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原産:北アメリカ 科:シソ(Lamiaceae) 属:モナルダ/ヤグルマハッカ(Monarda) 種:ヤグルマハッカ/フィスツローサ(fistulosa) 別名:モナルダ・フィスツローサ/ビーバーム(bee balm)/ワイルド・ベルガモット(wild bergamot) 開花時期:7月~9月 花の色:桃色●紫色●青色● 葉色:緑色● 香り:花・葉 分類:多年草 草丈:60cm~120cm 草姿:直立 誕生花:7月18日/8月14日 花言葉:「燃えるような恋」「感受性豊か」「安らぎ」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヤグルマハッカ(ビーバーム)は学名Monarda fistulosa、単にビーバームと呼ばれる場合はモナルダ属全体もしくはヤグルマハッカ種(Monarda fistulosa)をさしている事が多く、別名「モナルダ・フィスツローサ」や「ワイルド・ベルガモット」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の語源(由来)
- 属名のモナルダ(Monarda)は、スペイン人の医師と植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のフィスツローサ(fistulosa)は「管状」を意味しており、長い筒状の花に由来しています。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の特徴(魅力)
- 花はタイマツバナと比べるとボロボロとした見た目をしており
- ↳花色や品種も少なめです
- 花や葉には「レモン」や「オレガノ」に例えられる爽やかで甘い香りがあり
- ↳特に葉を指で潰すと柑橘類の強い香りが漂います
- 花や葉は乾燥させると香りや風味が凝縮されるため
- ↳ポプリ等の素材としても人気です
- 葉や花には薬効のある精油(ゲラニオール・チモール等)が含まれており
- ↳アメリカの先住民は薬用ハーブとして古くから利用しています
- ↳薬効には抗菌・抗真菌薬作用や抗炎症作用等があります
- モナルダ(タイマツバナ)のお茶はアールグレイの風味が蜂蜜等を付け足し飲まれています
- 英名のビーバーム(蜂+精油)からも分かる通り花蜂を惹き寄せる事で知られており蜜源植物として利用されています
- 野原等にも自生しており乾燥に強く育てやすいです
- 地面下の根茎により広がりしばしば群生をつくります
ヤグルマハッカ(ビーバーム)は地面下の浅い場所で広がる根茎をもっておりしばしば群生をつくります。茎は根茎から出て、茎の色は緑色から赤色(~紫色)で、断面は四角形をしており、上部で枝分かれしながら直立に高さ約60~120cmの間で成長します。葉は香りがよく、葉色は緑色、大きさは長さ4cmまでの卵形から披針形をしており縁部分には鋭利な鋸歯があります。花は香りがよく、茎の頂部に20~50個の小花が集まり直径約4~10cmの頭状花序をつくり花序の下に苞葉をもちます。個々の小花は長さ約3~4cmある唇形で2個の雄蕊と雌蕊をもちます。
開花時期は初夏から秋、花色は紫色や桃色、青色があり、個々の花は唇形、花序は茎の頂部に小花が集まり頭状花序をつくります。草姿は直立で高さは約60(120)cm × 幅は60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは披針形で縁部分に鋭い鋸葉があり、葉序は対生葉序につきます。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の香りの印象と精油成分
ヤグルマハッカ(ビーバーム)は花と葉に、「オレガノ」「ベルガモット」「レモン」等に例えられるスッキリした香りがあり、香りを特徴づける精油には「p-シメン」「テルピネン」「ゲラニオール」「チモール」「カルバクロール」等が含まれています。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘系(僅か)」に例えられる心地よい香りをもっています。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、一般的には石鹸等の香料に利用されています。p-シメンの精油には抗菌作用(殺菌作用)があるとされています。
- テルピネンは「木の香り」「柑橘類」「スパイス」等に例えられる爽やかでシャープな香りがあり、ウッディで柑橘類を感じさせる風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではマジョラムやカルダモン等に含まれており、香水等の原料に利用されています。
- ゲラニオールは「フローラル」「柑橘系」「甘い」「ローズ」等に例えられるマイルドな香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーです。一般に植物ではゼラニウムやクチナシ等に含まれており、精油は食品の香料やアロマオイル等に利用されています。ゲラニオールの精油の効果には、まだ研究段階で科学的根拠が不十分なものもありますが「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗炎症作用」「抗がん効果」等があります。
- チモールの香りは「薬」「タイム」「樟脳」等に例えられる爽やかな香りです。また口の中に入れるとウッディで薬の様な風味(フレーバー)があります。一般に植物ではジャコウソウやタイム等に含まれており、食品(飲料等)の香料、歯磨き粉やうがい薬等に利用されています。またチモールの精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- カルバクロールの香りは「辛い」「木の香り」「樟脳」等に例えられる刺激的な香りがあり、また 辛く薬の様な風味(フレーバー)があります。一般に植物ではオレガノやタイム等に含まれており、精油は食品(飲料等)の香料や化粧品等に利用されています。またカルバクロールの精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」等があります。
ヤグルマハッカ(ビーバーム)の栽培
園芸では、花蜂や蝶々を呼ぶ為の蜜源植物として利用する目的であったり、また華やかで美しい花を鑑賞する目的であったり、香りの良い花や葉をポプリや薬用植物として利用する目的で育てられます。モナルダは比較的に背が高くなるため、花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また矮性品種であれば鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりするといいでしょう。育てる際に注意する事は「日当たり」くらいで基本的には放ったらかしでも育つ程に丈夫です。