原産:中央ヨーロッパ/東ヨーロッパ
科:モクセイ(Oleaceae)
属:ハシドイ(Syringa)
種:ハンガリーハシドイ(josikaea)
英名:ハンガリーライラック(Hungarian lilac)
開花時期:5月~7月
花の色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
香り:花
分類:落葉低木
草丈:約150~350cm
用途:香りが良い
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ハンガリーハシドイとは!?
ハンガリーハシドイは学名Syringa josikaea、別名「ハンガリーライラック(Hungarian lilac)」とも呼ばれる中央ヨーロッパ及び東ヨーロッパ原産の落葉低木です。
ハンガリーハシドイの語源(由来)
- 属名のSyringaは古代ギリシャ語で「パイプ」や「チューブ」を意味する「syrinx」からきており、中空の枝に由来しています。
ハンガリーハシドイの特徴(魅力)
- ハンガリーハシドイは個々の花がストローの様に長いです。
- 花は円錐状に集まり長さ15cmまでの花穂をつくります。
- 花の香りはとても強いです。
- 葉は細長い楕円形で長さ6(~12)cmあります。
- 落葉性のため冬になると葉が落ちます。
- ハンガリーハシドイは冬の寒さに強く夏の暑さがやや苦手です。
開花時期は晩春から夏、花色は桃色や紫色、白色があり、個々の花は長さ1.5cmの筒状で花先が4裂して直径0.4cmの大きさになり、花序は円錐状に花が集まり長さ約15cmの円錐花序に咲きます。樹形は高さは約150(350)cm × 幅は約150(350)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は長さ6~12cmの楕円形、葉序は対生葉序もしくは稀に輪生葉序につきます。
ハンガリーハシドイの栽培方法
園芸では一般的に華やかでボリュームある花を観賞する目的で庭木として育てられたり、底の浅い鉢で根域を制限して盆栽として育てられる事もあります。庭木として育てる場合は高さ幅ともに大きく成長するため十分スペースをとって植えてあげる必要があるでしょう。園芸品種には、積雪を連想させる様な純白の花を咲かせる「ホルガー(holger)」や薄紫色の上品な花を咲かせる「オデン E(oden e)」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
ハンガリーハシドイを育てる際に注意する事は「極端な暑さ」です。ライラックは基本的には丈夫な植物ですが、暑さの厳しい地域では枯れ込んだり、花芽が上手くつかない等の生育不良を引き起こす可能性があります。そのため、地域によっては日向よりも午後から日陰になる涼しい環境に植えてあげた方が良いこともあるでしょう。
ライラックの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ライラックの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ハンガリーハシドイの育て方
花壇の土づくり
ハンガリーハシドイは直射日光が6時間以上当たる日向で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし暑さの厳しい地域では3時間~5時間の半日陰を好む場合もあります。
ハンガリーハシドイは土壌のPH7前後の中性を好み、また有機物(腐植)が豊富に入る土壌を好みます。植付けの前に土壌診断を行い、土壌が白っぽかったり赤かったりして肥沃さを感じない場合は腐葉土等を入れたり、土が硬すぎたりバラバラと崩れる場合は、必要に応じて通気性を高める川砂や軽石等を入れたり、黒土や田土を入れ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
ハンガリーハシドイは直射日光が6時間以上あたる日向、もしくは半日影で管理しましょう。
ハンガリーハシドイを鉢植えで育てる場合は矮性な品種を選び、また根を広げれるだけの十分な大きさの鉢植えを選びましょう。
培養土は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土を好みます。また中性の土壌を好むため強い酸性のピートモスや鹿沼土は避けた方がいいでしょう。
- 赤玉土6割+バーク堆肥4割+元肥(適量)
- 黒土(4割)+腐葉土(3割)+赤玉土(3割)+元肥(適量)
水やりの仕方
ハンガリーハシドイは地植えしている場合も、若い時は水やりをしっかりする必要があります。ただし一度根付くと乾燥に強くなるため、極端に乾燥する時期を除いて、基本的に降水のみで育てられます。
ハンガリーハシドイを鉢植えで育てる場合は、土の乾燥が早いためため、定期的な水やりが必要です。土の表面もしくは表層が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ハンガリーハシドイは肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としませんが、冬に肥料(寒肥)を施す事で恩恵をうける場合があります。
ハンガリーハシドイの肥料の与え方
- 肥料はハンガリーハシドイが休眠している冬に施肥します。
- 窒素成分が多いと開花に悪影響を与える可能性があるため、山型や水平型の肥料を選ぶとよいでしょう。
- ↳一般的な寒肥(有機配合肥料)で問題ありません。
- 栄養をよく吸収する根は枝先端の地面にある事が多いです。そのため枝下を目安にして穴を何ヶ所か掘り、寒肥を規定量いれます。
- また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、寒肥と一緒に土質を改善する堆肥や腐葉土等も入れてあげるといいでしょう。
- 追肥は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~8a
ハンガリーハシドイは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げましょう。
挿し木や株分けで増やす
ハンガリーハシドイは挿し木や接ぎ木、取り木によって増やす事ができます。
挿し木
ハンガリーハシドイは根がつきにくく乾燥しやすいため、挿し木で増やすのはやや難しい植物です。
挿し木時期は五月から六月です。新しく成長した健康な茎を選び切りとり、10~15cm前後で茎を切り分けましょう。上部にある葉を2枚程残し下部の葉は取り除きます。切り口に発根ホルモンを付け湿らせた培地に挿して下さい。
取り木(高取り法)
取り木(高取り法)とは茎が曲げにくい植物で行われる取り木の技法です。茎の1部に切れ込みを入れて剥がし湿った水苔等でくるんで発根させます。
- ハンガリーハシドイの取り木(圧条法)を行う時期は春が適します。
- 切れ込みを入れて発根させる場所を選びます。
- 取り木に利用する茎は鉛筆程度の太さのものがおすすめで、切る場所は葉の直ぐ下です。
- ナイフを使い、茎の3分の1の深さまで、斜めに上に向かい切れ込みを2箇所入れて、茎の肉質を取り除きましょう。
- 切り口の部分に湿らせた水苔を詰めて、茎の周りも湿らせた水苔で包みます。
- 乾燥対策のために、水苔の上からラップもしくはビニールを被せて、上下で紐で縛ります。
- 外から根が確認出来るようになるまで待ちます。
- 発根が確認出来たら、発根した部分の下から切り取って、新しい用土に定植します。