのり紫色のピコティー(覆輪)が入ることから、優しい雰囲気の中に気品を感じさせる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ファイヤー&アイス(lathyrus odoratus ‘Fire & Ice’)は、力強い香りとグランディフローラ(大きな花)が特徴的な品種です。花は赤色と紫色の二色が対比するため、遠くからでも非常によく目立ち華やかな印象を与えます。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
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宿根スイートピーの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/北アフリカ
- 学名:Lathyrus latifoliu
- 草丈:約50~300cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~8月
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 誕生花:3月20日/2月8日
- 花言葉:「門出」「別離」「ほのかな喜び」「優しい思い出」
- 用途:壁面緑化/切り花
宿根スイートピーとは!?
宿根スイートピーは学名Lathyrus latifolius、別名「ヒロハノレンリソウ」や「パーネル・ピーバイン(perennial peavine)」とも呼ばれるヨーロッパ及び北アフリカ原産の多年草です。
宿根スイートピーの語源(由来)
- 属名のLathyrusはギリシャ語の「Lathyros」に由来しており、非常に(La) + 情熱的な(thyros)の2語からなります。
- 種小名のlatifoliusはラテン語で「広葉の」を意味しており、恐らく茎の部分にある広い翼に由来すると思われます。
- 宿根スイートピーは宿根(宿根草)タイプのスイートピーを意味しています。
- スイートピー(sweet pea)は香りがよい事を表す「スイート(sweet)」と豆を意味する「ピー(pea)」の2語からなり、花に甘い香りがある事に由来します。
宿根スイートピーの特徴(魅力)
- 宿根スイートピーは「宿根」の名前からも分かる通り毎年花を咲かせる多年草タイプのスイートピーです。花の形が蝶々のような優雅な印象を与える形をしており、また穂状に沢山連なり咲くため豪華な印象を与える花姿をしています。
- 草姿はツル性、茎はあまり自立せず倒れやすい傾向にあり、葉軸の先端にある紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定します。
- そのため、ネットやトレリス等の資材を準備して育てた方が良いでしょう。
- 茎や葉柄には、葉を思わせるような扁平なヒレ状の目立つ翼があります。
- 宿根スイートピーの花は1年生タイプのスイートピーと比べて小さくなる傾向がありますが、花序に連なる花数が4~14個と多くなる傾向があるため豪華な花姿をつくります。
- 花は直径約2~5cmと大きく、花弁が優雅に波打つため蝶々のような華やかな印象を与える花姿をしています。
- 花は色鮮やかな花色からパステルカラーまで様々あるため、お庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
- 宿根スイートピーは、一年生タイプのスイートピーのような甘く繊細な香りがありません。
- 花は収穫して切り花としても楽しまれており、管理の仕方にも左右されますが花瓶の中で5~7日ほど楽しめます。
- ひらひらした花は部屋に飾ることで華やかな雰囲気となり、また様々な花色があるため桃色の花であればロマンチックな雰囲気をつくったり、紫色だったらエレガントな雰囲気をつくったりします。
- 宿根スイートピーの種鞘は毛が生えておらず、白色の長い毛が生える一年生タイプのスイートピーと比較することができます。
- 宿根スイートピーは種に有毒な有機化合物である「アミノプロピオニトリル」が含まれているため絶対に食べてはいけません。
- 宿根スイートピーの種を多量に摂取するとラチリズムと呼ばれる症状を引き起こす事があり、人によっては下肢の麻痺と筋萎縮が起こす可能性があります。
- スイートピーはアブラムシを引き寄せるため囮として庭の端に植えておけばバンカープランツとして働きます。
- バンカープランツをつくる事で、農薬の量が減り益虫を増やしたり、大切な植物にアブラムシが付く事を軽減する事ができます。
宿根スイートピーの草丈は約50(~300)cm、草姿はツル性(まきヒゲ)、茎の色は緑色、茎の両側には翼(葉を思わせるような扁平なヒレ状の突起物)があります。※まきヒゲは葉・茎の一部分が紐状になり、紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定する方法です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄には茎と同様に翼があり、葉身は羽状複葉、羽状複葉は小葉が一対(2個)とまきヒゲが複数あり、小葉は長さ約3(~15)cm、幅は約3(~5)cm、小葉の形は楕円形(~狭楕円形)をしています。
花序は総状花序、総状花序はふつう4(~14)個の花をつけます。花冠は蝶形花冠、大きさは直径約2(~5)cm、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、花色は紫色・青色・赤色・桃色・白色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さ約5(~11)cm、形は楕円形、色は緑色から成熟すると黄褐色になり、無毛です。
