- 原産:北アメリカ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:モナルダ/ヤグルマハッカ(Monarda)
- 種:タイマツバナ/ディディマ(didyma)
- 別名:モナルダ・ディディマ/クリムゾン・ビーバーム(crimson beebalm)/スカーレット・ビーバーム(scarlet beebalm)/オスウェゴ・ティー(Oswego tea)/ベルガモット(bergamot)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:花・葉
分類:多年草
草丈:60~120cm
草姿:直立
誕生花:7月18日/8月14日
花言葉:燃えるような恋/感受性豊か/安らぎ - 用途:背が高い花/香りが良い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
モナルダ(タイマツバナ)とは!?
モナルダ(タイマツバナ)は学名Monarda didyma、単にモナルダと呼ばれる場合は一般的にこの種をさしている事が多く、別名「モナルダ・ディディマ」や「クリムゾン・ビーバーム(crimson beebalm)」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
モナルダ(タイマツバナ)の語源(由来)
- 属名のMonardaは、スペイン人の医師で植物学者のニコラス・モナルデス(Nicholas Monardes)への献名です。
- 種小名のdidymaは、古代ギリシャ語で「双子」を意味するδίδυμος(dídumos)からきており、ペアになった雄蕊に由来するとも言われています。
- 和名タイマツバナの由来は、炎を連想させるような花色とタイマツを連想させる花の形からきています。
- 英名のビーバーム(beebalm)の由来は、蜜蜂が豊富な蜜のある花(モナルダ)に引き寄せられる事からきています。
モナルダ(タイマツバナ)の特徴(魅力)
- モナルダ(タイマツバナ)は殆ど分枝する事なく垂直に伸びる洗練された草姿や、初夏から秋にかけて茎の頂部に咲くボリューミーな花、強い香りがする花や葉が魅力の植物です。
- モナルダ(タイマツバナ)は地面下に根茎があり、徐々に広がる事で群生をつくります。
- 茎は殆ど分枝することなく直立に最大120cmまで伸びるため花壇の中で立体感を出したり背景等に利用するのにおすすめです。
- 花は筒状(唇形花)の小花が茎の上部で多数集まり、上向きに咲き「松明」を連想させる様な個性的な花姿をつくります。
- 開花期(6月~9月)になると花蜜を求めて蜜蜂が花の周りを元気に飛び回り、唇形の花の中に頭を突っ込む蜜蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
- モナルダ(タイマツバナ)の英名のbeebalm(蜜蜂+香油)も花が蜜蜂を引き寄せる様子からついています。
- 花や葉には「ベルガモット」や「オレガノ」に似た強い香りがあります。
- 特に葉は潰すと柑橘系(ベルガモット)の強い香りが漂います。
- 花や葉の香りは乾燥しても失われず、逆に強くなる傾向にあるためポプリの素材として人気です。
- モナルダ(タイマツバナ)に含まれる主な精油にはチモール・p-シメン・テルピネン・ミルセン等があります。
- モナルダ(タイマツバナ)のハーブティーはアールグレイの風味があり、生もしくは乾燥させた葉をお湯で蒸らし飲まれます。
- 精油の中にはチモールが多く含有しており、チモールには「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- 抗菌・抗真菌作用がある事から、タイマツバナのお茶でうがいすると口内のバクテリアが退治され口の中の健康が保たれたりします。
- 微量ですが青酸を含有するとも言われているため、モナルダ(タイマツバナ)の多量の摂取は避けた方がよいでしょう。
- 精油の中にはチモールが多く含有しており、チモールには「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- モナルダ(タイマツバナ)は丈夫で基本的に放ったらかしでも育ちます。
- ただしやや湿り気のある土壌を好み、乾燥を苦手にしているため育てる際は注意が必要です。
モナルダ(タイマツバナ)は草丈が約60(~120)cm、地下茎が地面下でゆっくり広がり群生をつくり、茎はあまり分枝せず直立します。茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、断面は四角です。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ7(~18)cm、幅は約3(~8)cm、葉身の形は卵形、ふち部分に鋸歯があります。花序は輪状集散花序、輪状集散花序は非常に多数(30以上)の花が上向きに開花して、花序の下には赤みを帯びる目立つ苞葉があります。花は唇形花、唇形花は長さ約3(~4)cm、唇形花の色は赤色・桃色・紫色・白色があり、雄蕊2個、雌蕊1個があります。
モナルダ(タイマツバナ)の切り花の楽しみ方
- モナルダ(タイマツバナ)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
モナルダ(タイマツバナ)の園芸品種の紹介
- ピンクフロスティング(monarda didyma ‘pink frosting’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く高さが40~60cm程度しかないため鉢植えなどでも育てやすく、また基部でよく枝分かれするためふさふさとした草姿を作り多数の花を咲かせます。他にも耐病性が高く病気に強いため夏にうどんこ病等で株が弱りにくい所なども魅力の園芸品種です。花は薄桃色の小花が頂部に密に集まりボリューミーに咲きます。薄桃色の花色は、ベビーグッズの様な柔らかで心が癒される様な優しい雰囲気をつくるため、ふんわりした可愛らしいお庭や、ロマンチックなお庭などにオススメです。
- ヤコブクライン(Monarda didyma ‘Jacob Cline’)は優れた耐病性があるため、夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、また鮮やかな赤色の花が密に付くため、ふさふさしたボリュームある外観をつくる魅力的な園芸品種です。色鮮やかな赤色の花色は、遠くからでも目を引き付ける効果があり、また気分を高揚させるなどの効果もあります。そのため、パーティ会場を思わせるような華やかで明るいお庭等によく合うでしょう。草姿は直立で高さ120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- ファイアーボール(Monarda didyma ‘fireball’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く、高さが45cm程度しかなく、また直立する茎は横へ広がる傾向が強いため鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花は鮮やかな赤色もしくは赤みの強い濃い桃色をしています。色鮮やかな赤色の花色は、遠くからでも目を引き付ける効果があり、また気分を高揚させるなどの効果もあります。そのため、パーティ会場を思わせるような華やかで明るいお庭等によく合うでしょう。草姿は直立して横へ広がる傾向があり高さ約45cmまで成長します。比較的に背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもよいでしょう。