宿根スイートピーの切り花の楽しみ方
- 宿根スイートピーの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫する花は、蕾が2個以上残っていると花持ちがよくなります。
- 収穫したら水揚げを悪くする葉を出来るだけ取り除きます。
- 水揚げは水切りと必要に応じて湯揚げを行いましょう。
- 花を生ける花瓶には延命剤(栄養入り)いれましょう。
- 延命剤の効果によって蕾が開きやすくなったり日持ちが長くなります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)でエチレン発生源から離した場所で楽しみましょう。
- 高温環境では日持ちが悪くなり、またエチレンの感受性が非常に高い事からエチレンが発生する場所の近くに置くと花が萎れやすくなります。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 萎れた花を手で丁寧に摘み取ると蕾の花が咲きやすくなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
エチレン
エチレンは植物の世界では植物ホルモンの一つとして働いています。一般的には植物の成長の阻害や老化、成熟等に関与しており、切り花の世界では日持ちが短縮する要因として知られています。エチレンの感受性が低い切り花(キク・ガーベラ等)はエチレンの影響を受けにくいですが、エチレンの感受性が高い切り花(カスミソウ・スイートピー等)はエチレンの発生源から遠ざけて管理した方が良いでしょう。
エチレンの発生源
果実(バナナ・リンゴ・アボカド等)・枯れた植物(花がら等)・植物が病原菌に感染した部位・植物が損傷部位・たばこ・線香の煙・排気ガス等
宿根スイートピーの園芸品種
- レッドパール(Lathyrus latifolius ‘red pearl’)は、ネオンサインのような発色の赤色(濃い桃色)の花色をしているため、花は遠くからでもよく目立ち華やかな雰囲気をつくります。また花は4個~11個の花が並ぶため豪華な花姿となります。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ホワイトパール(Lathyrus latifolius ‘White pearl’)は、明るく輝くような印象を与える花色をしているため、汚れのない清潔感のあるお庭や洗練された雰囲気のお庭などによく合う園芸品種です。また花は4個~11個の花が並ぶため豪華な花姿となります。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- ピンクパール(Lathyrus latifolius ‘pink pearl’)は、桃色と白色のバイカラーの花色が、可愛らしい印象を与えたりロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。花序は総状花序、総状花序は花が4~11個並びつき、花は直径約2~3cm、花色は桃色と白色です。草姿はツル性、高さ約200cmに成長します。
- アルバス(lathyrus latifolius ‘albus’)は、清潔感や輝くような印象を与える真っ白な花が魅力的な園芸品種です。花序は総状花序、花は蝶形花、花の直径は2~3cm、花色は白色です。草姿はツル性、高さ約250cmに成長します。
キバナノレンリソウの特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/アジア
- 学名:Lathyrus pratensis
- 草丈:約30~60cm
- 分類:多年草
- 開花時期:6月~8月
- 花色:黄色●
- 葉色:緑色●
- 用途:
キバナノレンリソウとは!?
キバナノレンリソウは学名Lathyrus pratensis、別名では「meadow vetchling」や「yellow pea」とも呼ばれるヨーロッパ及びアジアが原産の多年草です。また日本でも帰化しており、伊吹山に自生しています。
キバナノレンリソウの語源(由来)
- 属名のLathyrusはギリシャ語の「Lathyros」に由来しており、非常に(La) + 情熱的な(thyros)の2語からなります。
- 種小名のpratensisはラテン語で「牧草地」を意味する「prātum」と、場所を表す接尾辞の「-ensis」の2語からなり、「牧草地の」を意味しており自生地に由来します。
- キバナノレンリソウの由来は「黄色の花(キバナ)」を咲かせるレンリソウ属の植物を意味しています。
キバナノレンリソウの特徴(魅力)
- キバナノレンリソウはスイートピーの仲間では珍しい黄色の花を咲かせます。
- キバナノレンリソウの茎は白色の毛が生え翼がありません。
- キバナノレンリソウの葉(小葉)は細い狭楕円形をしており巻ヒゲがあります。
- 茎は巻ヒゲを絡ませながら構造物を登る事が出来ます。
キバナノレンリソウの茎は緑色で白色の毛が生えており、茎に翼はなく高さ約30~60cmの間で成長します。葉は茎に対して互生葉序につき、葉色は緑色、葉身は羽状複葉、小葉は狭楕円形で糸状のまきひげを備えます。花序は5(~12)個の花が総状花序につき、花色は黄色、花冠は蝶形花冠で旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)からなります。花後の果実は豆果で莢の中に種子(豆)があります。