- ラズベリーワイン(Monarda didyma ‘raspberry wine’)は遠くからでも強く目をひく濃い桃色の花色と、頂部で小花が密集して咲くボリューミーな花姿が魅力の園芸品種です。鮮やかな桃色の花は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。草姿は直立で高さ90~120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- ピンクレース(monarda didyma ‘pink lace’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く、高さが40cm程度しかないため鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花は桃色で、色鮮やかな桃色の花色は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。草姿は直立して高さ約40cmまで成長します。比較的に背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもよいでしょう。
- ピンクスプリーム(monarda didyma ‘pink supreme’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く横へと広がる傾向があり、高さが40~60cm程度しかないため鉢植えなどでも育てやすい園芸品種です。花は桃色で、色鮮やかな桃色の花色は、華やかなガールズパーティや甘いピーチやお菓子等を連想させます。そのため元気が出る様な可愛いお庭や、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭等におすすめです。草姿は直立して高さ約40~60cmまで成長します。
- パープルレース(monarda didyma ‘purple lace’)はピンクレースとの交配から生まれた品種です。一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く、高さが最大40cmまでしかないため鉢植えなどでも育てやすく、また基部でよく枝分かれするためふさふさとした草姿を作り多数の花を咲かせます。花は明るい赤紫色もしくは濃い桃色の小花が頂部に密に集まりボリューミーに咲きます。
- パープル ルースター(monarda didyma ‘purple rooster’)は優れた耐病性があるため、夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、また鮮やかな紫色の花が優雅な雰囲気を漂わせる魅力的な園芸品種です。草姿は直立で高さ90cmまで成長するため花壇の中央や後方に植えて背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。紫色の気品ある花色は「高貴」な色として認知されており、また神秘的でミステリアスな印象も与えます。そのためワンランク上の印象を与えるエレガントなお庭や、幻想的な雰囲気が漂う優雅なお庭などにおすすめです。
- バブルガムブラスト(monarda ‘Bubblegum Blast’)は基部でよく枝分かれして、ふさふさとした草姿を作り、多数の薄桃色の花を咲かせます。薄桃色の花は「女性らしさ」「恋愛」「優しさ」等を象徴する色です。そのため恋心をくすぐる様なロマンチックなお庭や、繊細で心が癒されるような優しい雰囲気のお庭などによくあいます。草姿は直立して横へ広がる傾向があり高さ約40~60cmまで成長します。比較的に背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもよいでしょう。
- バルミー パープル(Monarda didyma ‘balmy purple’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は鮮やかな紫色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- バルミー ピンク(monarda didyma ‘balmy pink’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は柔らかな桃色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- バルミー ライラック(monarda didyma ‘balmy lilac’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は鮮やかな紫色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- バルミー ローズ(monarda didyma ‘balmy rose’)はコンパクトな草姿と、うどんこ病に強い性質をもつバルミー・シリーズの中の1品種です。花は濃い桃色をしており、コンパクトな草姿に対して花が大きく魅力的です。草姿は直立して高さ約30cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- ビーハッピー(Monarda didyma ‘bee happy’)は、その名前からも分かる通り蜜蜂や蝶々などの昆虫を惹き付ける高い魅力があり、うどんこ病に対して高い耐性があるビーユー・シリーズの中の1品種です。花は鮮やかな赤色もしくは濃い桃色をしており、遠くからでも強く目をひきつける魅力があります。草姿は直立して高さ約30~45cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- ビーブライト(Monarda didyma ‘bee bright’)は、その名前からも分かる通り蜜蜂や蝶々などの昆虫を惹き付ける高い魅力があり、うどんこ病に対して高い耐性があるビーユー・シリーズの中の1品種です。明るく清潔感を感じさせる白色の花は、上品な雰囲気のお庭などによくあいます。草姿は直立して高さ約30~45cmまで成長します。背が低くコンパクトな草姿をしているため鉢植えで育てやすく、また幾つかの苗を列状に並べて縁どり等に利用するのもおすすめです。
- スノーホワイト(monarda ‘snow white’)は優れた耐病性があるため、夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、白色の花が清潔感や明るい印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿は直立で高さ90~120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
- ブルームーン(monarda ‘blue moon’)は一般的なモナルダ(タイマツバナ)よりも背が低く高さが40~60cm程度しかありません。そのため鉢植えなどでも育てやすく、また基部でよく枝分かれするためふさふさとした草姿を作り多数の花を咲かせます。他にも耐病性が高く病気に強いため夏にうどんこ病等で株が弱りにくく、花は直径約7.5cmと大きく華やかで、紫色の花色が気品を感じさせる所などが魅力です。
- パノラマレッドシェード(monarda didyma ‘panorama red shades’)は種子から育てられ、遠くからでも強く目をひく色鮮やかな赤色の花色が魅力の園芸品種です。色鮮やかな赤色の花色は、エネルギーに満ちた太陽や、愛情や情熱を感じさせる真っ赤なハートを思い浮かばせてくれます。そのため、愛着を感じさせたりチャーミングな魅力を感じさせたりするお庭や、また様々な色(青色・黄色等)を組合せて作るカラフルなお庭等によくあうでしょう。草姿は直立で高さ120cmまで成長して、地下茎により広がり群生をつくります。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
モナルダの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
モナルダの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
モナルダ(タイマツバナ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
モナルダ(タイマツバナ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
モナルダ(タイマツバナ)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
モナルダ(タイマツバナ)は土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
モナルダ(タイマツバナ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向で育てる事が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
培養土
モナルダ(タイマツバナ)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
モナルダ(タイマツバナ)は湿り気のある土壌を好みます。乾燥にも比較的に耐えますが、生育は鈍くなるので注意が必要です。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。乾燥を防ぐために腐葉土等でマルチングするのもおすすめです。
肥料の与え方
モナルダ(タイマツバナ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
肥料の与えすぎは、葉が大きくなりすぎたり、花が少なくなったり、花が目立たなくなったりして、鑑賞価値が損なわれる可能性があります。そのため肥料の与え方には注意が必要です。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施すか、もしくは土の上に置き肥しましょう。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
モナルダ(タイマツバナ)は剪定せずに育てる事も出来ますが、花がら摘みを行うことで株が弱ることを防いだり開花期間を延長する事が出来ます。また春からの健康な成長を促すため古い茎(枯れた茎)を切り戻す事も大切です。
花がら摘み(6月~9月)
モナルダ(タイマツバナ)は種を採らない場合は花がら摘みを行いましょう。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種の生成のためにエネルギーが使われて次の花の蕾にエネルギーが送られずに開花が進まなかったりするからです。開花を促進するため、必要に応じて花がら摘みを行いましょう。
花がら摘みのやり方は、花が終わったら茎を1/4ほど切り戻し剪定するだけです。
切り戻し剪定(10~11月・2~3月)
モナルダ(タイマツバナ)は冬に地上部が枯れるため、晩秋もしくは早春に切り戻しを行います。何故なら枯れた茎葉を取り除く事で、病気の持ち越しを防げたり、日当たりが改善されて春からの新しい成長(新芽)が促されたりするからです。
切り戻し剪定のやり方は、冬になると地上部が枯れるため、古い茎もしくは枯れた茎を根元付近で強く切り戻して取り除くだけです。
夏越しする方法
モナルダ(タイマツバナ)は夏の暑さに強い一方で、乾燥を苦手にしています。そのため、地植えしてる場合でも土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行いましょう。特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
モナルダ(タイマツバナ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
モナルダ(タイマツバナ)は挿し木や株分けによって増やす事ができます。
モナルダ(タイマツバナ)の挿し木の方法
- モナルダ(タイマツバナ)の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
モナルダ(タイマツバナ)の株分け手順
- 株分け時期は春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い出来るだけ根が傷まないように慎重に株を掘りあげます。
- 根茎に数個の芽をつけるようにしてナイフやハサミ等を使い切り分けます。
- 株分けしたらそれぞれの株を植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
モナルダ(タイマツバナ)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約20度
発芽日数:約14日~21日
光条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
モナルダ(タイマツバナ)の病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
モナルダ(タイマツバナ)の害虫
- アブラムシ
- ヨトウムシ